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特集「今の給料で買える価格」の雑感。


 SUUMO新築マンション関西2013.8.6号「今の給料で買える価格」という特集(4ページ)を読みました。仕事で大阪へ行った際に、たまたま駅構内に設置されていたものが視界に入り手に取りました。
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 フリー(無料)の不動産広告誌です。全体としてはなかなかの厚みがありました。

 特集の漫画を使った解説で、気になったところを書き出します。残念ながらwebでは該当する記事がありませんでした。
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①「買える価格」 = 頭金 + ローン借入可能額
 
②マンション購入にかかる総費用 = 「買える価格」 + 諸費用

③現金で払う = 頭金 + 諸費用


④毎月返済額 = 現在の住居費 + 住居資金の積立 - 管理費・修繕積立金
  事例として、9万円+5万円-2万円=12万円
 もしくは
⑤毎月返済額 = 現在の月収(税込) × 0.25
  事例として、40万円×0.25=10万円


⑥「年間のローン返済額は、年収の25%以内であれば無理がないといわれています。同様に月収(税込)の25%を返済可能額と考えて、毎月返せる額を出しましょう」

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①~③と⑥について
 確かに「買える」のは問題ないかもしれません。でも、気にしなければならないのは「払えるのか」「返せるのか」という部分です。

④について
 12万円の事例について、広告掲載されているような新築マンションにおいて管理費と修繕積立金を合わせて2万円は間違いなく少ない設定です。修繕積立金は当初少なく、数年後から上がってくる設定が最近はほとんどです。

 また、家を買うために貯金してきていた分まで「毎月返済額」に含めてしまうなんて恐ろしいです。それまでの貯蓄の目的は家を買うことだったかもしれません。これからは教育費など他のことにお金を貯めていく必要はないでしょうか。

 そして、固定資産税(と都市計画税)が考慮されていません。地域にもよりますが月で均(なら)すと、少なくとも1万円くらいは想定しても問題ないでしょう。

⑤について
 25%の考え方は、あくまでも金融機関のローン審査において「借りられる額」の参考となる比率です。税込の月収から「毎月返せる額」が算出できるとは思えません。

④と⑤について
 ボーナス返済も当然のように組み込むストーリーになっていました。

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 ということで、私の案を④でまとめてみると「9万円-3万円(管理費・修繕積立金)-1万円(税)=5万円」ということになってしまいます。ボーナス返済は間違いなくお勧めできません。ボーナスは水ものです。出てくればラッキーと思っていただく返済プランでお願いしたいです。

 ④を基にした事例では、毎月返済額12万円・ボーナス時加算額10万円で借入可能額4120万円ですが、私の案だと毎月返済額5万円・ボーナス時加算額0円で借入可能額1510万円です…。

 ⑤を基にした事例は、毎月返済額10万円・ボーナス時加算額7万円で借入可能額3020万円ですが、私の案だと、毎月返済額7万円・ボーナス時加算額0円で借入可能額2110万円です…。

 
 こうして決められた計算式に当てはめる計算だと、設定する条件で出てくる答えは大きく変わってきてしまいます。どちらが良いとか悪いとかではありません。複数の意見を聞いてもらいたい、ただそれだけです。

 もちろん現実的には、もう少し家にお金をかけても問題ないケースも出てきます。その他の支出を見直すことで月あたり1~2万円やそれ以上をプラスしても何の問題もないかもしれません。このあたりは家計全体と将来に発生してくるライフイベントによっても大きく変わってきます。

 <過去参照コラム>住宅ローン相談・住宅購入資金計画相談のタイミング


 なお、住宅ローンの「変動型」を利用する場合の考え方として、固定金利2%で借りるつもりになって固定金利で計算した借入総額を設定し、変動金利で借りるという手法が紹介されていたことは評価したいです。これはぜひともお勧めしたいです。
 でも、現実には変動金利で返す毎月の返済額より増えてしまうと、家計が相当に苦しくなってしまうというケースの方が多いのではないでしょうか。 

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 というような、つっこみの文章を書いたところで、この掲載内容のアドバイスは著名なファイナンシャルプランナー(FP)のお名前が…私はお会いしたことはありませんけれど、いや、これはちょっと…m(_ _)m


 最後に声を大にしてお伝えしたいです。
 住宅ローンは借金です。家賃の代わりではありません。何千万円ものお金を借りるということには、それ相当のリスクが伴います。
 ローン借入期間として多くの方々が設定される35年はかなり長いです。

 ローンを組むことが悪だと言っているわけではありません。
 怖いのは気づかないうちに「借り過ぎ」になってしまっていること。住宅ローンの「借入可能額」が「返済可能額」であるかどうか、しっかりと悩んだうえで購入してもらいたいです。

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