国民年金の後納(10年)は2015年9月末まで。


 公的年金の話です。

 将来受け取る年金は、国民年金・厚生年金(共済年金)の加入期間が25年以上あれば権利が発生します。今回は会社員の厚生年金ではなく、厚生年金以外の方々が対象の国民年金について書きます。

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 国民年金は国民年金保険料を自分で納める必要があります。これを納めなければ「未納」になります。未納だった期間は過去2年までさかのぼって納めることができます。

 経済的に保険料を納めることが難しい場合には、「免除」の申請をお願いしたいです。学生さんが対象の学生納付特例、30歳未満が対象の若年者猶予特例があります。これらは未納とは違い、「私は今、保険料を納めることが難しいです」と届け出ることで、将来受け取る年金額は増えませんが、年金を将来受け取る権利のための25年間には含まれます。そして未納とは異なり、この期間については過去10年分までさかのぼって納めることができます。

 ここで書いた「未納での2年」や「免除や猶予での10年」について、後から保険料を納めることを「追納(ついのう)」と言います。平均的に月15000~16000円の保険料は1年分で18~19.2万円ですので、将来受け取る年金額に関わるとはいえさまざまなライフイベントが身近に発生する若い世代にとって、このまとまった金額を若い期間に手元から手放してしまうことにはしっかりとした検討が必要だと思います。

 ここまでが今回の記事の前段です。

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 2012年10月1日から2015年9月30日までの3年間期間限定で、「未納」について過去2年ではなく10年さかのぼることのできる特例が発動中です。「未納での10年」について納めることを「後納(こうのう)」と言います。
 繰り返しになりますが、将来受け取る年金は25年以上の加入期間が必要です。この25年には「免除・猶予」の期間も含まれます。「未納」は含まれません。

 まもなく将来の年金を受け取り始める時期を迎える中高年の方々の場合、この25年を満たすことができなければ年金を受け取ることができません。でも、直近10年内に未納期間があり、その保険料を納めることで25年を満たすことができるのであれば、受け取る権利が発生します。これは非常に大きなことです。(若い世代の方々で現在未納中の方々は保障の仕組みとして必ず納めていただきたいです。納めることが難しい場合には免除・猶予などを必ず届け出ていただきたいです。)


 また、25年の受け取る権利だけのことでもありません。国民年金は20歳から60歳までの40年間、もれなく保険料を納めることで年間78万0100円(2015年度の場合)を受け取る仕組みです。仮に40年のうち25年分であれば78万0100円×25年/40年≒48万7600円です。年間で約29万円の違いは多いです。
 ここに10年分を加えることができれば、78万0100円×35年/40年≒68万2600円となり、年金額が年間19万5000円増えることになります。この増えた年金を一生涯受け取ることができるわけです。これも非常に大きなことです。

 ただし、10年分もの保険料を一括で納めるのは相当な負担です。月15000~16000円の保険料で試算すれば180~192万円もの大きな額です。これだけの額を負担できる方々は多くないとは思いますが、数年分でも1年分でも25年の権利に関わることであれば検討に値します。この特例を使うかどうかは別にして、制度を知らなければ検討することもできません。

 なお、この2015年9月30日までの3年間という期間について、この期間の終わる2015年10月1日から消費税が10%に上がる予定でした。消費税が上がれば年金を受け取る権利は25年ではなく10年で発生する仕組みに変わります。結果として消費税は2015年10月1日には上がらず、2017年4月1日で予定されており、その日から年金も10年に変わる予定です。個人的には非常に大きな制度変更だと思っています。予定通り2015年10月1日から消費税を10%にしていただきたかったです。


 日本年金機構のwebを確認すると、後納に関してお知らせの送付は約2009万件。それに対して2015年4月末現在で、相談は約130万件(約6.48%)、申込書受付が約131万件(6.54%)だそうです。ほとんどの方々が届いた書類の意味がわからず放置されているのではないかと推察します。本当にもったいないことです。

 この記事を書いているのは2015年9月23日(水・祝)です。期限はあと1週間、5営業日です。駆け込みでも構いません。年金機構の相談窓口に足を運ばれる方々が増えることを願うばかりです。


 ちなみに2015年10月以降は後納の対象が「過去10年」から「過去5年」に変わって継続されます。現時点で消費税の上がる予定の2017年4月1日までではなく、なぜか2018年9月末までの3年間です。いろいろ考えさせられます。自治体として早い段階からwebに掲載されていた千葉県茂原市のwebについて参考までにリンクを紹介し、この記事を終わります。

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 できるだけ簡潔に短めに書きたいと思いましたが、できるだけわかりやすく、かつ誤りのないように最低限の情報を含めるとこれだけ長い文章になってしまわないと説明できないのが年金であり、社会保険の仕組みです。今後の学習指導要領の改訂(PDFファイル約4MB注意)で、高校で「公共」という社会保険も学ぶカリキュラムが検討されていると最近の報道で知りました。とはいえ、社会保険(社会保障)はごくごく一部のようです。国民皆保険である公的年金・健康保険については義務教育である中学までで学ぶ機会があって欲しいと強く訴えたい私です。

 <過去参照記事>2012.10.02 「国民年金保険料の後納制度」(概要)
 <参照記事カテゴリ>ねんきん


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