”見る・読む・深く・わかる【入門】投資信託のしくみ”読みました。


 ”見る・読む・深く・わかる【入門】投資信託のしくみ”(2014年10月20日第1刷)を読みました。著者はセゾン投信株式会社代表取締役社長の中野晴啓さん。ブログはこちら

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 いつも通り、アウトプットとしていくつかポイントを引用させていただいての所感を書くスタイルです。当然ながら引用部は私の独断と偏見によるものです。

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■1章 投資信託はどうやって生まれ、どう進化してきたのか

・国策に利用されてきた投資信託
 -「株価暴落を支える」ために生まれた歴史- p13~
・販売金融機関の拡大
 -昨今は販売から撤退する金融機関も…- p25~


 日本の投信の歴史は1941年11月に幕を開けたそうです。戦後からバブル期の投信の役割も、正直に書いて私は詳しく知りませんのでしたので、深い学びを得られました。
 1点だけすみません、感想を書くのが初版から9ヶ月も遅くなってしまいましたので各種データは最新ではありません。でも、本筋は最新データがなくとも間違いなくカバーできています。


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■2章 投資信託のしくみはこうなっている
■3章 投資信託には投資対象によってさまざまな商品がある

・公社債投資信託(MMF&MRF)
 -預貯金並みの安全性を持つ投資信託- p82~
・バランス型ファンド
 -複数資産に分散してリスクコントロール- p91~

 
 厳密には正しくありませんが、私が講師を務めているFP3級資格取得講座では「MRFは普通預金、MMFは定期預金」と例えています。
 仕組みをしっかりと解説されている主旨が表れている2つの章です。はっきり書けば「堅い」です。漢字も多くて初心者の人には読み進めにくいかもしれません。とはいえ、普通預金の位置づけであるMRFの役割はとてもわかりやく書かれていると感じました。

 p92のリバランスの図が少し残念な気がしました。国内株式・外国株式・国内債券・外国債券を25%ずつ保有し、それぞれ36%・32%・14%・18%に比率が変わって25%ずつに戻した。という説明であれば問題ないと思うのです。
 でも、実際の図示では当初25万円ずつ保有し、合計110万円まで増えたときのそれぞれの金額が40万・35万・15万・20万だったんです。期間はともかく、国内債券の投信が25万から15万に4割も下がるケースというのは相当に可能性の低い状況かと思います(すみません。


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■4章 投資信託の運用はどのように行われているのか
■5章 投資信託の数字はこう読み解く

・投資信託はどうやってつくられるのか?
 -親会社の意向が強く反映される- p114~
・資金流出は運用にとって障害となる
 -資金の流出入状況は大切な指標- p144~
・純資産総額って何?
 -投資信託の資産規模を示す- p148~
・騰落率って何?
 -ランキングはまったく無意味- p157~


 日々の相談の中でも強くお話をさせてもらっているのが、純資産の推移を確認しましょうという件です。投信は長い時間を掛けて資産を形成していくための手段だと考えています。ですので、ジェットコースターのような激しい乱高下は歓迎したくないです。百歩譲って、値動きがジェットコースターのようなものでも問題ないかもしれません。絶対に譲れないのは純資産の推移がジェットコースターのようになってしまうことです。という話の根幹も本では触れられています。


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■6章 開示書類の読み方と投資信託にかかるコスト

・投資信託のコスト① 購入手数料
 -最近は手数料の無料化も進む- p191~


 常々思うことなのですが、投信を購入する際ほとんどの人が「金額指定」だと思います。1万円の価格の投信を100万円分買うと100口買えるという考え方です。(本当は100口ではありませんが、このblogではわかりやすさを優先しています)

 このとき、購入時手数料が2.16%だとします。100万円分を購入すると2万1600円の購入時手数料がかかります。102万1600円を支払う仕組みであれば、投資家は「おやっ??」と感じることもあると思うのです。でも実際には、金額指定ですから手数料も込みで100万円を支払います。実際に投資に回るのは約97万8857円なのです。100万円に戻るためには2.16%上昇する必要があります。購入時手数料がかかるということは、当初はマイナスからスタートするのだということです。

 購入時手数料が悪だと言いたいわけではありません。納得できる投信であり、価格に見合うアドバイスを得られたと判断できるのであればまったく問題ないと思うんです。でも、運用を考えた場合に多くの人がどれだけ大きな影響を受けているのかを把握していないと思うんです。これはよろしくないと考えます。購入時手数料のかからないノーロードの商品も比較してもらいたいです。


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■7章 投資信託を上手に買うために押さえておきたい13のポイント

・販売金融機関の本音は?
 -アドバイスはあまり当てにならない- p210~
・投資信託の二大収益源は?
 -値上がり益と分配金- p226~
・分配金額は高いほうがいい?
 -預貯金の金利とは異なるので注意が必要- p234~


 確かに大事な13個なのですが、初心者にはちょっと難解です。でも、この本を読み進めるにあたっては、最初にこの章、特に1つめの「販売金融機関の本音は?」をお勧めしたいです。
 この本は教科書と呼べるレベルかなと思いますので、初心者さんだと最初から読み進めたときに途中で挫折してしまう人もおられるのではないかと感じてしまいました。でも、しっかり読んでもらいたい内容です。大事なことが詰まっています。


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 最後にもこんなことを書いてしまうと怒られるかもしれませんが、本当の初心者さんには少し難しいかもしれません。私は初心者です!と言って恥ずかしくないと思える人には、竹川美奈子さんの著書がお勧めです。
 ”一番やさしい! 一番くわしい!はじめての「投資信託」入門”読みました。

 わかりやすい基礎の基礎を押さえたうえで、中野さんの本を読むと歴史や詳細な背景もわかってより良いと感じました次第です。中野さんの立場上、もっとたくさんセゾン投信のことが含まれているのかと予想していましたが、本当に少しだけの取り上げ方だったのが好印象でした。セゾン投信さんを知っている立場からすると、もっと含めてもらっても良かったのではとも思ってしまいました。

 中野さんの本は以前にも感想を書いています。
 2014.11.04 ”預金バカ ~賢い人は銀行預金をやめている~”読みました。
 中野さん、セゾン投信さんは大応援していますので、その背景も書いています。


 金融機関や金融商品の選択をはじめ、投資や運用は自己責任でお願いします。

 

 長文をお読みくださり、ありがとうございました。


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