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成年後見と市民後見人~京都市市民後見人養成講座の取組~を受講しました。


 23(火)午後の記録です。
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 河原町五条下がるにある「ひと・まち交流館 京都」で開催されました「成年後見と市民後見人~京都市市民後見人養成講座の取組~」と「市民後見人養成講座受講者募集ガイダンス」に参加しました。
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 いつものように私の独断と偏見でポイントを書き出します。
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■成年後見と市民後見人~京都市市民後見人養成講座の取組~

 講師:弁護士 椎名基晴氏(京都弁護士会)元介護ヘルパー
    京都市成年後見支援センター 運営委員会 副委員長


1 成年後見とは何か
2 成年後見の特徴

 本人の法的保護を目的とし、財産管理と身上(しんじょう)監護を行う。
 ・財産管理
   収支や資産管理
   相続発生時の名義変更・年金・健康保険の手続きなど。
   数ヶ月~数年後に新たに出てくる資産もある。
 ・身上監護
   本人の生活・医療・介護などに関する契約や手続きを行う。
   身の回りの手配であり、家事などお世話をすることではない。
   病院・介護施設・老人ホームなどで話を一緒に聞く。
  
 老人福祉法32条 市長申立
  65歳以上の本人に身寄りがないなど、特に必要がある場合。
  いわゆるゴミ屋敷・セルフネグレクトといったケースも。


3 市民後見人

 定義は自治体によってマチマチ。
 京都市の定義は次のとおり。
  市民という身近な立場から地域貢献の一環として成年後見人の活動を行う者であり、高い倫理観を有し、成年後見制度及び高齢者や障害者に対する福祉活動に理解と熱意がある市民で、養成講座の受講によりその活動に必要な法律及び福祉に係る知識、実務対応能力等を備え、成年被後見人の権利を擁護するために継続的に活動する者

 まとめると「地域貢献の一環として熱意・知識・能力を備え継続的に活動する」。

 市民後見人が求められ、想定されるのは主に市長申立の場合
 ・もめているケースで登場する専門職後見としての弁護士は、不動産の処分や保険会社との折衝が発生する場合の「財産管理」は得意であるが、きめ細やかな対応の求められる「身上監護」は得意とは言えない。
 ・専門職後見としては司法書士や社会福祉士、そして親族後見があり、それ以外を埋める。


4 京都市市民後見人養成事業

 京都市では昨年度(2012年度)が一期生であり、家庭裁判所への名簿登録はまだ。
 京都府下において京都市以外では養成講座そのものが未実施。
 大阪や兵庫では実際に活動している市民後見人あり。

 市長申立だけでなく弁護士などの関わる専門職後見にてもめごとが終息した段階で引き継がれるケースも想定される(リレー型)。

 市民後見人は1人の独立した後見人。
 家庭裁判所は選任者であり監督者。
 京都市成年後見人支援センターは支援者。

 報酬について、他府県では無報酬。
 交通費等は被後見人の財産から支払われる。
 京都市では他の専門職後見と同様に家庭裁判所に報酬を申し立てられる仕組み。
 京都市のみ異なり、報酬を受け取る権利をなくさなかった。

 ただし、注意点は報酬を得るため「ボランティア保険」が使えない。
 各自で傷害保険等への加入が必要。
 賠償責任保険は京都市成年後見人支援センターで加入。保険料負担無し。


5 最後に 市民後見人のこれから

 専門職後見の数合わせではない。
 弁護士は弁護士登録から1年間は専門職後見の登録ができない。
 弁護士や司法書士の登録率は高くない。儲かりにくく経営への貢献は少ない。
 高齢であったり従来の弁護士像にとらわれている弁護士は登録していない。

 被後見人から「おまえ誰や」からスタートするケースもあるが、助け合いの心で親族後見の次の流れになってきている。
 後見の終わりは、被後見人の死亡、後見人の年齢制限や体調不良など。

 現在の養成講座はフルタイムで働く人には受講も難しいし、日々の活動も困難。
 まずは時間的に余裕のある方々に協力をいただき、定着させたい。
 将来的には仕事帰りにふらっと被後見人宅を訪問できるような社会に。

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■市民後見人養成講座受講者募集ガイダンス
 説明:京都市成年後見人支援センター

 ・離れて住む子は親族後見人になれないケースがある。
 ・弁護士・司法書士・社会福祉士だけでなく、税理士・行政書士・社労士も。

 ・養成講座は平日の昼間約3時間を計20回(週)、無料。
 ・25歳以上70歳未満。3年更新で、更新時に75歳まで。
 ・京都市内に在住していること(市外在住で市内勤務は対象外)。
 ・定員25名、作文で選考。昨年の応募は93名、受講は同じく25名。

 ・受講修了者には修了証を発行(資格等ではない)。
 ・修了後、市民後見人候補者として登録。
 ・登録者には四半期に一度程度フォローアップ研修等を実施。
 
 ・後見支援員として登録
  京都市成年後見人支援センターの委託元である京都市社会福祉協議会の行う法人後見事業
 ・生活支援員として登録
  同じく京都市社会福祉協議会の行う日常生活自立支援事業

 ・市民後見人への選任
  全国で、2012年度(?)131人、2011年度(?)92人。

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 <所感>

 日々の相談においても後見に関する話題は時々触れる機会があります。ご希望に応じて司法書士さんにつなぎますと伝えるケースは増えてきていますが、実際に紹介するところまで進んだケースは今のところありません。

 正直に書きますが、市民後見人という制度が自治体ごとに制度構築が委ねられていて、定義でさえも自治体ごとに異なるということを今回初めて知りました。
 京都府内においては間違いなく京都市が最も発展している自治体ですし、今年度で養成講座が2期目という京都市が京都府内で最も進んでいる状況ということで、まだまだこれからの制度だということも理解できました。
 そして一般に広まるためには、家庭裁判所で市民後見人がしっかりと認知され、任せても大丈夫だと認識されることが第一歩となるようです。先は長そうです。

 僭越ながらアンケートにも書かせていただいたのですが、専門職後見においていくら対応しても食べていけない、また、今回の市民後見において入ってくるのかわからないわずかな報酬で熱意をもって継続できるのか。お金ではない問題だと思いますし、多い少ないの問題でもないのかもしれません。それでも、本当にこの制度のままであるなら、介護や健康保険や年金の制度と同様にこれからの5~10年程度は問題ないかもしれませんが、それ以上先を考えると人口構造的にもたない仕組みになってくることは明らかであるように感じました。


 平日のお昼間ということもあり、参加者の平均年齢はかなり高かったです。実際に切実な状況の方もおられるようで、質疑応答は熱を帯びておられる方もおられました。質疑応答なのに講演者に高圧的としかとらえられない口調の高齢者の方もおられました。ああいった方が市民後見人としてどうなのかと思ってしまった私自身もおそらく対象にはなり得ないのではないかなと感じてしまいました。いろいろと悩ましいことは尽きません。

 私は(残念ながら)当面この養成講座を受講する機会はなさそうです。情報提供の立場に徹することになるかと思います。市民後見ではなく専門職後見としてファイナンシャルプランナー(FP)も他の専門職の方々と肩を並べることのできる時代にしていきたいと感じました。

 長文を読んでくださり、ありがとうございました。

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 <参照web>
 ・【2012年度】市民後見推進事業の概要<京都市>(PDF156KB)
 ・【2012年度】市民後見人養成講座に関するQ&A<大阪市>(PDF20KB)
 ・【2012年3月30日】神戸市が養成した「市民後見人」第1号が選任されました!