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府民公開講座「府立医大で始まる最先端放射線治療 ー陽子線治療は何が素晴らしいのかー」を受講してきました


 2019年2月17日(土)、京都府立医科大学附属図書館で開催されました府民公開講座「府立医大で始まる最先端放射線治療 ー陽子線治療は何が素晴らしいのかー」を受講してきました。

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 先進医療や陽子線に強い興味があるわけではありませんが、事務所や自宅から徒歩圏内の場所でこういった内容の講座を聞ける機会は希少で貴重です。

 私の独断と偏見に満ちた抜粋ではありますけれど、記録の意味も込めてまとめます。

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■講演1 永守記念最先端がん治療研究センターについて

・画像診断に放射線科医が関わっているのは全国でも半々
 京都は多く関わっている地域で、例えば東北は少ない
・小児専門科と陽子線治療が一体化となっているのは全国で3ヶ所
 今回の京都の他には北海道と兵庫


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■講演2 切らずに治す放射線治療 -新たな光・陽子線治療-

・唯一の被爆国という背景もあって放射線治療は他の先進国より進歩に時間がかかった。
 がん治療における放射線治療の利用率
 米国66%・ドイツ60%・英国56%・日本は20%台

・低侵襲、機能・形態を残せる治療
・放射線とはエネルギーの高いもの
・特長はリンク先の「ここが違う」部分

小児がんの治療で大事なのは成長障害が起きにくいこと、二次がんの可能性を低くすること。通常のX線だと晩期障害の発生率が58%、陽子線は1ケタ%。
・治るのがもちろん大事だか、どのように治すのかが問われる時代


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■講演3 前立腺がん治療における新しい選択:陽子線治療

・前立腺とは射精時に精液を3~5cc分泌する役割
・前立腺がんは65歳以上の男性がほとんどのため、機能的に悩むケースは稀
・ゆっくり進行するケースが多いが、中には早いものも。初期は無症状。
・前立腺肥大症とは別物、尿道のまわりに前立腺があり、前立腺がんはその外側
・年9万人が罹患、約7人に1人の約1.2万人が死亡
・欧米人のほうがかかりやすく、食生活が影響?
 日本に生まれてハワイ在住となった人の罹患率は米国と日本の間くらい

・進行している状態でも陽子線治療は5年生存率が非常に高い(95%)
 (伊藤追記:通常の放射線治療や他の治療方法でのデータ提示はありませんでしたので、どれだけ優れているのかはわかりませんでした)


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■特別講演 粒子線治療の現状と今後の動向について
 筑波大学附属病院陽子線治療センター部長

・陽子線治療希望の患者を1日10人診察している
・診察だけでなく、研究も教員も兼ねている
・「幸運」という言葉を大事にしている

臨床医として
 初級 あいさつできる・返事ができる・相談出来る
 中級 好奇心がある・論理的である・大小の目標がある
 上級 いつも機嫌が良い・予想外のことが発生しても情緒的・人を許せる

・がんは誰のせいでもない
・治療法は人それぞれ違う
・今はQOLが大事な時代

・放射線治療は未知なことが多い。見えないメスともいえる。
・元々自然界に存在する物質
・形態と機能が残る治療であることは大事
・体力・具合がよくなくても使えるケースがある
・手術ができない部位でも治療できる

・小児がん 背骨に当たらなければ成長できる
・脳腫瘍の例 通常の放射線は治療効果30%、陽子線は70%
・食道がんでの心肺毒性を減らせる
・陽子線治療の半分は先進医療 肝臓や肺の中心部

・先進医療とは研究がかなり進んでいるけれどまだ吟味の必要な治療


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<所感>

 陽子線治療の保険診療化をこれまで進めてこられた医師の1人が今回の特別講演の先生だそうです。府立医大の小児がん患者で陽子線治療が必要な場合もこの先生と協力のうえで、筑波へ行って治療を受けるなどの連携もあったそうです。
 司会を務められたがんプロフェッショナル養成センター長で小児科教授の医師が非常に熱く、閉会の挨拶でお話しされていました。


 どの医師とは言いませんが、講演で受講者に呼びかける際「皆さん」「皆さま」などではなく、「あなた」「あなたがた」という表現を使っておられ、ものすごく上からに聞こえてしまったのが残念でした。こんなことを感じたのは私だけかもしれませんけれど…

 保険会社の扱う保険商品での「先進医療特約」があれば陽子線治療は費用負担がほぼゼロになるという表現を使っておられた医師もおられ、保険診療になっていない(=効用が他の治療より優れているわけではない)と私は認識していますので、通常の放射線治療に比べて医療費負担が小さくなるから先進医療である陽子線治療を受けたいという人が出てきてしまう(実際に多くおられそうに思いますが…)のではないかと嬉しくない気持ちになりました。
 また、保険料は月に数百円~1000円程度とおっしゃっていた医師、正しくは100円前後が多いです。


 通常の放射線治療に比べて、陽子線治療が周辺臓器に影響を与えにくいという利点は十分に伝わってきましたが、その他にデメリットが何なのか触れられた内容は私が聞いた限りありませんでした。仮にメリットしかないのであれば、いかに装置が高額とはいえ、もっとシンプルに広まっていくと思うんです。でもそうではない。

 がんの患者会さんのサポートに関わって約7年ですので、普通の人に比べて少しだけがんに詳しいと自負していますが、もちろん医師をはじめとした医療関係者の専門職の方々からみれば普通の人と変わらないレベルだと思っています。今回の内容では講演の受講者の多くを占めていた高齢者の方々は、がん治療において放射線を勧められたとき陽子線を使ってほしいと安易に言ってしまうと私でも感じました。

 今回の公開講座の成果がそれでは良くないと思うんです。陽子線治療の存在を広く知らしめる意味では大事な一歩だったのだと思います。新年度以降の陽子線治療の動向はできる限り知っていきたいと感じました。



”日本一まっとうながん検診の受け方、使い方”読みました。


 ”医者がマンガで教える日本一まっとうながん検診の受け方、使い方”(2018年8月6日 第1版 第1刷発行)を読みました。

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 著者は近藤慎太郎医師。ブログ「医療のX丁目Y番地」はこちら。
 ツイッターでフォローしている医療関係者の方々が推薦されていましたので手に取りました。一応のお伝えですが、私は面識ありません。

 いつも通り、アウトプットとしていくつかポイントを引用させていただいての所感を書くスタイルです。

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■はじめに

 この本の特徴はマンガです。絵に好き嫌いはあると思います。私も二択であればあんまり好きな絵ではありません…でも、あずま留の介さんは憎めないタイプで嫌いじゃないです(笑)
 マンガのおかげで、めちゃめちゃ読みやすいと思います。


■おわりに

・定期的にがん検診を受けて最新医療の恩恵に浴する人たちと、そうでない人たちの間には、なんと大きな差があるのか。(中略)正しい医療情報を知らないばかりに、ここまで決定的な差がついてしまうのです。 p308


 本の紹介の際にはいつも書きますけれど、はじめにの流れで本編を読む前に、あとがきを先に読むスタイルをお勧めします。
 本の目的・著者の思いを先に知ることができるからです。動機付け、大事です。


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■1章 肺がん:がんの中でも死亡数は第1位!  喫煙者は要注意

・もし喫煙者が末期の肺がん患者の様子を目の当たりにしたら、その日から近影できるのではないかとも思います。 p20
・「喫煙はゆるやかな自殺」と言っても過言ではありません。 p30


 直球でズバッと刺さる表現も多く、読み進めやすい本です。


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■2章 胃がん:罹患数は減少傾向。だがピロリ菌の除菌は"万能"ではない

・きちんと調整したらどうなるかというと、2015年のすべてのがんの年齢調整死亡率は「121.3」(人口10万人のうち1年間にがんで亡くなる人)になります。つまり1985年の「156.1」と比べて、20%程度下がっているのです。 p46

・地獄の胃カメラ検査、ラクに受けるには p61~


 各がん種の解説だけでなく、全体の統計や考え方も散りばめられています。統計データの読み方、知っておくべきです。


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■3章 前立腺がん:男性なら誰もが気になるがん、前立腺肥大やEDとの関係は?

・早期の前立腺がんを「手術するグループ」と「治療せず経過観察するグループ」にランダムに分けて20年間経過を追ったところ、両グループで前立腺がんの死亡率には、統計的な差がなかったという、かなり衝撃的な報告もあります。 p77


 精巣腫瘍患者友の会をお手伝いしていますので、泌尿器科つながりの前立腺がん情報も触れる機会があります。ロボット手術のダビンチ、先進医療(当時)の重粒子線治療など過剰な競争になっているような、何とも言えない気持ちになるときがあります。


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■4章 肝臓がん:お酒好きは要注意。肝臓だけではない、アルコールの破壊力

・適量の飲酒量の人が一番死亡率が低いという有名なデータがある。通称Jカーブ。 p119


 データの読み方、背景を知ることって大事です。
 グラフにゼロが2つ並んでいる意味、よく理解できます。


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■5章 食道がん:急増中の逆流性食道炎と食道がんの悩ましい関係性

・大多数の日本人の意にピロリ菌がいないという、有史以来おそらく初めての時代を迎えます。何が起こるか誰にも分かりません。 p150


 ピロリ菌がいなくなり、胃カメラ検査の機会が減ることで食道がんの発見機会も減ってしまうという弊害、これは衝撃的でした。人間の身体というのは絶妙なるバランスなのですね。


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■6章 大腸がん:死亡数はがんの中で2位! 大腸カメラは辛い? 辛くない?
■7章 小腸がん:消化管の「暗黒大陸」、カプセル内視鏡が検査で活躍

・大腸カメラよりもキツイ、検査前の大量の下剤 p161


 私も40歳を超え、大腸カメラを優先的に受けようと思ってるんです。でも、病院選びで悩んで前に進みません。今年度~来年には必ず!


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■8章 膵がん:進行が速く、悪性度も高い!  とにかく「避ける」しかない

・膵頭(すいとう)十二指腸切除術 p192
・がんで死ぬことは恐ろしいことなのか p200~


 200~205ページは絶対に読み飛ばさないでほしいです。

 先に書きました患者会をお手伝いし始めてまもなく7年、がんは怖い病気だと感じなくなっている私です。もちろん実際に自分自身や家族が罹患すれば気持ちは変わるかもしれません。でも、今日の明日でいきなり生が断絶されることはないという意味合いにおいて、恐ろしいとは感じません。事故や心筋梗塞・脳卒中など、今この瞬間から先が急に閉ざされることのほうが圧倒的に恐ろしいです。


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■9章 乳がん:若い女性は要注意、検査で見逃さないために

・「乳腺濃度は4グループのどこに入るのですか」 p224


 女性の皆さま、定期的な乳がん検診、受けてくださいね。本当に。


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■10章 子宮頸がん:「HPVワクチン」問題、結局受けるべきなのか

・なぜ日本のHPVワクチンは接種率が低いのか p234~


 一刻も早く定期接種が再開されてほしいですし、男子も対象になってもらいたいですし、早く9価ワクチンが認可されてほしいです。
 <過去参照記事> ”10万個の子宮 ~あの激しいけいれんは子宮頸がんワクチンの副反応なのか~”読みました。


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■11章 PET検査、血液がん検診:最先端のがん検査技術、果たしてどう使えばいい?
■12章 がん検診懐疑派への反論:制度は満点ではないけれど、受ける価値はある

・一部の受診者は、不安と疑心暗鬼のるつぼに陥ってしまうのです。 p266

・がん検診でがんが見つかる可能性が低いのは、健康な人ほどがん検診を定期的に受けていて、リスクの高い人たちほど受けていないからです。 p283

・良性と悪性の境界線、見極めは非常に困難 p294


 少し難しいかもしれませんが、しっかり読んでもらいたい章です。易しくわかりやすい文章になるようにされているのが伝わってきます。

 この本を強く推奨されていた仲野先生の講座報告リンクを紹介しておきます。
 「がんってなに? 知っておきたい病気の基礎知識」受講しました
 仲野先生の講座を受講して、今回の本の感想記事を早く書かねばと思った次第です。


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 この本は一家に一冊置いてあって良いです。気になるがん種の章を引きやすいです。「第1版 第1刷発行」とあるように今後改訂版を発行しやすいようにしておられるように感じました。

 マンガもきれいに落ちていて最高です。近藤慎太郎医師のお話を聞ける機会を探したいです。

 

 長文をお読みくださり、ありがとうございました。


「がんってなに? 知っておきたい病気の基礎知識」受講しました


 週末に受講してきました。

 がんってなに? 知っておきたい病気の基礎知識

 講師の大阪大学大学院・医学系研究科・病理学・教授 仲野 徹先生(ツイッターはこちら)とは、元ライフネット生命会長(現立命館アジア太平洋大学学長)の出口治明さんとのご縁で一度お話させていただいたことがあり、一般向けには次の2つの本がお勧めです。



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 2017年9月の「こわいもの知らずの病理学講義」は読ませていただき(感想記事はかけていません…)、2018年12月に出たばかりの「(あまり)病気をしない暮らし」はまだ購入できていません…すみません。

 講座の内容(概略)です。
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・30~40年前に比べてこの10~20年でがんのことはほぼわかるようになった。
 これから劇的に(わかることが)増えることはないと考えられる。

・病理学とは(wiki
・がんとは遺伝子の異常

・細胞の大きさは10μm(1cmの千分の1)
 最大の細胞は0.1mmの卵子
・65kgの大人で37兆個(昔は60兆個と言われていた)
 その2/3は赤血球(核がない)であり、250~300種類ある(昔は200種類)
・細胞はたんぱく質・糖・脂質・DNAでできている


・死者数
 年齢別では戦後あたりまで15歳未満が圧倒的に死んでいた。
 戦後あたりまで高齢者の死亡が少ないのは長生きが少なかったため
 今では子どもは本当に死ななくなった。医学の進歩。

 <参考> 人口動態調査 -厚生労働省-
 例:1900年(明治33年)の出生数は約142万人で新生児死亡は約11.2万人、乳児死亡は約22万人、子どものうち約23%、おおよそ4~5人に1人は生まれて数年以内しか生きられなかったんです。
 これが2017年では出生数は約95万人で新生児死亡は831人、乳児死亡は1761人ですから約0.27%です。劇的すぎる改善です。


・がんの死亡者数は増えているのは高齢者が増えているからであって、年齢調整を入れると明らかに減っている。
・がんのほとんどは上皮性(悪性)で遺伝子の変異、1/100が肉腫

・遺伝子とは60億にもおよぶAGCTの対をつくった並び方
 60億のうち21000がたんぱく質を作る情報
 この対がほどけてコピーを作るのが細胞分裂
 おおよそ10億に1つミスが起こる

・がんとは5~6個の変異の蓄積
 白血病は2つ、小児がんも少ない変異で発動

・年取らないとがんになれない
 変異が1つできてからがん(塊)になるには10年

・近藤誠氏の主張はアホ、まったくのウソ
 本が売れているからと言ってだまされないでほしい


・昔の抗がん剤は細胞の増殖を抑えるタイプだった。
・分子標的療法
・オプジーボは2~3割の人にしか効かない

・医療経済
 年齢別にするのは日本では難しいので、お金で命を買う時代が来る?
 米国や英国は300~400万円が基準
 日本では珍しい治療で最大4000万円でも使えてしまう
 これでは社会がもたない。


・予防するには次の5つをさける
 たばこ・紫外線・ピロリ菌・ウイルス(肝炎)・HPV
 たばこを吸っていて長生きしている人はたまたまの例
 炎症が起こると細胞分裂が増え、コピーミスの機会も増える

・酒は適量でと言われるが、適量でやめられる人はそもそもの生活習慣が良いのでは?

・がんは「運」である
 長生きの時代なので、どうせ2人に1人はがんになる


・人生観
 がんになっても治療しないと言い切っていた専門家もいざがんになると「1日も早く治療を」と変わった。

・民間療法とか食事療法とか意味がない。好きなものを食べて良い。

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<所感>

 真っ当ではない情報をバッサリと切ってくださって、この講座は一般向けでしたからこういった情報に初めて触れる人には強いインパクトで残ったと思います。
 HPVワクチン(いわゆる子宮頸がんワクチン)は効果があることを強く主張されながらも、中学生前後の女性に発生しやすい神経症状が仮に注射をきっかけに発生してしまったら困るので推奨しにくいと濁しておられたのも印象的でした。

 <過去参照記事> ”10万個の子宮 ~あの激しいけいれんは子宮頸がんワクチンの副反応なのか~”読みました。
 (何度でも何回でも書きますが、ワクチンの有無で神経症状の発生数に違いはありません。私は将来的に娘には必ず受けさせます。できれば長男と次男も受けさせます)

 遺伝子や細胞分裂(コピー)の仕組みなどをおもしろおかしく原理原則を知る機会はなかなか無いので勉強になりました。

 がん検診の本でお勧めを挙げておられました。
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 私も以前に読みまして、近いうちに感想を書ければと思っています。

<追記>
 仲野先生とこの本の著者、近藤慎太郎医師の対談が公開されていました。講座でお話しされていた内容もいくつか入っていますのでお勧めです。
 ・医者と患者の「溝」、将来はAIが埋めてくれる? - ナニワの病理学教授が本音で語った医療の課題(前編)
 ・あなたが怪しげな医療情報に惑わされないために - ナニワの病理学教授が本音で語った医療の課題(後編)
<追記ここまで>


 講座後に「標準治療」という言葉が出てこなかったことを質問させていただきましたところ、新刊の1つの章でかなり多めの文章で解説されているということで、新刊「(あまり)病気をしない暮らし」も読まねばなりません。

 仲野先生はノーベル賞を受賞された本庶先生の研究室におられました。本庶先生の裏話もふんだんに盛り込んでくださって、でもこれはここでは書けません…(笑)

 仲野先生、ありがとうございました!!



患者・経験者・家族からの社会保険やお金に関する相談事例 / 精巣腫瘍公開講座2018 in 吹田


 アドバイザーを務めています精巣腫瘍患者友の会による公開講座が13(土)に済生会吹田病院で開催され、私も登壇してまいりました。初開催となった2017年に引き続き2回目です。

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 精巣腫瘍公開講座 in 吹田 開催のお知らせ
 簡単ではありますがポイントだけ書き出します。一部敬称略で失礼します。

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1.精巣腫瘍患者友の会について
  代表 改發 厚

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 2010年10月30日 京都宣言


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2.精巣腫瘍の治療について
  済生会吹田病院 泌尿器科科長 中村 晃和医師

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・20~30代の男性のがんとしては一番多い
・北欧で多い、黄色人種では多くない
・転移があっても(予後不良でも)80%以上が治る
 逆に言うと残りの20%は治療に苦労する

・導入化学療法
 最初にきちんと(ガイドラインに出ている)治療をしていることがたいせつ
・救済化学療法
 導入でも腫瘍マーカーが下がらない場合
・サードラインで終われば80%救命
・4回目からは極端に正存率が下がる
・腫瘍マーカーが正常化していれば残存腫瘍は取るほうが良い

医療従事者が知っておきたいAYA世代がんサポートガイドが7月に発刊
 医療者向け。対応数の少ない若い世代のことは医療者もわかっていない。
・医師というのは世界中で唯一、合法的に人を傷つけることができて人に毒を盛れる。
 副作用なのか作用なのか、抗がん剤の効果が副作用かもしれない。


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3.医療者に知ってもらいたいこと ~人間と人間の出会い~
  精巣腫瘍患者友の会 共同代表 古谷 浩

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・患者と医療者のズレ
・主訴と気持ち
 症状を見るでのはなく人(心)を見る
・病気の人間と人間の病気 


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4.緩和ケアについて
  済生会吹田病院 緩和ケア認定看護師 是澤 広美氏

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・若い患者の対応は少ないことが普通
・急性期の病院において緩和ケアは黒子
・緩和ケアは幅広い からだとこころの苦しみ


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5.精巣腫瘍ピアサポート筑波 活動報告
  精巣腫瘍患者友の会 池内 健一

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・2015年2月が第1回目
・遠方では山形・長野
・病棟の看護師さんが声を掛けてくれるように。

・聞こえる声
 3 今後の生活(就労)
 2 副作用・後遺症(しびれ) 霊能現象
 1 再発への不安

・これからの課題
 3 ファシリテーターのスキル
 2 開催場所・日程
 1 ファシリテーターの不足・高齢化

・経験して
 1 精巣腫瘍を再認識
 2 家族の苦悩
 3 正しい情報を伝える重要性


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6.患者・経験者・家族からの社会保険やお金に関する相談事例
  精巣腫瘍患者友の会 アドバイザー 伊藤 俊輔

配付資料のタイトル抜粋です。

・精巣腫瘍患者友の会ピアサポートでFPが対応していること
・がん治療とお金の問題は世代の違いで仕組みが変わる
・【事例】 精巣腫瘍患者/経験者/家族からの相談
・【1】 精巣腫瘍経験者 住宅ローンは組めますか?
・【2】 精巣腫瘍患者の家族 傷病手当金はいつまで受け取れますか?
・【3】 精巣腫瘍患者 万が一が起こってしまった場合の家族への保障、遺族年金の額を具体的に知っておきたい


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 医療者と当事者(患者・経験者・家族)、そしてサポーターの距離がこんなにも近い患者会というのは存在しないと感じます。

 希少がんだからこそという面は当然にあるとは思いますが、改發さん・古谷さんという代表・共同代表のツートップの組み合わせの妙、つくば担当の池内さんのまっすぐさ、中村先生の寄り添ってくださるスタイル、そして今回でいえば休日にも関わらず精巣腫瘍に関して学びたいと出てきてくださっていた看護師さん。安易な表現となってしまいますが感動的です。

 私は同年代だからこそ(最近は若い人のほうが多くなってきましたが)お手伝いすることにハードルは感じませんでしたし、意味合いも大きいことは間違いありませんので継続できています。事務所から近すぎる場所、事務所や自宅から考えても最も近い大きな病院でのピアサポート開催でしたから奇跡のようなものです。

 患者会はみんながボランティアです。(交通費実費程度の謝金は受け取っています)
 長く続いていることが大事だと思いますし、それも私の方向性とも合っていますし、これからも長くお手伝いできればと思っています。

 皆さま、ありがとうございました!!


 <参照ブログカテゴリ> 精巣腫瘍患者友の会ピアサポート


”世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事”読みました。


 ”世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事”(2018年4月26日 第1刷発行)を読みました。

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 著者は現在は米国で活躍されている医師の津川友介さん。
 ツイッターはこちら。この本を出版される前からフォローしています。

 がんの患者会さんを現時点で6年お手伝いしているからかもしれませんが、がんにならないための食事やがんを治すための食事など、特にSNSでは情報が氾濫しています。その多くは信用に値しないもので、正しい表現を使うと「科学的な根拠(エビデンス)がない」もの、イメージや印象操作や個人の感想ばかりです。

 タイトルの通り「科学的に証明された」という部分がこの本を手に取った最大の要因です。いつも通り、アウトプットとしていくつかポイントを引用させていただいての所感を書くスタイルです。今回はファイナンシャルプランナー(FP)では専門外ですので引用が多いです。

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■はじめに

・膨大な研究論文からわかった「究極の食事」 p12~
・一個人の経験談よりエビデンスが大事 p13~


■第1章 日本人が勘違いしがちな健康常識

・表1-1 健康に良いかどうかで分類した5つのグループ p32

・この本は、食事に関する科学的根拠をとりまとめて説明した「百科事典」ではない。科学的根拠を、筆者が日々の食事を取り入れることができるように解釈し、平易な言葉で説明した本である。 p39


 この本の端的な結論はp32の表1-1です。引用はやめておきます。

・グループ1
  健康に良いということが複数の信頼できる研究で報告されている食品
・グループ2
  ひょっとしたら健康に良いかもしれない食品
  少数の研究で健康に良い可能性が示唆されている
・グループ3
  健康へのメリットもデメリットも報告されていない食品
・グループ4
  ひょっとしたら健康に悪いかもしれない食品
  少数の研究で健康に悪い可能性が示唆されている
・グループ5
  健康に悪いということが複数の信頼できる研究で報告されている食品

 この5区分です。良いグループ1も悪いグループ5も、日常的に食しているものです。グループ1の5種類すべてが日常的ではないとは思いますけれど。

 悪いグループのものだからといって一切口にしない、良いグループのものだけを口にするというのは現代社会において現実的ではなさそうに思います。正直に書いて私も無理です。
 著者も悪いグループのものを一切食べるなとは主張されていません。グループ5を「減らし」てグループ1に置き換える(p30)、こういうことです。


 大事なのはデータの扱い方、情報のとらえ方です。時々このブログでも書いていますが、エビデンス(科学的根拠)という考え方そのものを受け入れることのできないタイプの人をSNSでは目にします。体験談や経験談は個人の感想です。
 個人の感想がダメだというのではなく、その結果を得られたのは幸運ですね、その選択をしたときに他にも取り組んだことないですか、こんな感じです。根拠なく他人に勧めないで欲しいんです。ただそれだけなんです。


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■第2章 体に良いという科学的根拠がある食べ物
■第3章 体に悪いという科学的根拠がある食べ物

・日本食が健康に良いというエビデンスは弱い p62
・オーガニック食品は健康に良いのか? p83~


 第1章の表1-1を踏み込んで解説されている2つの章です。

 とにかく衝撃的なのは「白米」です。毎日食べるじゃないですか、気づけば毎食の日もあるじゃないですか。
 日本で生まれたからには白いご飯が主食ですし、普通に大好きな人が多いと思うんです(全員とは言いません)。ここだけはエビデンスがあると言われても踏み切れると思えない私です。

 おいしいもの・好きなものを食べないストレスのほうが体に悪いと信じる非科学的な選択を取ることになりそうです(苦笑)


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■特別編 病気の人、子ども、妊婦にとっての究極の食事

・インターネットを使って正しい健康情報を入手する方法 p165~


 病気で取り上げられているのは、糖尿病・高血圧・腎臓病。
 人の区分としては、高齢者・子ども・妊婦。

 反対に言えば、これらに該当しない方々は自由で良いと思うんです(伊藤の解釈です)。
 立場上がんを取り上げることになりますが、食事でがんは治りません(科学的根拠はありません)し、食べてはいけないもの・食べるべきものという強制は余計なストレスを生むことになり、そのストレスのほうが治療に向き合うにあたって良くないことだと感じることが多いです。


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 食は人生において楽しみの1つです。
 1番の楽しみだという人もおられるかと思います。

 結局は何を優先するかに行き着きます。とはいえ、健康や病気が気になったときに、食事のことについて世の中の情報を得る際には必ずこの本の内容を前提としてもらいたいです。


 現在の私はおかげさまで健康です。将来健康でなくなったときが来たとして、原因が「白米を食べ続けたこと」であったとしても、理解して食べていきますので皆さまご容赦をお願いします(誰に謝っているのかわかりませんけれど…

 

 どの本もそうなのですが、この本もタイトルは著者ではなく編集者が決められるということで「究極の食事」という表現は賛否を生んでいるようですが、中身を読めば気にならないのではないでしょうか。


<過去参照ブログ>
”各分野の専門家が伝える 子どもを守るために知っておきたいこと”読みました。
”「ニセ医学」に騙されないために ~危険な反医療論や治療法、健康法から身を守る~”読みました。


 長文をお読みくださり、ありがとうございました。