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脳卒中市民シンポジウム「知って得する脳卒中最新情報・負けてたまるか脳卒中:社会復帰をめざして」を受講してきました。


 2014年5月31日(土)栗東芸術文化会館SAKIRA(さきら)で開催されました第17回脳卒中市民シンポジウム「知って得する脳卒中最新情報・負けてたまるか脳卒中:社会復帰をめざして」を受講してきました。
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 講演中の撮影・録音は禁止でしたので、講演前に流されていました元サッカー日本代表監督のオシム氏のインタビュービデオの写真です。
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 脳卒中関係のセミナーは3月の市民公開講座「働き盛り・子育て世代の脳卒中講座~いつまでも若々しく元気に~」に続き、2回目です。なぜ脳卒中に興味を持ったかということについてはリンク先でまとめていますので、ご興味があればお読みいただければと思います。

 今回の市民シンポジウムに参加したのは「社会復帰をめざして」というところがポイントでした。定員800名の大きな会場で、3分の1ほどは埋まっていたかとは思います。簡単ではありますがポイントを抜粋し、所感を書きます。

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【講演】知って得する脳卒中最新情報
 座長 大西 淳夫先生 滋賀県医師会 理事

■脳卒中の危険因子
 三浦 克之先生 滋賀医科大学 アジア疫学研究センター長・教授

・脳卒中とは、脳が卒然として中(あた)る。
・滋賀県内では年間3000人が脳卒中になる。
 脳梗塞が60~70%、脳出血が25%、くも膜下出血が5~15%
 発生数のピークは男性70代、女性80代。
 男性は50代から増え始め、同じく女性は60代から。
・脳卒中が寝たきりの最大の原因(約34%)

・脳梗塞の危険因子は高血圧と喫煙
 ①ラクナ梗塞
  細い血管が詰まる。
 ②アテローム血栓性脳梗塞
  傷ついた血管を修復するために血小板が集まり血流が細くなり詰まる。
 ③心原性脳塞栓症
  心臓内にできな大きな血栓が流れてきて詰まる。長嶋茂雄さん。

・脳出血の危険因子は高血圧と過度の飲酒。
・くも膜下出血は脳動脈瘤のというこぶの破裂。
 動脈瘤がなぜできるのかは原因がまだはっきりしていない。

・4月5日の人間ドック学会発表による数値緩和について
 健康血圧はこれまで129以下、新基準案は147以下。
 1年以内では問題ないかもしれないが、将来リスクが考慮されていない。
 医師会ではこの情報は困っている。
 診察でもよく聞かれるが血圧は高くない方がよい。

・30~59歳を24年間追跡した脳卒中発症データ(血圧)
 120以下による発症を1とすると、140以下は2、160以下は3、160超は7.3。

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■脳卒中を薬で治す
 寺島 智也先生 滋賀医科大学 神経内科・助教

・脳卒中による死亡数はがんの3分の1だが、患者数はがんとほぼ同数の130万人。
 全医療費の1割を占めるとされている。

・急性期は時間との戦い。
 発症から10時間が経過すると、36年の老化に相当する脳細胞が死滅する。

・発症から4.5時間以内がゴールデンタイムと呼ばれ、血栓溶解薬(t-PA)が使える。
 ただし、問診・検査(MRIなど)・説明(インフォームドコンセント)に60~80分かかるため、
 発症から2~3時間以内の来院が必要となる。
 深夜に発症し、翌朝まで様子見だと使えないので、迷わず救急車を。
 2005年までは3時間以内が基準だったが、2012年からは4.5時間以内となった。

・なりかけたら。一過性脳虚血発作
 数分から1時間以内に回復。
 3ヶ月以内の発症が5~20%。半数が48時間以内。
 すぐに病院へ行くことで発症の可能性は2%にまで抑えられる。
 とにかくすぐに病院で検査を。

・10年で半数が再発。

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■脳卒中を外科で治す
 辻 篤司先生 滋賀医科大学 脳神経外科・講師

・心原性脳塞栓症は激烈な症状が出る。
・直接に血栓を取ってしまう。からめとる/吸引。
・再開通して血流が戻っても血が止まっていた時間が長ければ寝たきりのケースも。
・再開通することで歩いて退院できる人は約40%。

 実際に血栓を取る様子のビデオや動画をいくつも見せてくださいました。

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【パネルディスカッション】負けてたまるか脳卒中:社会復帰をめざして
 座長 野崎 和彦先生 滋賀医科大学 脳神経外科・教授

■後遺症を最小にするための日頃の心得
 坂井 伸好先生 草津栗東医師会 理事 脳神経外科専門医

・6割で後遺症が見られる。2割が全快、残りの2割が死亡。
・失認・失行・空間認識ができなくなる・情緒障害なども。

・かかりつけ医を持つことがたいせつ
 PCばかり見ている医師は×
 いくつもの診療科にまたがる場合
 ちょっと相談したいとき

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■社会復帰のためのリハビリ
 中馬 孝容先生 滋賀県成人病センター リハビリテーション科部長

・後遺症は人それぞれ。手足・記憶・言葉
・リハビリは地味。じっとしていては回復しない。
 使わないと弱くなる。関節は1週間で固くなる。
・何もしなければ筋力は1日に2%低下、1ヶ月で半減する。
 宇宙飛行士は宇宙で毎日トレーニングしている。

・何を目標にするのか
・住み慣れた地域でいきいきとすごし続けられるように。

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■いつまでもやる気を保つために
 椎野 顕彦先生 滋賀医科大学 脳神経外科・准教授

・アメ(飴)とムチ(鞭)は長期的には疲弊してよくない。
・80%ルールの適用。100%を求めない。ある程度で褒める。
・何のためのリハビリか。リハビリが目標ではない。

・うつとアパシー(無感情)が潜んでいる。
 脳卒中の後、3分の1が3ヶ月以内にうつを発症。

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■私はこうして職場に復帰した
 川勝 弘之先生 厚生労働省委託事業「治療と職業生活の両立等支援事業」担当委員

・10年前(2004年)48歳、早朝4時に発症。
 左半身が動かない。しゃべってるつもりがろれつが回っていない。
 しばらくして立ち上がれて回復。
 妻は様子見の意見だったが、長男(当時20歳)がネットで調べ救急車を呼んだので
 発症から1時間で病院へ。10年前は血栓を溶かす薬はまだなかった。

・リハビリは入院翌日からスタート。
 梗塞を起こした一部の脳は回復しない。
 その脳が担っていた能力を他の脳で対応できるように、動かし方を教えるイメージ。
 言い方がよくないかもしれないが、幼稚な動きや絵本を読むという大の大人には
 情けなくなる動作を繰り返す。

・46日入院。
 トイレ付の個室を希望したため費用の大部分は差額ベッド代。
 退院後もタクシー代など、意外と治療費以外の費用がかかった。
・退院後に仕事へ復帰したが通勤が大変だった。
 今考えると、相当なリハビリ代わりになたと思う。

・危険因子を振り返ってみると。
 定期健康診断での高血圧をほったらかしていた。
 支社長を務めていたので疲れとストレスはあったと思う。
 運動はしていなかった。人生で一度もタバコは吸っていない。

・現在も3ヶ月に1回の通院で、再発予防のための降圧剤を服薬。

・薬を飲み続けても動かなった腕や足が動くようになるわけではない。
 あくまでも再発予防であって、リハビリは別。
 でもこれで薬を飲まなくなってしまう人がいる。必ず飲み続けて欲しい。

・脳卒中は起床後以降の発症率が高い。80%が自宅で発症。
 家族の対応がたいせつになる。

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<所感>

 経験者のお話は非常に重たかったです。悲しいというのではなく、意味合いとして重たかったです。

 がんと同じで基本的には老化に起因する病気なのが脳卒中だと私は感じます。だからこそ、がんと同じで若い世代が脳卒中になってしまったときのサポートの重要性がたいせつだと改めて感じました。

 サポートとは、仕事や日常生活への復帰、そしてお金の面です。今回の登壇者さんのように幸いにして後遺症が重たくなかったケースでは、日々の医療費負担は大きくないものと思われます。(もちろん並々ならぬ、リハビリの努力があったものと思います)
 半身不随や寝たきりなどになってしまうと医療費などの支出面だけでなく、収入面で大きな違いが生まれてきます。働いて稼がないといけない若い世代にとっては非常に大きなダメージとなります。

 がんも早期発見がたいせつです。脳卒中も同じです。罹患・発症してしまうのはどうしようもありません。でも、できるだけ早く見つけるということがたいせつなのは間違いありません。
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 脳卒中については、自分自身では救急車を呼ぶことが難しいと言われるのが脳卒中です。家族にこそこのチェックポイントはぜひ知っておいてもらわないといけません。

 今回も受講することでたくさんの知識を得ることができました。もちろん実体験ではありませんのでうわべだけと言えるかもしれませんが、足を運ぶことができて良かったです。長文をお読みくださり、ありがとうございました。


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