夫婦のおこづかい


 夫婦のおこづかいと聞いてどんなイメージがありますでしょうか。
 夫3万円・妻2万円、もっと増やしてほしい・もっと減らせないのか、例えばこんな感じでしょうか。

 ニュース記事をご紹介します。
 既婚者のおこづかいは月平均2万9,503円 - 6年ぶりに増加
 2016年11月です。ちょっと古くてすみません。

 元データはこちらです。
 明治安田生命 「いい夫婦の日」に関するアンケート調査を実施! 2016/11/16
 ※ PDFファイル注意

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 アンケート結果から抜粋します。

 おこづかい【夫】
 ・平均 34950円
 ・20代 29496円
 ・30代 33007円
 ・40代 37714円
 ・50代 39769円

 おこづかい【妻】
 ・平均 24056円
 ・20代 22854円
 ・30代 20043円
 ・40代 22927円
 ・50代 30530円

 ランチ代【夫】
 ・平均  703円(60代と70代を含む)
 ・20代  657円
 ・30代  602円
 ・40代  683円
 ・50代  668円

 おこづかい【妻】
 ・平均 1082円(60代と70代を含む)
 ・20代  862円
 ・30代  959円
 ・40代  967円
 ・50代 1115円

 メディアで目にする平均の数字は、全体の平均であることが多いです。年代によって異なることは元データを探るしかありません。

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 これを見て「じゃあうちも平均に合わせて…」「もっと下げられる…」「いや反対に増やしても大丈夫?」というのはあまりお勧めできることではありません。

 「月に自由に使えるお金」と説明もありますが、注意が必要なのは統一されている条件が「既婚者」というだけだからです。

 ・共働きなのか方働きなのか
 ・世帯年収の幅
 ・おこづかいにランチ代が含まれているのか含まれていないのか
 ・子どもの有無・年齢帯
 ・持ち家か賃貸かなど、住居費の程度
 ・現在の貯蓄額と今後の推移
 
 その他、支出の状況なども家庭それぞれまちまちです。


 決められた金額だからその範囲であれば全部使ってしまっても問題ないと考えてしまったり、少し足りなかったことで得られなかった情報や経験や機会が存在するかもしれないことがあれば、それらのほうが家計(や家族・夫婦関係)に与える影響は大きいのではないかと感じることがあります。

 おこづかいに限った話ではありませんけれど、明らかに必要性が高くなく納得感の弱いものへの頻度の高い支出は勧められることではありません。もちろん必要性や納得感は人それぞれ夫婦でも大きく異なることも多いですし、その違いの範囲で使える金額がおこづかいだというとらえ方もあるかと思います。


 平均はあくまでも平均です。目安にするのは否定しませんが、ご自身やご夫婦に当てはめる際にはよくよく考慮が必要です。

 ただし、深く考える手間や時間がもったいないので、おおよそで大丈夫という考え方も(ケースにもよりますが)私は問題ないと思っています。実際の相談対応におきましても、厳密な根拠を求められた際「この範囲なら大丈夫だと思いますよ」というアドバイスになってしまうことがほとんどです。


 大事なのは月の収支よりも年間の収支であり、将来を見据えた見通しです。最近の記事「家計簿アプリ、あまりお勧めしていませんし使っていません」でもご紹介しました通り、家計においてはまず全体の把握が大前提です。



8人と36億7500万人


 こんなニュースが出ていました。
 36億人分の資産=富豪上位8人 NGO、貧富の格差拡大警告

 数字を取り上げてみます。
 ・8人の資産が計4260億ドル(約48兆7千億円)
 ・世界人口のうち経済的に恵まれていない半分に当たる36億7500万人

 仮にこの8人の全資産を36億7500万人に再分配しても、1人あたりが受け取れるのは約13250円です。
 約37億人という膨大な数に驚かされるのと同時に、73.5億分の8は0.0000001088%ですから約10億分の1というとてつもない確率とたった8人のこの方々の稼ぎ力とでも言うのでしょうか。想像もつかないです。


 ・世界人口73億5千万人の上位1%の収入の増加幅は182倍

 73.5億人の1%は7350万人ですからこれだけの人数の収入が1988年から2011年にかけて182倍ですか…。年収500万円の人だと9.1億円になるのが182倍の意味するところですが、こういった年収帯がそんなことになるわけではありませんし、1%と言ってもさらにその中の飛び抜けて大きく増やした方々が平均を押し上げているのでしょうから、富は集まるところだけに集まり続けるということなのでしょうね。

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 こちらのリンク先のグラフも興味深いです。

 特集名は「グローバル化という巨象」、1988年~2008年の実質所得の変化だそうです。

 世界の家計所得で上位10~20%の位置づけとなる「先進国の中・低所得者層」の所得の増え方はおおよそ0~5%です。1988年までの20年、さらにその前の20年などではこの層が大きく増えていたんでしょうね。時代の変化ですよね。

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 私が日々相談をお受けしている中でキャッシュフロー表(CF表)というお金の見込推移をまとめる資料を作るケースもありますが、「収入は現状維持で」「若干増えるかな」といった見通しのケースがほとんどです。
 自営業や経営者であっても「〇年後に倍で」といった予測(希望?)が出てくることはありません。

 もちろん私の相談スタイルからそういった方々が足を運んでくださることがないと言われればその通りかもしれません。私自身も急激に大きく収入(売上)が増えていくことはイメージできない相談・講師業です。

 夢がないと言われればそれもその通りですし、夢を語るのは大事なことだとは思いますが、こんな時代だからこそ手に手を取り合って少しずつでも「増やしていきたい」ですし、増やしていっていただけるよう家計管理から少しでも不安や疑問を感じないアドバイスができればと思っています。


 やっぱりお勧めしたいのはこのコラムです。
 ファイナンシャルプランナー(FP)の役割とは
 いつも通りの案内で失礼します。


”各分野の専門家が伝える 子どもを守るために知っておきたいこと”読みました。


 ”各分野の専門家が伝える 子どもを守るために知っておきたいこと”(2016年7月25日 第1刷)を読みました。

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 著者は13名の専門家の方々です。13名の内訳はこちらをご覧ください。

 この本を知ったきっかけはツイッターです。ツイッターでは信頼性が高く有益な情報を発信されていると私が感じている医療関係者の方々を現時点で80数名フォローしていまして、今回の本の著者13名中5名をフォローしています。
 幅広く、そしてわかりやすく取り上げられている印象を持てましたので手に取りました。


 いつも通り、アウトプットとしていくつかポイントを引用させていただいての所感を書くスタイルです。当然ながら引用部は私の独断と偏見によるものです。

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■はじめに
■番外編
■おわりに

・妊婦さんや患者さんたちから「知り合いから言われたのですが本当ですか?」とたずねられるものの大半は、残念ながら眉唾ものです。 p3
・子育てサイトには、専門家への取材もせず、監修も受けず、根拠のない適当な記事を量産しているところが多く、むしろ親たちを混乱させています。 p3
・子どもは、大人たちが取捨選択する過程に口を出すことはできず、選択を受け入れることしかできないのです。(中略)健康被害やなんらかの不利益をこうむるのは、子どもたちです。 p5

・希望と事実は違います。(中略)特に体験談には要注意。(中略)万能なものなんてありません。(中略)脅かすような話も要注意。脅かしておいて、何かを売りつける。そんな悪い商売をしている人もたくさんいます。 p189


 私の専門分野は医療や教育ではありません。
 でも、考え方はお金に関わることとも同じなのだと感じました。
 裏技のようなことは基本的に存在しないのが正常な世の中だと信じています。


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■第1章 育児
■第2章 医学
■第3章 食


 項目によっては書き出したくもないニセ医学のことも取り上げられています。きちんと論破されていますので、下にはりました本のリンク先を見て気になる項目があるようでしたらぜひぜひ手に取ってもらいたいです。

 私もこうしてblogで発信し、ツイッターやfacebookというSNSを活用しているわけですが、書き出したくもない内容というのはwebやSNSがあるからこそここまで広がってしまったのだと感じます。もちろん何の疑問も抱かずに(例えば公的なもの)すべてを信じるというのは必ずしも褒められたものではないのかもしれません。

 でも、その疑問を持った時に調べるのはインターネットであることが多いと思いますし、そのインターネットにはさも正しいかのような非科学的な情報があふれかえっていて、そういった情報のほうが受け入れやすい文章でかつ正しいものが怪しいものだと書かれていたりします。

 そういった情報を信じてしまう方々は、そもそも「科学的に信頼性の高い」という表現を受け入れられない傾向にあるようにも感じます。その科学は作られたもので、信じられないという論調です。本当に悩ましいです。


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■第4章 教育

 
 この章は歴史であったり、現代社会に配慮した考え方とでもいうのでしょうか。他の章とは異なる部分です。

 根拠は知らないし何となく変だなとは感じるけれど、それが当たり前になってしまっていることって世の中にたくさんあると思います。そのうちのいくつか代表的なものが挙げられているのだと思いますが、幸いなことに私の生活してきた中では1つも耳にしたことはありません。ただし、ネットでは目にします。だからこそこうして取り上げられているのでしょうね…


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 なお、ここでこうして書いている内容自体も、発信媒体としては信頼性の低い情報と同じです。

 取捨選択する力が大事なのだと思いますが、あまりにもでたらめな情報が多く出回っているのも事実です。この本で書かれていることこそがでたらめだという人も残念ながらおられますし、専門家の肩書や資格を持っている人でもその論調のケースがあります。
 webやSNSによってそういった方々の発信力が強まってしまったことは悪害と言っても良いと思います。でも、そのwebやSNSによってこうして知っていただける機会もあるわけですから、難しい世の中だとつくづく感じます。


 このblogを書いているタイミングで、ちょうど最新のコラムが発信されていましたのでご紹介します。「はじめに」を書かれている産婦人科医の宋 美玄(そん みひょん)さんのコラムです。
 トンデモ情報の寄せ集め? コラムサイトにご用心



<過去参照blog> ”「ニセ医学」に騙されないために ~危険な反医療論や治療法、健康法から身を守る~”読みました。

 長文を読んでくださり、ありがとうございました。


影響を緩和する1110億円を配るために373億円かかる


 ちょっとしたことなのですが、書いておきます。
 数字をまずはわかりやすい単位に変えています。

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 14万8300円持っている人がいます。これを何人かに配ってくれることになりました。 
 対象は今の収入が少ない人です。たくさん預貯金を持っている人も、まったく預貯金を持っていない人もいますが、それは把握できないのであくまでも基準は「今の収入」です。

 配る人にも諸々の経費と手間(人件費)が掛かります。
 14万8300円のうち37300円掛かることになりました。残額は11万1000円です。
 元々の額から4分の1、約25%が減ってしまいました。

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 実際には総額1483億円・経費373億円・給付される額1110億円の話でして、平成28年度の臨時福祉給付金と障害・遺族年金受給者向け給付金です。

 そんなにも大きな経費が掛かるくらいなら他の事業にという考え方もありますが、どこに分配するにしても人の手はかかりますから劇的に経費を減らすというのは難しいのかもしれません。とはいえ元々存在している事業の予算を積み増すだけであれば、かなり経費率は低くすむケースもありそうです。


 住民税が非課税の方々(課税者に扶養されている人や生活保護の受給者は除く)には1人につき3000円(1回限り)、そのなかでも障害基礎年金または遺族基礎年金を受給している方々には1人につき30000円(1回限り)を受け取ることができます。

 先日とある相談者さんに見せていただいたのですが、返信用の封筒は料金受取人払でした。事業者(今回で言えば国)が負担してくれるのです。3000円受け取るために82円の切手を貼っていてはそれだけで経費2.7%もかかりますものね。事業費は100%国が負担する制度ですのでこういったところでも行き届いています。


 身近なところでは児童手当。0~2歳は月1.5万円、第1子・第2子が3歳から小学校卒業までは月1万円、同じ時期の第3子は月1.5万円、中学生は月1万円(他に所得制限あり)。

 額は違いますが、毎年の状況確認の書類は受け取る側が切手を貼る必要があります。児童手当の事業費がどれくらいかはあまりきちんと探しませんでしたのでわかりませんが、そもそも財源からして国・地方・企業にわかれていますので、臨時給付金のような大判振る舞いとはいかないとは思います。

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 国の目的は「低所得者に対し、消費税率引き上げによる影響を緩和するため」です。

 今回の1人3000円の給付、例えば仮に私の家族が受け取れるなら5人で15000円です。
 児童手当と同じように口座に振り込まれるでしょうから、よほどきっちり把握していない限り生活費と同じ扱いになってしまう人が多いように感じます。

 残高の減り方が若干緩和されたかなというレベルであり、何か大きな買い物をして景気対策という意味合いではないでしょう。


 繰り返します。国の目的は「低所得者に対し、消費税率引き上げによる影響を緩和するため」です。影響を緩和する1110億円を配るために373億円かかるんです。

 政(まつりごと)を私も含めた一般の生活者が理解するのは本当に難解です。
 
 受け取れるものはさっさと手続きを済ませて受け取ってしまい、もっと大きな視点で生活費や将来のお金のことを考えるきっかけになるように願っています。


 参照資料(いずれもPDFファイル)
 ・年金生活者等支援臨時福祉給付金の概要・平成28年度の簡素な給付措置(臨時福祉給付金)の概要
 ・平成28年度における児童手当制度について

 余談:児童手当は2015年度の給付予算総額2兆2299億円から少子化の影響ですよね、2016年は2兆2216億円です。差額83億円が子どもたちのために使われる予算にまわっていることを願うばかりです。



2015年の平均寿命・平均余命・生存割合


 7月27日に平成27年(2015年)の簡易生命表が厚生労働省より発表されました。

 いわゆる平均寿命のデータです。
 0歳で生まれた赤ちゃんが平均して何年生きるのかをデータ化したものが平均寿命であり、言い替えると平均寿命とは0歳における平均余命です。
 
 女性の平均寿命は87.05歳、男性の平均寿命は80.79歳です。
 平成26年(2014年)に比べてそれぞれ、+0.22歳と+0.24歳です。
 着実に伸びてます。世界でもトップクラスの長寿国であることに間違いありません。

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 私がいつもチェックしているのは平均寿命ではなく「平均余命」です。
 いくつかデータを出してみます。

 女性
 ・60歳 28.83 → 88歳10ヶ月
 ・70歳 19.92 → 89歳11ヶ月
 ・80歳 11.79 → 91歳 9ヶ月
 ・90歳  5.70 → 95歳 8ヶ月

 男性
 ・60歳 23.55 → 83歳 7ヶ月
 ・70歳 15.64 → 85歳 8ヶ月
 ・80歳  8.89 → 88歳11ヶ月
 ・90歳  4.38 → 94歳 5ヶ月
 
 60歳まで生きてきた女性は平均してあと28.83年生きるという意味合いです。
 足し合わせると約88歳10ヶ月です。

 平均寿命では女性と男性で6.26歳差がありますが、60歳では5.28歳、70歳では4.28歳、80歳では2.90歳、90歳では1.32歳です。差がどんどん縮まります。
 このことにより、長生きをすればするほどに男性も女性と同じように長生きする、というように読み取れるかと思います。

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 次に「生存割合」というデータを見てみます。

 女性
 ・60歳 95.968
 ・70歳 91.666
 ・80歳 80.891
 ・90歳 49.072
 ・95歳 24.950
 ・100歳 7.368

 男性
 ・60歳 92.629
 ・70歳 82.928
 ・80歳 62.644
 ・90歳 25.040
 ・95歳  9.045
 ・100歳 1.847 

 女性は100人中96人が60歳以上生きます。男性は100人中93人です。

 この数値を逆に見れば、100人中50人(2人に1人)になるのは、男性が84歳、女性はなんと90歳です。
 女性は2人に1人が90歳まで生きる時代です。

 ちなみに男性は4人に1人が90歳まで、10人に1人が95歳まで生きます。女性の4人に1人は95歳まで、10人に1人は99歳まで生きます。
 
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 「人生80年」という表現は平均寿命が元になっているかと思います。
 おおよそですが平均寿命が80歳に近かったのは女性が1980~1990年、男性は今まさこの数年からです。

 平均余命と生存割合のデータからは「人生90年」という表現でも言いすぎではないでしょう。


 長生きを不安だと思うのか、自由な時間をたくさん持てるのでワクワクするのかは人それぞれです。不安をあおるのは個人的に好きではありません。

 でも、一度でいいので将来のことを考えてみてもらいたい。
 そのことだけは強くお伝えしたいです。
 
 たくさんのわからないことが思い浮かんでくると思います。
 何から考えて良いのか想像もつかないという話は実際の相談でよく伺いますし、何がわからないのかがわからない状況かもしれません。


 将来のお金のことを考えるのであれば、その基礎となるのは公的年金です。
 公的年金の話をきちんと考えずに、お金がどのくらい足りないとか金融商品の購入を検討しないといけないなんて考えられないです。

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 すみません、最後は結局、相談してもらうか今月から始める自主開催セミナーをお勧めすることになってしまいます。(ポジショントークが露骨で申し訳ありません)

 年金に関しては、もう5年も前ですが2011年に15回シリーズでコラムにまとめています。
 「ねんきん定期便」を見てみよう!【もくじ】

 数字など古い内容もそのままなので申し訳ないのですが、相談もセミナーもハードルが高かったりするとこちらが最大限にお勧めです。