平成27年度税制改正大綱を独断と偏見の塊で書き出しました。


 2014年12月30日に、現在の政権党である自由民主党のサイトで公開されました。衆議院議員総選挙の影響で年末に公開でされました。
 平成27年度 税制改正大綱

 原文はPDFで127ページです。この大綱はほぼこの通りに決まっていく内容であると言えますが、あくまでも現時点における改正見込みであって、現時点においては確定していませんのでご注意ください。
 これまで実際に改正された内容は財務省のwebにまとまっていますのでご参照ください。
 各年度別の税制改正の内容

 なお、このblogでは私の個別相談で特に関わりそうな内容のみ、独断と偏見で抜粋します。

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【平成27年度税制改正の基本的考え方】

 いわゆる前段です。
 まずは改めて消費税についての確認です。 いずれもp1

・経済再生と財政健全化を両立するため、平成27年10月に予定していた消費税率10%への引上げ時期は平成29年4月とする。
・社会保障制度を次世代に引き渡す責任を果たすとともに、市場や国際社会からの信認を高めるために財政健全化を着実に進める姿勢を示す観点から、平成29年4月の引上げについては、「景気判断条項」を付さずに確実に実施する。

 まとめます。 p89
 ・消費税率10%への引上げ時期は平成29年4月とする
 ・「景気判断条項」を付さずに確実に実施する

 p9には軽減税率に関する記述があります。

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 ※ クリックすると全体が表示されます。

 私が消費税で気になっているのはここだけです。とにかく軽減税率は採用されないことを願うばかりです。公的年金額が少なく資産も多くない高齢者や、収入(所得)の多くない方々に対する負担軽減策は別の給付などで補ってもらいたいというのが私の主張したい点です。

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 今回は前段で気になった文章がいくつかありました。

・わが国は急速な人口減少局面にあることに加え、地方においては東京圏等への人口流出と地域経済の縮小が進んでいる。こうした構造的な課題を克服するため、東京一極集中の是正や若い世代の結婚・子育ての希望の実現等を通じた地方創生に向けて、税制面で所要の措置を講ずる。 p2~

 受け取り方はそれぞれでよいと思います。税制面の措置だけによって「若い世代の結婚・子育ての希望の実現等を通じた地方創生」が実現するとは想像しにくいのですが、他の政策と合わせて税制面の措置も一体となって実施されることになると前向きに受け取りたいです。

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 「デフレ脱却・経済再生に向けた税制措置」という項目の中に、次の2つがあったのも感じるところがありました。 p5

・高齢者層から若年層への資産の早期移転を通じた住宅市場の活性化
・投資家のすそ野拡大・成長資金の確保

 新しい家をどんどん建てることを税制的に推奨することでの経済再生、ジュニアNISAの創設によって若年層の投資のすそ野を広げるのは「経済成長に必要な成長資金を確保するため」。
 個人的にこの文章のまとめ方は腑に落ちません。

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 「地方創生・国家戦略特区」という項目の中に、 p7
 「少子高齢化の進展・人口減少への対応」として、
 「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の創設」があったことにも???がたくさん出てきます。

 地方において人口減少を抑える、もしくは維持するために親世代から贈与があればという捉え方が税制面ではあるということでしょうか。皆さんはいかが思われますでしょうか。

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【個人所得課税】

■ジュニアNISA p13
・平成28年(2016年)開始
・その年の1月1日において20歳未満が対象
・上限は毎年80万円

■NISA(少額投資非課税制度)の拡充 p16
・平成28年(2016年)以降の上限は毎年120万円(現行100万円)

■住宅ローン減税 p21・p24
・適用期限(平成29年12月31日)を平成31年6月30日まで1年6月延長する。
・この措置による個人住民税の減収額は、全額国費で補填する。

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■確定拠出年金個人型 p33
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 ※ クリックすると画像が拡大します。

 大きなポイントは、これまで加入対象ではなかった公務員と第三号被保険者も対象になったこと。それぞれ毎月1.2万円や2.3万円ですが、まず何よりもたいせつなのは額ではありません。どんな人でも加入できる、継続できる、ここがたいせつです。

 また、勤務先で導入されている企業型確定拠出年金があったとしても、他の企業年金制度(退職金制度)の有無に関わらず個人型の対象になれます。
 ただし、マッチング拠出(自己拠出)を行っていないことや規約に定めがある場合のみとありますので、勤務先によって対応に違いが出てきそうです。

 これらは「確定拠出年金法等の改正を前提に、次の措置を講ずる」となっていますので、詳細や時期等は未定です。引き続きチェックが必要です。

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【資産課税】

■直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置等の見直し p41~
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 ※ クリックすると画像が拡大します。

 消費税の税率が10%になるのは平成29年4月ですので、「イ」においては半年ほどのタイムラグがあります。実際にどうなるのかは改めて確認が必要と言えそうです。
 実務的には消費税のかからない個人間取引、いわゆる中古住宅を購入される場合に注意が必要な点はこれまでと同じかと思います。

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■結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の創設 p43~
・受け取るのは20歳以上50歳未満の者
・1,000万円(結婚に際して支出する費用については300万円を限度
・平成27年4月1日から平成31年3月31日までの間に拠出されるものに限る
・払い出した金銭を結婚・子育て資金の支払に充当したことを証する書類を金融機関に提出しなければならない。

 現在稼働中の教育資金贈与と同じく、金融機関によって実際の手続きが異なってきそうです。主に信託銀行からどういった商品名でPRされるのかも気になるところです。これまた教育資金贈与と同じく、開始まで期間・時間がありません。政府と金融機関による内情(?)は違うのかもしれませんが、一般生活者からすると見切り発車感が大きいです。

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■直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置 p46
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 ※ クリックすると画像が拡大します。

 適用期限が現行の平成27年12月31日までから平成31年3月31日まで延長されるのはよいとして、気になるのは②と(注)です。利用者側の使い勝手と金融機関側の事務負担を減らすという意味合いからは良いのだと思うのですが、極めてグレーなイメージを持てなくもないです。年間24万円ですから細かいことは気にしないというスタンスなのかなとも感じます。

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【検討事項】(p124~)

 毎回気になるのはこの検討事項です。

 ・年金課税
 ・寡婦控除
 この2つについては前年とまったく同じ記述でした。

 ・医療費控除
 ・寄附金税制
 など、その他にも前年と同じく計20項目が挙げられていました。

 年金課税については前年の記事に詳しく書いています。あくまでも税の視点とはいえ少子”超”高齢化社会を突き進んでいる日本ですので、繰り返しになりますが政策全体との整合性や妥当性などもあわせて引き続き注視していきたいです。
 
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 その他に興味深かった点を挙げます。

■登録免許税 p47
・土地の売買による所有権の移転登記等に対する登録免許税の税率の軽減措置
・住宅用家屋の所有権の保存登記若しくは移転登記又は住宅取得資金の貸付け等に係る抵当権の設定登記に対する登録免許税の税率の軽減措置の適用期限を2年延長

■固定資産税・都市計画税 p48
・空家等対策の推進に関する特別措置法に基づく必要な措置の勧告の対象となった特定空家等に係る土地について、住宅用地に係る固定資産税及び都市計画税の課税標準の特例措置の対象から除外する措置を講ずる。

■不動産取得税 p55
・住宅及び土地の取得に係る不動産取得税の標準税率(本則4%)を3%とする特例措置の適用期限を3年延長
・宅地評価土地の取得に係る不動産取得税の課税標準を価格の2分の1とする特例措置の適用期限を3年延長

■その他
・生命保険契約等の一時金の支払調書等について、保険契約の契約者変更があった場合には、保険金等の支払時の契約者の払込保険料等を記載することとする。(注)上記の改正は、平成30年1月1日以後の契約者変更について適用する。 p34・p59
・車体課税の見直し p89~98
・マイナンバーが付された預貯金情報の効率的な利用に係る措置 p114
・税務関係書類に係るスキャナ保存制度の見直し p114~


 なお、平成26年度の税制大綱を取り上げたblogはこちらです。
 平成26年度税制改正大綱を独断と偏見の塊で書き出しました。

 長文を読んでくださり、ありがとうございました。


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