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知っておきたい年金の「背景」・ねんきん定期便の「読み方」・将来資金を考える「活用方法」 / ミニセミナー第11シーズンスタート!


 20(土)午後、第11シーズン1回目(通算31回目)のミニセミナーを事務所にて開催することができました。

 ねんきん定期便の読み方を知って将来資金を考えるためのセミナー

 配付資料のタイトルを大公開です。

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■ 知っておきたい年金の「背景」
・何のための年金か ~ 人生は長い ~
・人口推移と将来推計人口
・就業者と非就業者 ~ 支える側・支えられる側、本来の比較対象 ~
・公的 “年金保険” 制度の役割
・公的年金保険の保障を知る
・公的年金の全体像と金額イメージ
・公的年金運用、本当の姿
・公的年金保険制度の基礎
・何歳から受け取れる?
・保険料は2017年まで上がり続けてきた

■ ねんきん定期便の「読み方」
・ねんきん定期便の歴史
・「ねんきん定期便」ハガキ ~50歳未満~
・将来の年金を受け取るための権利と額の考え方
・これまでとこれから ~ 国民年金 ~
・これまでとこれから ~ 厚生年金 ~
・将来受け取る年金の見込額を試算
・「ねんきん定期便」ハガキ ~50歳以上~
・ねんきんネット
・年金加入履歴を確認
・入社日・退職日と年金加入の考え方

■ 将来資金を考える「活用方法」
・確実に受け取るために ~ 国民年金の免除・猶予制度 ~
・学生など若い時の国民年金期間の漏れをどうするか
・遠い将来のリタイア後に向けて ~ キャッシュフロー表 ~
・受給総額を比較する ~ 何ための公的年金保険か ~
・リタイア後に向けて必要な資金を考える
・これから必ずしてもらいたいこと


 2018年の秋に滋賀リビング新聞社カルチャー倶楽部で実施した内容とほぼ同じです。

 今回のトピックは2019年度(今月!)から変わった「ねんきん定期便」の体裁です。これまでも後半でお話ししていた内容ですが、それが手元に届く「ねんきん定期便」にイメージが記載されていることで、より身近に感じられるようになるのではないかと感じます。
 ただし、さまざまな選択肢とともに知っておく必要があるのは今回の件だけではありません。若い世代にとっては数十年も先(私でも20年以上先…)のことですので、また異なる選択肢も増えているかもしれません。大事なのは誰か特定の専門家に頼るということではなく、どんなところを調べたらヒントを得られるのか、そのヒントについて詳しく知りたいと思ったときにどこへ行けば話を聞けるのか、どんな専門家が存在するのかを知っておくことだと思っています。

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 今回も若干名の皆さまがご参加くださいました。いただいた感想をご紹介します。

 「新聞やテレビの年金情報にまどわされないようにしたい」

 「(将来受け取る)年金額の計算方法が知れて良かった」

 「あっという間の2時間でした」

 ※ ()はセミナー後の質疑応答時にも伺いましたので伊藤が追記しました。


 皆さま、感想をありがとうございます。
 
 公的年金について深く学んでみたい場合、こちらの本がお勧めです。
 ”ちょっと気になる社会保障 増補版”読みました。

 このblogにも「ねんきん」というカテゴリーを作っていますので、参考になりましたら幸いです。

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 ご参加くださいました皆さま、ありがとうございました!!

 公的年金・ねんきん定期便は、5/18(土)と6/8(土)にも開催します。
 blogカテゴリ「自主開催セミナー情報」もぜひご参照ください。



”教養としての社会保障”読みました。


 ”教養としての社会保障”(2017年6月1日 第1刷発行)を読みました。

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 著者は在アゼルバイジャン共和国日本国特命全権大使の香取 照幸(かとり てるゆき)さん。
 ※ リンク先は2016年の厚生労働省入職案内。最終6ページ目に登場されています。
 ※ PDFファイル注意。
 2017年3月から現職とのことですが、リンクのように厚生労働省36年という経歴です。

 香取さんを知ったきっかけ元ライフネット生命会長の出口さんがこの本の感想リンクをSNSで紹介されていたことです。
 『教養としての社会保障』 - HONZ
 出口さんの書評があればもう紹介する必要が無さそうですけれど、そこはやはりいつも通りアウトプットとしていくつかポイントを引用させていただいての所感を書くスタイルで記事にします。当然ながら引用部は私の独断と偏見によるものです。

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■はじめに~この本を手に取ってくださった方へ

◆第1部 社会保障とは何か~制度の基本を理解する

■第1章 【系譜、理念、制度の体系】ギルドの互助制度を手本としたビスマルク

・所得再分配を通じて中低所得者層の所得の「底上げ」を行うことは有効需要を創出し、消費を支えます。経済成長の果実を広く国民に分配することで分厚い中間所得層が形成され、彼らの消費がさらなる経済成長を支えます。 p27

■第2章 【基本哲学を知る】「共助」や「セーフティネット」が社会を発展させた

・社会保障制度を教科書的に理解するときに使われるのが、「救貧」と「防貧」という機能です。救貧は公助です。(中略)防貧の考え方のベースは自立の保障です。 p48-49
・競争とはトーナメントではない p58~

■第3章 【日本の社会保障】戦後日本で実現した「皆保険」という奇跡

・世界一の医療制度 p85~


 出てきました。需要と消費。

 <過去参照記事> ”消費低迷と日本経済”読みました。
 (順番としては”消費低迷と日本経済”よりも先に今回の”教養としての社会保障”を読んでいます)

 社会・経済・私たちの生活、そして社会保障の根幹は需要と消費なんです。
 遅ればせながらよくよくわかってきました。


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◆第2部 マクロから見た社会保障~社会保障と日本社会・経済・財政

■第4章 【変調する社会・経済】人口減少、少子化、高齢化で「安心」が揺らぎ始めた

・もっとも厳しいこれからの25年 p102~
・解決策は労働人口を増やすこと p105~
・一人ひとりが老後の生活で必要なコストを社会全体で賄うことで、過剰貯蓄をもっとも合理的に小さくしようとしているのが年金制度 p112

■第5章 【産業としての社会保障】社会保障はGDPの5分の1を占める巨大市場

・貯蓄から消費へ p154~
・説明の必要はないとは思いますが、民主党が政権交代前に「年金が潰れる」とさんざん吹聴したことが年金制度への不信を煽った一面はあります。 p155

■第6章 【国家財政の危機】次世代にツケをまわし続けることの限界

・実は日本の政府はすでに先進国でも十分に小さい政府(中略)社会保障だけでない、教育も防衛も、みんな小さいのです。 p170-171


 いわゆる年金不安・年金不信を解消するための内容です。何も問題がないわけではありませんが、問題の期間と本質は間違いなく特定できているんです。でも、誤った情報が出回りすぎ、いまだに流布する人たちがいて多くの人たちに染み付いてしまっているです。
 地道に着実に発信し伝えていく役割が私やこの記事を読んでくださっている方々にはあるんです。


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◆第3部 日本再生のために社会保障ができること

■第7章 【目指すべき国家像】「将来不安」を払拭するために何をすべきか

・拠り所の喪失 p198~

■第8章 【新たな発展モデル】北欧諸国の成功モデルから学べること

・福祉から就労へ p223~
・所得の再分配が現役世代に薄く高齢者に厚い、日本の現行制度は、経済の低迷が示しているように、適切に機能しているとは言えません。 p223

■第9章 【改革の方向性】「安心」を取り戻すために、どう改革を進めるべきか

・少子化対策ではなく、家族政策 p255~
・日本の高齢者の貯蓄水準は過剰です。(中略)高齢者の経済活動を貯蓄から消費へ誘導するためには、社会の安心基盤を構築し、将来の不安を少なくして安心して暮らせる社会を作ることが王道です。 p277-288

◆付 章 【提言】人口減少社会を乗り切る持続可能な安心社会のために

・スウェーデンの年金制度では、引退までに積み上げた年金権の額を平均余命で割って年金額が計算されます。 p283


 拠り所・就労・家族、人は1人では生きていけません。目に見えなくともみんなで支え合っています。家族政策ではこの記事を思い出しました。
 

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 文章だけでなくたくさんの図表が掲載されており、説得力がより強い本です。”教養としての”というタイトルの通りです。そして、教養で終わらせることのない社会保障の理解と日々の生活につなげたいものです。


 「おわりに」ではやはり権丈先生のお名前が出てきます。公的年金保険をはじめとした社会保障の真っ当な情報の中核に権丈先生がいてくださること、本当に心強いです。

 <過去参照記事> ”ちょっと気になる社会保障 増補版”読みました。
 公的年金についてマイナスな発言をする人には必ずこの本を勧めてください。

 

 最後に香取さんのコラムリンクを2つご紹介します。

「公的年金は潰れる」論は「トンデモ系」年金破綻しないがバラ色給付はない
「公的年金は日本社会・経済の縮図」”ミスター年金”が論破する公的年金は潰れる説

 この本はハードルが高いなと感じられましたら、ぜひこの2つのリンクをお勧めします。

 長文をお読みくださり、ありがとうございました。


同じ公的年金でも活動域が違う / FP有志の集まる勉強会に参加してきました。


 先日、ファイナンシャルプランナー(FP)有志の集まる勉強会に参加してきました。
 おおよそ半年に1回開催されている勉強会で、私は1年半ぶりの参加で通算5回目でした。

 前回の記事でも書いていまして、たまに言っていることですが、普段FPのつながりをあまり重視していない私ですので、この機会は本当に希少だと思っています。

 今回は公的年金相談の経験豊富な社会保険労務士資格をお持ちの女性FPによる公的年金の基礎知識のおさらい+αの内容でした。

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 社労士として相談対応されている公的年金は当然ながらリタイアに近い、もしくはリタイア後の世代の方々です。私が普段対応している中心層は現役世代です。

・在職老齢年金
 公的年金を受け取りながら会社員として働く場合の調整
・高年齢雇用継続給付
 60歳以上65歳未満で賃金が大きく減った場合に出てくる雇用保険の仕組み
・雇用保険の基本手当と公的年金の調整
 いわゆる失業保険の件です。

 このあたりは私の相談ではまずめったに出てきません。在職老齢年金がまれに…くらいです。雰囲気が大きく違うので非常に興味深く聞かせていただき、私もこれまでのいくつかの経験を思い浮かべながら、いろんなケースがあるものだと改めて感じました次第です。

 <過去参照記事>
 ・”お金にもセカンドオピニオンを”の生まれたエピソード
 ・空白だった約10年分の国民年金の記録が認められました。


 気になった点を発表後に質問させてもらいました。

 制度の詳細はとってもよくわかったのですが、「そもそも年金って受け取れるの?」というような質問が出てきた場合はどのように対応されているのか、そういった資料を発表に含めているときはあるのか、この2点です。

 1つめには「義務ですから」で押し通しておられるということでした。時間の限られた相談対応ではそれが現実的かなとは感じます。

 2つめは「公的年金の内容で若い世代向けに講師を務める機会はこれまでになかった」ということで、私との活動域が違うこともよりわかりました。

 <過去参照記事>
 ・「お話を伺って「背景」の説明に50分取られた理由がわかりました。 How to におさまらないお話を伺えてとても勉強になりました」 / ねんきん定期便の読み方を知って将来資金を考える 公的年金1日講座

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 とりあえず年金を受け取ることを「もらう」と表現されていることが多かったのは残念でした。でもこれも、なかなか難しい問題なんですよね…

 同じFP資格を持っていてFPとして活動する場面があっても、専門が違ったり他の士業資格を持っているなどで本当に違いが大きいと感じました次第です。私は私で変わらずがんばらねばです。


 発表者のMさん、皆さま、ありがとうございました!!



各家計に置き換えると考えやすい


 2019年1月に報道記事で取り上げられていました公的年金関連の内容をいくつかご紹介します。



 2019年度は4年ぶりに公的年金受給額が増えます。0.1%ですけれど。

 公的年金の受給額は物価や平均賃金が上がれば増えます。今回は0.6%の上昇があったのですが、平均余命や出生率なども合わせて加味した「マクロ経済スライド」という仕組みで0.1%となりました。

 賃金(給料)が上昇していない(減っている)のに仕送り(年金受給)は同額 = 現役世代がしんどい

 これは各家計に置き換えると考えやすいので多くの人に理解してもらえると思います。
 でも、これまで賃金が下がっているのに仕送りは同額という時期があったんです。それを調整する意味合いから今回の率となりました(厳密にいえばもっと説明が必要ですが、長くなるので省略します)


 結果として、0.1%上がって良かったです。これまでと同額でギリギリ、過去分の調整とはいえマイナスになってしまったら報道各社の根拠のないあおり記事が増えていたでしょうし…。

 ちなみに、この受給額。いわゆる高齢者の受け取っている老齢年金だけれはありません。遺族年金・障害年金も同じように調整されます。
 公的年金は社会保険による保障の仕組みですから、この受給額が減ることで本当に生活が苦しい・しんどい状況になってしまうとすれば、それは公的年金を悪者にするのではなく、早く福祉に助けを求めてください。この流れ、大事です。


 マクロ経済スライドは「受給者から孫・ひ孫への仕送り」です。
 詳しくはこちらの3本がお勧めです → 「次期年金制度改正の課題を考える」記事のご紹介

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 次の2つの記事も良い!です。





 3つめの記事から大事な内容を引用します。

(ねんきん定期便の)見直し後は、「老齢基礎年金と老齢厚生年金の両方の繰り下げを希望される方は、このハガキの提出は不要です」という一文を入れることにした

在職老齢年金制度だけを取り出して、高所得者優遇というのは視野の狭い議論

生産年齢人口(中略)15歳~64歳という従来の区分けが、実社会とそうとう乖離しているのは確か。この昭和モデルでは対応できない


 私の記録的な意味が強いのが申し訳ないのですが、年金不安をあおったり、よく調べもせず信用できないことを発信してしまう方々には冷静に真っ当な記事を読んでもらいたいです。


「適切に維持」の落としどころ


 少しも調べないまま、公的年金はダメだ破綻するとの投稿が不定期ですがツイッターでは流れてきます。

 しかも、数千も数万もRT(リツイート)されてることが多いんです。数十や数百なら仕方ないかなと思える程度なのですが、数万は悲しくなってきます。

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 社会保険料(特に厚生年金)が高すぎるから自分で貯めるとかそのお金で民間の保険商品に加入するとか主張されている投稿もあります。

 自分自身や身近な人がたまたま公的な保障で助けてもらわなくても大丈夫な状況にあるという良い話であるだけで、大丈夫じゃない状況にならないと理解できないのはある意味で仕方のないことかもしれません。


 数十年以上先の公的年金や健康保険・国民健康保険がどうなっているかわからないので、保険商品である個人年金保険や入院保険に加入しておかねばという投稿もありました。

 国よりも圧倒的に小さな組織である保険会社のほうを強く信じてしまっていることに違和感を持ってもらいたいです。


 現代における社会保険の変遷から、いわゆる社会的弱者には手厚く反対に高所得者には厳しく変わっていることがわかります。社会的弱者を切り捨ててしまうと最終的に全額税の福祉(生活保護など)に行き着きます。国のふところで考えれば被保険者の負担する保険料も含んだ社会保険を維持する方針で当然です。

 将来、国が公的年金や健康保険・国民健康保険などの公的な保障を適切に維持できないような社会に仮になってしまっていた場合、保険会社など金融機関が今と変わらず運営できているのか、固定された保険金額(年金年額〇〇万円や入院日額5000円など)がはたして意味のあるお金になりえるのかという視点も大事です。

 極端に書くと、日本という国が無くなってしまうような事態が起これば公的な保障が維持できるとは思えません。ただ、そんなときに民間の金融機関が何事もなく事業を維持し続けることができているのかという点です。


 もちろん今の公的な保障が万全だとか何も不満が無いってことではないです。ポイントは「適切に維持」の落としどころです。
 現代のような超高齢者向けの過剰な医療(保障)が維持され続けるとは思えません。本当に困難な状況にある若者(現役世代)にはもっと手厚くあってもらいたいです。

 ただ、将来のことはわかりません。それでも特定の用途に縛られた保険商品を含む金融商品の活用は最低限が望ましい姿だと信じています。(不要とは言いません)

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 マイナスの内容を発信してしまう人がある一定数存在するのは致し方のないことです。
 それでも、RTなどで拡散することは恥ずかしいことなのだとわかってもらえるのは何年先になるのでしょうね…


 公的年金についてマイナスな発言をする人には必ずこの本を勧めてください
 ”ちょっと気になる社会保障 増補版”読みました。

 きちんと読んだうえで、それでもなおマイナスな発言を続ける人は公的年金がまともであっては困る余程の事情をお持ちなのだと思います。