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レポート"「年金巨額損失」というニュースの正しい読み方"読みました。


 2020年4月2日付のレポートを読みました。

 「年金巨額損失」というニュースの正しい読み方
 ニッセイ基礎研究所

 6ページのレポートで字数も多くありませんから、たくさんの人に読んでもらいやすい内容だと思います。とっても真っ当です。

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 大事な内容を引用します。

・コロナショックを踏まえても株式を増やしたことによる資産価値への弊害は認められない p4

・従来どおり日本国債中心の運用を続けていれば、そうした批判を受けずに済むかもしれない。しかし、今やマイナス金利の日本国債に資産の過半を投資し続けることが、国民の大事な財産である年金積立金を預かる者として本当に責任を全うしているといえるのか、大いに疑問だ p4

・こうした点に触れずに、年金積立金の運用で巨額損失が発生したことばかりを取り上げて世間の恐怖心を煽るのは無責任であると思われる p6

・年金運用については、断片的な情報を鵜呑みにすることなく、本質を見極める姿勢が重要だ p6


 特に3つめの引用が衝撃的でした。ここまで踏み込んだ表現を使われるケースは大学教授や一部の(一応私を含む)専門家くらいしかなかったと思います。大きな組織の構成員さんがここまで書かれてケースは多くないはずです。もちろん新聞・テレビ・雑誌などのメディアから発信されることはほぼありません。

 厳しいつっこみをさせていただくなら、ニッセイグループでおられますので生命保険を取り扱っている日本生命の営業職員さんの方々および日本生命の商品を扱う代理店の方々にもこの考え方は強く周知してもらいたいと願うばかりです。

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 さらに細かいつっこみを2つほど。

・「老後2000万円問題」 p1

 勝手に”問題”にしたのは野党とメディアです。
 私としては「老後2000万円の話題」でお願いしたいです。


・「年金」という用語が35回出てきています。そのうち「公的年金」と書かれているのが1回です。

 35回すべてとは言いませんが、一度でも「公的年金保険」との表記があってほしかったです。公的年金保険は社会保険の1つで公的な保障の仕組みです。公的な保険なんです。「年金」とだけ記載される機会が減ってほしいと願っています。

<過去参照記事> 公的年金保険の呼び方・呼称

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 繰り返しますが、つっこみを除外してもこのレポートは衝撃的な内容です。
 金融研究部 上席研究員 チーフ株式ストラテジストの井出 真吾さん。これからも注目です。


 なお、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)による公的年金保険の積立金運用の件、私からの情報発信は毎月開催している事務所ミニセミナーの1つ「リタイアまでにいくら準備すればいい?ねんきん定期便の読み方を知って将来資金を考えるためのセミナー」の前半で少しですが触れています。

<参照ブログカテゴリ> 自主開催セミナー情報

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 関連性の強い内容として別の団体からですが、こんなコラムも出ていました。

 過去最大級の損失が生じても、公的年金の未来を過度に悲観すべきではない
 大和総研グループ

 引用1文です。
 「若い世代ほど共働き世帯は増え、現在の30代では結婚や出産を経ても働き続ける女性の方が過半数となっている。若い世代ほど共働き世帯の割合が増えていることを踏まえれば、筆者は厳しい経済前提の下でも夫婦世帯の平均年金支給額は、将来になるほど増加していくと予想」

 ここでの「厳しい経済前提の下」について、いつもお伝えしたいのは、なぜ「厳しい経済前提の下」という条件で将来の公的年金保険の給付だけが心配されるのでしょうか。そもそもの生活や就業者の収入をもっと心配すべきです。


 皆さま、ぜひご理解のほど、よろしくお願いいたします。