「地域からつくる日本の明るい未来 ~人口減少社会で消費者が知っておきたいこと~」を受講しました。
27(土)午前、烏丸丸太町にある京都府立総合社会福祉会館(ハートピア京都)での講演「地域からつくる日本の明るい未来~人口減少社会で消費者が知っておきたいこと~」を受講してきました。

講師は「デフレの正体」で有名な地域エコノミストの藻谷浩介さん。ご自身は「ブログもツイッターもやっていないので、ネットで悪く書かれるのは好きではない」とおっしゃっていましたが、批判的なことを書くつもりはありませんのでポイントをまとめておきたいと思います。
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・講演地域によって話す内容が変わる(年間500講演)
・経済成長率 民主党時代の平均1.0%・アベノミクスの平均0.6%
・殺人 現在は昭和20年の3割。刑法犯も戦後最低。
・思い込みが勝つ社会(高齢化社会の特徴)
・見聞きしたことを確認せずに鵜呑みにする。
・増えている(減っている)という印象で思い込む。
・意見で考えてはいけない。先入観を持たず事実を知る必要がある。
・空き家"率"を聞くと、全国平均は約11%だが地方が深刻に感じる。
・空き家"数"を確認すると、全国820万軒のうち1/10の82万軒は東京に集中。
・東京ではマンションがまだまだ増え、投資用マンションの勧誘も多い。
深刻なのは地方ではなく東京。
・フランスやドイツは2~3%。
・65歳以上人口の比率を表す高齢化率。
日本では65歳は高齢者ではないが、世界で見れば平均寿命。
・東京では23.1%だが、1990年10%、その前は4%程度だった。
23.1%も過去で言えば地方で最も高い数値と同じ。
・人口減少と言っているが、減っているのは15歳未満の子どもと
15歳以上65歳未満の生産年齢人口。65歳以上は驚くほどに増えている。
・生産年齢人口の減り方(率)は絶滅危惧種の動物(イリオモテヤマネコ)など
よりもペースが早い。動物の心配をしている場合ではないという考え方もできる。
・税を納める人(生産年齢人口)が猛烈な勢いで減って、
福祉サービスを受ける人(税を使う人・高齢者)が猛烈な勢いで増えている。
世の中が立ち行かなくなるのは当たり前。
・団塊の世代および団塊ジュニアの世代が将来この世からいなくなると、
いびつな人口構成比率は解消され、人口減ながらも安定した社会になる。
・たいせつなのは孫の世代をみんなで助けること。
自分自身や配偶者が産むとか産まないではなく、孫の世代をたいせつにする。
・世の中に子どもを4人以上産む人が減った。
そういった人たちが今は2人までしか生まない社会になっている。
・子どもの見守りをしてくれたり、交通当番でハタを持ってくれるような高齢者を
みんなが見習うべき。
・地方の事例は島根県邑南(おおなん)町
・高齢者が若い人にお金をまわしてと言った。
・町議員は6名。2人1組で自分の生まれ育った所とは別の地域に説明してまわる。
・自治会も60歳定年。
・田畑があると高齢者にお金がかからない。
・都市の中に田舎の良いところを作る。
・都市部の人は地方をバカにしている傾向にあるが、田舎のほうが進んでいる。
・お金のかからない、豊かで明るい生き方を考えたい。
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藻谷さんの講演を受講するのは2回目でした。
「デフレの正体」藻谷さんの講演へ行ってきました。
早いもので4年3ヶ月も前なのですね。
主張の根幹は以前と同じでしたので、私にとってはおさらい8割という感覚でした。参加者に「増えていると思う人はグー、変わらないはチョキ、減っているはパー」といった感じでアンケートを取られ、好き嫌いもあるかとは思いますが決して丁寧ではない言葉遣いで飽きさせないスタイルが藻谷さんの特徴です。
私と同じ世代の人よりも60代以上の方々の参加数が圧倒的で、正直に書いて「印象・思い込み」で生きてこられたことが挙手でひしひしと感じた時間となりました。藻谷さんもおっしゃっていますが、それが悪いということではなく、これからはできるだけそうならないように生きていきましょうということです。
今回、私が印象的だったのは本文中にも書きましたので繰り返しとなりますが「団塊の世代および団塊ジュニアの世代が将来この世からいなくなると、いびつな人口構成比率は解消され、人口減ながらも安定した社会になる」という部分。
もちろん印象で話されたのではなく、実際の推計データを基にされていて視覚的にもわかりやすかったです。公になっているwebではこちらかと思います。
日本の人口推移(2006年)
データが最新から2つくらい前のものですが、イメージはこれで大丈夫です。1950年から2050年までの推移ですが、2050年以降に団塊ジュニア世代や、その次の(私を含む)円高後成人世代がいなくなる(亡くなる)時代、私の子どもの子どもすなわち私の孫やその次の世代になれば、今やこれからその時代が来るまでの閉塞感のようなものは解消される可能性が非常に高いということです。
もちろんその時代になるまでに、その根幹を維持できないような大変な社会にしてしまわないようにしていくのは私たちの世代です。その時代を作るのは今の65歳以上の方々ではありません。
大いなる刺激をいただいた講演でした。
藻谷さんのことは好き嫌いがあると思います。
感化されすぎることのないように、でも事実を知る視点を忘れずにいたいです。
長文をお読みくださり、ありがとうございました。