FC2ブログ

記事になっている限られた情報しかわかっていない読者が参考にするのは本当に危うい


 フリーペーパーなどで家計簿診断のコーナーを読まれたことはありますでしょうか。

 京都でいえば京都リビング新聞という毎週1回発行のフルーペーパーに「かけいぼ診断」というコーナーがあり、FP協会の京都支部や関西の支部長・元支部長など、ベテラン3名さんがアドバイスで登場しておられます。

 FPへ実際に届いている情報がどれだけ詳細なものなのかわかりませんが、紙面で読む分には体裁様々な1ヶ月の収支と最低限に要約された質問文で、限られた紙面でアドバイスするのは至難の業だろうなーといつも気苦労に敬意を表しています。

---

 2020年6月6日に掲載(中央版ではp6右上)されている内容を1つ取り上げてみようと思います。詳細な内容はリンク先をご参照ください。

 子どもが2人いるシングルマザーさん。貯蓄が4000万円あって毎年150万円貯蓄できていて、別に学資保険で240万円×2人分も貯めることができている公務員さんで「子ども2人が高校・大学で私立を希望した場合に奨学金を利用せずに進学させることができますか?」という質問です。

 貯蓄の総額には一切触れることなく本文のアドバイスが進んでいきます。結論は「貯蓄の一部取り崩しも予想されますが、まとまった預金があるので問題ないでしょう」うーむ…すでに子どもは14歳と11歳ですし第一印象だけでも何も問題を感じません。
 掲載されていない情報として、4000万円は子どもたちには使えずどうしても残しておく必要のあるお金なのかなと深読みするしかないほど、問題を感じません。

 実際にはライフイベント表で確認し、キャッシュフロー(CF)表を作成すればなお明確でしょう。前提条件を当てはめ、将来受け取る公的年金(老齢給付)も公務員さんであればしっかりあるでしょうし、そもそも住居費もかかっておられません。やっぱり問題を感じません。でも、記事には掲載されていない別の心配事があるのかもしれません。

---

 今回取り上げた内容のポイントは、こういった家計簿診断は依頼した本人には響いてくる情報が含まれているのだと思いますが、記事になっている限られた情報しかわかっていない読者が参考にするのは本当に危ういということです。

 娯楽記事として楽しめれば良いという気持ちで読んでいる人が大半かと思いますので、そういった方々には問題ありません。
 仮に家族構成が似ていたとしても、他の条件は当てはまらないことばかりですから結局はその人やその家族の事情や詳細に対して専門家が向き合わないと適切なアドバイスなんて不可能です。


 登場しておられるFPは広告・宣伝として割り切っておられるなら問題ありませんし、私は超無名なので私に依頼が来ることは考えられませんが、怖くて受けられないなーといつも感じながら読んでいます(すみません

 ですので、こういったコーナーの記事を読むたびに、対応されている専門家の方々には最大級の経緯を表する次第です。


”実践!認知症の人にやさしい金融ガイド”読みました。

 
 ”実践!認知症の人にやさしい金融ガイド ~多職種連携から高齢者対応を学ぶ~”(2017年9月30日 初版発行)を読みました。

 200422_01

 臨床心理士・社会福祉士・精神科医・弁護士・司法書士・信託銀行・産学連携コーディネーターの専門家7名による共同執筆で、監修として執筆者の多くが理事として名前を出しておられる意思決定支援機構(一般社団法人 日本意思決定支援推進機構)という団体名が書かれていました。

 すみません、この本を手に取った経緯を忘れてしまうくらい購入したことを失念して放置してしまっていました。初版発行から2年半、現時点において私の相談対応におきましてこの本の内容に直接関わるような内容は出てきていません。とはいえ医療関係に関するアンテナは高く持っているつもりでして、情報はさまざまに入ってきます。


 この本は金融機関に勤める人や認知症の援助者・支援者向けに書かれた本のようですが、認知症を患った人の家族などの関係者が金融機関と関わるうえで知っておきたい内容だと感じました。

 いつも通り、アウトプットとしていくつかポイントを引用させていただいての所感を書くスタイルです。

-----
■はじめに
■認知症顧客対応べからず十三カ条
■あとがき

・今までの金融機関向けの高齢者対応のハウツー本とは異なり、理論と実践の両面から、医療、福祉・介護、法律の専門職、金融機関などの多職種が連携する高齢者対応を具体的に学ぶことができるガイド p3

・高齢者の一番の特徴をあげるとすれば、個人差が大きいということ p100
・今回は金融機関を対象としましたが、これから小売業や不動産業など他の業界にも対象を広げていきたいと思いますし、高齢者の側の視点に立った備えのためのガイドも作成していきたいと考えています p101


 意図・主旨を理解して読み進めることが大事なことだと思っています。
 なお、すでに「マンションガイド」は2019年8月に発行されていました。


---
■1 認知症の理解(医学的見地から)

・主な認知症ごとの特徴 p9~
・(コラム)女性の場合は、高齢でも料理や買い物などの家事をしていることが多いことから、比較的変化を捉えやすいのですが、男性で退職後、あまり社会的活動をしていない場合は変化に気づかれず、発見が遅れることがあります p13
・資料 認知症チェックリストの例 p16


 認知症が病気(疾病)であることに改めて深い理解を持てます。アルツハイマー型・レビー小体型・前頭側頭型の「脳がやせる病気」、脳卒中の後遺症である血管性、その他それぞれの基礎知識が整理されています。

 チェックリストの出典はこちらでした。
 認知症?「気づいて相談!」チェックシート 京都市 認知症の症状と早期発見
 執筆者であり編者の精神科医師が京都府立医科大学の教授ということで京都市のサイトがつながっているのかなと感じました。
 また、マネーフォワードさんとのプレスリリースも見つけました。
 2018年12月 京都府立医科大学大学院医学研究科・成本迅教授をアドバイザーに迎え、高齢社会におけるお金の課題解決に向けた取り組みに着手


---
■2 知っておくべき基本知識

・理解を促し、本人の意思をくみ取る工夫(4つのポイント) P18~
・金融取引の説明で使われる用語は、どんなにこちらが噛み砕いて話したとしても、一般の人にとってはなじみが薄いもの p20
・金融商品の売買など経済活動における意思決定能力の場合にも、この考え方(医療同意能力)を反映させることができます p23

・認知症初期は、悪徳商法などの被害を最も受けやすいので、早期に介入することが重要 p25
・様々な専門職が役割分担をし、地域の方々をしっかり支えていくには、自分たちの限界を知り、必要な分野の専門職に託し、手をつないでいくことが不可欠ではないでしょうか。これが本来のプロとしてのあるべき姿 p26


 言葉の定義や大前提が書かれています。認知症は疾病なのですから医療・福祉的な介入が必要であることを忘れてはいけませんし、強く意識しておく必要があると感じました。


---
■3 今すぐ活かせる! ケース・スタディ

・金融機関の役割を見据え、金融機関だけで抱えず、家族や支援者へつなぎます p33
・本人は毎回初めてのつもりで来ていることを理解して対応しましょう p35
・認知症の人の金融取引 p37
・経済的虐待 p41~
・虐待のおそれがあるだけでも通報はでき、通報元も秘匿されます p45


 「2」とも重複しますが、金融取引とは金融商品の売買に限った話ではなく、預金の払い出しや振り込みも「取引」なんです。認知症が疑われる人に金融商品の営業・提案は控えるのが大前提のはずなんです。「5」の感想に続きます。


---
■4-1 金融機関の困りごと〔対面編〕
■4-2 金融機関の困りごと〔訪問編〕

・(コラム)「自分が本人の家族だったらどうしてほしいか」を考えてください。いつまでもやさしく対応してくれる金融機関にお願いしたいか、医療、福祉・介護、法律の専門家の支援者へつないでほしいかを… p62
・預金を盗られたという訴えへの対応 p66~
・(コラム)クレームの本意は、寂しさの訴えだったのかもしれません p69


 いわゆる事例(実例)が並んでいます。金融機関やそれに関わる代理店の窓口担当・営業担当はボランティアではありません。自分自身の収入のためであり、所属企業の営利を追求するのが役割です。
 認知症を患っている本人に解決できるものではありません。家族や関係者がどこまで支援者につなげることができるのかが大事なポイントだと感じました。


---
■5 金融機関が準備できること

・顧客から「すべてお任せします」と発言されたときは、最大限の警戒が必要(中略)法律家が最も警戒する言葉 p91-92

・認知症患者の保有する50兆円という巨額な資産をデッドストックにすることは国富の毀損にもつながります(中略)金融機関には顧客の意思決定能力の低下を補う革新的な金融サービスの創造も望まれます p96


 1つめの引用はその通りです。これは認知症の有無に関わりません。人と関係する仕事をしていれば、誰もが気をつけるべき表現です。

 この本の本編最後に書かれているのが2つめの引用です。この考え方は私には理解できませんでした。預金の引き出しや振り込みなど、必要最低限の取引が困難を伴うことなく詐欺にあうことなく実現できれば十分なのではないのでしょうか。
 「国富の毀損」とは金融商品購入だけでなく、住宅購入・リフォームや下の世代が本人のために自由に使える状況という意味合いであるとは思います。現在の”超”高齢社会においては誰もが認知症になる可能性があるわけです。認知症になってから「国富の毀損」などの考え方に抗うのは変です。

 この本などでさまざまに理解が深まる人が増えることで、認知症を知り認知症になる前に資産のことを考えておきましょうというのであれば理解できます。繰り返しますが、認知症になる前に認知症のことを知り、対策・方策を考えて選択さえできていれば、発症後もトラブルの起こらないことが当たり前の社会として実現することこそが重要だと感じます。


-----

 途中にコラムが11本もあり、図や表も適切に配置され、とても読みやすい本です。
 冒頭に書いた内容の繰り返しになってしまいますが、預金の引き出しや振り込みなども「金融取引」にあたるわけですから、認知症を患った人の家族や関係者が金融機関と関わるうえで知っておきたい内容のまとまっている本だと感じました。

  

 長文をお読みくださり、ありがとうございました。



”医学生・若手医師のための誰も教えてくれなかったおカネの話”読みました。

 
 ”医学生・若手医師のための誰も教えてくれなかったおカネの話”(2019年3月5日 第1版第2刷)を読みました。

 200326_01

 著者は匿名医師の Dr.K 氏。私はもちろん面識がありません。日経メディカルオンラインで「医師のためのバリュー投資戦術」という連載を持っておられます。ツイッターの情報によると @Invesdoctor さんのことらしいのですが、いずれにしても匿名・ハンドルネームですのでよくわかりません。


 私の地元・事務所の立地的にいくつもの大学病院と大病院があり、医師・看護師をはじめとした医療関係者の方々から相談の依頼をいただく機会が何度もあります。また、精巣腫瘍の患者会でアドバイザーを務めているご縁から医療関係の情報にもアンテナが高くなっていまして、医師を中心としてツイッターでも多くの方々をフォローしています。
 という背景があってこの本の情報が目に入り、読んでみました次第です。


 いつも通り、アウトプットとしていくつかポイントを引用させていただいての所感を書くスタイルです。当然ながら引用部は私の独断と偏見によるものです。

-----
■はじめに
■おわりに

・だから、この本を読んでいる人は、今すぐにでも投資の勉強を始めてください。10年、20年たてば、別世界が待っています。 p3
・お金よりも患者を診よ。 p231


 良い悪いではなく、投資の中でも株式投資に偏っておられる方針の著者です。本のタイトルは「おカネの話」ですから幅広く取り上げておられますが、株式投資に対するスタンス以外は著者の個人的な偏りを強く感じます。なので1つひとつ順番に指摘させていただこうと思います。

 とはいえ、これから医師をめざす方々や医師になりたての方々に向けた「医師ならではの情報」は他のお金の話と絡ませているからこそ伝わりやすくなっているのだと思いますし、「お金のせいで医師としてのプロフェッショナリズムが維持できないなら、お金のことを考えるのやめてください(p231)」と至極真っ当なスタンスです。ですので僭越ながらブログで紹介させていただこうと思いました次第です。


-----
■1.収入編

・この源泉徴収票を見ると税金として社会保険料158万1,524円、源泉徴収税146万2,832円、すなわち約300万円が税金としてとられていることがわかります p20

・私は、医師としてのやりがいではなく、家族と収入を優先させました(中略)現在医師を続けるいちばんの理由は「お金のため」なのです p29

・あえて斜め上からの目線で、医局というものを「生涯収入」という視点で試算した結果もご覧いただきたいと思います p41


 p116でも「400万円くらい税金として支払っている」として「内訳は社会保険料、所得税、住民税」と書かれています。税と著者自身が仕事(医師)として関わっておられる公的医療保険も含めた社会保険料はまったく位置づけが異なるものですが、ひとくくりに「税」とされています。これは本の体裁上などの言い回しではよろしくない書き方です。社会保険と税はまったく異なります。


-----
■2.支出編

・キャッシュフロー表をつくる p75~


 「一度キャッシュフロー表を作ってみるとよいでしょう」と、さらっと書かれています。日本FP協会webサイトにある書式・項目を使ってサンプルも掲載されています。
 サンプルのように5年後など直近の教育費のやりくりだけに答えが出れば良い目的であれば比較的容易に作成が可能かもしれません。いえ、それでも難易度は相当に高いと感じるケースをこれまで何度も目にしています。支出の積み上げでは正確なキャッシュフロー(CF)表の作成は難しいと思います。遠い将来(いわゆる老後)の資金計画であれば公的年金保険(老齢給付)の試算も必須です。このあたりを実際に知っていれば簡単に「CF表を作ってみよう」とは言えないと日々感じます。

 作ってみようと思われる皆さまを大応援ですけれど、作成をファイナンシャルプランナー(FP)に外注するのは検討に値する選択肢だとポジショントークを書いておきます。
 <京極・出町FP相談オフィシャルサイト> ライフプラン・支出をすっきり


-----
■3.節税編

・節税を知らずして収入を語るべからず p114~

・そもそも年金とは p137~

・(iDeCoは)職場に一枚かんでもらう必要があります p145~


 扶養控除に触れておられますが、16歳以上38万円控除だけ書かれていて医学生であれば19歳以上23歳未満の特定扶養63万円も関わるのに一切触れられていなかったことが気になりました。

 勤務医(会社員)の「厚生年金」と開業医(自営業)の国民年金の上乗せである「国民年金基金」を並列で「2階部分」とされています。公的年金保険といわゆる私的年金を並列で語るのは平易な理解を妨げる要因だといつも感じます。

 p141で取り上げておられる「支給開始年齢の引き上げ」について、公的な会議で取り上げられいて現在の65歳ではなく67~70歳に引き上げ決定の可能性が高いなどと書かれていますが、これはまったくもって間違っています。こんな議論は存在しません。報道の見出しレベルの理解もしくは週刊誌レベルの内容で、公的年金保険に詳しい専門家からすれば「デマ」に分類されてしまうほどのひどい認識です。直球で書くと、ご存じないことを推測で取り上げないことをお願いしたいです。

 p145でiDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金を個人払込み(口座引き落とし)ではなく企業(勤務先)払込み(給与天引き)にすれば「社会保険料が折半されて病院(職場)にもメリットがあります」と書かれていますが、これは「選択制DC」のことと混同されています。iDeCoではこのようなことはありません。ご注意ください。


-----
■4.資産運用編

・リスクの正体が見えないことが問題である p151~

・不勉強かつ狼狽(ろうばい)しやすい性格の人は、いかなる資産運用にも不向きといえます。オイルショックでトイレットペーパーを買い占めるような人は、投資に向いていません p158

・株式投資のデメリット② 継続的に勉強が必要である p183~


 得意でおられる内容ということがよくわかります。医師としての特徴的な例を出して解説されている内容は唯一無二の本ではないでしょうか。
 他に表現が出てこなかったので、そのまま書きます。とても読みやすく、おもしろかったです。語彙力がなくてすみません。


-----
■5.保険編

・医師賠償責任保険に入るべきか p188~

・日本は手厚い制度に恵まれている p198~

・生命保険に入るべきか p201~


 医師賠償責任保険を9ページに渡って解説されています。良いです。

 医療に関しては公的な保障である健康保険の高額療養費や傷病手当金にも触れておられます。
 でも、生命保険に関しては公的な保障である公的年金保険の遺族給付(遺族年金)は言葉も出てきません。FPや社労士ではありませんから仕方ないと言えばそれまでですけれど、「お金全般」の専門家ではないことでの偏りのマイナス面だと感じます。


-----
■6.その他編

・他人からの儲け話は信じない p223~

・あなたの選ぶ診療科は本当にそれでよいか p227~


 いわゆるリテラシーや働き方・生き方が書かれています。
 医業の視点が興味深いです。


-----

 この本は「医学生・若手医師のための」と書かれていますが、医療関係者ではない配偶者が医療関係のことを知るために読みやすい本(ただし、株式投資の部分は除外)という視点が良いのではと感じました。


 注意点は私がこの記事で書いてきました指摘事項の数々です。株式投資に限った内容ではなく幅広い「おカネの話」にされるのであれば、監修者もしくは名前を出さなくても内容確認者として専門家に依頼されるべきだということです。
 医師であればご自身の専門以外の専門科について軽々しく発言することの怖さをご存じに違いありません。それと同じ扱いだと思ってもらいたいんです。お金の話は医療ほどに複雑ではありません(私の主観です)。でも、公的な仕組みや幅広い全体の話というのは何か1つ得意なことがあるから語れるという簡単なものではありません。

 

 金融機関や金融商品の選択をはじめ、投資や運用は自己責任でお願いします。
 長文をお読みくださり、ありがとうございました。


”お金儲けは「インド式」に学べ!”読みました。


 ”お金儲けは「インド式」に学べ!”(2019年6月1日 第1刷発行)を読みました。

 200302_01

 著者は公認会計士・税理士の野瀬 大樹さん。ツイッターはこちら
 本の感想は硬めの内容を書くことが多いのですが、今回は気楽な本です。野瀬さんごめん(笑)飲み仲間なので許してください。


 いつも通り、アウトプットとしていくつかポイントを引用させていただいての所感を書くスタイルです。

-----
■はじめに
■おわりに

 遠い国の世界のはずが、比較的身近な人(野瀬さん)が常にインドから情報発信してくれているおかげで「世界は広い」をいつも実感できます。
 だって、単に情報が入ってくるだけじゃないです。知り合いが実際に住んで仕事をして、年に1~2回一緒に飲みに行ってるんですもの。
 読み物として楽しめますし、考えすぎは日本独独の風習なのかなって感じますが、私はインド無理です(笑)


---
■PART1
 即座に、かつ猛スピードで動くインド人
 なかなか動けない、決められない日本人

・「そんなできるかどうかもわからない段階で『〇カ月でできます!』って言うほうが、よっぽどプロフェッショナルじゃないでしょ!」というド正論が返ってきたのだ p28


■PART2
 30年間給料が増えない日本
 毎年10%以上給料が増えるインド

・インドでビジネスをやっていてツラいこと。それは世界最悪のPM2.5ではなく、すぐにお腹を壊す水問題でもなく、売上が伸びない点でもなく、社内の人間関係である p87


 私も個人開業して2020年で10年です。会社員のころよりは主張もするし、普段1人なので自分の意見だけで動けますから自由(?)です。でも、もっともっと自由(?)すぎる世界に驚かされます。


---
■PART3
 世界的企業のトップに立つインド人
 リーダーシップが根づかない日本人

・人材の「均質性」「ハズレ確率の低さ」は世界でも稀な日本の誇るべき強みだと思う p101
・あの威圧感というかカリスマ性というのは、ローテーション人事や組織の「調整」のなかで育った日本人には、なかなか出せるものではない p104


■PART4
 ミスをしたら自分の責任と感じる日本人
 ミスをしても自分のせいだとは思わないインド人

・「そんなに不満があるんだったら最初から言えよ。言わないとこっちはわからん!」 p130
・「自分の希望を伝える」という点にのみフォーカスしており、「そうすることによって相手はどう思うか」という点については、まず考えない p115
・私たちが出会う9割の人は、私たちに関心がなく今後二度と会わない p121~


 前向きって大事だと思います。おかげさまでそんなに大きなミスやトラブルは無く、こうして相談業務を続けることができていますが、昔と違ってSNSもありますし良い時代です。狭い世界にこもりきるのはもったいないです。



---
■PART5
 お金持ちがバッシングされる日本
 お金持ちが大絶賛されるインド

・日本ではストレートに「給料を増やしてくれ=お金をくれ」ということは品のない行為だと思われている p157
・「私はドアを確認する作業分しか給料をもらっていません」 p158


■PART6
 お金があるのに将来が不安な日本人
 お金がないのに希望に満ちたインド人

・明確な制度があり、その要件も満たしているのに、「なぜ、使えるものを使わないのか」ということ p186


■エピローグ
 日本人の「お金」と「仕事」と「人生」に、
 ”インド式スパイス”を加える本当の意味

・テレビ番組では絶対に放送されない知られざる日本人の真のイメージ p204~


 p168~に「キャッシュ・フロー表づくり」の紹介があります。野瀬さんは日本での起業当時、マネー関連の本も出してますし、webサイト上での家計相談なんかも受けておられます。
 そこからインド生活を経て、シンプルに作ってみるという方針は理解できますし、何も作らないことに比べて作ることの意味は大きいです。
 でも多分、書いてある「ざっくりさ」で作れるのはごくひと握りかなと感じました。そのざっくりで作れる人は問題ないし、そもそも作らなくても問題ない気がします。

 事細かに「100点主義」で作る必要は無いです。私は仕事柄この100点主義で作らざるを得ないですけれど、普通の人はここまで必要ないでしょう。どこまで正確に知っておきたいと思うのかも人それぞれです。
 だからこそ私のような専門性は日本ならではなのかもしれません。(FPは欧米生まれの専門性ですが、投資・保険への特化が強いと感じるので、日本ならではの社会保障・社会保険という意味合いです)


-----

 さらっと読めて(でもこれを書くために10年弱の苦労が野瀬さんにはある…)、ポジティブになれて、メリハリをつけるためのヒントがたくさんあると思いました。

 

 WEDGEのwebサイトで「インド経済を読む」という不定期コラムも野瀬さんは書いておられます。こちらもめちゃめちゃおもしろいです。オススメです。


 最後に野瀬さんのツイートを紹介します。

 皆さま!

 長文をお読みくださり、ありがとうございました。



2年に1回の「子供の学習費調査」、直近4回の傾向


 文部科学省「子供の学習費調査」が2年に1回実施され、2020年2月に2018年度の最新版が発表されました。
 ちなみに私立大学の授業料等の情報は毎年発表されています。
 私立大学等の入学者に係る学生納付金等調査結果について


 相談をお受けするなかでキャッシュフロー(CF)表を作成する際、お子さんのおられる場合には必須となる最新情報です。
 ファイナンシャルプランナー(FP)の業界誌を複数継続購読していますので、そちらでも必ず掲載があるのですが、特集の時期によっては取り上げられるのが結構先になってしまうことと、やはり元データを自分で確認して自分でも資料を作っておかないと何がどう変わったのかを把握することが難しいと感じていまして、2年に1回データ刷新しています。

 資料作成者によって細かい項目を含める含めないの違いがあり、微妙に違ってくる場合がありますから、あえて私の資料は公表していません。実際に相談をお受けしている場合にはお渡ししています。この記事を読んでくださっている皆さま、申し訳ありません。


 2012~2018年の4回の結果の傾向・推移を書いておきます。

----- 

■教育費

 実際に学校に支払う授業料・教材費・給食費です。

・就学前(幼稚園)
 消費税が上がったことにより、ここは次回2020年の結果で劇的に変わってくることが見込まれます。
 公立はこれまでほぼ変化がありませんでしたが、私立は年々微減するなかで最新の2018年では上がっていました。

・小学校
 公立はこれまで微増が続いています。単純計算ですが、この6年で年平均の負担が1万円弱上がりました。
 私立はすごいです。2016年に一度落ち着きを見せましたが、最新の2018年にはぐっと平均が上がりました。6年の負担合計で見てみると大きなお金です。
 
・中学校
 公立は小学校と同様に微増が続いています。単純計算ですが、この6年で年平均の負担が1万円強上がりました。
 私立は最新の2018年で何があったのでしょうか。2016年と比べて年平均の負担が7万円も上がりました。

・高校
 公立も上がっています。この6年で年平均の負担が4~5万円も上がりました。
 私立は2014-2016年に上がり、最新の2018年は2012年とほぼ同じに戻りました。
 
・大学
 私立文系はこの6年で年平均の負担が3万円上がりました。
 私立理系はこの6年で年平均の負担が5~6万円上がりました。
 
----- 

■その他教育費

 いわゆる習い事です。
 どの区分においても公立より私立に通うほうが多いです。

・就学前(幼稚園)
 2012-2014年は1.5倍ほどの差でしたが、最新の2018年では2倍の差になりました。
 公立は横ばいです。

・小学校
 2012-2014年は2.7~2.8倍の差でしたが、最新の2018年では3倍の差になりました。
 公立は横ばいです。
 
・中学校
 公立と私立でほぼ差はありません。
 2014年には僅差で公立のほうが多くなったほどです。

・高校
 公立は微増傾向。
 私立は横ばいですが2016年だけ突発的に上がり、最新の2018年は2012年とほぼ同じに戻りました。
 
----- 

 物価が上がっている(?)から教育費も上がって普通だと感じる部分と、少子化で学校(私立)にとってはお客さん(!)の母数が減っているのに価格競争は起きていない?と感じるのと、教育費については公的サービスとしてもっともっと金銭的負担が下がっても良いのでは?と感じる部分と、教育費負担が仮に小さくなればその分「その他教育費」に振り分けられるお金になるってことなのかなと思う部分と、それでもやっぱり一部の特殊な私学以外において経済的なことが理由で選択肢が狭まってしまうのは広い視点で国にとってよろしくないことだと感じます。

 繰り返しになりますが、数字情報を出していないのでわかりにくい記事ですみません。ご了承ください。