”新・投資信託にだまされるな!~買うべき投信、買ってはいけない投信~”読みました。


 ”新・投資信託にだまされるな!~買うべき投信、買ってはいけない投信”(2014年5月22日第1刷)を読みました。著者はLIFE MAP,LLC、ファイナンシャル・ジャーナリストの竹川美奈子さん。facebookページはこちら

 竹川さんと初めてお会いしてから、まもなく4年が経とうとしています。最近新著を出されるときは、ありがたいことに送ってくださっていまして、1冊は必ず買っていますので手元に2冊あるという状況です。
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 この本は「投資信託にだまされるな!」シリーズの改訂3版です。前著と見比べながら読み進めました。いつも通り、アウトプットとしていくつかポイントを引用させていただいての所感を書くスタイルです。当然ながら引用部は私の独断と偏見によるものです。

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■第1章 こんな投信は買ってはいけない。

 定期預金とセットの投信、高利回りを強調した投信、毎月分配型、通貨選択型、バランス分散型、テーマ型、それぞれについて金融機関へ足を運べばすぐにパンフレットを目にしそうなファンドが解説されています。


・分配金はどこかから湧き出てくるものではありません。分配金の原資はみなさんが投資したお金です。(中略)投信会社や販売会社に手数料を払って、自分の資産の一部を「分配金」として受け取っているだけといえるでしょう。(p30)


 本では2014年4月15日現在の純資産残高トップ10が一覧で掲載されており、10本すべてが毎月分配型です。
 2014年9月10日時点で確認してみたところ(モーニングスター ファンド検索 純資産残高)、トップ20のうち、なんと19本が毎月分配型でした。

 世の中で売れているものこそニーズがあるものという考え方は否定しません。でも、ニーズのあるものが最適なのかどうかはケースバイケースだと思います。個人的に感じるのは毎月分配型が売りやすいんだろうなということ。金融商品で考えると、売り手と買い手では一般的に持っている情報量が違いすぎますので、無料相談においては特に注意が必要かと思います。

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■第2章 これだけ知っておけば金融機関にだまされない!

 先に書いておきます。金融機関は顧客をだまそうとしているわけではありません。営業担当者の方々や窓口担当者の方々が仕事(販売)に熱心だということだけです。これは勤め人であるなら当然のことだと思います。だからこそ私たち消費者側が知識や知恵を得ておく必要があると言えます。


・購入手数料が高い投信はできるだけ避ける(p62~)
・高い運用管理費用(信託報酬)は長期の運用成績を確実に悪化させる(P64~)
・プロが運用する投信だから好成績とは限らない(p69~)
・アクティブがインデックスに負ける理由(p73~)
・おすすめやランキングに惑わされない!(p80~)


 強く広く知ってもらいたい項目タイトルが並びます。
 私が日々お受けしている相談で、最初から投資や運用の話が出てくることは比較的少ないです。50代以上の世代の方々の場合には「実はこんなファンドを勧められたまま持っていまして…」という話が他の相談が落ち着いたころに出てくる傾向にあります。毎日値動きを見てしまうという相談者さんもおられますが、そういったケースでも手数料を意識している人はゼロと言っても良いかと思います。どれだけのコストを払って購入したのか、年間でどれだけのコスト負担し続けているのかを把握したうえで取り組まれることをお勧めしたいです。 

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■第3章 では、どんな商品を買えばいいのか?
■第4章 世代別にみる、投資信託の活用法

・お金がある人は無理に運用しなくてもOK(p134~)
・ひどい商品に手を出してお金を減らさない(p135~)
・分散+積み立てがいちばん(p137~)
・積み立てたあとはどうすればいいか?(p148~)

 
 ここの2つの章の本文を引用しすぎてしまうのはよろしくないので割愛をさせていただきますが、「積み立てたあとはどうすればいいか?」で、前著からしっかりと増えていた部分(p151の後半)は本当にたいせつな考え方です。

 投資・運用と聞くと、少なくとも数十万円とか100万円以上のまとまったお金があって初めて始められるという印象をお持ちの方が一般にはほとんどだと思います。若い世代が将来に向けたまとまった資金を持ち合わせているのかというと、ほとんどの人がそうではないはずです。
 では、運用は何十年も先に始めるのかというと答えはNOです。投資信託は例えば毎月1万円を積み立てるというような使い方もできますし、今は毎月500円からでも始められます。コツコツと将来に向けて資金を積み増していくことのできる仕組みを知ることは本当にたいせつです。

 次にたいせつになるのが「積み立てたあとはどうすればいいか?」です。
 最初は毎月1万円でも、仮に20年間続けることができれば元手だけでも240万円です。毎月3万円なら720万円です。運用がうまくできていればそれより大きな金額になっているわけです。
 そうなると、そのときの一瞬だけを切り抜いて考えれば、まとまったお金を一括で投資しているのと同じです。そのときにどうすればいいのかという考え方も知っておきたいところです。

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■第5章 投信の疑問にすべてお答えします

 Q19 投信を買いましたが、そのまま放っておいて大丈夫でしょうか?
 A  数年に1回は資産のメンテナンスをしましょう。(p195~)


 リバランスという考え方があります。毎月いくつかの投資信託(ファンド)を決められた比率で購入していると、その積み立てられた総額は毎月買っている比率とは異なってくるわけです。これを定期的に調整するのがリバランスです。
 リバランスの効果が分かる図表(p196)があるのですが、これを前著に掲載されている図表と比べてみたのが興味深かったです。前著は1970年1月から2009年12月。本書は同じ1970年1月から2013年12月。2つで何が異なるかというと、アベノミクス相場です。ぶれの大きさを示すリスク(標準偏差)はそれほど目立った違いはありませんでしたが、得られる収益を示すリターンは平均して0.3ほど増えていました。

 とはいえ、ポイントはそこではありません。どれくらいの期間でリバランスを実行するのが良いのかという結論には変わりがありませんでしたので、毎日や毎週、もっと言えば毎月見なくても問題ないとしても、数年以上の単位でほったらかしすぎるのはよろしくないのは間違いないと言えそうです。

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 「はじめに」に書かれています。

・ほとんどの方は仕事が本業なのですから、「資産形成」「資産運用」にかかる手間と時間を節約するために、投信を利用するのは効率的です。
・投資が趣味でも仕事でもないふつうの人がどのように投信を活用したらよいかということに重きをおき、時間や手間、心の負担をかけずに続けていきやすい方法をご提案しています。(いずれもp5)


 少しくらい割の良い(と思われる)金融商品を血眼になって探したり、値動きを毎日チェックして少しでも増やしてやろうと意気込むよりも、家計(支出)を一度整理してみたり、仕事をがんばって収入を着実に得ていくことこそを何よりも優先すべきです。

 この本を読めば基本を確実に得られます。限られた時間を有効的に使うため、基本に忠実に悩まず進めてみるということだけで、金融機関の窓口で勧められる商品との明らかな違いがありますし、実感していただけると思います。


 最後にポジショントークとなりますが、本の後半にも少しだけ書かれているとおり、悩まれた際にファイナンシャルプランナー(FP)に相談するというのも1つの選択肢です。その際には注意したいことがありますので、ご興味があれば次のコラムもご参考いただければ幸いです。
 ファイナンシャルプランナー(FP)へ相談する際に注意したいこと、確認すべきこと。

 もう1つ。
 投資や運用の存在は、資産を増やす(殖やす)ことが第一義ではないと私は考えます。結果として増えてくれれば嬉しいのには間違いありませんが、将来に向けて資産を形成していくにあたって日本円一辺倒ではない資産分散という面もたくさんの人に知ってもらいたいです。

 竹川さんの本はどれも読みやすくオススメです。
 

 長文を読んでいただいてありがとうございました。


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