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”自分でやさしく殖やせる「確定拠出年金」最良の運用術”読みました。


 ”自分でやさしく殖やせる「確定拠出年金」最良の運用術”(2014年6月1日発行)を読みました。著者は投資教育会社I-Oウェルス・アドバイザーズの岡本和久さん。

 岡本さんとはまだお会いしたことはないのですが、クラブ・インベストライフマンスリー・セミナーを主宰されており、いずれもfacebookでも情報発信されていまして、この本を知るきっかけとなりました。

 いつも通りアウトプットとしていくつかポイントを引用させていただいての所感を書くスタイルなのですが、最初に書いておきます。この本は確定拠出年金という言葉が本のタイトルになっていますが、確定拠出年金の解説本と言うよりも金融や投資・運用の本質についての解説本という意味合いが強いと思います。なお、当然ながら引用部は私の独断と偏見によるものです。
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■序章 「給与天引きで投資」している確定拠出年金をきちんと活用しないと損!

・よくメディアで「国の借金は国民1人当たり〇〇円の『借金』に相当する」という表現をします。しかし、これは大きな誤解を生みます。国の借金は政府の借金です。そのお金の大部分を貸しているのは民間部門です。正しい表現は「国民は1人当たり〇〇円を政府に貸している」というべきです。 p22~

 
 章のタイトルに確定拠出年金という用語が使われていますが、セクションタイトルは「将来の自分を支えるのはいまの自分しかない時代になった」「日本の株価はイマイチだったが世界的な投資環境は非常に良好」とあり、そして最後に「いちばん有利な運用の器は確定拠出年金だ」という流れです。

 引用部と合わせて、確定拠出年金をきっかけにして金融や投資・運用の本質を学べる本ですので、すごくたいせつな意味合いがあると感じます。岡本さんの強みと言えるかと思います。

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■第1章 そもそも確定拠出年金(企業型、個人型)ってどういうものなの?

・たとえば、国民年金に40年程度加入しても、65歳以降に受け取れる年金の額は、1か月当たり5万円程度です。退職後の月5万円はありがたい金額です。しかし、残念ながらこれで生活費を賄うのはむずかしいでしょう。要するに生活基盤を支える資産は自分が準備する、国民年金はゆとり資金ぐらいの発想が必要なのです。 p55


 国民年金の保険料を40年間納めた場合に65歳以降受け取る年金(老齢基礎年金)の満額は2014年度で772800円/年です。月になおすと64400円です。岡本さんは何か意図を持って「月5万円」と書かれたのだと思いますが、「40年程度加入」と書かれるのであればせめて「月6万円」と書いていただきたかったと思いました次第です。

 なお、この本では確定拠出年金の制度に関する解説は最小限のポイントに絞ってまとめられていると感じました。詳しく知りたい場合には次の2冊がお勧めです。
 ・個人型 ”金融機関がぜったい教えたくない年利15%でふやす資産運用術”読みました。
 ・企業型 ”自分で年金をつくる最高の方法~確定拠出年金の運用【完全マニュアル】~”読みました。

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■第2章 確定拠出年金を自分で運用し始める前に知っておきたい「投資の基本」
・投機、投資、資産運用この3つの違いとは? p68~
・リスクとリターンはトレードオフの関係にある p72~
・時間を味方につければ投資で勝つことができる p79~
・投資成果を確実に向上させるさまざまなコストの削減 p96~

■第3章 確定拠出年金で何をどういう割合で買ったらよいのか?
・デフレからインフレへ頭を切り替えよう p106~
・年齢に応じたアセット・アロケーションの基本 p125~

■第4章 アセット・ロケーションの中に確定拠出年金をうまく配置しよう
・アセット・アロケーションとアセット・ロケーションの違いは? p142~
・どの口座で何を買うかマトリックスで考えよう p153~


 引用したい場所がたくさんあります。繰り返しますが、確定拠出年金をきっかけにして金融や投資・運用の本質を学べる本であることが強く強く感じ取れます。確かに専門用語も登場しますが、それをわかりやすく表現されている部分ももちろんありますので、投資初心者の方々にオススメしたい部分です。

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■第5章 バリュー平均法を活用した最強の積立投資で資産形成を効率よく行なおう

 この本の最大の売りはこの章でしょう。間違いなく上級者向けですので、誰でもができるものとは思いません。でも、積立投資に5年10年と慣れることができれば、こういった考え方を受け入れることのできる土壌はできてくるものと思います。

 バリュー平均法のさわり部分は岡本さんの次のコラムがわかりやすいです。
 資産運用「気づきのタネ」(121)最強の積立投資法、バリュー平均法

 例えば毎月1万円の積み立てを継続するのはドルコスト平均法といいます。
 それに対して、価格によって購入口数を調整し、積み立ての累計金額をあわせる「バリュー経路」の考え方で、例えば3ヶ月に1回の投資などを継続するのがバリュー平均法です。

 うん、まとめたつもりですが、まとまってないですね…。ここは本を読んでもらいたいです。
 このバリュー平均法を確定拠出年金で行うことについては、確かにスイッチングのコストはかかりませんし、いわゆる利益確定をさせても20%の税は取られませんから最適な環境であることは間違いなさそうです。
 基本的に掛金は日本国債や定期預金としたうえで、バリュー経路を3ヶ月に1回計算して実行するという流れかと思います。自分自身でも一度やってみなければと思うのですが、この手間を忘れずに続けられるかが不安ではあります…。

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■第6章 「投資方針書」に沿った計画的な資産運用で着実にお金を殖やそう!

・「資産運用」という言葉をきちんと定義しておきましょう。それは「人生を通じて金融資産全体を、できるだけ安定的に、最終的に目標とする金額に到達できる可能性を常に最大化するプロセス」です。 p209

 
 「可能性を常に最大化するプロセス」の部分が難しいかもしれません。毎日チェックする必要はないと私も考えます。定期的にチェックする「管理」がたいせつだと書かれています。まさにその通りだと思います。

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 確定拠出年金における最大の問題は、継続した投資教育がまだまだ未発達だということです。確定拠出年金というキーワードでこの本を手に取られた方々が投資や運用の本質を知るきっかけになれば最高だと感じました。
 <参照過去記事>「確定拠出年金制度に関する実態調査 調査結果」読みました。


 金融機関や金融商品の選択をはじめ、投資や運用は自己責任でお願いします。

 長文を読んでくださり、ありがとうございました。