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公的年金制度の理念・意義から【06】高齢者を社会的に扶養する仕組み


 一般社団法人 企業年金・個人年金教育者協会という団体のwebサイトに公的年金保険研究会というページがあり、すばらしい内容ですので1つずつご紹介しています。

 公的年金保険研究会

 前回はこちら → 【05】将来の経済状況に見合った額
 第6回目もいつも通りいくつか抜粋して紹介しコメントを書きます。

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■公的年金制度の理念・意義から
06.公的年金保険は社会的扶養の仕組みであること(私的扶養の限界)

・扶養とは「自立して生きていくのが難しい人を援助する」という意味
 私的扶養とは、高齢者や障害者など働くことのできない人を、その子や家族・ 親族で養うこと。私的扶養は、自分で自分の家族を支える仕組み
 社会的扶養は、働くことのできない人を社会全体で支え合うという仕組み p1

・公的年金保険があってもなくても、働けなくなって収入等のない高齢者は誰かが扶養する必要がある p1

・現役世代は、年金保険料を納めることで親の生活を心配することなく生活ができ、高齢者は、公的年金によって、自分の子どもに過度な負担をかけず、経済的に自立した生活が送ることができる p1


・子や家族に援助してもらうこと、つまり私的に扶養してもらうことについては、子や家族の経済的負担にもなる p2

・これは、社会的な仕送り方式ともいえる p3

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 シラバス04はA4サイズで5ページ分です。
 タイトルにある「私的扶養の限界」と社会的扶養の重要性が理解できます。

 この「賦課方式」の理解がなく公的年金保険に対してマイナスのイメージしか持っていない人が「保険料を返してほしい」と言っているように感じます。これは積み立てているという勘違いが根幹にあるからではないでしょうか。
 払ったお金はすでに今の受給者が受け取っているわけです。国からではなく受け取った受給者から返してもらう必要が出てきます。なお、受給者とは高齢者だけではありません。障害年金を受け取っている人、遺族年金を受け取っている若い世代もいます。現実的ではないことを理解してもらえますし、その意義をイメージしやすいと思うんです。

 だから公的年金保険についてマイナスな発言をしている人が悪いかと聞かれれば、決してそんなことないです。学ぶ機会がなかったわけですから致し方のないことです。これを機会に知ることができれば良いんです。
 ただし、悪くないのは一般の人に限ります。各種専門家やメディアが同じ論調だったらまずいです。これは「悪」です。正してもらわないといけません。

 社会の構造が昔とは違っています。昔というのは数十年のレベルではなく、戦前とかそれより以前です。
 老齢年金でいえば高齢者の扶養が社会化されているんです。これは公的な保障としての公的年金保険(の老齢年金)を理解するうえでめちゃめちゃ重要な前提です。


<過去参照記事>
今まで負担した分は返してもらう?今後の強制徴収もやめてもらいたい?
人口減少社会での社会保障のあるべき姿【第6章】灌漑施設としての再分配政策

 次回はシラバス07.「公的年金保険が「積立方式」ではなく、「賦課方式」を採用していること その歴史的・社会的意義からの理由」です。



「金融機関での活用」に限らない


 2020年11月某日に全国紙で一面広告が出ていました。

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未来の「安心」を共につくる


 よいと思います。
 

国家資格であるファイナンシャル・プランニング(FP)技能士資格は、全国の金融機関で活用され


 でも、これはあんまり好きじゃないです。
 間違ってないんですけれど、この広告は資格を管轄している団体が出しています。銀行業協会などではないんです。FP資格は金融機関だけで活用されているんじゃないんです。

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 ↑こちらをクリックすればもう少し大きな画像で表示されます。

 でも、この広告に登場しておられる6名は全員が銀行の職員さんです。
 結果的に金融取引につながらないと売上にならない立場の方々です。もちろんそれが悪いとか良くないとかではなく、FP資格保有者はその立場に限っているわけではありません。

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 私がFP技能士3級を取得したのは2007年、同2級は2008年です。全体で30~40万人の時代だったようです。

 今は140万人超。2010年から3級講座の講師を務めていますので、このうちわずかではありますが、取得者のバックアップをさせていただいています。それはそれで感慨深いです。

 「金融機関での活用」に限らないFP資格をたくさんの人に知ってもらいたいです。


使うものには使う


 今月中旬の相談対応のまとめ(抜粋)です。

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 宇治市のYさんのお宅を訪問。年1回の定期訪問も早いもので4回目です。

 老齢年金受給に関すること、この1年で届いた金融機関や役所からの書類の整理、そして近況をお聞かせいただき、確認いただいていました預貯金残高を反映し家計の資産表を更新しました。

 予定されていた1つの大きな支出があり、全体としては年間の収支マイナスが大きく見えてしまいますが、実質的な数字は予定通りですので何も問題ありません。順調な1年で安心しました。
 使うものには使う、複雑な金融商品をはじめとしてよくわからないものは買わない、この2つがたいせつなのは間違いありません。

 Yさん、ありがとうございました!!
 引き続きよろしくお願いします!! 


 <京極・出町FP相談オフィシャルサイト> 継続フォロー(相談完了後)
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 右京区のNさんご夫妻が事務所へお越しくださいました。

 ご両親のつながりから大手生命保険会社から提案を受け、友人の紹介でいわゆる来店型保険ショップで提案を受け、ネットでファイナンシャルプランナー(FP)の無料相談を探して提案を受け、よくわからなくなって有料のFP相談を探されたという経緯です。まずは何よりも本当にここまでお疲れさまでしたとお伝えしました。
 結論から言って、最終的に選択するのはご夫婦です。ただ、これまで受けてこられた3つの提案は商品は違えど、すべてが「金融商品(生命保険)を最大限に活用する」ものでしたので、「必要最小限の活用」を知っていただくのが私の役割です。

 死亡保障は遺族年金・団体信用生命保険・勤務先の福利厚生を知り、医療保障は高額療養費・傷病手当金・緊急予備資金を知り、近い将来と遠い将来の資金見通しを一緒に確認し、その対処法として生命保険が最も優れているのか他に選択肢はあるのかを一緒に考えました。
 自由度をどのように考えるのか、これに尽きるように感じる次第です。

 Nさん、奥さま、ありがとうございました!!
 引き続きよろしくお願いします!! 


 <京極・出町FP相談オフィシャルサイト> ご相談の流れ(初回相談)
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 第3波のようです。
 ツイッターで医療関係者の方々の投稿を見ていると、特に大阪と東京の重症者が増えてギリギリの状況のようです。

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 こちらをクリックすると、もう少し大きな画像で表示されます。
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 内閣官房のサイトで公開されていたこの内容(PDFファイル注意)に尽きるのかなと感じます。皆さま、ご自愛くださいませ。


 25(水)資料作成没頭日です。
 26(木)訪問相談対応2件お受けします。

 ご参照ください。
 【特別対応】初回相談からSkypeでお受けできます



「コツコツ投資家がコツコツ集まるin京都vol.24」開催報告です。


 「コツコツ投資家がコツコツ集まるin京都vol.24」開催報告です。
 1年ぶり24回目はこんなご時世ですので初めてお昼に会議室で開催しました。

 201122_会場

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 日時 2020/11/22(日)13:30~16:30
 会場 ウイングス京都 2階 会議室3

 7名の参加がありました。内訳です。
 ・初参加 2名
 ・コツコツ大阪主催者 1名(9回参加者)
 ・コツコツ京都オフィシャルサポーター 2名(21回・15回参加者)
 ・主催者 2名
 「複数回参加制限」のルールを設定して7回目の開催です。(詳細は告知サイトをご覧ください)


 2011年11月に第1回目を開催したコツコツ京都の初期のころを思い出す人数で、しかもずっとみんなで1つの話題を共有できたのが懐かしく、飲み会だと主催者やオフィシャルサポーターは席がばらけるのが今回は違ったので、なんだか新鮮で楽しい時間となりました。

 201122_自己紹介を兼ねて

 毎回同じことを書きますが、コツコツ京都では最初は自己紹介も兼ねて、投資を始めたきっかけやコツコツの会を知ったきっかけ、今気になっていることなどを順番にお話しいただくところから始めています。誰か1人の独演会になってしまわないよう最初の注意事項としてお話させてもらっています。

 次のような話題でした。

・情報源は水瀬ケンイチさんのブログ
・付き合いのある銀行で投資信託を勧められ、本当に買って大丈夫なのか不安になってネット検索しこの会にたどりついた
・目論見書のチェックポイント、インデックスとアクティブの違い、販売手数料・運用管理費用(信託報酬)・信託財産留保額を確認
・コアとサテライトの考え方
・サテライトはどんな商品を持っているか
・REITはどう思うか
・金(gold)はどう思うか
・個別のアクティブファンドはどう思うか(商品名はあえて書かないことにします)
・暗号資産との付き合い方
・鬼滅の刃とマーケティング

 コツコツの会は京都に限らず、「iDeCoやNISAの名前は見たことあるけど全然よくわからない」「投資信託の手数料って?」というような、まさに調べ始めたところや調べてみようと思っているというの方々が参加くださって何も問題ありません。
 皆さん本当に丁寧に教えてくれると思いますし、人に話をすることで自分自身の考え方を整理できたりする面もありますからお互いにとって良いことだと感じます。

 ご参考までに今回ご紹介した参考図書です。

 201122_参考図書

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 今回は和菓子を用意しました。

 201122_和菓子

 出町ふたばさんの豆餅とよもぎ団子です。好評で良かったです。

 食べてる人は話すの厳禁、入口ドアと奥の窓は開け放ち換気扇も常にまわして、開始前の手洗いをお願いし、皆さんのご協力のもとでの開催となりました。

 定員は12名にしていましたが、今回の参加は7名で今後も同じ形式で開催する場合には会場的にこのくらい(定員8名?)が密になりすぎず良い感じだと感じました。
 次回は春以降の暖かくなった時期に検討ということで今回はお開きとなりました。


 コツコツの会の全国情報は「コツコツ投資家がコツコツ集まるファンページ」をぜひチェックください。

 ご参加くださいました皆さま、オフィシャルサポーターさん、元共同開催者の @pocky さん、主催を一緒に務めている @yanataku さん、ありがとうございました!!!



公的年金制度の理念・意義から【05】将来の経済状況に見合った額


 一般社団法人 企業年金・個人年金教育者協会という団体のwebサイトに公的年金保険研究会というページがあり、すばらしい内容ですので1つずつご紹介しています。

 公的年金保険研究会

 前回はこちら → 【04】公的年金保険には障害年金と遺族年金もある
 第5回目もいつも通りいくつか抜粋して紹介しコメントを書きます。

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■公的年金制度の理念・意義から
05.公的年金保険は生きている限り、将来の経済状況に見合った額を受け取れること(個人の貯蓄では難しいこと)

・自分がどれくらい長生きするのか誰にもわからない。わからないことに対して自分で全てを準備することは難しい。自分で準備できないことを社会全体で支え合い備えるための制度として、公的年金保険がある p1

・公的年金保険が、亡くなるまで受給できるということによって、現役時代に過度な貯蓄を行う必要もなくなるし、長生きして生活資金がなくなるという事態に備えることができる p1


・50年後の物価や賃金の変動は予測できない。公的年金保険は、受給する時の経済社会の状況に見合った実質的な価値に配慮した年金を支給する p1

・社会全体の仕送り方式により、物価や賃金が急に上がっても、その状況に合わせた年金額を受給できる p1


・老後への不安から現役時代に過度な貯蓄をしようとすると、若い時の消費を抑えてしまう可能性がある p2

・これは自分に限ったことではない。自分の両親が公的年金を受給していれば、まずは一定の安心が得られるはずである p2

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 シラバス04はA4サイズで5ページ分です。
 とりあえずタイトルに「個人の貯蓄では難しいこと」が含まれているのが秀逸です。

 確実にしっかりしたインフレが将来において起こるのかどうかは私にはわかりません。でも、「受給する時の経済社会の状況に見合った実質的な価値に配慮した年金を支給」この仕組みは大事すぎます。
 例えば20代で働き始めて80代や90代で使うお金は60年も70年も先です。今から70年前は1950年、戦後です。70年先を見据えることなど(私を含む)普通の人には不可能な話です。


 初めてつっこみます。p4に解説のあるマクロ経済スライドの件。

今後は、仕送り側(支え手側)の人達を増やしていくことも重要である。女性だけでなく、高齢者であっても働けるうちはなるべく長く働くことによって、支えられる側から支える側(支え手側)にまわるということで、この超少子高齢化社会において、公的年金保険制度の持続性と給付の十分性の両方を保てるよう取り組んでいく必要がある


 この文章は少しよろしくないです。この文章へのつっこみはシラバス03で書いた内容と同じです。
 「支え手を増やす」という論調はわかっていない人だと判断できる表現です。もちろん今回一連の執筆者がそれをわかっていないことは考えられません。流れ上そうなってしまったのだと推察しますが、正しくは「しっかりとした保障の傘に入る人を増やす」です。
 皆さま、どうぞよろしくお願いいたします。

 <過去参照記事> 各家計に置き換えると考えやすい


 次回はシラバス06.「公的年金保険は社会的扶養の仕組みであること(私的扶養の限界)」です。