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”医学生・若手医師のための誰も教えてくれなかったおカネの話”読みました。

 
 ”医学生・若手医師のための誰も教えてくれなかったおカネの話”(2019年3月5日 第1版第2刷)を読みました。

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 著者は匿名医師の Dr.K 氏。私はもちろん面識がありません。日経メディカルオンラインで「医師のためのバリュー投資戦術」という連載を持っておられます。ツイッターの情報によると @Invesdoctor さんのことらしいのですが、いずれにしても匿名・ハンドルネームですのでよくわかりません。


 私の地元・事務所の立地的にいくつもの大学病院と大病院があり、医師・看護師をはじめとした医療関係者の方々から相談の依頼をいただく機会が何度もあります。また、精巣腫瘍の患者会でアドバイザーを務めているご縁から医療関係の情報にもアンテナが高くなっていまして、医師を中心としてツイッターでも多くの方々をフォローしています。
 という背景があってこの本の情報が目に入り、読んでみました次第です。


 いつも通り、アウトプットとしていくつかポイントを引用させていただいての所感を書くスタイルです。当然ながら引用部は私の独断と偏見によるものです。

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■はじめに
■おわりに

・だから、この本を読んでいる人は、今すぐにでも投資の勉強を始めてください。10年、20年たてば、別世界が待っています。 p3
・お金よりも患者を診よ。 p231


 良い悪いではなく、投資の中でも株式投資に偏っておられる方針の著者です。本のタイトルは「おカネの話」ですから幅広く取り上げておられますが、株式投資に対するスタンス以外は著者の個人的な偏りを強く感じます。なので1つひとつ順番に指摘させていただこうと思います。

 とはいえ、これから医師をめざす方々や医師になりたての方々に向けた「医師ならではの情報」は他のお金の話と絡ませているからこそ伝わりやすくなっているのだと思いますし、「お金のせいで医師としてのプロフェッショナリズムが維持できないなら、お金のことを考えるのやめてください(p231)」と至極真っ当なスタンスです。ですので僭越ながらブログで紹介させていただこうと思いました次第です。


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■1.収入編

・この源泉徴収票を見ると税金として社会保険料158万1,524円、源泉徴収税146万2,832円、すなわち約300万円が税金としてとられていることがわかります p20

・私は、医師としてのやりがいではなく、家族と収入を優先させました(中略)現在医師を続けるいちばんの理由は「お金のため」なのです p29

・あえて斜め上からの目線で、医局というものを「生涯収入」という視点で試算した結果もご覧いただきたいと思います p41


 p116でも「400万円くらい税金として支払っている」として「内訳は社会保険料、所得税、住民税」と書かれています。税と著者自身が仕事(医師)として関わっておられる公的医療保険も含めた社会保険料はまったく位置づけが異なるものですが、ひとくくりに「税」とされています。これは本の体裁上などの言い回しではよろしくない書き方です。社会保険と税はまったく異なります。


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■2.支出編

・キャッシュフロー表をつくる p75~


 「一度キャッシュフロー表を作ってみるとよいでしょう」と、さらっと書かれています。日本FP協会webサイトにある書式・項目を使ってサンプルも掲載されています。
 サンプルのように5年後など直近の教育費のやりくりだけに答えが出れば良い目的であれば比較的容易に作成が可能かもしれません。いえ、それでも難易度は相当に高いと感じるケースをこれまで何度も目にしています。支出の積み上げでは正確なキャッシュフロー(CF)表の作成は難しいと思います。遠い将来(いわゆる老後)の資金計画であれば公的年金保険(老齢給付)の試算も必須です。このあたりを実際に知っていれば簡単に「CF表を作ってみよう」とは言えないと日々感じます。

 作ってみようと思われる皆さまを大応援ですけれど、作成をファイナンシャルプランナー(FP)に外注するのは検討に値する選択肢だとポジショントークを書いておきます。
 <京極・出町FP相談オフィシャルサイト> ライフプラン・支出をすっきり


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■3.節税編

・節税を知らずして収入を語るべからず p114~

・そもそも年金とは p137~

・(iDeCoは)職場に一枚かんでもらう必要があります p145~


 扶養控除に触れておられますが、16歳以上38万円控除だけ書かれていて医学生であれば19歳以上23歳未満の特定扶養63万円も関わるのに一切触れられていなかったことが気になりました。

 勤務医(会社員)の「厚生年金」と開業医(自営業)の国民年金の上乗せである「国民年金基金」を並列で「2階部分」とされています。公的年金保険といわゆる私的年金を並列で語るのは平易な理解を妨げる要因だといつも感じます。

 p141で取り上げておられる「支給開始年齢の引き上げ」について、公的な会議で取り上げられいて現在の65歳ではなく67~70歳に引き上げ決定の可能性が高いなどと書かれていますが、これはまったくもって間違っています。こんな議論は存在しません。報道の見出しレベルの理解もしくは週刊誌レベルの内容で、公的年金保険に詳しい専門家からすれば「デマ」に分類されてしまうほどのひどい認識です。直球で書くと、ご存じないことを推測で取り上げないことをお願いしたいです。

 p145でiDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金を個人払込み(口座引き落とし)ではなく企業(勤務先)払込み(給与天引き)にすれば「社会保険料が折半されて病院(職場)にもメリットがあります」と書かれていますが、これは「選択制DC」のことと混同されています。iDeCoではこのようなことはありません。ご注意ください。


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■4.資産運用編

・リスクの正体が見えないことが問題である p151~

・不勉強かつ狼狽(ろうばい)しやすい性格の人は、いかなる資産運用にも不向きといえます。オイルショックでトイレットペーパーを買い占めるような人は、投資に向いていません p158

・株式投資のデメリット② 継続的に勉強が必要である p183~


 得意でおられる内容ということがよくわかります。医師としての特徴的な例を出して解説されている内容は唯一無二の本ではないでしょうか。
 他に表現が出てこなかったので、そのまま書きます。とても読みやすく、おもしろかったです。語彙力がなくてすみません。


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■5.保険編

・医師賠償責任保険に入るべきか p188~

・日本は手厚い制度に恵まれている p198~

・生命保険に入るべきか p201~


 医師賠償責任保険を9ページに渡って解説されています。良いです。

 医療に関しては公的な保障である健康保険の高額療養費や傷病手当金にも触れておられます。
 でも、生命保険に関しては公的な保障である公的年金保険の遺族給付(遺族年金)は言葉も出てきません。FPや社労士ではありませんから仕方ないと言えばそれまでですけれど、「お金全般」の専門家ではないことでの偏りのマイナス面だと感じます。


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■6.その他編

・他人からの儲け話は信じない p223~

・あなたの選ぶ診療科は本当にそれでよいか p227~


 いわゆるリテラシーや働き方・生き方が書かれています。
 医業の視点が興味深いです。


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 この本は「医学生・若手医師のための」と書かれていますが、医療関係者ではない配偶者が医療関係のことを知るために読みやすい本(ただし、株式投資の部分は除外)という視点が良いのではと感じました。


 注意点は私がこの記事で書いてきました指摘事項の数々です。株式投資に限った内容ではなく幅広い「おカネの話」にされるのであれば、監修者もしくは名前を出さなくても内容確認者として専門家に依頼されるべきだということです。
 医師であればご自身の専門以外の専門科について軽々しく発言することの怖さをご存じに違いありません。それと同じ扱いだと思ってもらいたいんです。お金の話は医療ほどに複雑ではありません(私の主観です)。でも、公的な仕組みや幅広い全体の話というのは何か1つ得意なことがあるから語れるという簡単なものではありません。

 

 金融機関や金融商品の選択をはじめ、投資や運用は自己責任でお願いします。
 長文をお読みくださり、ありがとうございました。


”お金儲けは「インド式」に学べ!”読みました。


 ”お金儲けは「インド式」に学べ!”(2019年6月1日 第1刷発行)を読みました。

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 著者は公認会計士・税理士の野瀬 大樹さん。ツイッターはこちら
 本の感想は硬めの内容を書くことが多いのですが、今回は気楽な本です。野瀬さんごめん(笑)飲み仲間なので許してください。


 いつも通り、アウトプットとしていくつかポイントを引用させていただいての所感を書くスタイルです。

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■はじめに
■おわりに

 遠い国の世界のはずが、比較的身近な人(野瀬さん)が常にインドから情報発信してくれているおかげで「世界は広い」をいつも実感できます。
 だって、単に情報が入ってくるだけじゃないです。知り合いが実際に住んで仕事をして、年に1~2回一緒に飲みに行ってるんですもの。
 読み物として楽しめますし、考えすぎは日本独独の風習なのかなって感じますが、私はインド無理です(笑)


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■PART1
 即座に、かつ猛スピードで動くインド人
 なかなか動けない、決められない日本人

・「そんなできるかどうかもわからない段階で『〇カ月でできます!』って言うほうが、よっぽどプロフェッショナルじゃないでしょ!」というド正論が返ってきたのだ p28


■PART2
 30年間給料が増えない日本
 毎年10%以上給料が増えるインド

・インドでビジネスをやっていてツラいこと。それは世界最悪のPM2.5ではなく、すぐにお腹を壊す水問題でもなく、売上が伸びない点でもなく、社内の人間関係である p87


 私も個人開業して2020年で10年です。会社員のころよりは主張もするし、普段1人なので自分の意見だけで動けますから自由(?)です。でも、もっともっと自由(?)すぎる世界に驚かされます。


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■PART3
 世界的企業のトップに立つインド人
 リーダーシップが根づかない日本人

・人材の「均質性」「ハズレ確率の低さ」は世界でも稀な日本の誇るべき強みだと思う p101
・あの威圧感というかカリスマ性というのは、ローテーション人事や組織の「調整」のなかで育った日本人には、なかなか出せるものではない p104


■PART4
 ミスをしたら自分の責任と感じる日本人
 ミスをしても自分のせいだとは思わないインド人

・「そんなに不満があるんだったら最初から言えよ。言わないとこっちはわからん!」 p130
・「自分の希望を伝える」という点にのみフォーカスしており、「そうすることによって相手はどう思うか」という点については、まず考えない p115
・私たちが出会う9割の人は、私たちに関心がなく今後二度と会わない p121~


 前向きって大事だと思います。おかげさまでそんなに大きなミスやトラブルは無く、こうして相談業務を続けることができていますが、昔と違ってSNSもありますし良い時代です。狭い世界にこもりきるのはもったいないです。



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■PART5
 お金持ちがバッシングされる日本
 お金持ちが大絶賛されるインド

・日本ではストレートに「給料を増やしてくれ=お金をくれ」ということは品のない行為だと思われている p157
・「私はドアを確認する作業分しか給料をもらっていません」 p158


■PART6
 お金があるのに将来が不安な日本人
 お金がないのに希望に満ちたインド人

・明確な制度があり、その要件も満たしているのに、「なぜ、使えるものを使わないのか」ということ p186


■エピローグ
 日本人の「お金」と「仕事」と「人生」に、
 ”インド式スパイス”を加える本当の意味

・テレビ番組では絶対に放送されない知られざる日本人の真のイメージ p204~


 p168~に「キャッシュ・フロー表づくり」の紹介があります。野瀬さんは日本での起業当時、マネー関連の本も出してますし、webサイト上での家計相談なんかも受けておられます。
 そこからインド生活を経て、シンプルに作ってみるという方針は理解できますし、何も作らないことに比べて作ることの意味は大きいです。
 でも多分、書いてある「ざっくりさ」で作れるのはごくひと握りかなと感じました。そのざっくりで作れる人は問題ないし、そもそも作らなくても問題ない気がします。

 事細かに「100点主義」で作る必要は無いです。私は仕事柄この100点主義で作らざるを得ないですけれど、普通の人はここまで必要ないでしょう。どこまで正確に知っておきたいと思うのかも人それぞれです。
 だからこそ私のような専門性は日本ならではなのかもしれません。(FPは欧米生まれの専門性ですが、投資・保険への特化が強いと感じるので、日本ならではの社会保障・社会保険という意味合いです)


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 さらっと読めて(でもこれを書くために10年弱の苦労が野瀬さんにはある…)、ポジティブになれて、メリハリをつけるためのヒントがたくさんあると思いました。

 

 WEDGEのwebサイトで「インド経済を読む」という不定期コラムも野瀬さんは書いておられます。こちらもめちゃめちゃおもしろいです。オススメです。


 最後に野瀬さんのツイートを紹介します。

 皆さま!

 長文をお読みくださり、ありがとうございました。



2年に1回の「子供の学習費調査」、直近4回の傾向


 文部科学省「子供の学習費調査」が2年に1回実施され、2020年2月に2018年度の最新版が発表されました。
 ちなみに私立大学の授業料等の情報は毎年発表されています。
 私立大学等の入学者に係る学生納付金等調査結果について


 相談をお受けするなかでキャッシュフロー(CF)表を作成する際、お子さんのおられる場合には必須となる最新情報です。
 ファイナンシャルプランナー(FP)の業界誌を複数継続購読していますので、そちらでも必ず掲載があるのですが、特集の時期によっては取り上げられるのが結構先になってしまうことと、やはり元データを自分で確認して自分でも資料を作っておかないと何がどう変わったのかを把握することが難しいと感じていまして、2年に1回データ刷新しています。

 資料作成者によって細かい項目を含める含めないの違いがあり、微妙に違ってくる場合がありますから、あえて私の資料は公表していません。実際に相談をお受けしている場合にはお渡ししています。この記事を読んでくださっている皆さま、申し訳ありません。


 2012~2018年の4回の結果の傾向・推移を書いておきます。

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■教育費

 実際に学校に支払う授業料・教材費・給食費です。

・就学前(幼稚園)
 消費税が上がったことにより、ここは次回2020年の結果で劇的に変わってくることが見込まれます。
 公立はこれまでほぼ変化がありませんでしたが、私立は年々微減するなかで最新の2018年では上がっていました。

・小学校
 公立はこれまで微増が続いています。単純計算ですが、この6年で年平均の負担が1万円弱上がりました。
 私立はすごいです。2016年に一度落ち着きを見せましたが、最新の2018年にはぐっと平均が上がりました。6年の負担合計で見てみると大きなお金です。
 
・中学校
 公立は小学校と同様に微増が続いています。単純計算ですが、この6年で年平均の負担が1万円強上がりました。
 私立は最新の2018年で何があったのでしょうか。2016年と比べて年平均の負担が7万円も上がりました。

・高校
 公立も上がっています。この6年で年平均の負担が4~5万円も上がりました。
 私立は2014-2016年に上がり、最新の2018年は2012年とほぼ同じに戻りました。
 
・大学
 私立文系はこの6年で年平均の負担が3万円上がりました。
 私立理系はこの6年で年平均の負担が5~6万円上がりました。
 
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■その他教育費

 いわゆる習い事です。
 どの区分においても公立より私立に通うほうが多いです。

・就学前(幼稚園)
 2012-2014年は1.5倍ほどの差でしたが、最新の2018年では2倍の差になりました。
 公立は横ばいです。

・小学校
 2012-2014年は2.7~2.8倍の差でしたが、最新の2018年では3倍の差になりました。
 公立は横ばいです。
 
・中学校
 公立と私立でほぼ差はありません。
 2014年には僅差で公立のほうが多くなったほどです。

・高校
 公立は微増傾向。
 私立は横ばいですが2016年だけ突発的に上がり、最新の2018年は2012年とほぼ同じに戻りました。
 
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 物価が上がっている(?)から教育費も上がって普通だと感じる部分と、少子化で学校(私立)にとってはお客さん(!)の母数が減っているのに価格競争は起きていない?と感じるのと、教育費については公的サービスとしてもっともっと金銭的負担が下がっても良いのでは?と感じる部分と、教育費負担が仮に小さくなればその分「その他教育費」に振り分けられるお金になるってことなのかなと思う部分と、それでもやっぱり一部の特殊な私学以外において経済的なことが理由で選択肢が狭まってしまうのは広い視点で国にとってよろしくないことだと感じます。

 繰り返しになりますが、数字情報を出していないのでわかりにくい記事ですみません。ご了承ください。
 

「高次脳機能障害者が社会につながるきっかけとは」受講してきました


 今月中旬、高次脳機能障害について受講してきました。
 ※ リンク先は国立障害者リハビリテーションセンター

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 今回のイベントの案内は京都府の案内(府民だより)で見つけました。
 高次脳機能障害者が社会につながるきっかけとは 当事者と家族、それぞれの一歩

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 私の相談者さんで事故にあわれ非常に重篤な障害を負われた女性がおられます。約10年前にご両親の相談をお受けし、その1年半後にご本人の相談をお受けし、その2年後に大変な事故に遭われました。今で事故から約6年半です。成年後見人である弁護士さんも私がご紹介してサポートいただいています。
 ご両親からお話を伺う中で、高次脳機能障害というキーワードを耳にしていましたので一度きちんと知ってみたいと思っていましたという経緯です。

 なお、会場でばったりこの弁護士さんともお会いしました。別の依頼者さんと一緒にお越しでした。

 高次脳機能障害がどういったものなのかを端的に理解するために次のサイトがイメージしやすいと思います。 
 高次脳機能障害支援普及事業トップページ(京都府)

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■講演 当事者には居場所を 家族には支えを

 講演者は当事者(夫)の配偶者(妻)で、これまで全国で100回を超える講演をされてこられているそうです。

・原因はくも膜下出血(約15年前)
・3年後に障害者枠で採用、現在就労14年目

・記憶障害が特に重い
 食べたもの、会った人、イベント、約束事
 本人の行動範囲が極端に狭くなる
・注意障害(すぐ飽きて集中力が続かない)
・行動と感情の障害(怒りやすい・泣きやすい)
 正義感が強くなる?
・遂行機能障害(わからなくなる)
・地誌的障害(近所でも道に迷う)
・作話(自覚なく勝手に話を作る)
・病識の欠如(自分に障害があると認識していない)
・金銭管理ができない(あればあるだけ使いたがる)
・認知症に似ていて、配偶者の母と仲が良い

・高次脳機能障害は100人いたら100通り
・2008年の調査で全国に50万人?
 医療の発達により命は助かるが当事者が増える傾向
・いつ誰がなってもおかしくない障害
・就労先に理解があり、性格なのか障害なのか当初はたくさん聞かれた

・介護者(家族)の孤立と疲労が大きな問題
 支える側として自殺を考えたことも

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■当事者・家族の経験談① 事故から7年・障害履歴書

・原因は交通事故(約6年半前)
・当初から病識低下
・事故から約2年後、就労継続支援事業所に通う
・事故から約4年半後、一般企業の障害者雇用枠でアルバイト採用
・仕事では顔の見えない相手との会話が苦手

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■当事者・家族の経験談② 私と高次脳機能障害そしてその支援

・原因は交通事故(約12年前)
・意識が戻ったが、味がしない・においがしない
 味覚・嗅覚は障害認定されない
・めまいと幻聴が強く、まっすぐ歩けない
・自分が高次脳機能障害と言われても、さっぱりわからない
・高次脳機能障害は見えない障害

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■当事者・家族の経験談③ 自己流でつかみとった正社員

・原因は脳出血(約15年半前)
・記憶は苦手ではないが、学校で習ったことをほとんど忘れているため、言葉を覚えることはかなり苦手
・同時にいくつもの作業は苦手
・病識を持てていた

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 冒頭に書きました通り、身近には極端な例しか知らなかったのですが、4つのお話でも内容は多くが違い、さまざまな障害があるのだと知ることができました。

 表現が難しいのですが、人の多い場所で若干理解しにくい行動をしている方々のなかには実はこういった高次脳機能障害をお持ちの人もおられたりするのかなと感じました次第です。

 知っておきたい障害の1つでしょう。受講して良かったです。


”50歳から始める! 老後のお金の不安がなくなる本”読みました。

 
  ”50歳から始める! 老後のお金の不安がなくなる本”(2019年8月9日 1版1刷)を読みました。

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 (自分で購入し、いわゆる献本もいただきましたので2冊持っています)

 ※ 拡大版はこちらをクリックください。
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 著者はいつもお世話になっているLIFE MAP,LLC、ファイナンシャル・ジャーナリストの竹川美奈子さん。facebookページはこちら
 竹川さんはいわば身内です(竹川さんすみません!)。ひいき目があって当然ですので、その点は割り引いてお読みください。


 いつも通り、アウトプットとしていくつかポイントを引用させていただいての所感を書くスタイルです。当然ながら引用部は私の独断と偏見によるものです。

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■序章 知ることで不安は払拭できる
■おわりに

・私たちが「老後のお金」という言葉を聞いて「不安」になる最大の原因は「わからない」「知らない」ことにあります。 p7-8

・もっぱらお金をふやすことが目的になってしまっては本末転倒です。資産形成の目的は、将来の選択肢を増やすこと p260


 序章では2019年の時事ネタいわゆる「老後2000万円」をたったの4ページで論破です。報道に携わる皆さま全員に読んでもらいたい内容です。

 そして「おわりに」に竹川さんのスタンスがよくわかる文章が簡潔に書かれています。このスタンスを理解できすぎるからこそ、私は竹川さんの本を迷うことなく多くの人に読んでもらいたいといつも感じます。

 序章とおわりにを最初にぜひです。


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■第1章 公的年金は長生きリスクに備える最強の保険

・3つの機能を備えた「保険」 p24~

・マクロ経済スライドはいわば「公的年金受給者から孫・ひ孫への仕送り」なのです p31-32


 この章、ほんま大事です。将来資金(この本では老後資金)を考えるうえで、土台となるのは将来受け取る公的年金保険の老齢給付です。シンプルに適切に解説されています。
 正直に書きまして、この内容だけでも本気で確認しようとすると普通の人には相当に難易度が高いと思います。これは相談をお受けしていることを生業にしているからこそ強く感じることです。でも、ほんまに大事なのでぜひ確認してもらいたいですし、お金のことを相談したり金融商品の提案を受ける機会がある場合には大前提の内容です。


 権丈先生の関わる文章に出てきた「孫・ひ孫への仕送り」が本で採用されたのは間違いなく今回が初めてでしょう。竹川さん、最高です!
 ツイッターでキーワード検索すると、ほとんど私でした(苦笑)
 私の知る限り、この表現が出てきたのは2018年7月のこちらの対談記事です。
 「次期年金制度改正の課題を考える」記事のご紹介


 p72では次の2冊が紹介されています。

 ・”ちょっと気になる社会保障 増補版”読みました。
 権丈先生の本は手放しで誰にでも勧められます。

 ・”人生100年時代の年金戦略”読みました。
 日本経済新聞社の田村さんの本は(大変僭越ながら)条件付きでの推奨です(すみません


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■第2章 意外と知らない退職給付(退職金・企業年金)制度

・勤務先の退職給付制度を調べてみよう p88~
・退職給付制度をまとめてみよう p97~ 

・例えばファイナンシャル・プランナーに相談するときにも、退職給付制度を調べておくとより現実的な提案をしてもらえるはずです p98


 30数ページなのですが、ボリューム満点です。自分自身がどれに該当するのか、この本を読んで判断(判別)できる人はおそらく何も問題ないと思います。読んでもまったく意味がわからない、そもそも読む気になれない、そんな方々は職場の人事・総務の担当さんにまず聞いてみる、資料を出してもらう、これが第一歩かなと感じます。

 相談をお受けするなかで、自分自身で相談までに把握しておられるケースはほぼありません。資料を準備してもらい(当然ながら守秘義務にて)私が読み込んで、イメージをお伝えするというケースは何度も経験しています。難しいことですが、会社員さんにとって大事な将来資金(給料の後払い)ですから、しっかりと確認したいところです。


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■第3章 人生を通してお金をふやし、楽しく使うための「管理術」

・年間貯蓄額から”本当の”支出を割り出す p120~
・「バランスシート」をつくる p125~


 そう、いきなり金融商品ではないんです。まずは今を適切に知ることができなければ、今の延長にある将来なんてわかるわけがないと信じているのが私のスタンスです。

 もう7年も前ですが、ここの内容の詳細は竹川さんの著書がお勧めです。
 ”あなたのお金を「見える化」しなさい~ビジネスパーソンのための新お金管理術~”読みました。


 土地や建物などの資産は「今どれくらいの価格で売却できるかを調べてみましょう(p131)」とあります。たまに触れますけれど、これは相当に難易度が高いと思います。
 不動産についてバランスシートを埋める目的として固定資産税の評価額を記入しておくというのも有力な選択肢です。売却を当然に考えている人は価格を調べておく必要があるでしょう。でも、短期・中期で住み続ける前提であれば固定資産税評価額でも十分だと考える次第です。


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■第4章 非課税制度を活用!自分でも老後資金を準備

・働く期間が延ばせられればいちばんよい p141~

 
 この章の詳しい情報は竹川さんの次の3つの著書がお勧めです。
 ただし、最新情報は今回の本です。

”一番やさしい!一番くわしい!個人型確定拠出年金iDeCo活用入門”読みました。
”税金がタダになる、おトクな 「つみたてNISA」「一般NISA」活用入門”読みました。
”【改訂版】 一番やさしい!一番くわしい! はじめての「投資信託」入門”読みました。


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■第5章 公的年金や企業年金、iDeCoの資産をどう受け取ればよいか

・公的年金を繰下げ、私的年金を「中継ぎ」として活用 p219~

・ご自身でパーツを組み合わせるのが難しいという人は、公的年金や退職金制度に詳しいファイナンシャル・プランナー(FP)などに相談してもいいでしょう(社会保険労務士や税理士事務所と提携しているとなおよい) p228


 いやー、マニアックです。この5年程度以内で実際にリタイアされる方々には特に必読の内容だと思います。10年以上先の場合、この内容は基礎情報として実際にその状況になったときに改めて該当の情報を調べてみる必要があるでしょう。大筋は変わらないと信じていますが、枝葉はわからないです。その枝葉によって大きな影響を受けてしまうかもしれない、そこが難しいところです。

 私事ですが、社労士さんも税理士さんも相談者さんによってタイプもありますので、その時々でチームを作ります。ただ、実際に申告などにつながらない相談の場合は税理士さんも取り扱いの悩ましい試算でしょうし、厚生年金・健康保険・雇用保険・労災保険には強くても国民健康保険・介護保険(65歳以上)・後期高齢者医療はそこまで明るくないという社労士さんも一定おられるのではないでしょうか。
 もちろんFPこそ選びにくい代表とも呼べる専門家かもしれません。「公的年金や退職金制度に詳しいFP」…どれくらいいるでしょうね…1割?5%?うーむ…わからないです。私は「詳しい」と言い切りにくいですが、「詳しいほう」だと思っています。


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■第6章 「自分で準備」してきた分をどう引き出すか

・毎年どのようにお金を引き出して使うか p237~

・ほかの受け取るお金(公的年金や企業年金など)や支出を考慮して、「毎年何%ずつ定率で解約していくか」を決め、1年あるいは半年に1回解約します(比率についてはファイナンシャル・プランナーと相談してもいいでしょう)。 p255-256

・お金がたくさんある人は無理に運用しなくてもOK p256~


 この章まとめのチェックリストと第2章p101に「リタイア時までに住宅ローンを完済する」「リタイアまでに完済することを優先」とあります。言い切っておられるのが、この点のみ賛同しにくいです。
 もちろん理想はそうかもしれません。でも無理にがんばって完済を優先することで、手元資金に余裕がなくなったり、日々の楽しみにお金を使えなかったり、子どもの教育費が足りなかったりしてしまうのはよろしくないと考えます。
 リタイア後も住宅ローン返済が残っていても問題ありません。もちろん現役時代と同じような毎月大きな返済とまとまったボーナス返済が残っているのは厳しいでしょう。それらの負担を小さくする繰上返済は目標として優先順位を上げてもらいたいです。でも「完済」は別です。
 竹川さんも「意地でも完済絶対!」というスタンスではないはずですので(たまにそういうスタンスの専門家さんもおられます)、ここは別の表現を使ってもらいたかったと書いておきます(すみません


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 公的年金保険の給付を一貫して「もらう」ではなく「受け取る」で表現しておられるのも強いこだわりを感じました。
 固い表現になってしまいがちですが、ここは譲れないです。公的年金保険をまっとうに理解できているかどうかの分かれ道と言えると思っています。

 タイトルは「50歳から始める!」となっていますが、30代でも20代でも知っておきたいまっとうな情報が満載です。超お勧めです。
 

 金融機関や金融商品の選択をはじめ、投資や運用は自己責任でお願いします。
 長文をお読みくださり、ありがとうございました。