FC2ブログ

特集「マンション大規模修繕完全マニュアル」の雑感


 週刊東洋経済8/10-17合併特大号「マンション大規模修繕完全マニュアル」という計40ページの特集を読みました。
 130819
 新聞広告で特集見出しが気になりまして、書店で下調べをしたうえで購入しました。相談をお受けする割合として、感覚的には「新築一戸建て・新築マンション・中古一戸建て・中古マンション」それぞれ「7:6:1:2」というイメージを持っています。詳細な統計ではないのに細かくてすみません…。地域別にするともっと変わってきそうです。

 普段の書籍の感想のように、アウトプットとしていくつかポイントを引用させていただいての所感を書くスタイルです。当然ながら引用部は私の独断と偏見によるものです。
------------------

■大規模修繕ABC p60~
 資産価値を維持するために最も大事なのが大規模修繕

・数年おきに訪れる大規模修繕工事のピーク p61
・実際の工事はこう進む!! p66~

 写真・挿絵・表がふんだんに盛り込まれていて読みやすく、知らないことってたくさんあるんだなーと思うと同時に、建物構造にも精通しているFPがいるようならそれはそれで特徴があると感じました。正直に書きます。私はこのあたり強くないです。

 建築系修繕として、
 ・鉄部塗装
 ・外壁塗装
 ・防水
 設備系修繕として、
 ・機械式駐車場
 ・給排水設備
 ・電灯/情報通信機器
 ・消防設備
 ・外構/付属設備
 これらの修繕が順番にまわってくる図は、p64の「修繕周期は部位によりさまざま」、p82-83の金額例まで書かれた推移表・グラフとあわせて衝撃的でした。

 エレベーターのかごの取り替え・オートロック装置の改修、最新型の20階を超えるタワーマンションでの懸念点なども知れば知るほど、購入前に長期修繕計画の事前確認は必須でしょうし、購入後もいかに住民の意向をすりあわせておくことがたいせつさかもわかります。そして、その難しさも悩ましいところです。

 管理費と修繕積立金の違いからして把握していない住民もそれなりにあるようです。購入時にその額の妥当性をしっかりと検討している人は少ないでしょうし、特に修繕積立金が数年先から上がってくることを聞かされている人も多くないと感じています。このあたりは販売側の説明責任が問われるものだと個人的には感じます。 


・国内マンションの3棟に2棟が「修繕適齢期」 p73

 分譲マンションは日本に約600万戸あり、その内訳として旧々耐震基準である1971年(昭和46年)以前の18万戸、旧耐震基準である以降1981年(昭和56年)までの88万戸、これらを含めた1回目の大規模修繕工事のメドとされる12年を経過したマンションは全体の2/3におよぶようです。

 国土交通省出典の「マンションの新規供給戸数とストック数」のグラフからは1995年(平成7年)以降、毎年17万から最大は2007年の約23万戸近くが供給されています。
 住民からすると必要不可欠な負担の1つであるということは、それだけ大規模修繕需要があるわけですので、その業界にとっては非常に大きな売り上げの見込みになるのではないでしょうか。

 旧々耐震基準と旧耐震基準を合わせると約106万戸。この中で一番新しいものでも30年が経過しています。もちろん当時のマンションと最新のマンションでは単純な比較は難しいかもしれません。これらの実際の状況を知りたいところです。この10年で購入した方々にとっても大いに参考になってくると思います。

----------

■分譲時の計画は「ウソ」 一刻も早い見直しが必要 p74~

・年々難しくなる積立金の値上げ p75

 元々25年分しかなかったところから50年計画を独自にまとめた管理組合や、段階値上げと均等割り値上げで悩む実例など、非常に興味深かったです。
 修繕積立金の値上げだけをクローズアップすることもたいせつですが、FPとして知っていただきたいのはその他のこと。

 例えば、住宅ローン減税。購入から10年後にそれまでの減税は無くなります。十数万から多ければ三十数万円近くも一気に年間の負担が増すわけです。返って(還付されて)きて当たり前という資金計画は危ういです。
 また、小さなお子さんがある場合、このあたりから教育費負担も考えねばなりませんし、もっと書けば10年以上先なんて今の仕事がどんなふうに変わっているのかもわかりません。毎月の収入は同じでしょうか、増えているでしょうか。ボーナスは同じように出ているのでしょうか。

 だからマンションは買わないでおきましょう、ということではありません。一戸建てを買ったって直さないといけないのは間違いありません(一戸建てのほうが長期修繕計画なんて出てこない…)し、住宅ローン減税も教育費も収入も同じ話です。
 1つ違うのは、一戸建てはおおよそ家族だけで判断できます。マンションは年代も意向も異なる住民(管理組合)での検討と判断が必要になります。これは大きな違いです。


・修繕積立金が一定!〇〇不「△△△△△」の衝撃 p91

 「修繕積立金は30年間あがりません」という他の初期設定の安いマンションとは一線を画しているマンションで「入居当初は高く見えるかもしれないが、われわれは『将来のリーズナブル』を訴えている」とありました。例としてあったのは1㎡あたり月147円というもの。80㎡なら11760円です。

 私が参照しているのは、国土交通省の出している「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」(全体はこちら。PDFファイル532KB注意)。
 おおよそで書き出すと、1㎡あたり月200円が目安になってくると思います。1㎡あたり月147円と80㎡の例で書けば、月16000円です。差額4240円は、30年では152万6400円の違いが生まれます。 

 ガイドラインがすべて正しいかどうかは不動産のプロではない私にはわかりません。少し余裕があって安心なのか、ギリギリで助かったなのか、まったく足りずに多くの追加負担があっても問題ないのか、その時にならないとわからないというのでは意味がないと感じます。もちろん実際に直す箇所はそのときになってみないとわからないと思います。それでも…です。

----------

■駐車場に気をつけろ! p94~
 車離れで がら空きなのに修繕費は高い「金食い虫」

■第一歩は管理から p100~
 管理会社に募る不満…どう生かし、どう替える

 いずれも実例をあげて書かれていました。雑誌記事なので、これが多くの現実なのかごくわずかな実例なのか私には判断がつきません。とはいえ、1つの例として参考になりました。 

------------------

 マンションをこれから買おうとしている方々、すでにお住まいの方々は目を通されると参考になるものと思います。お勧めしたい内容でした。

 <過去参照ブログ>
 ・特集「今の給料で買える価格」の雑感。
 ・”現役・三井不動産グループ社員が書いた!やっぱり「ダメマンション」を買ってはいけない”読みました。
 ・”「マイホームの常識」にだまされるな!知らないと損する新常識80”読みました。 
 <参考過去コラム>
 ・住宅ローン相談・住宅購入資金計画相談のタイミング
 ・ファイナンシャルプランナー(FP)に相談できること。

 長文を読んでいただいてありがとうございました。

コメント

コメントの投稿

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)