毎月13000円積み立てておく / 一戸建て修繕の実態調査結果


 2016年8月にネットに出ていた調査結果記事です。

 一戸建て修繕の実態、平均築年数35.8年で修繕費556万円 アットホーム調べ

 例えば10年後にはこんな補修が必要と見込まれるというような記事は検索すれば出てきますけれど、具体的に「これだけかかった」というデータは珍しいのではないでしょうか。


 詳細なデータはリンク先を見ていただきたいのですが、平均を単純に計算すると、35.8年で556万円ということは1年平均15.5万円、月あたりに均(なら)すと約13000円です。

 この調査には平米数の情報がありませんので本当にざっくりという言い方になってしまいますが、結論としては一戸建てに長く住まうために修繕を目的としたお金を毎月13000円積み立てておくと良いということになるかと思います。

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 リンク先のさらにリンク先にPDFファイルもありまして、築年数別の費用分布というグラフもあります。

 これを見てみると、極端な費用負担の発生している1500万円以上という比率が、30~34年で5.4%、35~39年と40~44年でそれぞれ7.5%あるわけです。

 これを例外として除外し、分布の中央値で試算してみたところこんな結果となりました。
 ・30~34年 全体平均 495万円 試算平均 約440万円(差 約45万円)
 ・35~39年 全体平均 583万円 試算平均 約490万円(差 約93万円)
 ・40~44年 全体平均 602万円 試算平均 約490万円(差 約112万円)

 大きな数字が平均を押し上げてしまうのはどんな統計でもあり得る話です。

 だからといって毎月の積み立てが少なめで良いと言いたいわけではありませんので、毎月13000~15000円を目安としておくことが将来の安心につながるように感じます。

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 調査対象の条件は、新築で購入して30年以上住んでいることですから若くても50代以上の方々ということですが、すでに退職金を受け取っている人も365名おられ、そのうち退職金を修繕費に使った人が239名、率にして約68%おられました。

 そして、その平均修繕額は394万円。
 将来それなりの心づもりが必要だということかと思います。


 個人的に驚いたのは雨漏りの件。
 雨漏り経験者が約45%もおられるということ。ほぼ2軒に1軒です。

 おおよそ屋根・外壁・壁紙/内壁が対象かと思います。
 それぞれ1回あたり平均で100万円・110万円・64万円という結果でしたので、合計すると374万円。大きな割合を占めますね。


 小ネタとして感じたのは給湯器。
 1回目修繕時の築年数平均が19.1年となっていました。

 一般的には10年くらいが寿命と聞きますので、かなり長持ちしていますよね。
 昔の給湯器は長寿命だったのでしょうか。

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 とある設計士さんに聞いたところによると次の情報をいただいたことがあります。

 ・最低限の修繕のための毎年積立金 建物価格の1%
 ・超長期にわたって維持していくための毎年積立金 建物価格の2%

 毎年2%ということは50年で100%ですから1軒分です。
 何か目安をと言われれば、このあたりの情報を参照していただくことになります。


 2016年の今、30年前の家は1986年建築、40年前は1976年、50年前は1966年です。
 これらの建物とこの10年ほどで建てられている現代の建物でどのように違うのかは、別途専門家の方々に確認してみる必要があると考えます。答えは聞く相手によって変わってくるのか、それとも同じなのか。いろんな専門家に聞いてみたいと思っています。

 一戸建を購入・建築される際には、その工務店さんや不動産業者さんに必ず将来の修繕目安(期間と金額)を確認してみていただきたいです。


 <参照web>
 ・2016/7/6 目安は月3万円 戸建て住宅でも「修繕積立金」 日経電子版
 ・2015/9/28 一戸建てにも「修繕積立金」が必要な時代がやってきた SUUMOジャーナル



特集「マイナス金利でどう影響?今の給料で変える額」の雑感。


 SUUMO関西新築マンション2016.7.19号「マイナス金利でどう影響?今の給料で変える額」という4ページの特集を読みました。

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 僭越ながらこれまでこのblogで取り上げてきた特集に比べると安定感のある内容でした。拝見すると監修にベテランFPさんのお名前がありました。
 住宅ローン返済だけでなく、管理費・修繕積立金・固定資産税など毎月別でかかってくる費用のことの解説も含まれており、「金利上昇に備えた変動型利用のテクニック」なども評価できます。

 とはいえ、2点書いておきます。

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 現在の住居費+住宅資金の積立-管理費・修繕積立金・固定資産税など
 =毎月返済額

 このように解説されています。

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 ※ クリックすると拡大します。

 共働きで子どもなしのケースで、10万円+5万円-3万円=12万円
 片働きで子どもありのケースで、11万円+2万円-3万円=10万円

 このような試算が掲載されていました。

 まず2組とも「住宅資金の積立」をきちんと5万円・2万円もしているところが大きく評価できるところです。


 勝手ながら「住宅資金の積立」をしっかりできているケースをあまり見たことがありませんので、除外してみようと思います。

 共働きで子どもなしのケースで、10万円+ゼロ-3万円=7万円
 片働きで子どもありのケースで、11万円+ゼロ-3万円=8万円

 現実的な数字はこうかなと感じますが、いかがでしょうか。

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 もう一度、共働きを見てみます。
 
 共働きで子どもなしのケースで、10万円+5万円-3万円=12万円

 さらにボーナス返済も1回あたり10万円、年間20万円という設定です。


 このケースで怖いのは、妻が妊娠・出産することで一時的に収入ダウンしてしまうことであり、さらに復職したとしても時短勤務等で元の収入に戻るまでそれなりの年数がかかるケースの方が多いのではないかというところです。

 その期間も毎月12万円+ボーナス返済年間20万円で問題ないのかを考えていただきたいところです。

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 次に頭金の考え方です。

 貯蓄-諸費用-手元に残すお金=頭金

 このように解説されていました。

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 ※ クリックすると拡大します。

 手元に残すお金については「6ヶ月~1年分の生活費・レジャー費・趣味のためのお金など」と書かれています。

 この「など」には教育資金が含まれているのかどうかが不安です。

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 というように書いていると、住宅ローンおよび住居費に密接に関わるような項目の費用だけで住宅購入の資金計画を考えることに難しさを感じます。

 「今の給料で買える額」として「生活レベルを落とさない」「週1の外食続行」という小見出しも目に入ります。


 不安をあおるつもりはありませんし、いわゆる住宅ローン破綻してしまう人というのはごくごく一握りの方々であるのも間違いないと思っています。多くの方々は多少の苦しい時期があったとしても何の問題もなく返済が完了するものと思っています。

 大事なのは返済完了までよくわからない状況が続いてしまうことをさけ、おおよそ見通しを立てることができておくことの安心感でしょうか。その安心感だけのために相談料をかけるのかという視点があっておかしくないとは思いますが、専門性を持ってその安心感を提供できるのが有料の個別相談であると信じています。

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 特集の前後にあった住み心地鑑定という企画おもしろかったです。
 
 ブログ内検索で「SUUMO」と入力して検索いただくと、これまで6回ほど取り上げている記事が出てきます。何かの参考になりましたら幸いです。


住宅の購入から10年後、


 記事をご紹介します。

 目安は月3万円 戸建て住宅でも「修繕積立金」
 7/5(火)に私もツイッターで書き込んだ記事です。


 7/15のブログ記事でもこのリンクは埋め込んでいましたので、重複すみません。

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 私の書きこんだコメントがすべてを表しています。

 「一戸建てで、将来の修繕費やリフォーム代を目安でも購入時に説明している工務店 ・ハウスメーカーってほとんどないように思いますがいかがでしょうか」


 記事にもありますが、将来の修繕費用として3万円を積み立てることができれば、1年で36万円、10年で360万円、30年で1080万円貯まります。途中で一定額を使うとしても、十分な修繕費用になるように思います。

 私の最も信頼している設計士さんは、修繕費用として年間で少なくとも建物価格の1%を積み立てておきたい、1%はあくまでも最低限であり本当は2%が良いとお話しされています。
 1500万円の1%は15万円(月12500円)、2%は30万円(月25000円)
 2000万円の1%は20万円(月16700円)、2%は40万円(月33300円)
 2500万円の1%は25万円(月20800円)、2%は50万円(月41700円)
 3000万円の1%は30万円(月25000円)、2%は60万円(月50000円)
 このようなイメージです。

 このように「貯めておいてくださいね」と購入時にアドバイスされているハウスメーカーや工務店さんってどれくらいあるのでしょうか。口頭では伝えておられるケースはあるのかもしれませんが、きちんと書面で案内しているところがあればぜひその資料を拝見してみたいところです。


 こんなブログ記事も見つけました。
 大手ハウスメーカーの30年保証って、どうよ?
 ・30年保証を謳いつつ、10年ごとの点検と補修を条件
 ・この工事をしなければ保証は打ち切られます。ある意味、独占禁止法違反みないなもの
 ・見積もり額は相当に高いし、10年目でやる必要もない工事が多い

 余裕のある資金計画で購入できている人なら問題ないのかもしれませんが、ハウスメーカーであれば価格は平均よりも少し高いように思いますので、住宅ローン返済だけでも大変かもしれないなか、きちんと説明を受けていなかったまとまったお金を10年後に準備できているかどうかは悩ましい問題かもしれません。


 購入から10年後、お子さんがおられれば教育費負担が大きくなってくるかもしれません。
 購入から10年後、住宅ローン控除が終了しますので年末調整でまとまったお金が返ってきません。
 購入から10年後、地震保険は5年ごとですので、10年後は2回目の更新です。関西の場合、5~10万円程度の保険料負担かと思います。
 購入から10年後、給湯器や新調した電化製品などが傷み出すころでしょうか。
 購入から10年後、収入は順調に増えてそうでしょうか。維持できて良そうでしょうか。ボーナスは出続けていそうでしょうか。

 購入から20年後、教育費負担の峠は越えているかもしれません。
 購入から30年後、夫婦2人ですから住宅ローンが残っていても、多少家が傷んでいても、夫婦2人のことですから生活は何とでもなると思います。

 最初の記事にある通り、建物の修繕専用として月3万円ずつ貯めることができていたとして、30年後にどれだけ手元に残っていそうでしょうか。
 
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 不安をあおるつもりはありません。

 建物の修繕専用として積み立てていても、使う予定がなかったりするかもしれませんし、使い道の優先順位は建物ではなくなっているかもしれませんから、そのお金を教育費にまわすことができるかもしれません。

 手持ちの現金を確保しておくことで汎用性が生まれます。選択肢が増やせるのです。
 教育費として、修繕費として、繰上返済資金として、リタイア後資金として。名目は何でも構いません。


 でも、何も考えずに貯まっているというケースは多くないのではないでしょうか。毎月や毎年のやりくりの中では、きちんと名目を決めておくことが大事だと思います。実際に使うときにはお金に名前はついていませんから、どんな使い方でも良いはずです。

 購入時の資金計画はもちろんのこと、どのお金から使っていこうかと考えていくときにもファイナンシャルプランナー(FP)はお役に立てると思います。優先的に使っていきたいお金はどれなのか、資産全体を専門性で確認してみると先がクリアに見渡せるケースが多いです。


 というわけで、いつものポジショントークを決めることができましたので、この記事は終了です。いつもありがとうございます。


”本当に役立つマンション購入術”読みました。


 ”~専門家は絶対に教えてくれない~ 本当に役立つマンション購入術”(2015年10月25日第1刷)を読みました。
 著者はマンションブロガーのらえもんさん(ハンドルネーム)。ブログはこちら。ツイッターはこちら

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 のらえもんさんを知ったのはツイッターです。もちろん私は面識ありません。関東・東京のマンション事情は私にはまったくわかりませんので、興味深く手に取ってみました。

 いつも通り、アウトプットとしていくつかポイントを引用させていただいての所感を書くスタイルです。当然ながら引用部は私の独断と偏見によるものです。

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■まえがき
■第1章 戦略的思考で考えるマンション購入とは
■第2章 マンション購入前に知っておきたいこと

・世の中の住宅本ジャンル、著者はだいたい3パターンに分かれます。
 ・住宅評論家(どの街がいいか/家の構造はどうか)
 ・新築販売員(いいマンションとは)
 ・住宅ローンに詳しいファイナンシャル・プランナー(住宅ローンの借り方/返し方)
 彼らはそれぞれの専門性から語りますが、ここに個人、消費者といった視点で書かれた本がないことに気付きました。 p7

・【コラム①】ミニ戸建てとタワーマンション p60~


 人生の三大資金として住宅購入・教育・老後が挙げられます。
 人生の三大支出として住宅ローン・教育・保険(生命保険・損害保険)が挙げられます。

 個人・消費者の視点で書かれた教育費・老後資金・保険の本ってあるのでしょうか。本ですから、ある程度の専門家が書いているケースがほとんどだと思います。のらえもんさんは専門家の領域だと感じます。
 とはいえ専門家の立場で書かれているのではありませんから表の説明などに若干足らずの部分があったりしますが(専門家であってもそのあたりに気遣いの無いケースもありますから一概に言えませんけれど)、挿絵・データ・図表もふんだんに使われていますので読みやすくてイメージも持ちやすいです。

 戸建てではなくマンションを選択するスタンスが明確なことを最初に限らず都度説明がありますので、いわゆる専門書として良い感じです。


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■第3章 のらえもんに聞く!新築マンション購入編
■第4章 のらえもんに聞く!中古マンション購入編

・どの地域のマンションを買えばいいのか p68~
・【新築ケーススタディ4】タワーマンションと低層マンション p106~

・不動産ポータルサイトに物件を載せるには掲載料がかかります。逆に言えば、掲載料を払わないといけない物件がネットに出ており、払わなくても売れるだろう物件は掲載前に業者間ネットワークで消化されてしまいます。 p121
・中古マンションのメリット・デメリットを教えてください p125~
・【中古ケーススタディ2】築浅中古マンションと新築マンションの比較 p141~


 Q&A方式で読み進めやすいです。京都ではなかなかイメージしにくい内容もあるのですが、関西でも大阪ではあり得る内容もあるように感じます。地域性はもちろん致し方の無いことですが、それ以外の内容についてはマンションを選ぼうと思っておられる人は皆さんこの本を一度読まれておいて損はないです。
 私はマンションを買う予定がありませんので無責任と取られるのは嬉しくありませんし、マンション購入に関する相談をお受けすることがあるとはいえ、例えば事務所のある上京区など、集中した同じエリアの物件相談ばかりではなく、エリア的には一戸建ての相談のほうが多いので非常に参考になる部分でした。


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■第5章 のらえもんに聞く!住宅ローン編

・世の中には、銀行に1円でも利息を払ってはいけないという考えのファイナンシャルプランナーや生活アドバイザーがいます。彼らは必死に定年までの完済・こまめな繰上返済の必要性を繰り返しますが、手元に現金があることと、若いころの投資の優位性を強調しません。 p180~


 一応専門家としてここには触れておく必要があるかと思っています。「投資の優位性」は何とも難しいところですが、そこを別に考えたとしても「手元に現金があること」のたいせつさは、のらえもんさんと同意見です。
 「必死に定年までの完済・こまめな繰上返済の必要性を繰り返す」方々へは、公に私も週刊東洋経済の紙面で反論(?)しました。公と書きつつ匿名ですけれど…。

 そして、資金計画は住宅ローン返済だけで完結しません。家計全体・資産全体で対応させていただけることこそがファイナンシャルプランナー(FP)の有料相談のメリットだと強くポジショントークを書いておきます。


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■第6章 のらえもんに聞く!購入後&売却編
■おわりに


 タワーマンションに限らず、マンションに長く住むことを考えておられる場合には必須の項目です。購入がゴールではありません。住み続けることでようやく気づけること、そしていつの日か売却することだってあるかもしれません。オススメです。


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 賃貸・購入・売却の判断は自己責任にてお願いいたします。
 長文を読んでいただいてありがとうございました。


平成28年度 京都市すまいの助成制度


 京都市内にお住まいの方々が対象です。

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 ※ 画像はいずれもクリックすると拡大します。

 チラシの発行者である京(みやこ)安心すまいセンターのwebにもたくさんの情報が掲載され、京都市webへのリンクもたくさん紹介されていました。

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 ・省エネリフォーム
  【平成28年度】京都市既存住宅省エネリフォーム支援事業

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 ・耐震リフォーム
  【28年度】まちの匠の知恵を活かした京都型耐震リフォーム支援事業

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 ・創エネ・省エネ設備導入
  平成28年度京都市すまいの創エネ・省エネ応援事業~京都市はすまいの創エネ・省エネを応援します!~

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 この3点で条件を満たせばかかった費用の一部を助成してくれる制度があります。太陽光発電を導入したり、耐震工事をしたりしたときの助成は知っていましたが、省エネも対象になるものがあるのですね。私は知りませんでした。

 ・窓の断熱改修
 ・断熱材設置(外壁・床・屋根・天井)
 ・内装断熱パネルの設置
 ・高断熱浴槽の設置
 ・ドアの断熱改修
 ・断熱塗装等
 
 等々、非常に幅広いです。興味深いです。
 使うことで住環境が改善できる人が多いように感じます。
 工務店さんやリフォーム業者さんは営業ツールにされているのでしょうか。
 
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 チラシは1枚にまとまっていましたが、webサイトがバラバラだったのが印象的です。

 省エネ
   都市計画局住宅室住宅政策課
    暮らしの情報→住まい→住宅に関する相談・補助制度等

 耐震
   都市計画局建築指導部建築安全推進課
    まちづくり→建築→建築物の耐震→すまいの耐震

 エネルギー設備
   環境政策局地球温暖化対策室
    暮らしの情報→地球温暖化対策→再生可能エネルギー→住宅用太陽エネルギー利用促進事業


 京(みやこ)安心すまいセンターが横断的な役割を担っているのですね。

 建物を改修しようと考えたタイミングでたまたまこういった制度を知った方々、制度を知っていたから改修しようと考えた方々、どちらでも問題ないのだと思いますけれど、政策的には後者であって欲しいのではないでしょうか。

 たまたまこうして私が取り上げたことで、1軒でも利用があって少しでも快適な住環境にしていただくきっかけになりましたら幸いです。


 京都市以外の自治体でもこういった助成の仕組みはあると思います。
 ご興味お持ちの際には、ぜひ調べてみていただきたいです。