文字が多くて読み飛ばしてしまわれた方々がほとんどではないかと


 2週間前の記事 京都リビング新聞2017/1/28号特集「2017年、年金改正のポイントをチェック」 の感想が2017/2/11号に掲載されていました。

 170211_02

 おそらく文字が多くて読み飛ばしてしまわれた方々がほとんどではないかなと思いますけれど…。


 170211_01

 「年金だけの老後は不安」かどうかはまず、ねんきん定期便を確認せねば何とも言えません。安心にまで届かなくとも、意外と不安が小さくなったというケースも多々あります。もちろん反対のケースもあり得るわけですので、自分自身の数字を確認する必要があります。

 そして書いてくださっている通り「家族の年金」把握も重要です。両親については将来的に支援が必要なのかどうか、配偶者においては将来に渡って合計でどれだけ受け取れる見込みなのか、さまざまに思案する基礎となるのが公的年金です。

-----

 読者モニターさんの感想とはいえ、こうしてしっかり感想をお聞かせいただいて嬉しい限りです。

 改めてご紹介しておきます。記事は京都リビング新聞社さんのwebでも読んでいただけます。
 2017年、年金改正のポイントをチェック
 iDeCo(個人型確定拠出年金)については2ページ目です。



京都リビング新聞2017/1/28号特集「2017年、年金改正のポイントをチェック」に掲載!


 2017/1/27(金)配布の京都リビング新聞(1/28号)特集に登場しています。

 全文は京都リビング新聞社さんのwebサイトでお読みいただけます。

 2017年、年金改正のポイントをチェック

-----
 
 第一面 公的年金

 170128_01

 いくら払っていくら受け取れるのかという方向性の記事が多いと感じます。
 「保障の仕組み」の視点で、障害年金と遺族年金にも触れているところが私のこだわりです。仕組みの図でも、あえて2階部分までにしてもらいました。


 第二面 iDeCo(個人型確定拠出年金)

 170128_02

 iDeCoは難しかったです。制度の説明、運用の説明、受取時など活用の説明、これらが揃って初めて意味を成します。セミナーでも少なくとも1時間半から2時間は必要な内容です。
 反対に言えばそれだけ複雑とも言えるので、この紙面がさまざまに情報収集してもらえるきっかけになれば嬉しいです。

-----

 今回はライターさんがとてもきめ細やかに取材してくださり、私の意図をくんだ原稿をまとめてくださいました。

 とはいえ公的年金やiDeCoの情報を端的にまとめるのは本当に難しいです。修正や変更もほぼ私の希望に沿ってくださいました。ありがたいことです。そのおかげ(?)で、当初よりも文字数の多い特集になってしまっています。そのことによって読んでくださる方々が減ってしまっていないか心配です。本当に悩ましい限りです。

 約48万部発行です。ぜひぜひご覧くださいませ。


希望・願望を込めた用語の読み解きを目的とした内容


 久しぶりにコラムを書きました。

 年金という用語は公的年金保険だけに使って欲しい

 専門的な内容の解説ではなく、希望・願望を込めた用語の読み解きを目的とした内容です。
 希望・願望を込めすぎたかもしれませんが、それが私っぽさだと思っています。

-----

 公的年金に関しては年末に秀逸な連載コラムが日本経済新聞のサイトにありました。

公的年金保険の誤解を解く
(1)多くの日本人は貯金と勘違い
 「本連載では可能な限り、年金のことを正確に「公的年金保険」という言葉で呼ぶことにします」
(2)金銭ではなく生産物が重要
 「将来に生産される財・サービスに対する請求権を事前に公的に約束しておく方法が、どの国でも採用されることになりました」
(3) 積立方式でも少子化は影響
 「年金の財政方式が積立方式であれば、少子高齢化の影響を受けないと信じている人の目を覚まさせる言葉としては分かりやすいと思います」
(4)政府も積立方式を誤解
 「現在でも高校の教科書に「賦課方式では、少子高齢化が進むと現役世代の負担が増す」といった賦課方式にのみ少子高齢化の影響が出ると読み取れる不正確な記述が数多く」
(5)積立金は変動のバッファー
 「将来の年金給付水準を上げるのに最も有効な策は、保険料収入の増大をもたらす賃金の引き上げや、それにつながる人的資本の充実」
(6)未納増加でも破綻せず
 「賦課方式の公的年金には、賃金の伸びが高いと給付水準も高くなり、賃金の伸びが低いと給付水準も低くなる自動調整メカニズムがあります」
(7)長生きがリスクでない社会に
 「可能な限り長く働き、できるだけ66歳以降の繰り下げ受給を選択し、より充実した年金とともに引退期を迎えることができるように制度や慣行、意識などを変えていく」


 会員にならないと読めませんが、無料プランでも月10本まで読めますので、この連載を読むだけに会員になるのも良いと感じるくらいオススメな内容です。

 私は年が明けてからようやく読めました。権丈善一先生のファンになってしまい、2月の新著「ちょっと気になる社会保障 第2版」を予約してしまいました。楽しみです。


 そして、この連載を読んだからこそコラムを書きたくなりました。ぜひコラムもお読みいただきたいです。

 年金という用語は公的年金保険だけに使って欲しい



痛みを分かち合う


 最近の公的年金のトピックです。

 改正国民年金法が成立 日本経済新聞 2016/12/14

 いわゆるカジノ法案と一緒に成立したため、詐欺だとか「年金カット法案」だとか書いておられる人やメディアもあります。本当にそうなのでしょうか。


 公的年金の制度設計には、長期的に日本の社会ではインフレがおき(物価が上がり)、賃金も緩やかに上昇していくという前提がありました。これは公的年金に限らず、社会全体でもそうだったと思います。

 いわゆるリーマンショックと旧民主党が政権党だった時代に強いデフレが発生し(物価が下がり)、当たり前に物価や賃金は上がっていかないことも強く認識された時代となりました。


 直近の公的年金では、2004年10月に導入・2005年4月から実施された「マクロ経済スライド」という、物価と賃金が上がったときに受け取る年金額は上げ方を抑えるという仕組みが採用されていました。この上げ方を抑える考え方は出生率と平均寿命の変化が加味されています。

 物価と賃金の上がり方が小さかった時は、受け取る年金額は上げ方を抑える仕組みを適用してもマイナスにはならない仕組みでした。
 さらに、物価や賃金が下がった場合には、出生率と平均寿命の変化の加味を反映せず、物価や賃金より下げないという仕組みでした。

-----

 こんな例があります。2012年度です。

 物価が0.3%下がり、賃金は1.6%下がりました。
 今までの仕組みでは将来受け取る年金額は物価の下がり方に合わせて0.3%だけ下がりました。
 今回の改正で、この場合には賃金に合わせて将来受け取る年金額は1.6%下がるということになります。それでも出生率と平均寿命の変化は加味されていません。


 もう1つ例を挙げます。2016年度です。

 物価が0.8%上がり、賃金は0.2%下がりました。
 今までの仕組みでは出生率と平均寿命の変化が加味されて将来受け取る年金額は増えないのはもちろんなのですが、減ることはありませんでした。
 今回の改正で、この場合も賃金に合わせて将来受け取る年金額は0.2%下がるということになります。


 確かに「カット」されてしまうケースを増やす仕組みです。でもこれって、賃金が増えずに(減って)苦しんでいる現役世代にあわせて、将来受け取る年金額を減らしますということで、痛みをみんなで分け合いましょうということでしかありません。

 現在の年金受給者世代が受け取っている年金は、現役世代が支払っている保険料です。賦課方式といっていわゆる仕送りなんです。
 仕送り元である現役世代が賃金(収入)が増えないときに、仕送りを受けている高齢世代は同じように受け取りたいというのは、なかなか厳しいものがあると想像しやすいのでしょうか。
 繰り返しになりますが、痛みをみんなで分け合いましょうということです。

-----

 さらには「少子”超”高齢化社会」を突き進む日本です。
 2016年の出生数が戦後初めて100万人を割る見込みだそうです。

 出生率と平均寿命の変化を反映しきれなかったときはその分を持ち越し、反映できる状況のときに使える仕組みに変わりました。これも確かに「カット」されてしまうケースでしょう。


 出生率と平均寿命の変化がきちんと加味されていかないと、仕送りを受けている年金受給世代と仕送りしている現役世代の人口構造で考えても、苦しい台所事情になっていくのは誰にでもわかることです。

 とはいえ公的年金には約130~140兆円もの積立金があります。数年先や近い将来で破綻してしまうことはあり得ません。


 将来受け取る年金は本来「長生きをしてしまったときの保障」の仕組みです。これだけ長寿になってしまった日本において、65歳から受け取るのは「長生きをしてしまったとき」にあたるでしょうか。
 65歳以降どうやって収入を得るんだ、病気や障害で働けない、というのは公的年金で解決する問題ではなく社会構造や福祉が対象です。役割分担をきちんと見分ける必要があります。

 受け取る年金額が実質的に増えていかないのは致し方ないことです。それでも受け取る仕組みが一生涯保証されているのは他には存在しない公的な保障であるからこそです。

 とても楽観的にはなれませんが、悲観的になりすぎる必要はありません。
 私はそんなスタンスです。

-----

 公的年金をはじめとした社会保障の詳細を把握するのは難しいです。
 でも存在意義や概要はおおよそで構いませんからぜひ知っておきたいところです。

 年金のことを書くと長文になってしまいます。
 お読みくださり、ありがとうございます。


 <参照リンク>年金改革法が成立しました 首相官邸 平成28年12月26日

 1つだけ引用します。
  Q 今回の改革により、年金額は減るのですか。
  A 賃金と物価が上がっている経済状況では、今回の改革によるルールが発動されることはなく、年金額は減りません。

国民年金の将来受け取る額は10年分だと満額の 10/40 です。


 昨日9/26(月)の報道です。



 同様の記事はこちら。
 ・年金受給資格加入期間10年に短縮へ 閣議決定 NHK
 ・年金受給資格、10年に短縮 法改正案を閣議決定 日本経済新聞

 とりあえずYahoo!記事へのコメントが、・・・状態です。

 
 公的年金のうち国民年金部分は加入期間によって将来受け取る年金額は比例します。

 20歳から60歳まで40年丸々保険料を納めることで満額である年間780100円(2015-2016年度の場合)を65歳から受け取ることができます。月あたり約65000円です。

 将来の年金を受け取るためにはこれまで25年間の納付が最低限必要でした。
 40年ではなく25年分だけ納めたという場合には、780100円 × 25年/40年 ですので、年間で約487600円。
 同じく月あたりだと約40600円です。


 これが10年間でも2017年9月分から受け取ることができるように変わります。
 10年分ということは、780100円 × 10年/40年 ですので、年間で約195000円。
 同じく月あたりだと約16300円です。

 これらの知識があれば、コメント欄のようなことにはなりません。

-----

 これまで受け取れなかった方々が受け取れるようになる可能性があるわけです。



 対象者は約64万人、必要な財源は約650億円だそうです。


 約650億円が毎年必要ということになりますが、この年金額があることで生活保護を受け取る人が減れば、もしくは生活保護の受給額を年金分だけでも減額することができれば、政府にとっては大きなことです。

 生活保護は全額が税でなりたっています。
 それに対して国民年金は、2009年3月以前の加入期間は税1/3・保険料2/3、2009年4月以降の加入期間は税1/2・保険料1/2です。

 これは大きな違いです。毎年650億円の財源が必要でも、これらの対象となる方々に生活保護が必要となればそれ以上の財源が必要となるはずなのです。


 今回の変更は当初、消費税が10%になるのに合わせて変更される予定でした。
 当初の予定では2015年4月でした。それが2017年4月へ一旦延期され、さらに2019年10月への再延期の発表があったのが2016年5月末です。

 直近の財源の確保が問題であったというよりも、将来的に考えて今回の変更は長期的な財源で考えれば必要なものという位置づけなのだと思います。

 将来受け取る年金は国民年金部分だけではありません。厚生年金部分もあります。今回の変更で厚生年金部分も受け取ることができる人があれば、国としてはさらに負担が小さくなる可能性があるわけです。

-----

 10年程度の加入期間では将来受け取る年金額は多くありません。
 40年満額であってもそれだけで生活できるという額ではないでしょう。
 だからといって将来のことばかり不安で貯蓄に励みすぎるというのも楽しい人生ではありません。

 バランスはとても難しいとは思いますが、そのバランスを考えるうえで世の中の仕組みを知っておくことはたいせつなことです。
 知らないまま、わからない・不安だという気持ちが出てきてしまうことのほうが時間がもったいないことですし、さまざまに不安をあおる情報や商法に惑わされてしまう最大の要因となってしまいます。


 ぜひ知る努力を惜しまないでいただきたいですし、ご自身やご家族では不可能だと判断されるようでしたら、時間を買う・知識を買うという意味合いで、有料のファイナンシャルプランナー(FP)への相談を検討するのも1つの選択だという、私のいつものポジショントークを持ってこの記事のまとめとします。

 皆さま、いつもありがとうございます。


<過去参照コラム>
 ・ファイナンシャルプランナー(FP)の役割とは
 ・ファイナンシャルプランナー(FP)へ相談する際に注意したいこと、確認すべきこと。