国民年金保険料の産前産後免除【案】の報道について


 いわゆる産休の件です。

 2015年2月5日と2月25日の新聞で「国民年金保険料 産前産後免除へ 月100円負担増案」という小さな見出しが目に入ってきました。
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 会社員で出産の際に退職をしなければ産休となりますよね。厚生年金ではこれまでの育休期間だけでなく2014年4月から産休期間である「出産前6週間と出産後8週間」についても保険料負担の免除となっています。(労使折半の事業主負担も免除です)
 <参照web>日本年金機構 産前産後休業保険料免除制度

 当然これは厚生年金の会社員さんだけが対象なわけで、産休だけではなく育休中も定められた期間の保険料が免除になっています。
 <参照web>日本年金機構 育児休業保険料免除制度


 それに対して国民年金の自営業の方々は産休中も育休中も保険料負担がなくなったりしないわけです。
 今回の報道は産休中の保険料を免除しようというもの。それ自体に異論はありませんし、産休期間とされる合計14週間だけでなく、例えばそれ以降もせめて1年くらいは免除であってもいいのではと感じるところもあります。

 しかし、昨日の記事にも書きました通り何事も一足飛びにはいきませんので、まずは評価されて良いと思いますし、早く実現してもらいたいところです。

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 気になったのはその財源として示されていた案なんです。

 産休扱いである14週間は3ヶ月半です。実質3ヶ月分の保険料負担が免除されるということで、具体的には2014年度でいうと45750円(15250円×3月)。この額の負担が抑えられるから子どもを産もうと思う人はいないでしょうけれど、積み重ねって大きいのでたいせつなことだと思います。

 2013年の出生数は約103万人です。記事では産休の免除対象者が推計で年間約20万人とありました。会社員でもなく第3号でもなく、第1号被保険者で出産される人って1/5もおられるのですね。何となくもっと少ないような気がしていました。

 20万人の45750円ですから総額91億5000万円です。記事にあった約100億円が必要という数字の根拠はここから出ているのですね。そして、この財源を「加入者全員に月約100円ずつ負担してもらう」と書かれていました。

 
 平成25年度の数値です。

 国民年金の第1号被保険者は約1805万人です。国民年金保険料の納付率は約61%ですが、過去2年分までの納付を合わせた納付率は約65%ですので、約1173万人です。月100円負担してもらうとなると、年間1200円ですから総額は約141億円。なるほど、100億円に近しいですね。

 ではここで、国民年金・厚生年金・共済年金等の老齢年金を受け取っている、いわゆるリタイア後世代の方々の人数を確認してみます。
 約6800万人です。受給総額は約52兆8000億円です。この方々が今受け取ってられる年金を0.027%少なくていいよと思っていただければ約141億円はまかなえます。1人あたりの年間で単純に割り算をしてみると約210円(141億円/6800万人)です。

 <参照web>厚生労働省 平成25年度厚生年金保険・国民年金事業の概況について

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 産休中の国民年金保険料負担を現役世代の第1号被保険者に求めると1人あたり年間1200円。リタイア後世代に求めると1人あたり年間210円。

 もちろん受け取る年金には保険料だけでなく税金も含まれていますし、計算はより複雑なものであることも間違いありません。また、制度は全体で考える必要がありますから財源の考え方というのは難しいものです。正解なんて誰にもわかりませんが、こうして数字を知っておくことはたいせつだと思います。

 2者の比較で考えた場合、個人的には現役世代の第1号被保険者の負担を増やす案は好きではないです。
 具体的にどのように決定していくのか見守りたいと思います。



コメント

No title

なぜ一号被保険者が1200円払うことに反対なんですか? 自営業者側が利益を得るのだから、自営業者側で負担すべきです。リタイアした受給者にはサラリーマンもいます。なぜ、サラリーマンから自営業者に貢がなければならないのか。差別だ。国民年金は未納者も多いし、不平だけ言って甘えている。

労働者さま

9ヶ月前の記事へのコメントありがとうございます。この話題は最近の報道では出てこなくなりました。

私からは世代間での負担議論を挙げてみたというだけのことです。こういった免除の仕組みが仮に導入されるとしても保険料の未納者は対象にならないでしょうし、社会保険である公的年金の保障の仕組み全体として、いろんな意見が出て検討されてこういった若い世代に向けた制度が充実すると良いなーって個人的に思う次第です。

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000063777.pdf
厚生労働省による2014年11月の資料も参考になりましたら幸いです。

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