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「無料?マジで?全部?」「そこまで無料ってすごい!」を考える。


 この3年ほど気になってなかったようです。
 久しぶりに駅構内で目に入ってきました。

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 前に記事を書いたのは2017年5月でした。
 特集「マンガでわかる 家を買うお金入門」の雑感。

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・「買うvs賃貸」講座の受講
・住宅購入に関する相談
・すぐに家を買わなくても先に知っておくと役立つ最新の情報
・営業は一切ない
・中立的な立場で住宅検討をサポート
・予算、希望エリアなどご要望をお聞きした上でぴったりの物件をご紹介
・モデルルーム見学の予約を代行
・検討物件の断りも代行
・ライフプランの設計や家計の見直しまでお手伝いできるファイナンシャルプランナーを無料でご紹介することも可能

 書き出してみました。


 いかがでしょう?無料でお得!と感じられただけでしたら何も問題ないかもしれません。
 職業病のようなものですけれど、なぜ無料で運営できるのか気になってしまうんです。

 担当者さんの給料は何が原資なのでしょうか。
 複合施設などにあるカウンターの運営費はどうやってまかなわれているのでしょうか。

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 私が書くまでもありませんが、紹介料ですよね。マンション購入に進むことで事業者から物件価格の〇%が紹介料として支払われるという流れです。

 仮に物件価格が5000万円だとして、1%でも50万円です。2%=100万円、3%=150万円、実際の割合を私は知りません。大きなお金が動きますからわずかな割合でも大きな金額です。
 購入者が直接に担当さんへ支払うわけではありませんが、実質は購入者が支払っているといえる面もあるかと思います。

 もちろん買わない人もいるわけです。購入まで進まなければ運営者の収入にはならないですよね。(見学者の数で1件いくらなんて仕組みもあったりするのかもしれませんけれど…)


 「心配しなくても大丈夫ですよ」

 うーむ…

 「そこまで無料ってすごい!」

 うーむ…


 こういった仕組みが良くないってことではないんです。
 集約された情報を確認できる、販売者ではない立場の意見が聞ける、良いと思います。

 でも、買ってもらわないと収入にならないってことであれば、買ってもらう流れにするしかないです。
 もちろん手のかかる人を追わないって方針もあるでしょうから一概には言えないかもしれません。

 「無料」の背景を考えてみたいってお話です。

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 なお、タイトルに使われていました「裏技」には違和感がありまして「基本情報」かなと読み取りました。
 裏技って引き付けられるキーワードですよね。世の中そんなにないですよ、裏技って。

 ※ この記事は有料相談をお受けしている私によるポジショントークです。ご承知おきください。


”必携!認知症の人にやさしいマンションガイド”読みました


 ”必携!認知症の人にやさしいマンションガイド ~多職種連携から高齢者の理解とコミュニケーション~”(2019年8月1日 初版発行)を読みました。

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 臨床心理士・社会福祉士・精神科医・弁護士・司法書士・産学連携コーディネーターなどの専門家9名による共同執筆で、監修として執筆者の多くが理事として名前を出しておられる一般社団法人 日本意思決定支援推進機構という団体名が書かれていました。
 4月に「実践!認知症の人にやさしい金融ガイド ~多職種連携から高齢者対応を学ぶ~」の感想記事を書きまして、関連本です。


 この本はマンションの管理組合、管理会社に勤める人、認知症の援助者・支援者向けに書かれた本のようですが、認知症を患った人の家族などの関係者が住居関連でさまざまな方々と関わるうえで知っておきたい内容だと感じました。

 いつも通り、アウトプットとしていくつかポイントを引用させていただいての所感を書くスタイルです。

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■はじめに
■認知症顧客対応べからず十三カ条

・認知症は脳の動きが低下して記憶力や判断力が低下し、社会生活に大きな影響が出る病気 p6
・事例から見る利用者の段階 p8~
・早期の段階から支援するために市町村に認知症初期集中支援チームが設置されています p14


 病気ですから発症し進行します。体調が悪くなったり倒れたりするわけではありませんから近しい人が気づきにくいのだと事例を読んで感じました。特に親族が遠方で顔を合わせる機会が1年~数年に1回のようなケースは注意が必要なのではないでしょうか。

 段階として、気づき → 困惑 → 混乱 → 危機という4つの段階を知っておくのもわかりやすさが増すと感じます。ケーススタディで3つの事例、困りごとで8つの事例が出てきて、それぞれどの段階(フェーズ)なのか明確にされています。

 「認知症初期集中支援チーム」で検索してみました。京都市でもこれだけの情報が整っているのですね。今回初めて知りました。
 ・京都市認知症初期集中支援チームの全市展開について 2019年6月27日
 ・京都市認知症初期集中支援事業 2020年4月5日

 「認知症顧客対応べからず十三カ条」は前書と同じでした。


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■1 ケース・スタディ

・【気づき】(団地駐車場での事故)身近なところに住む人が普段のAさん(認知症該当者)の様子をふまえてAさんを説得することは、とても重要です p18
・認知症になっても外出を続けられるまちづくり p23
・【困惑】物盗られ妄想の隣人 対応のポイント p24~


 この【気づき】の事例は、事故が起きて生活に支障が出始めているので【困惑】ではないのかなと思いました。でも、初めて他の人に認知症を明らかにしてもらうきっかけがあったという意味での【気づき】なのかもしれません。その他、【困惑】と【危機】の事例も考えさせられます。


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■2 管理する上での困りごと

・【気づき】【困惑】感情の高まりによる攻撃 p34~
・迷惑行為は、刑法や迷惑行為防止条例に違反する可能性 p36
・(施設選びでは)住み慣れた家から少し遠くても、生活していた部屋と比べると少し狭くても、捻出できる予算より少し高くても、その方のこだわりや、やりたいことをきちんと理解し「その方らしい生活」を作ってくれる施設を検討するべきだと思います p37
・【困惑】夜中の大声や騒音 p38~
・地域包括支援センターの職員には守秘義務があり、その職員がDさん(認知症該当者)を訪問する理由については、Dさんにわからないよう配慮されます。そのためEさん(騒音被害者)は安心して連絡できるのです p40


 その他にも、妄想・危険行為を認識していない・自分の家がわからない・悪意のない滞納・ボヤ騒ぎ・介護などのサポート拒否といった事例が続きます。
 家族だけで穏やかな状態に持っていけるとは思えません。できる限り早期の専門家による介入が必要です。勉強になります。

 ファイナンシャルプランナー(FP)として気になったのは「捻出できる予算より少し高くても」の一文です。可能な限りコストを抑えて…と主張するつもりはありません。大事なのは少し高くなったことによる上乗せ部分を誰が負担するのかの視点です。
 親子関係・兄弟関係・親族関係、ケースバイケースですから一概に答えはありません。また、施設で直接発生する費用はそのときに高いと感じても、実際に施設へ入居することで他の費用が減ったり見直したりすることで結果として何も問題ないかもしれません。このあたりを数字で安心につなげる専門家はFPです。


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■3 認知症の理解 

 前書「実践!認知症の人にやさしい金融ガイド」の「1」と同じ内容が再構成されていました。事例も同じです。今回のほうが読みやすいデザインになっているように感じました。

 p74「認知症チェックリスト」は前書p16と同じでした。こちらをご参照ください。
 認知症?「気づいて相談!」チェックシート 京都市 認知症の症状と早期発見


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■4 コミュニケーションの基本知識

・高齢になると起こりやすいこと p76~
・認知症の人に起こりやすいこと p80~


 視力・聴力・記憶力や人生の終焉に向かう不安はいわば老化として当然ですから「高齢になると起こりやすいこと」です。
 それに対して、表現が難しいのですが問題行動は脳の病気が原因ですから「認知症の人に起こりやすいこと」なのかなと読み取りました。
 専門家に頼ることのたいせつさを認識させられます。


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 この記事の途中で一度も使わなかったのは「マンション」という用語です。本のお題としてマンションとなっていますけれど、「住まい」を軸に考えるうえでマンションに限らずご近所付き合い・町内会などでも大きく変わらないと思います。

 p68「マンションの今後」として、築後30、40、50年超の分譲マンション数という国土交通省のデータも出ていました。これはこの本に限らず、近い将来にものすごく大きな動きが出てくるように思います。約20年後に築50年超のマンション戸数が約200万です(現在おおよそ6万超)。所有者が認知症であれば進まないことも多くなってきそうです。


 認知症を患った人の住まいのことを家族や関係者が考えていくうえで知っておきたい内容のまとまっている本だと感じました。

  

 長文をお読みくださり、ありがとうございました。


「銀行等では対応が難しい融資の事例」受講してきました


 先日とある専門家さんからお誘いいただき、こんな勉強会に参加してきました。

 「銀行等では対応が難しい融資の事例」

 日本貸金業協会に所属している金融機関の立ち上げ時から20年以上関わっておられるベテラン金融マンさんが講師でした。

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・一般の金融機関は手間がかからない・時間がかからない・既定のチェック項目で審査するので感情が入らない。低金利なので数をこなす。

・特殊な融資は面談によるヒアリングが生命線で、既定のチェック項目ではなく「返済できる人」かどうかを見極める。

・融資の実績と返済の実績があれば、一般の金融機関が貸してくれるようになる可能性がある。特殊な融資は、いわば「つなぎ」。多くが借り換え前提なので、実行手数料・金利・解約(全額返済)手数料が高くても使ってもらえる。

・一般の金融機関では考えられない年齢の人にも長期で貸す。引き継がれての返済が見込めれば問題ない。築古物件も同様。

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 90分でたくさん事例をお聞かせくださいました。事例をたいせつにお話しされていたのがとても印象的で、書けないキーワード(自主規制)も多いです。大事なポイントであえて早口だったり、自社特有の優位点を話される際に出ていた「えへへ」という笑い方が特徴的だったり、いろんな意味でとてもインパクトのある勉強会でした。

 金融機関に所属されているという立場上、講師料が不要・無料という条件はかなり有利に働くようで、専門士業の団体さんからの講師依頼がかなり多いそうです。


 個人的にはこういった商品・サービスを利用しなくても問題なく生活できるのが理想だなと思いましたし、私が相談をお受けしている範囲や身近でイメージはつきませんでしたが、世の中にはニッチな商売(商品)・サービスを必要としている人が多いのだと印象深かったです。

 この引き出しを使う場面は現れないことを願いつつ、この感想記事をまとめました次第です。たくさんメモをしましたので、データはたいせつに残しておきます。

 お誘いくださいました専門家さん、ありがとうございました!!


屋内点検口と屋外点検口の間の配管


 先日のとある休日、京都市内にお住まいのSさんご夫妻のお宅を定期訪問しました際の件です。特定されない書き方で記事にすることについて許可を得ています。

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 Sさんご夫妻はご自宅の他に築年数不詳の一戸建てをお持ちで貸しておられます。相談対応中に入居者さんがインターホンを鳴らされ、Sさんが席を外されました。

 トイレの流れがよろしくなく、詰まっているのかなと思ってマグネットのついているタイプでポストによく入っている対応業者を呼ばれ、業者の人も一緒でした。

・トイレすぐの詰まりではなく、下水までの配管がかなり詰まっている
・このままだと数日もたずにあふれる
・高圧洗浄が必須、そのあとにカメラで配管の調査もしておくことを勧める
・今から手配すれば今日中に必ず対応できる

 業者の人はこんな感じで話され、入居者さんはトイレが使えなくなるかもしれない不安でいっぱいの表情だったそうです。


 この家を貸しに出される際に仲介業者さんを紹介したのが私でして、Sさんからどうしたら良いか(たまたま訪問中だった)私に質問があり、もちろん私はそういったことの専門家ではありませんので、仲介業者さんに電話したところ、

・具体的な調査内容もわからないのにそのまま対応を依頼するのは勧められない
・現時点で流れない状態ではないのに「数日もたずにあふれる」は明らかにあおっている
・こちらの業者を手配するので引き取ってもらって問題ない

 ということでSさんにお伝えし、入居者さんには「できるだけ早く対応するので少し待ってほしい」、業者の人には「付き合いのある業者を呼ぶので今日はお引き取り願いたい」とお話しされ、仲介業者さん側の業者さん待ちとなりました。

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 <この先は心してお読みください>
 <次の ----- まで飛ばしていただいても良いです>


 そして運よく、その1時間半後には仲介業者さんと業者さんが2人で現地に到着。私もまだSさんのお宅にいまして、その後の対応予定がなかったため立ち合わせてもらいました。

 最初の業者からは「台所の水の流れ出る部分が相当汚れていて、ここでこれだけ汚れていればこの先でトイレと合流するから間違いなく詰まっている」と説明があったそうです。
 こちらの業者さんは台所と風呂の点検口が建物のすぐ外にあるのを確認して調査し、多少の汚れはあるが流れないとか詰まりの兆候は一切ないとのことでした。

 その後、トイレの屋内点検口・屋外点検口を確認され、調査開始です。入居者さんによると、この2ヶ所を最初に業者は確認していないということでした。トイレの配管ではなく、台所の汚水配管を洗浄しようとしていたようです…。


・流れにくいことの確認でトイレをラバーカップ対応
 トイレに近い部分で少し詰まりがあったようで解消
 (最初の業者はこれさえもしておらず…)

・屋内点検口に確かに汚れはたまっていたが、トイレの水は流れてきているので問題は屋外点検口との間の配管
 (最初の業者はこの配管の位置も確認しておらず…)
 配管にホースをつっこみ、水を流しながらホースをつっこむこと数分。効果があまりないので、今度は屋外点検口から同じくホースをつっこみ、水を流しながらホースをつっこむこと数分。

 私は見ていませんが、かなりドシャーっと流れ出たそうです。そして改めて屋内点検口からも再度ホースをつっこみ、水を流しながらホースをつっこむこと数分。さらに追加でドシャーっと流れ、すべて解消。


 Sさんの記憶によると、数十年前に一度こういったことがあったそうです。点検口のあたりに不具合は今回見つかりませんでしたので何が原因かははっきりしないようですが、屋内点検口から屋外点検口への勾配が緩やかなようで、このあたりは築年数不詳ゆえの不具合と言えるのかもしれません。

 詰まりが解消され、トイレの流れ方も元通りになりましたので、入居者さんの安心された表情が印象的でした。

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 教訓です。

 Sさんはこんな話もしてくださいました。

 「伊藤さんの紹介の〇さん(仲介業者)からの紹介の修理業者さんなら、突然に高額な見積りを言われても”必要な対応なのだな”と疑わないけど、まったく知らない業者から”それくらいかな?”と思える金額を言われても信じにくいですよね」


 ましてや今回、結果論とはいえ最初の業者はまったく的外れな調査で対応を進めようとしていたわけです。もちろんこちら側の業者さんが100%常に正しいなんて思っていませんが、それでも比較って大事だと改めて感じました次第です。

 自分自身に専門の知り合いがいなくても、信頼できる人に誰か紹介してもらえないのか聞いてみるというのが大事な選択肢です。


 なお、Sさんは入居者さんに対し、「今後、何か困ったことがあれば、業者へ連絡する前に仲介業者の〇さんか私に連絡してくださいね」とお話しされていました。入居者さんはラバーカップの対応だけで済むものだと思い、深く考えずに業者へ連絡してしまったとのことでした。

 長文をお読みくださり、ありがとうございました。


「法的障害による処理困難不動産の処理方法」受講してきました。


 4月某日、FP資格を持った人たちが中心に参加する不動産の勉強会を受講してきました。FP資格をお持ちでない不動産関連の人もおられたようですが、30~40人近くの参加がありました。

 お題は「法的障害による処理困難不動産の処理方法」、講師は大阪の17年目のベテラン弁護士さんでした。

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 内容の大項目は次の3つで、それぞれのキーワードです。
 (私の記録用メモなので、なんのこっちゃわからないと思います…)

■遺産分割未了物件
・遺産分割調停
・相続財産管理人
・特別代理人

■持ち主不明物件
・職務上請求
・不在者財産管理人
・時効取得
・移送上申
・予納金
・善意無過失

■借地上建物
・譲渡承諾料
・逸失利益
・若年者の自殺

 漢字での法律用語ばかりですが、事例を基にしたお話しであっという間の1時間半でした。

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 インパクトのあった解説

・「不動産の相談が好き」と事あるごとに話していたら、そういった事案をたくさん預かれる機会をいただけた。

・遺産分割調停は資産(特に不動産)が多いとなかなか進まない。

・相続人の一部が認知症等で判断能力がない場合、成年後見を開始するほかない。

・買いたい(欲)だけでは法律上の利害関係は認められない。

・裁判所は争わないなら事実と認める(調書判決)が、法務局は受け付けない。

・(血のつながっていない者同士の)離婚より(血のつながっている者同士の)相続のほうが間違いなく「もめる」


 私道を市道と混同しないよう「わたくしみち」、細長い帯状の土地を「おりぼん」と表現されていたのも印象的でした。

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 いわゆる「もめごと」であったり、複雑すぎる対応はファイナンシャルプランナー(FP)では解決できませんし、内容によっては法律家が当然に必要です。
 私へ依頼くださる相続などの相談はシンプルなものばかりです。ただ、これからどんどん進む多死の時代、相談をお受けするきっかけが私となることもあるでしょうし、法律家の方々との連携ももっともっと必要になってくるものと思っています。


 私も「公的年金の相談が好き」をもっと発信していくほうが良いってことですね。でもここがきっかけになるのは比較的年齢層が上ですよね…20~40代くらいの相談お待ちしています(笑)

 良い機会をいただきました。主催者の皆さま、講師を務められました弁護士さん、ありがとうございました!!