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”医者が教える正しい病院のかかり方”読みました。


 ”医者が教える正しい病院のかかり方”(2019年11月30日 第1刷発行)を読みました。

 200215_けいゆう医師

 著者は山本 健人(たけひと)医師。ブログ「外科医の視点」、ツイッターはこちら
 ツイッターでフォローしていまして、とても信頼性の高い情報を発信くださっています。

 いつも通り、アウトプットとしていくつかポイントを引用させていただいての所感を書くスタイルです。

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■はじめに
■おわりに

・治療を提供してその反応を観察し、時間とともに軌道修正する力が求められることが方が多い p6
・私たちが医師として医業を行う限り、病院に来ない人を救うことはできない p268


 本の紹介の際にはいつも書きますけれど、「はじめに」の流れで本編を読む前に「おわりに(あとがき)」を先に読むスタイルをお勧めします。本の目的・著者の思いを先に知ることができるからです。
 今回も「はじめに」で山本医師の子どものころの大事なエピソード、「おわりに」で情報発信の動機付けを知ることができます。

 この数年でたくさんの医師がwebやSNSで自ら発信してくださるようになってきました。以前は一部の特定の医師だけが孤軍奮闘されているように感じていましたが、増えました。これは本当に大事なことです。根拠のない情報を鵜呑みにしてしまっていたり、一般人が自らの体験で意見したりする数のほうが圧倒的に多く、それらへの反論が放置されてしまい、それらの情報が誤りではないのかと信じてしまう人が一定おられたのではないかと感じます。
 今は信頼性の高い医師が積極的にコメントしてくれることが増え、有象無象の根拠ない話がそのまま放置されることが減ったと感じます。繰り返しになりますが、これはとても大事なことです。


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■第一章 病院に行く前に

・(診断書について)現場はこの種の仕事でかなり疲弊しているのも事実です。医師でなくてもできる仕事を、もう少し分業できるシステムの導入が必要 p30
・治療しても同じ症状が続くときは病院を替える方がいい? p35~
・拠りどころにすべきなのは、「たった一人の体験談」ではなく、「統計学的なデータに裏付けられた知識」です。 p47


 めちゃめちゃ読み進めやすいです。1つめの引用は保険会社の取り扱う医療保険・がん保険などの取り扱いが悩ましいと私の立場上感じた点です。個人的には診断書代がもっと高くなって良いと思いますし、そこまで費用負担してでも少額の給付金を得ることへの疑問が高まれば、猫も杓子も入院保険という状況から変わることもあるのではと感じる次第です。


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■第二章 医師との関係に悩んだら

・医師を替えてほしい! 正直に言っていい? p72~
・相性が合わないと感じる医師との関係を我慢して続けることで、治療に対して意欲を持ち続けるのが難しくなっている場合 p73
・セカンドオピニオンは普通の紹介と何が違う? p76~
・何も薬を処方してくれない医師はヤブ? p89~


 医師・弁護士は特にハードルの高い専門資格でしょう。その資格を取得できていることはさまざまな平均値が高いことの表れであることは間違いないように思います。
 とはいえ医師の数は直近で30万人超です。30万人もいれば、いくら高いハードルをクリアしているといえども、良くも悪くも特徴的な人がいて不思議ではありませんし、実際に魂を誰に売ってしまったのだというような科学的根拠に基づかないことを公的医療保険適用外で提供しているケースもあるんです。
 ここまで極端でなくとも、合う合わないは世の常です。自分や家族の命に関わる話なのですから適切に遠慮は無用だと感じる次第です。


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■第三章 がんについて知っておくべきこと

・外科医は手術が予定通りに行われることを「成功」とは考えていません p120
・自分やご家族の過去に原因を求めたり、がんになった他人に対して「あれが良くなかったのではないか?」と責めたりするのは、あまり意味のない行為 p140
・再発は、手術時にすでに目に見えないレベルでお腹の中に残ったがんが、手術後に「目に見えるレベルまで大きくなったもの」 p159


 がんのことはたくさん私も触れてきています。こちらのリンクもぜひご参照ください。
 <参照ブログカテゴリ> がんとFP


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■第四章 いざというとき

・救急車を呼ぶべきか迷ったらどうする? p170~
・軽症のときに救急車を使うと、むしろメリットよりもデメリットの方が大きいことに注意が必要 p147
・救急外来に行くと救急専門の医師に診てもらえる? p180~


 私自身、これまで身近・身内で救急車1回・救急外来1回の経験があります。

 救急車は父親が夜中の尿管結石。予兆なく腰の中が尋常じゃない痛みで苦しんでいまして呼びました。
 救急外来は長男が1歳ごろ夜にアレルギー症状が出て、あれは焦りました。今、仮に同じことが起こったら「こどもの救急(ONLINE-QQ)」にアクセスし確認してから判断したと思います。約13年前の当時はこういった情報を知りませんでした。

 その他、本書内で紹介されていた救急車を呼ぶかどうかの際に参考になるサイトです。
 1.救急安心センター事業(♯7119) 総務省消防庁
 2.全国版救急受診アプリ「Q助」 総務省消防庁
 3.救急車利用リーフレット 総務省消防庁


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■第五章 薬の知識
■第六章 知っておきたい家庭の医学

・週刊誌やテレビでは、「分かりやすい極論」や「センセーショナルな主張」が取り上げられることが多い傾向にあります。ここに書いたような「複雑なうえに煮え切らない話」は面白みがないからです。 p209
・痛み止めはなるべく飲まない方がいいのか? p226~
・抗生物質で風邪は治る? p240~


 医療も社会保障(社会保険)も同じですよね…
 「大変ですよ」「もうだめだ」「安心できない」
 こういった不安をあおる発信が人の目を集めるわけです。

 「大丈夫ですよ」「安心してください」「何も問題ないですよ」
 これだと誰も見てくれなくなるでしょう。新聞・テレビ・雑誌は見てもらってなんぼなんです。悲しいかなこれがすべてだと日々感じます。


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 一般向けにとても読みやすい本です。
 一家に一冊あって良い本です。お勧めです。

 

 最後に。なぜFP(ファイナンシャルプランナー)の私がこういった情報を取り上げているのかといえば、がんの患者会のアドバイザーを務めていることで医療関係の情報にアンテナが高くなったことが始まりです。
 公的年金保険をはじめとした社会保障の専門性が高まると、限られた医療関係者の方々の人的資源、団塊の世代が後期高齢者に突入することによる社会全体での金銭的資源(社会保険料と税)の持続性に対してさまざまに感じるところが出てきます。公的年金保険に大きな問題は感じませんが、医療と介護は特に気になります。


 患者の視点では次の2冊もお勧めです。ご参考になりましたら幸いです。
 ・”一流患者と三流患者”読みました。
 ・「最高の医療を受けるための患者学」読みました。

 長文をお読みくださり、ありがとうございました。