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”老いる家 崩れる街 住宅過剰社会の末路”読みました。


 ”老いる家 崩れる街 住宅過剰社会の末路”(2016年11月20日 第1刷発行)を読みました。

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 ツイッターで不動産関係の方々が紹介されていた本で、すでに発売から1年半たっていますが、さまざまに考えるきっかけとなる内容でした。

 いつも通り、アウトプットとしていくつかポイントを引用させていただいての所感を書くスタイルです。当然ながら引用部は私の独断と偏見によるものです。

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■はじめに
■おわりに

・住宅過剰社会とは、世帯数を大幅に超えた住宅がすでにあり、空き家が右肩上がりに増えているにもかかわらず、将来世代への深刻な影響を見過ごし、居住地を焼畑的に広げながら、住宅を大量につくり続ける社会 p3

・2013年に約820万戸の空き家が、10年後(2023年)には約1400万戸、空き家率は21.0%に、20年後(2023年)には約2150万戸、空き家率は30.2%になると予測されており p8


 まずは定義の確認です。
 専門的な情報やデータを見ていくうえでは大事な確認です。


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■第1章 人口減少社会でも止まらぬ住宅の建築

1.つくり続けられる超高層マンションの悲哀
2.郊外に新築住宅がつくり続けられるまち
3.賃貸アパートのつくりすぎで空き部屋急増のまち

・分譲マンションという「共同住宅」に住むということは、建物全体の区分所有者との「運命共同体」に加わるということ p41

・他の市町村がどうなろうと、自分たちの町の人口をとにかく増やしたいという根強い人口至上主義が影響 p80


 各地の実態を知ることができます。
 でも、これって良い意味でも悪い意味でも、全体ではなく一部だということも認識しておかないといけないです。


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■第2章 「老いる」住宅と住環境
1.住宅は「使い捨て」できるのか?
2.空き家予備軍の老いた住宅
3.分譲マンションの終末期問題
4.住環境も老いている~公共施設・インフラの老朽化問題

・急増する実家の相続放棄と「負動産」 p116~
・老いたマンションの賃貸化 p122~


 同じ章の近しい項目で、一方は(一戸建ての場合?)相続放棄しても家庭裁判所によって相続財産管理人が選任されて管理が開始されるまでは適切な管理を継続しなければならないと書かれ、もう一方でマンションにおいて相続人全員が相続放棄した場合に管理組合が相続財産管理人の選任を申し立てる必要があると書かれており、ケースによって異なるのかもしれませんが、実際は誰の負担となるのかこの本ではうまく読み取れませんでした(すみません。


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■第3章 住宅の立地を誘導できない都市計画・住宅政策
1.活断層の上でも住宅の新築を「禁止」できない日本
2.住宅のバラ建ちが止まらない
3.都市計画の規制緩和合戦による人口の奪い合い
4.住宅の立地は問わない住宅政策
5.住宅過剰社会とコンパクトシティ


 2018年4月にこんな記事がネットに出ていました。
 なぜ新潟や石川が「人口日本一」だったのか? 都道府県の人口推移から見る、日本近代化の歴史

 時代とともに人の集まる場所は変わっていきます。ここでの時代というのは1人の人の人生、数十年というレベルではなく百年単位です。
 ルールは柔軟に変更できる必要があるのだと思いますが、人口が増え、権利関係が昔よりも厳密になっている現代でしょうから難しいのは間違いないと感じます。でも、です。


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■第4章 住宅過剰社会から脱却するための7つの方策

・住宅ローンを払い終わった時期には、住宅の維持管理状況や立地によっては、売却しようにも全く買い手がつかない「負動産」になっている危険性もあり、住み替え自体が難しいことも想定される p215


 個人が見極める力をつける必要があるというのは悩ましいです。個人の資産として判断は難しいとは思いますが、自治体として国としてきちんを線を引いて決めていかないと、もっともっと収集のつかないことになってしまうのだと感じます。今でも山を切り開いて新築を建てている場所が全国至る所にあるでしょうから…


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 隠すことではありませんので書きますが、私は京都市内に生まれ京都市内で育ち、今も京都市内に住んでいます。両親ともに生まれも育ちも京都市内です。全国出張はこの仕事を始める前に4年ほど経験しましたが、転勤のある仕事についたこともなく、遠方の実家や田舎という概念もありません。
 国内旅行が好きとはいえ、子どもが生まれてからは年に1回くらいのペースでしかありませんし、関西近郊が中心ですので広い土地勘があるわけでもありません。

 事務所や事務所から徒歩3分にある今の住まいの近くでは、今年もワンルームマンションの新築が何軒も始まります。
 ワンルームの空き部屋や昔ながらの狭い長屋の一戸(一部屋?)などを除けば、空き家率ってかなり違ってくるのではないかと感じることもあります。


 これっていわゆる都市部の実感でしかありません。
 ただし、日々相談をお受けする仕事をしていますので情報はたくさん入ってきています。web、書籍、専門家つながり、そして相談者さんからの生の声です。

 この本で各地の事例を知ることができました。新書ですが情報量が多いです。東京23区内の超高層マンションの事例などもあるとはいえ、特に都市部以外で住宅を購入予定のある方々は一読をお勧めしたいです。

 

 <過去参照記事> ”「持ち家」という病”読みました。

 不動産の購入や売却などは自己責任でお願いします。

 長文をお読みくださり、ありがとうございました。