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”50歳から始める! 老後のお金の不安がなくなる本”読みました。

 
  ”50歳から始める! 老後のお金の不安がなくなる本”(2019年8月9日 1版1刷)を読みました。

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 (自分で購入し、いわゆる献本もいただきましたので2冊持っています)

 ※ 拡大版はこちらをクリックください。
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 著者はいつもお世話になっているLIFE MAP,LLC、ファイナンシャル・ジャーナリストの竹川美奈子さん。facebookページはこちら
 竹川さんはいわば身内です(竹川さんすみません!)。ひいき目があって当然ですので、その点は割り引いてお読みください。


 いつも通り、アウトプットとしていくつかポイントを引用させていただいての所感を書くスタイルです。当然ながら引用部は私の独断と偏見によるものです。

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■序章 知ることで不安は払拭できる
■おわりに

・私たちが「老後のお金」という言葉を聞いて「不安」になる最大の原因は「わからない」「知らない」ことにあります。 p7-8

・もっぱらお金をふやすことが目的になってしまっては本末転倒です。資産形成の目的は、将来の選択肢を増やすこと p260


 序章では2019年の時事ネタいわゆる「老後2000万円」をたったの4ページで論破です。報道に携わる皆さま全員に読んでもらいたい内容です。

 そして「おわりに」に竹川さんのスタンスがよくわかる文章が簡潔に書かれています。このスタンスを理解できすぎるからこそ、私は竹川さんの本を迷うことなく多くの人に読んでもらいたいといつも感じます。

 序章とおわりにを最初にぜひです。


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■第1章 公的年金は長生きリスクに備える最強の保険

・3つの機能を備えた「保険」 p24~

・マクロ経済スライドはいわば「公的年金受給者から孫・ひ孫への仕送り」なのです p31-32


 この章、ほんま大事です。将来資金(この本では老後資金)を考えるうえで、土台となるのは将来受け取る公的年金保険の老齢給付です。シンプルに適切に解説されています。
 正直に書きまして、この内容だけでも本気で確認しようとすると普通の人には相当に難易度が高いと思います。これは相談をお受けしていることを生業にしているからこそ強く感じることです。でも、ほんまに大事なのでぜひ確認してもらいたいですし、お金のことを相談したり金融商品の提案を受ける機会がある場合には大前提の内容です。


 権丈先生の関わる文章に出てきた「孫・ひ孫への仕送り」が本で採用されたのは間違いなく今回が初めてでしょう。竹川さん、最高です!
 ツイッターでキーワード検索すると、ほとんど私でした(苦笑)
 私の知る限り、この表現が出てきたのは2018年7月のこちらの対談記事です。
 「次期年金制度改正の課題を考える」記事のご紹介


 p72では次の2冊が紹介されています。

 ・”ちょっと気になる社会保障 増補版”読みました。
 権丈先生の本は手放しで誰にでも勧められます。

 ・”人生100年時代の年金戦略”読みました。
 日本経済新聞社の田村さんの本は(大変僭越ながら)条件付きでの推奨です(すみません


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■第2章 意外と知らない退職給付(退職金・企業年金)制度

・勤務先の退職給付制度を調べてみよう p88~
・退職給付制度をまとめてみよう p97~ 

・例えばファイナンシャル・プランナーに相談するときにも、退職給付制度を調べておくとより現実的な提案をしてもらえるはずです p98


 30数ページなのですが、ボリューム満点です。自分自身がどれに該当するのか、この本を読んで判断(判別)できる人はおそらく何も問題ないと思います。読んでもまったく意味がわからない、そもそも読む気になれない、そんな方々は職場の人事・総務の担当さんにまず聞いてみる、資料を出してもらう、これが第一歩かなと感じます。

 相談をお受けするなかで、自分自身で相談までに把握しておられるケースはほぼありません。資料を準備してもらい(当然ながら守秘義務にて)私が読み込んで、イメージをお伝えするというケースは何度も経験しています。難しいことですが、会社員さんにとって大事な将来資金(給料の後払い)ですから、しっかりと確認したいところです。


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■第3章 人生を通してお金をふやし、楽しく使うための「管理術」

・年間貯蓄額から”本当の”支出を割り出す p120~
・「バランスシート」をつくる p125~


 そう、いきなり金融商品ではないんです。まずは今を適切に知ることができなければ、今の延長にある将来なんてわかるわけがないと信じているのが私のスタンスです。

 もう7年も前ですが、ここの内容の詳細は竹川さんの著書がお勧めです。
 ”あなたのお金を「見える化」しなさい~ビジネスパーソンのための新お金管理術~”読みました。


 土地や建物などの資産は「今どれくらいの価格で売却できるかを調べてみましょう(p131)」とあります。たまに触れますけれど、これは相当に難易度が高いと思います。
 不動産についてバランスシートを埋める目的として固定資産税の評価額を記入しておくというのも有力な選択肢です。売却を当然に考えている人は価格を調べておく必要があるでしょう。でも、短期・中期で住み続ける前提であれば固定資産税評価額でも十分だと考える次第です。


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■第4章 非課税制度を活用!自分でも老後資金を準備

・働く期間が延ばせられればいちばんよい p141~

 
 この章の詳しい情報は竹川さんの次の3つの著書がお勧めです。
 ただし、最新情報は今回の本です。

”一番やさしい!一番くわしい!個人型確定拠出年金iDeCo活用入門”読みました。
”税金がタダになる、おトクな 「つみたてNISA」「一般NISA」活用入門”読みました。
”【改訂版】 一番やさしい!一番くわしい! はじめての「投資信託」入門”読みました。


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■第5章 公的年金や企業年金、iDeCoの資産をどう受け取ればよいか

・公的年金を繰下げ、私的年金を「中継ぎ」として活用 p219~

・ご自身でパーツを組み合わせるのが難しいという人は、公的年金や退職金制度に詳しいファイナンシャル・プランナー(FP)などに相談してもいいでしょう(社会保険労務士や税理士事務所と提携しているとなおよい) p228


 いやー、マニアックです。この5年程度以内で実際にリタイアされる方々には特に必読の内容だと思います。10年以上先の場合、この内容は基礎情報として実際にその状況になったときに改めて該当の情報を調べてみる必要があるでしょう。大筋は変わらないと信じていますが、枝葉はわからないです。その枝葉によって大きな影響を受けてしまうかもしれない、そこが難しいところです。

 私事ですが、社労士さんも税理士さんも相談者さんによってタイプもありますので、その時々でチームを作ります。ただ、実際に申告などにつながらない相談の場合は税理士さんも取り扱いの悩ましい試算でしょうし、厚生年金・健康保険・雇用保険・労災保険には強くても国民健康保険・介護保険(65歳以上)・後期高齢者医療はそこまで明るくないという社労士さんも一定おられるのではないでしょうか。
 もちろんFPこそ選びにくい代表とも呼べる専門家かもしれません。「公的年金や退職金制度に詳しいFP」…どれくらいいるでしょうね…1割?5%?うーむ…わからないです。私は「詳しい」と言い切りにくいですが、「詳しいほう」だと思っています。


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■第6章 「自分で準備」してきた分をどう引き出すか

・毎年どのようにお金を引き出して使うか p237~

・ほかの受け取るお金(公的年金や企業年金など)や支出を考慮して、「毎年何%ずつ定率で解約していくか」を決め、1年あるいは半年に1回解約します(比率についてはファイナンシャル・プランナーと相談してもいいでしょう)。 p255-256

・お金がたくさんある人は無理に運用しなくてもOK p256~


 この章まとめのチェックリストと第2章p101に「リタイア時までに住宅ローンを完済する」「リタイアまでに完済することを優先」とあります。言い切っておられるのが、この点のみ賛同しにくいです。
 もちろん理想はそうかもしれません。でも無理にがんばって完済を優先することで、手元資金に余裕がなくなったり、日々の楽しみにお金を使えなかったり、子どもの教育費が足りなかったりしてしまうのはよろしくないと考えます。
 リタイア後も住宅ローン返済が残っていても問題ありません。もちろん現役時代と同じような毎月大きな返済とまとまったボーナス返済が残っているのは厳しいでしょう。それらの負担を小さくする繰上返済は目標として優先順位を上げてもらいたいです。でも「完済」は別です。
 竹川さんも「意地でも完済絶対!」というスタンスではないはずですので(たまにそういうスタンスの専門家さんもおられます)、ここは別の表現を使ってもらいたかったと書いておきます(すみません


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 公的年金保険の給付を一貫して「もらう」ではなく「受け取る」で表現しておられるのも強いこだわりを感じました。
 固い表現になってしまいがちですが、ここは譲れないです。公的年金保険をまっとうに理解できているかどうかの分かれ道と言えると思っています。

 タイトルは「50歳から始める!」となっていますが、30代でも20代でも知っておきたいまっとうな情報が満載です。超お勧めです。
 

 金融機関や金融商品の選択をはじめ、投資や運用は自己責任でお願いします。
 長文をお読みくださり、ありがとうございました。