プロフィール~京極・出町FP相談の誕生~③FPの世界へ


 「プロフィール~京極・出町FP相談の誕生~②8年間のメーカー勤務」の続きです。

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 プロフィール~京極・出町FP相談の誕生~③FPの世界へ


■図書館通いと資格取得

 さて、マイナス思考だけではなく考えがあったとはいえ、転職先を決めずに退職しましたので無職でした。子ども2人と専業主婦の妻を養う立場にありながら無職となりました。金銭的には前職4年間で使うときもほとんどありませんでしたから、それなりに貯蓄がありました。取り崩していく不安はありましたが考えもありましたので、それは必死に勉強しました。大学の図書館で開館から毎日少なくとも9時間はこもっていました。
 この期間は家族との時間もたいせつにできました。収入を得ていない何とも言えない不安な気持ちを抱えていましたので若干不安定だったかもしれませんが、多くの時間を家族と過ごせたことがよかったです。

 2007年9月にFP3級、11月に簿記3級、2008年1月初旬に証券外務員2種、1月下旬にFP2級とAFP、そして3月に年金アドバイザーの3級と2級を獲得しました。こういった資格を持って人材紹介会社へ行きましたが、紹介された求人は銀行・証券会社・保険会社、そして1つFP会社がありました。勉強しただけで実務は知りませんでしたが、世の中の仕組みを調べれば調べるほど今の段階で特定の金融機関に勤める意味を見い出せませんでした。
 そして、唯一紹介のあったFP会社は、そのときは知る由も無しですが、日本ではフロントランナー的なFPさんの立ち上げられた会社で、今考えれば一度くらい話を聞きに行っておくべきだったと反省しています。なぜ飛び込んでみなかったのかというと、勤務地が大阪(東京への転勤あり)だったのです。FP的な仕事を見つけることができなければ、何か再就職はできるだろうと思っていました。
 人材紹介会社の担当さんも私の経歴的にFPにこだわりがなければいくらでもあると言ってくれていました。これだけ強気でいられたのも、このときはまだリーマンショック・サブプライムローンの件が起きる前だったからでしょう。あの事件があってから転職を試みた知り合いがそれはもう苦しんでいる姿を何件か見ています。運よく時期も味方してくれていたのです。


■FP知識と生命保険の見直し
 
 ということで、職探し、自分探しをしながら、得たFP知識を身の回りで役立てようとまずは自分自身の生命保険の見直しから着手しました。元々加入していたのは母親の友人の某大手国内生命保険会社の商品でした。おそらく子どものころから母親が掛けてくれていました。社会人になったときに「収入あるから自分で払う」っていう感じで引き継いだ記憶があります。内容はまったくわかっていませんでした。結婚したときに妻の分の提案も受け、2人で月2万円くらいでした。1社目と2社目のときに、ともに職場に出入りされていた日本で1番大きな保険会社の担当さんに「子どものころから母親が入ってくれていた」と言うと皆さん「それは有利な商品ですね」という感じで、まったく新しい提案は受ける機会がありませんでした。保険の業界ってそんなもんなんだなと思っていました。
 FP知識を得て必要保障額を算出し、保障項目を自分自身で整理してみました。その結果を担当さんにお伝えすると、そんなふうには変更できないという回答が返ってきました。FP知識があっても商品知識がありません。そこで、京都リビング新聞に広告の掲載されていた来店型保険ショップへと足を運ぶことになります。2008年2月のことです。

 無職でしたから平日のお昼間に店舗へ行きました。他にお客さんはおられませんでした。担当してくださったのは京都店舗の責任者さんで私と同じくFP2級をお持ちでした。現在加入している内容を解説してもらい、保険の3つのカタチの説明を受け、使い慣れておられる専用ツールで必要保障額の算出をしてもらいました。必要保障額は私の算出したものとほぼ同じで、1回目の面談はここでタイムオーバーとなり、次回は具体的な保険商品を見ていきましょう、ということでした。
 1週間後に2回目の面談がありました。目の前でよくわからない試算ソフトを一心に入力されている姿が目に残っています。たくさんの待ち時間を経て、商品をあてはめてくださいました。ここで2回目がタイムオーバー。同じ保障で他社の商品も次回までに探してみます、ということでした。
 私はここで疑問を感じてしまいました。無職になるまでの8年間の社会人経験で考えると、勉強して調べ上げて推測する、その結果はどうかというと残念ながら推測と結果がイコールになることはほとんどなかったんです。もちろん調査が甘かったと言えばそれまでなのですが、勉強したとはいえあくまでも座学であり、実際の専門家と呼ばれる人の対応してくれた相談の結果が座学と一緒だったということに違和感を覚えてしまいました。後日フォロー連絡があり、やはり最初に提案した商品が最も優れているということでしたが、丁重にお断りさせていただきました。

 そこでもう1社、聞いてみようと考えました。同じく京都リビング新聞に広告の掲載されていた保険代理店へ相談に行ってみました。保険だけでなく住宅ローンや貯蓄全般に関する相談も受けているという売込み文句でした。行ってみると、同じく京都の責任者と若い担当さんが2名で対応してくれました。具体的には書けないですが、1社目の来店型保険ショップとはまったく異なる提案をしてくれました。テキストには載っていない、ネットの情報でもなかなか目にしない、衝撃の提案でした。私はこちらで契約することにしました。


■保険代理店へ入社・運命の出会い

 その後トントン拍子でこの保険の代理店へ入社することになりました。2008年3月末のことです。面接でクギを刺されたのが、住宅ローンやその他のお金の相談も受けるPRになっているが収益のほとんどが生命保険と損害保険の販売手数料によるものだということ。それでも人材紹介会社から提案を受けた単独の金融機関と比べれば、生命保険と損害保険あわせて30社を超える商品を扱えること、保険実務以外の相談についても社内研修もあって学べることに魅力を感じ、金融の世界へ飛び込むことを決心しました。
 ちなみに、入社してから調べて知ることができたのですが、最初に提案を受けた来店型保険ショップの商品選択はキャンペーンをやっていた保険会社の商品ばかりが並んでいたということ。同じ保障内容でも保険料の安いもの、同じ金額を払うなら保障内容の幅広いものは他にもありました。その他に、個人的に心配な項目や事情なども加味しない一方的な商品選択でした。これは誇張していません。保険を扱える会社に入社したからこそ分かった事実です。

 入社後すぐ、2008年5月に住宅ローンアドバイザーの資格を取りました。実際に生命保険直接よりも住宅ローンやその他のお金全般に関する相談依頼が多かったです。ファイナンシャルプランナーの資格のなかで特に社会保障関連に興味を持ち、年金アドバイザー2級も取っていましたので、実務を重ねるにつれて世の中の生命保険提案のほとんどが過剰な保障の提案だと実感していきます。また、いかに相談で喜んでいただけても、保険加入につながらなければ会社の収益が上がらず、ひいては自分の収入も増えないことにジレンマを感じ始めました。

 そんななか、運命的な相談を受けることになります。2009年の冬のことです。詳しくはぜひブログ記事「”お金にもセカンドオピニオンを”の生まれたエピソード」をご覧いただきたいです。他にも、保険の提案は要らないから(結果として必要なら提案はして欲しいが)、有料でいいから年金や相続の相談にのって欲しいという依頼も出てくるようになりました。いくつか調べてみましたが、FPの有料相談ってまだまだ世間には少ないということだけは知っていましたので、悩みながら日々を過ごしていました。
 

■京極・出町FP相談の誕生、長女誕生

 来店相談がなければ自由な営業職員(保険募集人)でしたから、せっかくの時間を使ってさまざまな勉強会や人の集まる場所にも足を運びました。名刺の裏には保険会社の名前がいっぱい載っているのに、全然保険加入を勧めない保険の人、的なイメージもありがたいことに広がっていったような感じです。
 とある勉強会でたまたま隣に座った人が、組織の責任者に近しい人でした。私の仕事のスタイルに強く興味を持ってくださいまして、2009年当時に開催していた貯蓄セミナーへお仕事の一環として参加(視察)くださいました。同じく2009年の秋からは京都リビング新聞社カルチャー倶楽部さんでの講師の仕事も受け持つことになり、案内も情報提供していましたので、おそらく「人前でそれなりにしゃべれる」ということを知ってくださったのだと思います。勤務先の各地区の責任者の集まる研修会の講師として依頼をいただくことになりました。2010年はじめに、公的年金に関する2時間の講師を務め、これがきっかけで現在各所から講師の依頼をいただけるようになっています。ご縁とは本当にすごいことだと感じますし、ある意味恐ろしくも思います。

 多くはありませんが時々依頼のある有料相談、そしてこれまた不定期ですが依頼をいただく講師の仕事。このニーズがそれなりになってきましたので、満を持して2010年4月「京極・出町FP相談」を開業しました。
 「京極」は地元の小学校区の名称、「出町」は出町商店街や京阪出町柳駅があるように地元の名称です。日本全国、多くの地域で町のお医者さんがあり、そのエリアには税理士さん・弁護士さん・司法書士さんなどの事務所が少なからずあると思います。将来、ファイナンシャルプランナー(FP)もそうありたいと思い、超ローカルな屋号を選びました。
 開業から1年と2ヶ月も経ってからオフィシャルサイトをオープンしたのですが、専門家さんからはSEO(Web検索)対策的にもそんなローカル屋号ではなく「京都」を全面に出したほうがと言われました。結果としては京都市内・京都府内、そして滋賀や大阪、奈良からも依頼をいただいていますし喜んで対応させていただきますが、私のめざすべきところはローカルであり、町医者のようなFPなのです。そんな想いをこめて命名しています。
 
 2011年9月には長女が生まれました。自由な立場でしたので当然ながら立ち会えました。生まれてきたときに思ったのは下の妹に似ている!でした。その後、徐々に次男(妻)に似てきていまして、お父さんチーム(私+長男)とお母さんチーム(妻+次男+長女)という構成ができつつあります。初の女の子でいろいろと言われますが、今のところ上2人のときとそんなに変わりません。あっ、とってもかわいいということです(親バカ…)。


■これから

 この文章を書いているのは2012年8月上旬です。個人で仕事をしていて相談業だったら自分のことをもっと書いて公開したほうがいいよと、とある方から勧められたことがきっかけで改めてまとめてみました。
 事実の羅列が多く、想いの部分をきちんと書けなかったような気がしていますので反省しています。とはいえ、書きあげました事実の集まりが今の私を作り上げています。順風満帆でも波乱万丈でもありません。途中にも書きましたが、いいことも、つらかったことも、何もかもが今に役立っています。

 今はファイナンシャルプランナー(FP)という立場ですが、新卒で金融機関とは異なるメーカーに入社できてよかったと思っています。それなりの激務も経験できてよかったです。相談にお越しくださる方々の多くは会社員さんです。お勤めの気持ちがわかります。だからこそ、お勤めの状況でお金のことを考えられたということだけでも素晴らしいことだと言い切れます。私が勤めのころはそんなことを考えることができませんでした。考えるほうがいいなんてことも知りませんでした。そして個人開業したことで自営業さんの気持ちもそれなりにわかるつもりです。個人事業は人と人のつながりがすべてです。手に手を取って一緒にがんばっていきましょう。

 今の私は、相談料・講師料・保険の販売手数料・その他少しで生計を立てています。正直に書きますが、保険をもっともっとたくさん売れば相談料や講師料をいただかなくても食べていけます。でもそのためには、それなりに多くの保険を提案する必要が出てきます。相談料や講師料を得ているからこそ、保険をはじめとする金融商品を過剰に提案しなくて済んでいると信じています。(過去参照ブログ記事2010年8月21日:保険の募集と私。
 そして、現在の社会保障制度や各企業の福利厚生制度を深く知ると、ごくごく一般的な普通の提案が過剰な提案に見えてきます。誤解のないようにしていただきたいですが、保険募集人さんたちを否定するつもりはありません。あくまでも選択肢です。1人の情報を鵜呑みにするのではなく、複数の情報を聞いてもらいたいのです。仮に私からの提案が唯一であるなら、他の専門家さんの提案もぜひ一度は聞いて比べてみてもらいたいです。相談料や講師料をいただけるからこそ強く主張できる提案があることも事実です。(過去参照コラム2012年1月11日:生命保険の有料相談と無料相談

 もちろん世界は広いです。私が有料で提供している提案やそれ以上の情報を無料で対応している人もいると思います。そういった人を探すのも大変だとは思いますが、お近くにおられるようでしたらぜひうまく利用されてください。Webをご覧くださり、私へ依頼を検討くださっている方々には感謝の言葉しかありません。この事業を継続していけるようにがんばってきたいです。お役に立てる機会がありましたら幸いです。

 近況はこのブログで公開しています。2009年9月より毎日更新しています。ブログは日報です。
 専門的なコラムとしては2011年6月より登録しています京都新聞社主宰マイベストプロ京都のサイトでまとめています。右列にあるバナー画像からリンクしています。希望される項目やお題のリクエストがありましたら、ご遠慮なくお聞かせください。

 生命保険や損害保険だけでなく、公的年金・住宅関連・相続/贈与・長期投資/つみたて投資・家計全般など、人が生活していくなかで必ず関わることになるお金。これらを総合的に相談できる専門窓口として、ファイナンシャルプランナー(FP)があることは間違いありません。これからの近い将来に、金融商品ありきではない有料のFP相談が当たり前の選択肢として周知される社会となることを願ってやみません。


 かなりの長文にお付き合いくださり、ありがとうございました。
 ご縁に乾杯です!

 2012年8月 伊藤 俊輔

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