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令和2年度税制改正大綱を独断と偏見の塊で書き出しました。


 2019年12月12日に自由民主党のサイトで公開されました。

 12月10日あたりが通常なので、4年連続でイレギュラーなしだったようです。表現が難しいかもしれませんが、政権が安定している証拠なのかもしれません。
 令和2年度 税制改正大綱
 原文はPDFで117ページです。徐々に減ってます。

 この大綱はほぼ確定の内容であると言えますが、あくまでも現時点における改正見込みであって、現時点においては確定していないものもありますのでご注意ください。
 実際に改正された内容は財務省のwebにまとまっていますのでご参照ください。
 各年度別の税制改正の内容


 このblogでは私の個別相談で特に関わりそうな内容のみ、独断と偏見で抜粋します。

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【令和2年度税制改正の基本的考え方】

 いわゆる前段で気になった文章の引用です。

・人生100年時代を迎え、高齢期における就労の拡大や働き方の多様化に対応し、私的年金の加入可能年齢等の引上げや、中小企業への企業年金の普及・拡大等に取り組む。(p1)
・成長資金の供給を促しつつ、家計の安定的な資産形成を促進する観点から、NISA制度全体を見直す中でつみたてNISAを延長し、小額からの積立・分散投資を促進していく。(p1-2)


 「税」単体の視点で切り取るとこんなことにしかならないのかなーって感じたりします。数十年先の最終的なシンプルに落ち着く経過として超複雑を当面めざしていきますという流れであってほしいと願うばかりです。数十年先に「最終的なシンプル」へ落ち着いてくれず、今と同じような超複雑な状態が続いていないことを強く切に願います。


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2.中小企業等の支援、地方創生
(2)地方創生の推進
②低未利用地の活用促進(p7)

4.経済社会の構造変化を踏まえた税制の見直し
(1)個人所得課税のあり方

(2)人生100年時代に対応するための環境整備
①私的年金等に関する公平な税制のあり方
・諸外国を見ると、日本の公的年金等控除のような、年金収入に対する大きな控除はなく、基本的に拠出段階、給付段階のいずれかで課税される仕組みとなっている(中略)こういった例を参考に、世代内・世代間の公平性を確保する観点から検討を進めていく。(p12-13)

(4)資産移転の時期の選択に中立的な税制の構築と税差固定化の防止
・現行の相続時精算課税制度と暦年課税制度のあり方を見直し、(p14)


 法律関連の文書はあっちこっちそれぞれ必要なことが書いてあるので慣れていないと見にくくて仕方ないです。私も日々確認しているわけではありませんから不慣れです。概要として書かれている壮大に感じる文章と実際の改正内容にギャップを感じます。


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【個人所得課税】

■1 金融・証券税制 p18~

(1)NISA(少額投資非課税制度)

 当初2037年までの20年間でしたが、今回で2042年(令和24年)末まで5年延ばされます。当然と言えば当然です。今から始める人は20年できないって変ですものね。

 とはいえ何年後に20年という期限が無くなるのかが私の最大の関心事項です。だって、仮に25歳から制度を利用し始めたとすると、45歳で積立終了です。リタイアが65歳だとしてもまだ同じ20年あります。あとは自分で課税(特定口座)で問題なしってことで良いのかもしれませんが、45歳で非課税枠から資産が外れるなら売却してしまうって人が出てきてしまうと思うんです。これって違う気がします。

 あと、そんな商品まで変えてしまうの!?というジュニアNISAは延長されないことが決定するようです。私は問題ないと思っています。

 制度の詳細はファイナンシャルジャーナリストの竹川美奈子さんのブログがわかりやすいです。ご参照ください。
 令和2年度税制改正大綱にみるNISAの変更点(2019/12/12)


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■2 土地・住宅税制 p27~

[新設]低未利用地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除

 「低未利用地等」の定義は「都市計画区域内にある低未利用土地またはその上に存する権利」とあります。施行の日または2020年7月1日のいずれか遅い日から2022年12月31日までに500万円以下で売却できた場合に控除100万円です。
 この100万円の控除で活用促進となるのかどうか私にはまったくわかりませんが、さまざまな仕組みの積み重ねが大事なのだと思います。


 その他にも気になるのは4つありました。
・配偶者敷地利用権にいくつか手を加える措置
・現状の「2020年12月31日まで」から「2022年12月31日まで」への2年延長
 特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例
 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰り越し控除等
 特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除
 

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■3 租税特別措置等 p33~

[新設]国外中古建物

 いわゆる富裕層の税逃れにふたをしていく流れで良いと思います。一般には関係ないです。


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■4 その他 p36~

(1)未婚のひとり親に対する税制上の措置及び寡婦(寡夫)控除の見直し

 寡婦(寡夫)控除というのは最低限以上を稼げている人が対象の所得控除です。そもそもの収入が最低限以下の方々は関係ありません。未婚に限らず、ひとり親には税の点よりも給付での措置をもっと手厚くし、税は納める方向のほうが良いのではと個人的には感じる次第です。
 あと、未婚ひとり親に対する寡婦(寡夫)控除の件、なぜ「個人所得課税」という項目を改めて出さずに「その他」なのかよくわかりません。すみません、それだけです。


(3)確定拠出年金法等の改正を前提に
ニ 企業型DC加入者について規約の定めなしにiDeCo(個人型確定拠出年金)への加入を可能とする

 みんなが使えるというのは大事なことだと思いますが、iDeCoを本当に使う必要があるのはそもそも企業年金が導入されていないような会社にお勤めの方々です。悩ましいです。


(4)オリンピック関連

 オリンピックイヤーですものね。成績優秀者が各競技統括団体から受け取る金品の非課税限度額という文章がありました。時事ネタです。


(8)医療費控除の適用を受ける際の確定申告書の添付書類
①ロ 医療保険者の医療費の額等を通知する書類に記載すべき事項が記録された電磁的記録を一定の方法で印刷した書面
②イ 医療保険者の医療費の額等を通知する書類

 保険者の作成する書面の期間が所得税の期間(1/1-12/31)に合っていない現状がありますので、どんな対応になってくるのか要注視です。なお、令和3年(2021年)分の確定申告から適用とありました。


(11)高等学校等就学支援金
(12)介護保険法の改正を前提に
(13)雇用保険法の改正を前提に
(14)労災保険法の改正を前提に

 これらも「所得税を課さない」と1つずつしっかり記載されていました。当たり前に思っていることもこうして文面に入るのですね。勉強になります。

 と、ここまで書いて、やはり疑問を感じるのはこれって「その他」ではないと思うんです。例年項目として登場する「個人所得課税」という枠組みではないのは何か意味があるのでしょうか。



<国民健康保険税> p48~

 基礎課税の限度額と介護納付金課税の限度額がそれぞれ61万円→63万円、16万円→17万円に引き上げるとありました。
 国民健康保険は本当にこのままで大丈夫なのでしょうか。報道をにぎわず消費税や公的年金保険よりも圧倒的に不安な状況だと感じるのですけれど…


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【資産課税】

■1 所有者不明土地等に係る課税上の課題への対応 p49~

(1)現に所有しているものの申告の制度化
(2)使用者を所有者とみなす制度の拡大

 令和3年度(2021年度)の固定資産税から適用とありますが、どれくらい厳密に当てはめるのか、どのくらい事前の調査が進むのか、これも要注視です。


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■2 租税特別措置等 p50~
〔延長・拡充等〕

・登録免許税
(5)住宅用家屋の所有権の保存登記若しくは移転登記又は住宅取得資金の貸付け等に係る抵当権の設定登記に対する税率の軽減措置

 現状の「2020年3月31日まで」から「2022年3月31日まで」への2年延長2年延長。これも当面は延長をやめることはできそうにないですよね。
 今回改めてリンクを調べてみたのですが、国土交通省のサイト「住宅用家屋の所有権の保存登記等に係る特例措置」では「適用期限:令和4年3月31日」という記述がありました。今回の延長でそれに達します。2年後の延長の際にどのように変わるのか気になります。


・固定資産税・都市計画税
(8)新築住宅に係る固定資産税の税額の減額措置

 現状の「2020年3月31日まで」から「2022年3月31日まで」への2年延長。以下同文です。


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【法人課税】

■6 その他の租税特別措置等 p73~
〔延長〕

(7)退職年金等積立金に対する法人税の課税の停止措置の適用期限を3年延長する

 コメントの代わりに過去記事を紹介します。
 確定拠出年金のデメリットとして特別法人税は挙げられているが、確定給付年金のデメリットとして特別法人税が挙げられているケースを見ない。


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【検討事項】 p103~

■1 年金課税

 昨年と比較して「”諸外国の例”を踏まえつつ」の追加がありました。冒頭の基本的考え方の文章につながってきます。
 昨年には「投資」という言葉の追加がありましたが、6年間ほぼ同じです。


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■4 カジノから生じる所得

 宝クジは非課税、競馬・競輪は一時所得。カジノはどうなるのでしょうね。
 すみません、あまり興味はないのですが、新たに登場した項目でしたので取り上げました。


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 税、社会保障、経済、世は複雑ですね…。何ともまとまらない文章ですみません。この記事は私がFP3級資格取得講座を受け持っていることが継続の理由です。こうしてまとめた記事が後々自分の助けになるんです。自己満足記事とも呼べます。


 なお、平成31年度の税制大綱を取り上げたblogはこちらです。
 平成31年度税制改正大綱を独断と偏見の塊で書き出しました。

 長文を読んでくださり、ありがとうございました。