ホーム見学会の感想で最も多いのは「狭い」/ 有料老人ホーム京都フェスタ2013


 29(土)は「有料老人ホーム京都フェスタ2013」に足を運びました。専用のサイトは準備されていないようですのでこちらのリンクを貼っておきます。京都リビング新聞での案内告知です。

 京都では2年に1回の開催だそうです。その中で「知っておきたい!有料老人ホームと高齢者住宅のメリットとデメリット」という90分の講演を聴講してきました。
 定員500名の会場がまさにいっぱいでした。そしてほとんどの参加者がもちろん当事者である高齢者の方々です。


 講演に先立って有料老人ホーム協会理事の方のお話がありました。
 約30年前はまだまだ有料老人ホームという考え方を受け入れてくれる社会ではなかった。70代に入ったら検討されていた。今は85歳からようやく検討されるような社会になった。特に京都において、親の面倒は恥と思ってしまう社会だった。今は積極的に情報を得ようとされる方が増えた。だからこそ、自分たちに合う情報を得て欲しい。


 講師は、株式会社Pro・vision もも編集室の山中由美氏。案内の紙面では「ファイナンシャルプランナー」の肩書も掲載されていましたので、とても興味を持って参加させていただきました。

 配付資料のタイトルと講演で私が気になったポイントだけ書き出します。
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・それまで何十年も一戸建てに住んでいて、有料老人ホーム1DK~2LDKに入居するのは、荷物の整理がつかず本当に大変。元の家の片付けに半年以上かかった人も。
・ホーム見学会の感想で最も多いのは「狭い」。
・見学数が増えると優先事項が変わってくる。古いから嫌・きれい・ごはんがおいしい。
・何のために住み替えるのかを改めて考えたい。
 
01 自立型と介護型
自立型
・掃除も自分で、1DK~2DK。
・寝室からトイレへの動線を確認したい。
・自炊もできるし、いつでもレストランに変えることのできる安心感。
・共用の応接室もある。
・入居時に自立できていること、元気なうちにしか入居できない。
介護型
・介護優先の造りであり、ワンルーム。
・最初から要介護認定を受けている。
・介護になってからでは自立型を選択できない。
・入居一時金ゼロでも何千万でも基本的には同じ。

02 高齢期の介護のリスク
・平均寿命と平均余命のデータを見ると、長生きするほどさらに長生きすることは明らか。
・健康寿命のデータを見ると、介護が必要となる期間は平均7~8年??
・85歳以上の女性は10人中6人(約56%)、男性は10人中4人(約36%)は介護保険制度を利用している。その理由は女性の多くが認知症、男性は脳血管疾患。

03 誰が介護をしますか?誰に介護をしてもらいますか?
・老老介護はもちろん認認介護の時代へ。
・働き盛りの男性が両親の介護のために年間14.4万人が離職する時代。
・福利厚生として介護やホームの研修会依頼も増えている。
・高齢になってから入居するので「契約・解約」に関するトラブルも増える。

04 複雑怪奇な『施設の種類』
 ・①~⑥は主に厚生労働省管轄で福祉系、⑦⑧は国土交通省管轄で設備系。
介護保険施設
①特別養護老人ホーム
 ・全国で43万人分のベッドがあり、待機者も同じ43万人であり、うち要介護4や5の人が20万人。
②老人保健施設
 ・生活リハビリとして3~6ヶ月の利用であり、終の棲家にならない。
 ・病院で1ヶ月ほど入院した後、車イスでトイレに行けるようになるなど。
 ・社会的たらいまわしの問題も。
③療養型医療施設
 ・医療の必要な人向けであり、建物の造りからして他とは異なる。
福祉系施設
④ケアハウス
 ・要支援1~2、介護サービスなしなので、必要であれば自分で契約。
 ・要介護3になると入居できなくなる。目安は1人でトイレに行けなくなる状況。
⑤認知症高齢者グループホーム
 ・名前のとおり認知症の方々のみ。9人1ユニット。共同生活施設。
⑥有料老人ホーム
 ・ホームによって施設がかなり異なる。
 ・京都では、入居一時金ゼロ~9600万円(全国最高は世田谷の3.8億円)。
住宅系施設
⑦高齢者向け賃貸住宅(サ高住)
 ・2011年10月に新しくできた。
 ・国交省所管で年350億円の補助金が出ているため増えている。
 ・制度が緩く、ディベロッパーも参加しており、介護に関して素人が作っているケースも。
 ・サービス付となっているが、安否確認と生活相談の2つのみ。
⑧分譲型シニアマンション
 ・資産になるという営業トークが主流のよう。
 ・専門家からすると、管理費の高いただの分譲マンション。
 ・後から売りにくく、賃貸にも向きにくい。
 ・首都圏で大問題になっているケースもあるので、検討の際にはメリットとデメリットを要確認。

05 高齢者の住まい 分類と比較
・有料老人ホームの契約形態は「利用権契約」のため、サービス提供事業者の見極めもかなり重要。

06 選ぶ「住まい」によって仕組みは異なる!
07 自立時に住み替える選択肢とポイント

08 覚えておきたい「特定施設」
・介護付き有料老人ホーム(特定施設)での介護費用負担は定額制、いわゆるバイキング形式、使わなくても定額負担。
・居宅サービスはアラカルトメニュー。介護職員の人出が足りていないので実質的に毎日来てもらうのは不可能。
・夫婦でどちらか一方だけ要介護の場合、サービスを受けられるのは該当する1人分のみ。食事も1人分。洗濯も該当する者の分のみ。掃除も該当者の動線のみといった弊害も。

09 住み替え 具体的なステップ
・現場に行って、体験入居(連泊)することががたいせつ。

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 いずれ必要になる知識・情報だろうと思い参加してみましたが行っておいてよかったです。身近では要支援として介護予防を受けている人は何人かいますが、なかなかこういった施設・設備の情報は得にくいものです。いずれは見学にも足を運んでみなければと思いました。

 講師の山中氏はとても熱く早口でしたが、高齢者が大半の受講者の受けもよく知識も豊富であることが伝わってきました。いずれの情報にも必ずメリットとデメリットがある点をしっかりと強調されており、とても好感を持てました。個人的に残念だったのは「ファイナンシャルプランナー」の肩書で想像したようなFP的な視点での内容は1つも出てこなかったという点です。

 有料老人ホームを検討されるような層の方々も幅広いものと思いますので、FPの専門性である年金・生命保険・相続・資産管理と運用などを役立てていただけるケースもたくさんありそうです。いわゆる高齢者と呼ばれる層へのFPの認知度をいかにして高めていくのかという課題もあるかと思います。

 こういったイベントの中心は首都圏や大阪なんだと思います。京都での希少な機会に足を運べてよかったです。
 120629
 数年でも大きく変わっているとの情報もありましたし、こういった施設や制度が何十年先も同じように維持されているのかは誰にもわかりません。人口構造の今後の変化の見込を考えれば、そもそも将来に人手が足りているとは到底思えません。推移はしっかりと追っていかねばです。