市民公開講座「知って得する心臓病の知識」を受講してきました。


 2015年4月26日(日)大阪のフェスティバルホールで開催されました第79回日本循環器学会学術集会 市民公開講座「知って得する心臓病の知識」を受講してきました。
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 きれいになったフェスティバルホールには初めて入りました。といっても、前のフェスティバルホールに入ったのは大学生くらいのころです。
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 日本人の三大疾病である、がん・心疾患・脳卒中。おかげさまで、がんは患者会さんとのつながりや各種講座なども受講したことがありますので、それなりに情報を得てきたつもりです。脳卒中は昨年に2回ほど講座を受講しました。そして、今回は心臓病です。これで3大疾病は何かしら学ばせてもらったことになります。

 定員2500名の超巨大な会場が満員でした。
 簡単ではありますがポイントを抜粋し、所感を書きます。
 (プログラム通りに敬称略で失礼します。)

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■日本心臓財団よりご挨拶
 矢﨑 義雄(日本心臓財団理事長)

・45年前、1970年に発足
・病気になる前に予防することがたいせつ。食事と運動、そして禁煙。
・25年前からAED(Automated External Defibrillator:自動体外式除細動器)の普及に力を入れてきた。
 今は「AEDを使えるようになろうキャンペーン」を進めている。
・動画:あなたにしか救えない大切な命~君の瞳とともに

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■日本人の心臓病は今どうなっているか
 安田 聡(国立循環器病研究センター 心臓血管内科 部門長)

・心臓はポンプ。1分間に3~6L。
・血管は3層構造。毛細血管を含めると人には地球2周半分、10万kmの血管がある。
・「人は血管とともに老いる」

・血管の老化は外から見えない。
・死の四重奏に注意。高血圧・高コレステロール血症(高脂血症)・肥満・糖尿病
・高齢化と食事の西洋化(肉類摂取の増加)がポイント。

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■加齢と心臓病
 泰江 弘文(熊本加齢医学研究所 所長)

・心不全は70歳以上で増える
・狭心症は一過性
・心筋梗塞は30分以上続く

・加齢が最大の危険因子
・抑制するためには適度な運動+カロリー制限が良い
・女性は閉経期からホルモンの関係で心臓病が増える。

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■心不全とはどんな病気か
 坂田 泰史(大阪大学循環器内科 教授)

・心臓のイメージ:貯水池から田へ水をくみ上げるポンプ
 水をくみ上げる力が落ちると、池の水はあふれる。
 田んぼの水が減ると、稲が枯れる。
 これが心不全。
・全身の倦怠感、手足が冷たくなる。

・調子が悪いとレントゲンで心臓が大きくうつる。
・BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)検査
 心臓からしか出ていないと言われているホルモン

・心臓は筋肉。筋肉には酸素と栄養が必要。
・心臓にも掃除と修繕が必要。

・掃除の位置づけの日々のメンテナンスは自分自身で。
・家に例えると、冠動脈は水道・伝導系は電気・心筋は壁・弁はドアや窓。
・内科ではカテーテル(ステント)・薬・ペースメーカー
・外科では手術。

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■心臓病の内科治療
 掃本 誠治(熊本大学循環器内科学 准教授)

・心臓は働き者。拍動は約4000万回/年。
・内科治療の目標:発作を鎮め、生命予後を改善。
 血圧を抑え、血管を広げ、血液をサラサラにする。

・急性心筋梗塞は予測できない。2ヶ月前の検査では問題なくとも急に発症することも。
 予防が重要。
・検査画像はあくまでも心臓の表面の太い血管。
 他の90%は内側にある微少な網の目の血管。

・最近の(血管を広げる)ステントには薬剤溶出型も。より優れた治療へ。
・不整脈・心房細動が怖いのは、血液のプラークがはがれ、流れ出し、脳で詰まること。

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■心臓病の外科治療
 藤田 知之(国立循環器病研究センター 心臓外科部長)

・全国で年間6万人が心臓の手術を受けている。
・そのうち約2万人が天皇陛下も2012年2月18日受けられたバイパス術。

・日本で2施設にしかないダビンチ
 <追記>da Vincii導入実績:日本…188台(2014年9月末日現在)
      何か特殊なダビンチなのかもしれません。
・キズの小さな低侵襲型の手術も

・心臓内科と心臓外科で風通しの良い病院を探してもらいたい。
・ドラマに「私、失敗しませんから」というセリフがあった。
 失敗はしないけれど、思ったようにいかないことはある。

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■「笑って楽しく生きていく」
 角 淳一(元毎日放送アナウンサー)

・病気だけど丈夫です。たくさん病気をしたけど元気です。
・不幸があってこそ幸せがある。
・孫の存在が励み。
・バランスよく3食、そして歩くことが大事。
・講演を聞いて、70歳でも手術していいことがわかった。
 これではなかなか死ねない。

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■疑問解消!~あらかじめいただいた質問にやさしくお答えします~
 司会:小川 久雄(第79回日本循環器学会学術集会 会長/熊本大学循環器内科学 教授/国立循環器病研究センター 副院長)
 回答者:講演の各先生方

・心臓系の疾患に遺伝性はあるか?
 先天性があれば若くに発症する。心臓は後天性(生活習慣)が多い。

・BNP検査の数値はどのあたりを基準にすべきか?
 年齢等によって異なるが100以上は注意したい。

・ステントの交換頻度は?有効期間はあるのか?
 金属なので耐久性は問題ない。最近は2~3年で消えてなくなる素材も。

・人工弁の耐用年数は?
 ブタ・ウシなどの生体弁は高齢だと20年。
 金属であれば期限なし。

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<所感等>
 受講者の平均年齢は、なんと70歳以上ということでした。
 最後の質問で採用されていたのも若くて60代。80代の質問がいくつもありました。
 2500人収容です。すごい講座でした。
 
 私が知りたかったのは、若い働き盛りの世代が心臓病を患ったときのことです。
 今回の講座で改めて知ることができたのは、心疾患は基本的に脳と同じく老化・加齢が主たる原因であること。若い世代におけるAEDが必要となるような突発的なケースであったり、その後の生活に必要となる情報を得たかったのですが、やはりそれではこんなにも受講者は集まらないでしょうね…
 5番目の講演に登場された心臓外科医師が自分の言葉で想いを織り込んでおられたのが印象的でした。医師も人間です。感情があって当然だと思います。印象的でした。

 少し古いデータで申し訳ないのですが、短時間ではこれしか見つけられませんでした。
 年齢別人口10万に対する死亡率(急性心筋梗塞、その他虚血性心疾患)
 グラフで一目瞭然です。70歳未満は本当に少ないです。だからこそ、60歳未満や50歳未満で発症してしまった場合のサポートの重要性を強く訴えたいです。これは、がんも同じです。

 この講座の内容は6月上旬の朝日新聞の紙面で公開されるようです。
 長文をお読みくださり、ありがとうございました。


<追記>
 今回の市民公開講座の協賛は第一三共株式会社さんで、eヘルシーレシピという生活習慣病対策のオリジナル献立というサイトの紹介パンフレットが入っていました。あと、からだにe運動 体幹トレーニングもよさそうですね。

 私の中で第一三共さんといえば、「医療者が知っておくべきがん治療におけるお金の話」で講師を務めました際に、窓口になってくださった印象が強く、担当さんはとても丁寧な対応でした。すみません、ただそれだけなのですが、自分でも久しぶりにこの記事を読みました。もう2年前なのですね、早いです。こちらの記事もたくさんの人に読んでみてもらいたいです。


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