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「将来のことは分からないけど、不安になりすぎる必要もないと思えて良かった」 / ねんきん定期便の読み方を知って将来資金を考える 公的年金1日講座


 24(火)・29(日)、滋賀リビング新聞社カルチャー倶楽部「今から知っておこう!”将来資金”」の講師を務めました。

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 公的年金保険の講座は残念ながら29日は最少開講人数に満たず開講されませんでした。お申し込みくださった皆さま、申し訳ありませんでした。

 2018年と2017年に同じ内容で開催し、今回で3回目(3年目)となりましたが、今回は非常に申し込みが少なかったです。日曜は運動会のところも多かったようで、日程が悪かったのか、このネタはもう興味をひかないのか、そもそも受講料の必要な講座はニーズが減ってきているのか、本当に悩ましいところです。


 今回の記事は公的年金保険のまとめです。無記名式のアンケートに書いてくださった感想から一部をご紹介します。ご参加くださいました受講者の皆さま、本当にありがとうございます。

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・テレビなどで将来を不安になるような事を聞いてどうしようかなーと思っていたのですが、今日の講座を聞いて少し安心しました。

・テレビで言っている事は気にしないほうが良い事や数字にして見る方法が分かった。

・背景から教えていただいて考え方が変わりました。まだまだわからないことが多いので、今後も勉強していきたいです。

・将来のことは分からないけど、不安になりすぎる必要もないと思えて良かった。

・年金の受給を月単位で選べるってすごい事だし、覚えておきたい。

・とても勉強になりました。質問にもお答えいただき、疑問点が解決というか明らかになりました。

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 アンケートでは、次の4区分で評価をお聞かせいただいています。

 とても参考になった
 参考になった
 普通
 あまり参考にならなかった

 受講数が少なかったとはいえ、受講者全員が「とても参考になった」を選んでくださいました。これは初めてのことで自分でもびっくりしています。


 公的年金保険についての講座はデータが最新になっている以外、内容はこれまでと同じです。2017年の記事もぜひご参照ください。
 「年金といえばマイナスのイメージしかなかったけれど、今回講座を受けて変わりました」 / ねんきん定期便の読み方を知って将来資金を考える 公的年金1日講座

 受講くださった皆さま、滋賀リビング新聞社カルチャークラブの担当さん、本当にありがとうございました!!


 iDeCo(個人型確定拠出年金)の感想は次の記事でご紹介します。



公的年金保険への要望(私案)


 公的年金保険について意見を書くとき、「今の制度に不満がないわけではない」「改善してもらいたい内容もある」と注釈をつけていることがあり、「伊藤さんは実際にどんな改善が必要だと思っていますか?」と質問を受ける機会がありまして、僭越ながら現状の思うところを大きな内容だけまとめておきます。

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■老齢年金:将来受け取る年金(長生きしてしまった場合の保障)

 次のいずれかの条件を満たす場合は支給停止。

・金融資産
 +1億円以上

・配当所得
 年間500万円以上

・不動産
 固定資産税評価額1億円以上を保有


 例えば条件の確認は年末時点とし、翌年4月以降に反映。これらを満たさない状況になった場合は次回から支給再開。いずれマイナンバーで可能になってくると考えます。
 老齢年金は長生きしてしまった場合の保障の仕組みです。これらの資産をお持ちの場合、この保障は不要と考えます。

 ただし、念のために書いておきますが、あくまでもイメージです。これが実現されるとは思いません。いわゆる借金の額やその他の資産状況によってさまざまなパターンが考えられるため、現実的には実現不可能だと感じます。
 なので、こんな案も書いておきます。

・老齢給付を辞退すれば、その辞退した年数に応じて国から表彰を受けられる。
 
 物品や納税免除などではなく、勲章的な何か特別な敬意の払われるものを希望します。


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在職老齢年金(65歳以降)

・総報酬月額相当額62万円(≒標準報酬月額62万円)の場合に限って、老齢厚生年金は全額支給停止。それ以外は一部や全額の支給停止なし


 老齢年金に支給停止の制限を設けますので、ここまで極端でも問題ないと考えます。


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障害年金:障害者になってしまった場合の保障

 判定が都道府県ごと、地域ごとに異なると耳にするケースがあります。
 集約されることを希望します。

・全国一律の評価・審査基準


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遺族年金:残された家族への保障

 年収要件があるので、遺族厚生年金・中高齢寡婦加算を含めて男女差なしを強く希望します。
 ただし、養育費とも呼ばれる遺族基礎年金だけは別です。みんなで子どもたちを支える意味において、年収要件はもっと幅広くしてもらいたいです。

・男女差をなしとする

・現在の受給要件である年収850万円未満について、遺族基礎年金のみ合計所得金額3000万円以下(住宅ローン控除の適用要件と同じ)とする


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■加給年金・子の加算

・老齢厚生年金の加給年金障害基礎年金/遺族基礎年金の子の加算で3人目以降の給付額を1-2人目と同額とする

 子どもには手厚くお願いしたいです。


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■国民年金保険料

・産前産後期間の保険料免除制度(2019年度~)のための保険料月額100円の引き上げの廃止
 <参照過去記事> 国民年金保険料の産前産後免除【案】の報道について

産前産後期間の免除制度の期間を健康保険の産休・雇用保険の育休と同期間とする

 子どもを持つ人たちに手厚くお願いしたいです。


納付猶予制度の廃止

 免除があるので不要と考えます。学生の納付猶予は残してもらって良いです。


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 それぞれの用語の説明を加えると超長文になってしまいますので、かなり公的年金保険について詳しい人にしかこの記事は理解してもらえないかもしれません。

 大事なのはすべて公的な保障の仕組みであるということ。
 たくさん資産をお持ちの人には保障の仕組みは最低限~不要な場合もあるでしょうし、子どもが小さい場合は特に手厚くあってほしいです。これらが私の希望です。


 一応書いておきますが、老齢年金の条件を設けることで年間どれだけ給付総額が減ることになるのか、遺族年金の条件を広げることで年間どれだけ給付総額が増えることになるのか、私にはまったくわかりません。

 マイナンバーを広く活用することで、こういった試算も国が可能になる社会を望みます。もちろん試算段階において個人情報は明らかにならないことが絶対条件です。どうぞよろしくお願いいたします。



”人生100年時代の年金戦略”読みました。

 
 ”人生100年時代の年金戦略”(2018年11月21日 1版1刷)を読みました。

 190902_田村さん年金本

 著者は日本経済新聞社 編集委員兼紙面解説委員でCFPをお持ちの田村正之さん。
 お会いしたことはありませんが、共通の知り合いが多いようでfacebookやツイッターでお名前やお姿はよく拝見しますし、署名記事も多いので日経web版NIKKEI STYLEの記事もよく見かけます。

 この本は主にツイッターで個人投資家(いわゆるインデックス投資家)さんをはじめとして高評価をもって紹介されているのを目にすることが多かったため手に取りました。


 いつも通り、アウトプットとしていくつかポイントを引用させていただいての所感を書くスタイルです。当然ながら引用部は私の独断と偏見によるものです。

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■おわりに

・長寿化時代の最大の支えが(中略)公的年金です(中略)あたかも頼りにならないものであるかのように思われているのは残念なことです。 p260


 この本には「はじめに」がなく「序章」から始まります。序章もなかなかのボリュームです。本の主旨をつかめるのがこの「おわりに」です。先にここから読んでいただきたいです。

 気がついたのですが、ファイナンシャルジャーナリスト竹川美奈子さんの最新著「50歳から始める!老後のお金の不安がなくなる本」と同じ編集者さんでした。竹川さんの最新著の感想記事は何とか2019年内にと思っています。


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■序章 「年金をいくらもらえるか」は自分の選択次第


 先に私の最大の主張を書いておきます。

 なぜここまで踏み込んだ内容の良い本であるにも関わらず、公的年金保険をはじめとする社会保障の大前提「就業者と非就業者」の比率のことに触れていないのか、です。
 田村さんが権丈善一先生のことを知らないわけがないと思います。全体の構成の関係だとしても、最も核心を除外して良いという方針は私には理解できません。むしろp52-53で高齢世代と現役世代の比率だけをさらっと取り上げるという、学術的に意味のないことがはっきりしている内容、報道各社がこれしか書かないよろしくない内容まで書いてしまっておられます。
 これまでに日本経済新聞をはじめ、報道各社において「就業者と非就業者」の比率のことに触れられた記事は私の知る限り出てきていません。今回のように良い意味で重箱の隅をつつくような公的年金保険の良い本なのに、これが書かれていないということは何か取り上げてはいけない口裏合わせが報道機関内にあるのではないかと感じてしまうほどです。せっかくなのにここは残念すぎます。

 ですので、この本1冊では公的年金保険について完結しません。次のリンクの本を前後は問いませんので必ず合わせて読む必要があります。
 ”ちょっと気になる社会保障 増補版”読みました。


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■第Ⅰ章 年金は人生のリスクに備えるお得な総合保険
1 30分でわかる公的年金
2 誤解だらけの年金財政


 章タイトルがすべてを示します。受け取り方など実務の話(第Ⅱ章)だけでなく、重要な背景・前提が書かれています。財政検証の内容は難しいとは思いますし、先週2019/8/27に最新(5年に1回)の財政検証が発表されているとはいえ、さまざまなデータも使われていて「ねんきん定期便」にも触れられており、一般の報道でここまで触れていることはありませんから多くの人に読んでもらいたい内容です。


 だからこそ「大きな世代間格差をどう考えるか」(p47)の項目はもったいないです。さらっとフォローする文章を入れておられますけれど、こういった書き方はやはり記者さんとして避けられないのでしょうか。
 マクロ経済スライドも受給者への課税強化も、いずれは今の現役世代にも跳ね返ってくる仕組みです。今の受給者(高齢者)世代との「世代間格差」(本文ママ)というものの解消とは言いにくいですし、不要な取り上げ方でしょう。

 「【コラム】たくさんの「黒歴史」、それでも大切な公的年金」(p60~)にある通り、確かに不安・不信なこともありました。ただ、過去を振り返れば公的年金だけに不安・不信があったのかという点でいうと、戦後のどのような仕組みにも良いことばかりだったというものは存在しないのではないでしょうか。(なので問題ないというつもりはありませんけれど、公的年金保険だけがいつも悪者にされるのは個人的にどうかと思うんです)

 また、これらにより「不安が高まり」「繰り上げ受給を選ぶ人が、2010年度に基礎年金の新規受給者の3割弱にも達してしまいました」とありますが、これはマイナス面を大きく報道した新聞・テレビに乗じて「年金は破綻するから早く受け取り始めないと損」と週刊誌などが自称専門家を使って大きく取り上げ、それをまっとうであるはずの大手報道機関も火消しに走るようなことをせず放置し、センセーショナルな見出しは使わなくともマイナス報道に乗り合わせるかのように記事で取り上げるという、やってはいけない流れを作ったことが大きいと私は感じます。これは報道機関で社会保障関連に携わっておられるなら、ご自身こそが恥ずべき歴史に感じておられる内容ではないでしょうか。
 なお、当時のあおった自称専門家の方々はもちろん今も反省されているわけでも謝罪があった訳でもありませんから罪深いのは間違いありません。


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■第Ⅱ章 公的年金、フル活用のための実践術
1 繰り下げ受給は老後の大きな安心材料
2 70歳まで厚生年金加入で働くと年金は大幅増
3 パート主婦は「壁」を越えよう
4 別れる前に知りたい離婚年金分割
5 遺族年金は家族の形で大差
6 障害年金の知識があなたを守る
7 自営業者 数多い年金増の選択肢
8 年金生活の手取りを増やす確定申告


 かゆいところに手が届く、とはこの章のためにあるような表現です。受け取り方・遺族年金・障害年金など、これだけまとまって読みやすく各項目や書かれている本は他に少ないと思います。私が知る限り存在しないです。
 受給前・受給時・受給後、いずれでも繰り返し確認することで自分や家族に適した選択ができるものと思います。すばらしくまとまっています。超オススメの内容です。


 ただし、次の点が特にひっかかりました。

 「実はファイナンシャルプランナー(FP)や社会保険労務士でも、年金を繰り下げると一律に加給年金は消えると思っている人は多く」(p108)
 この表現、必要だったのでしょうか。「実は~~多く」という表現は確かなデータを示してこそ使って良いものだと思っています。
 「年金を繰り下げると一律に加給年金は消えると思われた読者もいるかもしれませんが」などで十分ではないでしょうか。統計を取られたのでしょうか。身近なFPや社労士、本書に登場するFPや社労士の方々が詳しくないのでしょうか。難しい使い方だと思いました次第です。


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■第Ⅲ章 運用で堅実に増やす--個人型・企業型DC徹底活用
1 「長期・分散・低コスト」+「資産の置き場」が大切
2 現役時代に税金負担を減らしながら老後資金を作れる「イデコ」
3 企業型確定拠出年金--有効活用が老後を左右
4 NISAもできる限り併用


 シンプルに書かれています。将来の収入の土台となる公的年金保険、その上乗せの仕組みが解説された章です。田村さんならではのデータが随所に散りばめられた読みやすい内容です。
 
 田村さんは過去に次のような本も出しておられます。
 2015年3月 ”老後貧乏にならないためのお金の法則”読みました。
 2016年10月 ””はじめての確定拠出年金”読みました。

 これらから2年~3年半経過していますので、新しい仕組みや情報の解説が必要だったことはわかります。でも、個人的には2冊構成で分けてこの第Ⅲ章部分をもっと手厚くする2冊目を作られるか、第Ⅱ章までの公的年金保険に関する内容をもっと手厚くする方針で1冊だけにし、第Ⅲ章の内容は参考書籍を紹介するなど、どちらかが良かったのではないかと感じました。駆け足でたくさんの内容を取り上げておられ、一般の人には残念ながら消化不良ではないでしょうか。


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 最後に、もう1つだけ残念と感じたことを書いておきます。

 一貫して「もらう」「お得」という表現を使っておられるところです。公的な保険を通じて給付を受けるとき、給付の要件を満たしているからこそ受け取る権利のあるものなんです。「もらう」のではないんです。「受け取る」んです。
 読み進めやすさのために部分的に「もらう」が出てきてしまうのは致し方ないと思います。でも、この本では「受け取る」が出てくることのほうが希少です。ここの表現は絶対です。

 また、公的な保険ですから「損」とか「得」では無いんです。これも読み進めやすさのために一部使ってしまうのはどうしようもないのかもしれません。でも、せっかくここまできちんと「保険」であることを解説しておられる本なので、「得・お得・お得度」などの表現はやめてもらいたかったです。「得」している人がいるということは、どこかで「損」している人がいるのではないかと思わせてしまうと思うんです。公的年金保険は支え合いです。損得ではありません。


 最後の最後にもう一度書いておきます。
 この本はかゆいところに手が届く素晴らしい本です。特に第Ⅱ章は他の本に類似のない、公的年金保険の活用の見える良書です。でも、すべてが諸手を挙げて推薦できる内容ではありませんでしたので、こうして書きました。ご理解ください。

 

 こんな紹介記事もありました。
 「年金不安」に効くワクチン『人生100年時代の年金戦略』
 この経済記者さんのことは存じ上げませんが、この本を手に取るきっかけになりましたら幸いです。

 長文をお読みくださり、ありがとうございました。


今まで負担した分は返してもらう?今後の強制徴収もやめてもらいたい?


 参議院選挙前に報道でにぎわっていた「老後2000万円」の件、報道記事もひどかったですが、それをきっかけにツイッターでの誤った理解がこんなにも広がっているものかと感じました。
 いまだにそれを題材に告知をしている無料セミナーなどもありますが、1つだけ書いておきます。

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 公的年金保険の老齢給付(将来受け取る年金)について「今まで負担した分は返してもらい、今後の強制徴収もやめてもらいたい」との発信を何度か見かけました。
 報道や専門家ではなく、一般の人(匿名)のツイートです。あおるつもりはありません。よく考えてみてもらいたいんです。

 公的年金保険は全世界的に賦課(仕送り)方式が主流です。今払っている保険料は自分たちの将来のために積み立てているのではなく、今の受給者(高齢者)に渡されています。現役世代(被保険者)が受給者を養っているんです。

 ちなみにその対象には遺族給付・障害給付も含まれます。

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「今まで負担した分は返してもらう」?

 「今まで負担した分は返してもらう」ということは、これまで年金を受け取っていた受給者(両親や祖父母)から返してもらう必要があります。

 自身の両親や祖父母は受け取っていた年金相当額を返せそうでしょうか?
 どこまでさかのぼって返してもらうのが良いでしょうか?
 保険料は労使折半ですので、一緒に負担していた企業にも返すのでしょうか?


 遺族給付や障害給付の受給者からも返してもらう必要があります。身内や身近に該当する人がおられるかわかりませんが、受け取っていた年金相当額を返してもらえそうでしょうか?
 1人暮らしのおばあちゃんはおじいちゃんの遺族年金で生活している人がそれなりにおられるはずです。問題なく返してもらえそうでしょうか?

 該当する受給者のうち一定数の方々が仮に問題なく返せる資産をお持ちだとして、返せない方々はどのように救済すれば良いでしょうか?税金?
 ということは税負担が今以上に大きくなってきそうです。

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「今後の強制徴収もやめてもらいたい」?

 「今後の強制徴収もやめてもらいたい」ということは、これまで年金を受け取っていた受給者(両親や祖父母)が受け取れなくなります。自身の両親や祖父母を養っていくことは可能でしょうか?

 企業の保険料負担もなくすのでしょうか?なくすとしたら企業の保険料負担分も自身で両親や祖父母を養っていくことになります。可能でしょうか?
 企業負担をなくさないとしたら、どのような割合で受給者へ渡すのが問題にならないでしょうか?


 仮に問題なく養っていける資産や稼ぎをお持ちだったり兄弟姉妹がたくさんおられて1人あたりの負担が小さいとして、両親や祖父母を養っていけそうにない方々はどのように救済すれば良いでしょうか?

 自分自身や身内が遺族給付や障害給付を受ける事態となった場合も問題なく生活していけるだけの資産と稼ぎをお持ちでしょうか?
 遺族給付や障害給付を受ける事態となった場合に生活していくのが困難となった方々はどのように救済すれば良いでしょうか?
 いずれも税金?ということは税負担が大きくなってきそうです。

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上の世代を養いながら自分の資金を確保?

 厚生年金保険料・国民年金保険料は、社会保険料控除として全額が所得控除の対象です。これが無くなったとすると、手持ち資金が増えるとしても所得税・住民税の負担が増えます。所得税・住民税が差し引かれた後のお金で自身の将来資金をある程度確保し、両親・祖父母を養うわけです。

 遺族給付と障害給付は残して老齢給付だけ無くせば良いというような投稿も見たことがあります。
 平成29年度の国民年金と厚生年金の年金総額のうち、遺族給付と障害給付の合計は全体の約15%でした。厚生年金保険料・国民年金保険料から15%相当分の負担が減ったとして、残りの85%から所得税・住民税を引いた額で両親や祖父母を養うわけです。


 自分が高齢となったとき、子どもや孫は自分のことを養ってくれそうでしょうか?子どもや孫に頼らないという方々は、現在両親や祖父母を養いながら自分自身の将来資金すべてを確保できそうでしょうか?
 できそうにない人はどのように救済でしょうか?税金でしょうか?

 というように、自己責任という言葉では済ますことができない状況になってしまいそうです。今よりも極端に消費が少なくなる社会になりそうです。だって将来が不安で仕方なくなってしまいますものね。消費が少なければ景気は悪くなりそうです。給与も伸びにくいように思います。税収は増えないでしょう。何もかも訳がわからなくなりそうです。

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経済と社会保障は表裏一体

 このように経済と公的年金保険をはじめとした社会保障は表裏一体です。社会保障が安定しているからこそ、私たちは(比較的)自由な経済活動を営めるんです。(比較的)経済活動が安定しているからこそ、公的年金保険をはじめとした社会保障を維持できるんです。


 元の投稿を発信している人はおそらく「自分は問題ない」という視点だと思うんです。健康で稼ぎがあって資産をお持ちで不自由なく生きていける知恵もお持ちのはずです。

 でも、現代社会において「自分は問題ない」だけの視点はよろしくないです。両親・祖父母・子ども・兄弟姉妹、手の届く範囲に視野を広げるだけでも、本当に問題ないのか気づける点があると思うんです。
 最近はさまざまな家庭環境があると思いますので、身内のことを考える必要がなく自分1人のことだと思われるようでしたら、友人や職場の同僚やお隣さん・ご近所さんを考えてみてもらいたいと思うんです。

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 公的年金保険は幅広い社会保障のうちの1つでしかありません。医療・介護・雇用・福祉、さまざまな保障の整った先進国だからこそ、全体として(世界を見渡せば圧倒的に)安定した生活を送れているのが日本という国だと感じます。

 不安を口にするのは悪いことではありません。よくわからないけれど批判するというのも一定は仕方ないです。すべてダメだとされたらそれこそ表現の自由がどうのとなってしまいます。
 でも、それだけ不安があってよくわからないのであれば学んでみる一歩が必要だと信じています。ネット検索したり、他の人や専門家に聞いてみるのもいいでしょう。でも、1人の意見ではダメですし、それらの意見の根拠に信頼性があるのかの確認も必要でしょう。


 私はまず社会の仕組みを正しく知ることが大事だというスタンスです。もちろん私もまだまだ知らないことだらけです。一緒に少しずつでも前に進んでいきましょう。

 公的年金保険についてマイナスな発言をする人には必ずこの本を勧めてください。
 ”ちょっと気になる社会保障 増補版”読みました。

 <参照ブログカテゴリ> 社会保障(主に公的年金保険以外)

 長文をお読みくださり、ありがとうございました。


これまで目にしてきた情報はいったい何だったんでしょう? / ねんきん定期便の読み方を知って将来資金を考えるためのセミナーの2回目を開催!


 18(土)午後、第11シーズン2回目のミニセミナーを事務所にて開催しました。

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 ねんきん定期便の読み方を知って将来資金を考えるためのセミナー

 ミニセミナーとしては32回目です。内容はこれまでとまったく同じですので前回の記録記事もご参照ください。配付資料の項目タイトルも載せています。
 知っておきたい年金の「背景」・ねんきん定期便の「読み方」・将来資金を考える「活用方法」 / ミニセミナー第11シーズンスタート!

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 おかげさまで今回も若干名の皆さまがご参加くださいました。アンケートの感想を一部ご紹介します。

 「これまで目にしてきた情報はいったい何だったんでしょう?知れて嬉しい」

 「読めるかどうかわかりませんがオススメの本読んでみます」


 皆さま、感想をありがとうございます。
 
 公的年金について深く学んでみたい場合、こちらの本がお勧めです。
 ”ちょっと気になる社会保障 増補版”読みました。

 このblogにも「ねんきん」というカテゴリーを作っていますので、参考になりましたら幸いです。

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 ご参加くださいました皆さま、ありがとうございました!!

 公的年金・ねんきん定期便は6/8(土)にも開催します。
 blogカテゴリ「自主開催セミナー情報」もぜひご参照ください。