”投資バカ ~賢い人は金融機関を信じない~”読みました。


 ”投資バカ ~賢い人は金融機関を信じない~”(2015年7月30日第1刷)を読みました。著者はセゾン投信株式会社代表取締役社長の中野晴啓さん。ブログはこちら

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 ちょうど1年前に「預金バカ」という著書を出されており、出版社は異なりますが、シリーズ第2弾という印象です。あわせて読むとより内容に深みが出てくると思います。
 ”預金バカ ~賢い人は銀行預金をやめている~”読みました。

 いつも通り、アウトプットとしていくつかポイントを引用させていただいての所感を書くスタイルです。当然ながら引用部は私の独断と偏見によるものです。

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■序章 肉食投資は儲からない

・私はもともと肉食投資家だった p15~
・偶然に賭けるのがギャンブル p19~
・個人だからこそ出来る投資の方法を考えよう p23~
・増殖する「投資バカ」たち p26~
  * 本書では、このように何の知識も持たず、また持とうという努力もせず、
  * ただ漠然とお金を殖やしたいと思って、金融機関の言いなりになって
  * 「とんでも投資商品」を買わされている人たちを、
  * 「投資バカ」と呼ぶことにします。
・預金バカ+投資バカでは資産形成できません p29~


 定義って大事です。項目タイトルも興味をひかれます。

 中野さんの立場上、しっかりと問題提起されているのは当然のことです。でも、文章になると過剰に不安をあおられているという読み方になってしまうところもあります。ここをどちらに受け取るのか、それこそが「何の知識も持たず、また持とうという努力もせず」ということなのかなと感じました。


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■第1章 どうして短期トレードはダメなのか
■第2章 ゼロサムゲームのFXでは資産を築けない
■第3章 株式の個別銘柄投資なんてやめましょう

・そもそもタイミングは見極められない p32~
・プロとの情報格差は絶望的なほど大きい p70~


 実際のデータを示しながら中野さん特有の熱さが清々しいほどです。「短期トレード」「FX」「個別銘柄投資」私は否定しません。家庭や仕事と同等もしくはそれらを上回るくらい人生において大事なことだと思う人にとってはたいせつな存在だと思うのです。
 でも、それはおそらくごくごく一部の方々だと思います。私を含めた普通の人にとってはそれだけの時間とお金を投じる存在ではないと思うのです。


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■第4章 投資信託の「仕掛け」に騙されてはいけない
・どんどん増える日本の投資信託 p82~
・新規設定ファンドを販売するための珍奇な仕掛け p86~
■第5章 この金融機関で投資信託を買ってはいけない
・いいカモが来た! と思われています p106~
・定年間際の人は銀行に要注意 p112~
■第6章 使えないETFにご用心


 2004年7月時点で2525本だった投資信託は、2015年3月末時点で5539本。すごい増え方です。ちなみに最大では1995年8月に6457本あったそうです。冷静な目で選びたいものです。

 第5章は特に直球です。地方では本当にありそうなやり取りの例が書かれています。金融機関におけるこの「トップ営業」のスタイルはもう少し続くのかもしれません。でも、いずれは相当に減るようにも思います。というか、減っていかないとよろしくないと思うのです。


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■第7章 これがNISAの落とし穴
・政府が発しているメッセージに耳を傾けよう p144~
■第8章 「新興国投資は長期で」のウソ
・脆弱な金融市場のリスクを認識しよう p159~


 NISA(少額投資非課税制度)の章がありますが、書かれているのは制度の詳細や使いこなし方ではなく、中野さんの視点での存在意義と背景です。シンプルに書かれていますので、詳しいことの分からない人でも読み進めやすいです。でも、鵜呑みにしすぎて変な運用商品に飛びついてしまわれないように願うばかりです。

 第8章は、金融機関から勧められるままに投資信託を購入されている方々には必須の情報だと思います。「新興国」と名のつく株式・債券の投資信託、債券や通貨を保有されているケースも多いように思います。金利が高いから良い!の前に知っておきたい全体像です。


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■第9章 保険は運用商品にならない
■第10章 こんな投資話に騙されるな
・なぜセールスする人が自分で買わないかを考えればトリックは分かる p195~
■終章 投資バカにならないために


 保険商品の第9章では「控除」の仕組みにも触れてもらいたかったと思います。保険で貯蓄、特に年金保険を勧められる方々の多くは「生命保険料控除(個人年金保険料控除)」も営業トークの1つにされています。
 たくさんの預貯金があり、年収もそれなりの方々において、普通預金・定期預金の一部を年金保険に置き換えることで少しでも税金を減らすことができるという視点での加入は選択肢として出てくることもあると感じるケースがあります。間違ってもらいたくないのは、活用するとしても控除の恩恵を受けられるギリギリの「年間保険料8万円を少し超えるくらい」です。それ以上はお勧めしません。

 手数料の高いケースなどのお勧めできない投資信託がかわいく見えてしまうのが第10章で出てくる不動産投資です。より慎重にお願いしたいです。
 p196~197の営業担当者への対抗トークは何とも言えないところです。本当に有利な商品だと信じ込んで買っている新人さんや、嘘でも持っているという中堅さんがありえるからです。難しいところです。


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 つい先日にも中野さんの本の感想を書いています。
 2015.7.25 ”見る・読む・深く・わかる【入門】投資信託のしくみ”読みました。

 今回の本はいわゆる初心者の方々が物語のように読みやすい文章だと感じます。専門的な用語は出てきてしまいますが、こむずかしい話は出てきません。預金バカ・投資バカを読み、投資信託について詳しく知りたいと思われたら「しくみ」の本を読む。お勧めできます。

 この本を手に取る機会があった時点で、この本で定義されている「バカ」ではなくなっているはずです。言葉遊びかもしれませんが、一定の条件を満たしていれば私は「バカ」でも問題ないと思います。ただ、わかったうえでのバカと、知らない間にバカになってしまっていたバカでは大きな違いがあると思います。これらの本を理解することで、後者になってしまうのは避けられますし、避けられる人生でありたいと思っています。


 金融機関や金融商品の選択をはじめ、投資や運用は自己責任でお願いします。

 

 長文をお読みくださり、ありがとうございました。


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