相続の「全体像」「仕組み」「税の仕組み」を知る / ミニセミナー第3シーズンスタート!


 18(土)午後、第3シーズン1回目(通算7回目)のミニセミナーを事務所にて開催することができました。

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 知っておきたい!はじめての相続たいせつな基礎知識セミナー

 配付資料のタイトルを大公開です。

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■相続の全体像を知る
・何のための相続か ~ 人生は長い ~
・相続の実際を知る ~ 2015年の死亡数(年齢・性別) ~
・相続とは何なのか ~ みなさんの今の状況は? ~
・ご自身を中心に 家系図を書いてみましょう ~ 家系図の具体例 ~
・相続の登場人物を知る ~ 法定相続人・順位と法定相続分 ~
・相続人の範囲を知る ~ 代襲相続 ~
・遠い将来のために、今を知る 【1】 ~ ライフイベント表 ~

■相続の仕組みを知る
・実際に何を遺すのか、何を遺されるのか ~ 遺産の種類 ~
・遠い将来のために、今を知る 【2】 ~ 家計の資産表 ~
・遺産の分け方、分けられ方 【1】 ~ 遺産分割 ~
・遺産の分け方、分けられ方 【2】 ~ 遺言 ~
・遺産の分け方、分けられ方 【3】 ~ 遺留分 ~
・遺産の分け方、分けられ方 【4】 ~ エンディングノート ~
・遺産を受け取りたくない ~ 相続放棄・限定承認 ~

■相続税の仕組みを知る
・どれくらいから相続税が対象に? ~ 相続税の基礎控除 過去と今 ~
・相続税っておそろしい!? ~ 相続税計算の具体例 ~
・ほとんどの人に相続税は無縁!? ~ 相続税の特例と税額軽減 ~
・相続発生前に資産を渡す ~ 贈与とは ~
・相続開始後の段取りと手続き項目を知っておく

■参考資料
・家系図の具体例
・家計の資産表・ライフイベント表
・相続税額の目安 比較表
・相続税・贈与税の税額速算表

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 知識の羅列ではなく、実際に自分自身や家族に当てはめるとどうなのかをイメージしてもらいやすい構成にしているつもりです。今回は「たいせつな基礎知識」を意識してくださった参加者の方々でしたので、とても良い反応をくださいました。

 相続セミナーといえば、税理士さんや司法書士さんが開催されていたり、ハウスメーカーや銀行が主催のものが多いと思いますし、そのほとんどは無料です。もめごとの実例を示しながらであったり、いわゆる資産家向けの節税に特化した内容であることがほとんどではないかと思います。

 このセミナーはまったく主旨が異なります。複雑なレアケース・金融商品・マンションやアパートの話は出てきません。私も含む普通の人が基礎知識として知っておきたい内容に特化しています。


 いただいた感想は別途まとめたいと思います。
 ご参加くださいました若干名の皆さま、ありがとうございました!!

 今回のお菓子も出町ふたばさん。豆餅と桜餅でしたが写真を忘れました…。


 相続セミナーの第2回目は2017/3/11(土)、第3回目は2017/4/22(土)です。
 いずれも現状は席(定員4名)に余裕あります。
 blogカテゴリ「自主開催セミナー情報」もぜひご参照ください。

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 19(日)京都マラソンがありました。もちろん私は走っていませんが、徒歩5分弱でコースの加茂川へ行けますので少しですが応援してきました。走られた皆さん、ボランティアの皆さん、本当にお疲れさまでした!

 20(月)打ち合わせ1件と個別相談2件お受けします。


相続税の申告統計と財産金額の構成比


 2015年1月より相続税の仕組みが変わりました。

 <過去参照コラム>
 まずは登場人物の把握を!<2015年より相続税の仕組みが変わります>

 2014年12月までは亡くなる人のうち4%前後が相続税の対象となっていたのですが、この改正により1.5~2倍程度に増えるのではないかと言われていました。


 そして、2015年(平成27年)の統計がついに2016年12月に発表されました。

 平成27年分の相続税の申告状況について 国税庁 報道発表資料
 ※ PDFファイル注意

 相続税の申告はわかりやすくいえば亡くなられてから10ヶ月以内です。
 2015年1年間のデータは2016年10月末にすべてのデータが出揃うということになります。

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 詳しくはPDFファイルをご覧いただければと思いますが、単純に相続税の対象となった人数は2014年分の約5.6万人(4.4%)から2015年分は約10.3万人(8.0%)へ約83%増えました。

 このデータのおもしろいところは相続税の申告書は提出しているけれど、各種の特例などを使うと相続税額はゼロというケースも別途数字が記載されているというところです。
 2014年分の約1.69万人から2015年分は約3.00万人へ、こちらの増え方は約78%ということで、税額のある方々よりも少しだけ増え方が小さいんですね。


 相続税額は1兆3908億円から1兆8116億円へ30%ほど増えましたが、1人あたりは2473万円から1758万円へ約29%小さくなっています。
 このあたりはあくまでも平均ですから、一部の巨額な税の対象となっておられる方々が平均を押し上げておられるのは間違いないと思います。

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 個人的には「相続財産の金額の構成比の推移(付表5)」も興味深いです。

 現金・預貯金等の割合はこの10年ほど、ほぼ一貫して増えています。

 有価証券(株式・債券・投資信託など)は、相場を表しています。いわゆるリーマンショック後に比率は大きく下がり、アベノミクス相場でぐっと増えています。

 土地の比率もみるみる下がっているのは一部の都市部を除いた地価の下落が影響しているのでしょうか。このあたりはすみません、専門外なのでよくわかりません。


 相続税の対象となる=平均的な家庭より資産が多い
 この式はおおよそあてはまると思って間違いないと思います。

 現金・預貯金等:有価証券=30.7:14.9
 おおよそ 2:1 です。(土地も含まれているので比率に要注意)


 日銀の統計データである資金循環の2015年末のデータを比較対象にしてみます。
 国民の金融資産1783兆円の内訳です。

 現金・預金:債券・株式等・投資信託=51.8:16.4
 おおよそ 3:1 です。


 単純な試算ではありますが、いわゆる資産家と呼ばれる方々のほうが有価証券の保有比率が高いという印象が具体的に数字でわかるように思います。

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 投資や資産運用を生活や資産形成に取り入れるかどうかは人それぞれ自由です。
 でもおそらく本来は資産額が多くない人ほど、積極的とまでは言いませんが、知っておく必要のある仕組みなんだと感じることが多いです。

 20~40代などの現役世代がまとまったお金を投資や資産運用にまわせるケースは少ないでしょう。コツコツと地道に資産形成していくうえで第一候補となるのは間違いなくiDeCo(個人型確定拠出年金)や企業型DCでしょうし、個人においてはNISA(少額投資非課税制度)の活用も選択肢です。

 トランプ相場(米国の景気回復)に乗せられて大金を投じるなんてお勧めできることではありませんが、つみたて投資はいつ始めても問題ないと考える私です。


 相続税のネタから派生してしまいました。
 長文をお読みくださり、ありがとうございました。


遺品整理士


 突然ですが、遺品整理士という資格を取得しました。

 一般社団法人 遺品整理士認定協会

 取得と言っても、DVDで講義を受講したうえで課題を提出して一定以上の評価を得られれば認定されますので、難易度はそれほど高いものではありません。
 
 遺品整理士とは漢字の通り「遺品を整理する」役割です。

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 日本において死亡数が出生数を超えたのは2007年です。
 2015年においては出生が約101万人、死亡は約130万人です。

 130万人ってすごい数です。
 1日あたり約3560人、1時間あたり約148人、1分あたり約2.5人です。
 現在70歳前後である団塊の世代が平均寿命を超えるころにはもっともっと多くなるわけです。

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 過去において、亡くなられた方々の遺された品々(遺品)の多くは、すそ野の(比較的)広かった若い世代が片付けてきたわけです。

 もうすでにその状況に入っているわけですが、亡くなられる主に一人暮らしの高齢者の方々を十分にサポートできるだけの量を次世代の人数が満たせていないわけです。
 さらには距離の問題であったり、90歳代・100歳代の方々の資産(遺品)を引き継ぐ世代も高齢であるという問題があったりするわけです。

 いわゆるゴミ屋敷のような状況は増えているとは聞きますが、一般的には稀でしょう。
 それでも一戸建てやファミリー向けのマンションに高齢者だけが住んでいた場合、とんでもない量の家財道具や思い出の品々が雨上がりのタケノコ状態で片付けても片付けても終わりの見えない状況となるケースは日常茶飯事になっているのではないかと感じます。


 遺品整理士という資格を取得したのは、最低限の知識を得ておきたかったからです。

 他人が見えればゴミにしか見えないような場合であっても、亡くなられた方々の品々はあくまでも遺品であり、気持ちの宿っているものという考え方が日本では強いように思います。

 遺品とはいえ、引き継ぐ物と引き継がずに廃棄する物に仕分ける必要があります。廃棄する場合には各種の法令が関わってきます。廃棄物処理がその代表でしょう。

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 ファイナンシャルプランナー(FP)として相談をお受けすることが業務である私には、当然ながら遺品整理に関する実務経験はありませんし、これから実務経験を積んでいく予定もありません。

 しかしながら、相続の相談として生前および亡くなられた後のお宅を訪問し、公的年金を中心として社会保険関連の書類、銀行・証券・保険など各金融機関の書類整理を対応させていただくことはおかげさまで回数が増えてきていますので、遠からず近からずだと思っています。


 この度、実務経験豊富な遺品整理業者さんと情報交換させていただきました。

 まだ一度も一緒にお仕事をするところまでには至っていませんので、具体的な会社名は出せません。よくよくわかったのは、遺品整理業はかなり競争の激しくなっている分野であり、コストの安い・比較的作業の雑な事業者が増えてきているということです。

 情報交換させていただいた専門家さんは、費用が高いようです。でも、とても丁寧であることがわかりました。私のスタンスとも一致します。
 (短時間で何も考慮する必要もない、とにかく片付けて欲しいというニーズを否定するものではありません)


 これまでにそういった機会が出てきたことはありません。これからも出てくるかどうかはわかりません。でも、安心してお任せできて、かつその業務内容の一端を私も少しは把握できているからこそ、つなげるご縁があると感じます。

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 「遺品整理士」を名刺に書くところまでは考えていませんが、オフィシャルサイトなどには掲載を検討している段階です。
 ご質問いただいたときに、案内できる情報や専門家がいるというのは私にとって強みになります。

 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


”もしもの時に役立つノート”読みました。


 3年前にもエンディングノートの感想記事を書いています。
 エンディングノート/ラスト・プランニングノート読みました。

 今回は追加情報です。とある人から紹介を受けまして、コクヨ社のエンディングノート「もしもの時に役立つノート」を購入しましたので、その感想を書きます。

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 ■目次
 ・はじめに
 ・自分のこと
 ・資産
 ・気になること
 ・家族・親族
 ・友人・知人
 ・医療・介護
 ・葬儀・お墓
 ・相続・遺言
 ・その他

 こんな流れです。

 手に取って第一印象は「オレフィンカバー」というカバーです。長期間にわたって使用し、保管の必要なものですからこういった対応は必須だと思います。
 

 そして「はじめに」に書かれている3つの例のうち、2つは若い世代を対象にしていること。これが印象的でした。

 自分がいなくなってしまうというのは「亡くなる」だけでなく、入院など家にいなくなることも対象であること、そして苦手なことである各種情報を管理するという面での「もしものとき」を強く印象付ける内容になっていることに好感を持てました。


 若い世代を対象にしているからでしょうか。高齢者が使うという視点では、字の大きさが全体的に小さいことがマイナスポイントです。
 エンディングノートでは、ページ数を増やしてでも大きな字と大きな記入スペースの確保が必須だと思っている私です。


 預貯金について9個(p14-15)、クレジットカード・電子マネーについて10個(p22-23)、保険について10個(p24-25)。これだけの数を書けるようにスペースがあるのも印象的でした。
 弁護士ドットコムが特別協力ということで、弁護士さんが苦労されるケースとしてこういった項目をたくさん保有されていることがあるのだろうなと感じます。

 これを書かれる時にはすべてのスペースが埋まってしまう状況でも問題ないと思います。でも、ここへ書き出したことでそれぞれ解約などによる整理を進めるきっかけになってもらえたらと願います。

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 amazonの感想数を見てみると圧倒的にコクヨが売れているようですが、エンディングノートとしては小学館がお勧めです。
 【再掲】エンディングノート/ラスト・プランニングノート読みました。


 若い世代の使う「もしもの時に役立つノート」としては、今回のコクヨも挿絵とオレンジを基調とした構成がとっつきやすい存在であることからもお勧めできるものです。

 



公正な第三者という立場を忘れない ~成年後見制度ってどんな制度?~2日目を受講してきました。


 京都市成年後見支援センター(京都市長寿すこやかセンター)主催の平成28年度第1回「成年後見セミナー ~成年後見制度ってどんな制度?~」の2日目を受講してきました。

 1日目の記録はこちらです。
 後見人に適した人材になり得る ~成年後見制度ってどんな制度?~受講してきました。

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 今回は2講座合計4時間でした。

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■後見業務(身上監護)について知ろう
 京都社会福祉士会 ぱあとなあ京都 社会福祉士 中野氏

・身上監護と財産管理は表裏一体
・資産の多い人の場合、身上監護は社会福祉士、財産管理は弁護士というパターンが多い。
・本人に家族があれば家族が後見人になるケースがほとんど。
 独居だったり、家族から虐待されているなど特別な理由があれば専門職後見人。
・接触(面会)頻度の基本は月1回

・身上監護 被後見人の生活や健康、療養棟の手続きに関する職務。
  住居の確保・生活環境の整備・施設の入退所の契約・治療や入院の手続きなど
  医療同意見はなく、あくまでも手配
・財産管理 被後見人の財産と収支の状況を正確に把握して、計画的かつ適正にその管理を行う職務。
  公的年金の受領・社会保険料や税金の支払・預金口座や保険証書の管理・保険金の請求・遺産分割協議など
  高額品の購入など、被後見人の行った財産上の行為を取り消すこと(取消権の行使)も含まれる。

・身上監護の目的
  客観的な視点から見た本人の生活の質の維持・向上
  本人の意向(推定的意思)を第一に。
・身の回りのことを少し手伝うことはあっても、現実の介護行為は職務範囲に含まれない(過去には求められたこともあった)

・取消権
  読んでいない(ひらがなしか読めない)のに複数の新聞を取っている
  好んで飲まないのに牛乳を取っている、または量が多すぎる
  アルコールやタバコなど嗜好品は個々の判断
   例えばタバコなら安全に吸えているのかなど。

・本人の病気治療について、病院の方針によって後見人と一緒に考えてくれる(カンファレンスに入れてくれる)場合と結果のみ聞かされる場合がある。

・身元保証・身元引受
  二重線で消して、緊急連絡先・法定代理人と書いている。
・金銭の立て替え=本人が後見人に借金していることと同義。これは利益相反。

・居住用不動産の処分は、他の物よりも本人の精神的負担が大きいため、本人の意思に沿っているのかなど慎重に判断する必要があり、事前に家庭裁判所への許可が必要。

・後見人就任後1年程度は特に郵便物の管理が重要。
  借金が見つかって自己破産の手続きや取消権の行使が必要なケースも。


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■後見業務(財産管理)について知ろう
 京都弁護士会 弁護士 松田氏

・本人が相続人であったり家族から虐待を受けたていたりする場合に専門職後見人として弁護士が就任するケースがほとんど。

・管理財産を引き継ぎ、調査のうえ、金融機関・関係官署等へ後見開始を届け出る。
・財産目録を作成し、後見事務の計画を立てる。
 作成が終了するまで、滞納家賃の支払いや緊急を要する家の修理等、居住にあたって支障をきたすような「急迫の必要がある行為」以外を行うことができない。

・収支報告書を作成し、今後の見通しを立てるために収支予定表を作成。
・億単位の財産がある場合など、特別な事情があるときは後見監督人が選任されている

・身上配慮義務
・善管注意義務
 例えば、必要な社会保険の手続きを怠る等して損害や損失を与えた場合は損害賠償責任を負う。

・財産管理における注意点
  本人の意思を尊重
  本人がよりよく生きるためにはどのように財産を使っていけばよいかを思案
  公正な第三者という立場を忘れない
  家庭裁判所・相談窓口・関係専門職等との連携を図る

・代理権
  後見人の行為は本人の行為として扱われる。
  本人の財産は本人のものであって決して後見人のものではない
  専門職後見人よりも親族後見人の場合に注意が必要
  家族であっても家庭裁判所から選任され公的性格を有する
  後見開始前から孫の教育費は出してあげると言っていても、その意思が公的に残されていなければ、例え子が後見人であっても孫の教育費を本人の財産から負担することはできない。

・財産管理
  重要な動産の保管・預貯金の管理・現金の管理・必要な費用の支払・金融証券の管理・不動産の管理・税金に関する職務・裁判所への報告


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【所感】

 現在進行形で実務を対応されている専門職のお二人だからこそ聞ける内容だったと思います。理解が深まりました。

 ファイナンシャルプランナー(FP)が弁護士・司法書士・社会福祉士の方々のような立場で家庭裁判所から専門職後見人として選任される日が訪れることはないでしょう。
 これから少しずつ広がりが出てくると思われる任意後見については、金融商品契約だけの関わりではないFPの場合、指名されるケースも少なからず出てくるかもしれません。
 ただ、その就任にあたってはこれまでの専門職後見人の方々が乗り越えてこられた障壁に1から立ち向かっていては本人のためになりませんので連携は必須だと感じます。

 1番最後の「財産管理」の具体的なところはきちんと書こうかと思ったのですが、FP的に(弁護士さんの発表内容ではなく制度として)引っかかるところがあり、あえて文章にしませんでした。
 直接的ではありませんが、間接的に関わっている後見の件がありまして、そちらで確認・チャレンジしてみたうえで改めてまとめられることも出てくるかなと感じています。

 いわゆる身寄りのない(相続人のいない)方々にクローズアップされているかもしれませんが、家族がいても同じです。意思を残しておくという意味合いにおいての大前提は任意後見契約の前に遺言であり、法的根拠がないとはいえエンディングノートかもしれません。

 <過去参照記事>エンディングノート/ラスト・プランニングノート読みました。