”日本株は、バブルではない”読みました。


 ”日本株は、バブルではない ~投資家が知っておくべき「伊藤レポート」の衝撃”(2015年7月30日第1刷)を読みました。著者はレオス・キャピタルワークス株式会社CIO(最高運用責任者)の藤野英人さん。藤野さんのfacebookはこちら

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 一般投資家向けとして「ひふみ投信」という直販投信を扱っておられます。一部の銀行や証券会社では「ひふみプラス」という名称です。
 藤野さんはfacebookなどを通じて積極的に日々情報を発信されています。「友達」にならずとも、フォローなどで投稿内容は逐一確認できますのでお勧めです。


 いつも通り、アウトプットとしていくつかポイントを引用させていただいての所感を書くスタイルです。当然ながら引用部は私の独断と偏見によるものです。

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■1章 「新・三本の矢」で動き出した「2匹のタヌキ」

 
 まずは前段です。タヌキの内訳は、880兆円という現金をため込んでいる国民、300兆円という内部留保をため込んでいる企業と書かれています。

 章タイトルにも出てきますが、いわゆる金融用語がこの本では出てきます。興味を強く持っていない人が手に取ったときには、とっつきにくいかもしれません。でも、内容は違います。相場のことはあくまでも「可能性」として書かれているのがはっきりしていますが、今の世の中で起きていることや考え方は読みやすく書かれていますので、社会の流れを知るうえで投資や運用に興味がなくとも社会人としてたくさんの人の目に触れて欲しい本だと思います。


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■2章 日本経済にのしかかる3つの問題と、異次元緩和で日本はどうなるのか
・「アベノミクスは、お金をため込んでいる人からそのお金を奪いにいく政策」(中略)もちろん、ここで「奪う」と言っているのは「略奪する」という意味ではなくて、「合法的かつ私たちが気づかないうちに現金や預金の価値を毀損させる」という意味です。 p51~


 この引用で不安をあおりたいわけではありません。当然ながら本文でも周辺情報や考え方も書かれていますので、この文章だけで判断してもらいたくありません。
 でも、何のために毀損させる必要があるのか。現政権だけで作ってきた現代ではありません。この文章だけだと「何のために」が伝わらないと思います。今だけでなく将来も見据えると、ハードランディングではなくソフトランディングのために、いつ始めるのかという点でしかないのかもしれません。


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■3章 「伊藤レポート」の衝撃 -日本企業が本気で変わり始めている
・日本企業の長期的な低ROEは、経営者と株主の怠慢による p77~
・長期的に株価パフォーマンスが良い企業の4つの特徴 p79~


 ROEとは自己資本利益率と呼ばれるもので、企業の純利益を事業の元手資金である自己資本で割ったものです。ROEが高いほど効率的に事業の元手を活用して利益を上げることができているということです。
 本書を読んで改めてこの項目のタイトルを変えていいなら「日本企業の長期的な低ROEは、”大企業の”経営者と株主の怠慢による」かなと感じました。


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■4章 「スチュワードシップ・コード」「コーポレートガバナンス・コード」で証券業界も投資信託も変わる
・「インデックス運用偏重」と「短期主義」を排除せよ p102~
・「新・三本の矢」により、本格的な長期投資の時代が到来する p132~


 機関投資家と個人投資家の役割と目的は異なります。資産を増やし、安定的に管理するという目的はおおよそ同じかもしれませんが、プロと素人の役割が違うのは何となくわかることかなと思います。
 個人として、企業の株式を直接購入するのではなく投資信託などの金融商品を活用する際には、その金融商品を取り扱っている金融機関がしっかりと役割と目的を認識しそれを公開して取り組んでくれていることが最低限の条件になることが望ましい環境であることに異論はありません。

 以降は私のメモです。
 ・スチュワードシップ・コード
  責任ある機関投資家の諸原則
  (投資と対話を通じて企業の持続的成長を促すために)
 ・コーポレートガバナンス・コード
  上場企業の行動指針
  (金融庁と東京証券取引所が全上場企業に求める5つの基本原則)


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■5章 今こそ、日本株を買いなさい
・国際暴落はあるか。その時資産価値はどうなるか p136~
・経済の中長期トレンド③ 人材・研修ビジネスの需要が高まる p173~
・私が自信を持ってお勧めする「厳選アクティブ投信」はこの5本 p205~


 本全体の1/3を占めるボリュームいっぱいの章です。取り上げられている内容も多岐に渡りますので、3つくらいの章に分けても良いと感じるほどです。
 著者に扱う商材があれば、間違いなくポジショントークが含まれます。ポジショントークが悪いということではありませんし、藤野さんが最高運用責任者を務めておられます「ひふみ投信」は日本トップクラスの圧倒的なパフォーマンスをたたき出しておられますので、その説得力に疑いの余地はありません。

 情報を集めるだけ集め、分析できるだけ分析し、悩みに悩んだ結果として選んだ金融商品を買うという手法を確立している個人投資家(一般生活者)は少ない、もしくはほとんどおられないと思います。勧められたから、売れている・人気だと聞いたから、このあたりではないでしょうか。
 何をもって1番というのかは判断が難しいところですが、そのときに1番でなくともおおよそトップ集団にある商品を選ぶことができていれば問題ないと考えるのが私のスタンスです。有料相談においてこのスタンスは喜ばれないかもしれませんが、投資運用においては常に1番の成績であり続けているというものは存在しません。何が儲かるのか何が増えるのかではなく、何であれば安心してお金を託せるかではないかと思います。

 この本を読まれて、ひふみ投信に安心して託せると感じられる人がおられれば、その判断は間違っていないですし、誰かに否定されるものでもありません。常に相場と向き合い、独自の運用感をお持ちである一握りの人以外(私も含みます)にとっては、十分に有用な考え方を知ることのできる本だとお勧めできます。

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 8月後半に下がった後、相場は登りの一本調子ではなくなったようにも思います。
 でも、この本はそんな短期で語られているものではありません。

 金融機関や金融商品の選択をはじめ、投資や運用は自己責任でお願いします。

 

 もう3年半前ですが、藤野さんの本の感想を書いています。
 2012.3.21 「日経平均を捨てて、この日本株を買いなさい。」読みました。

 長文をお読みくださり、ありがとうございました。


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