マイナンバーに思うこと<その2 課税強化?適正化?>


 マイナンバーの件、個人情報の漏えい以外のことを書きます。

 今月から通知が始まり、特に大きな企業では年内に従業員のマイナンバーを集めることになると思います。源泉徴収と早めにリンクさせておくことが将来的な事務負担の軽減につながるからです。

 2016年1月からは、希望者に無料で「個人番号カード」が配られます。もちろん希望する場合には事前に(早めに)申請書の返送が必要です。利点としては、本人確認のためにマイナンバー+運転免許証など2つを出さなくても、個人番号カードがあればそれ1枚でOKとなります。

 2017年7月からは各自治体での諸々の手続きがかなり簡素化されると見込まれます。ただし、個人情報の漏えい問題のあった日本年金機構だけは未定です。2017年5月から扱えるようになると聞いていますが、実運用にまで利用できるようになるにはそれなりに時間がかかると思われます。年金関連の手続きも簡素化されるとストレスが相当に減るのは間違いありませんので、個人的には日本年金機構も早期にマイナンバーが利用できる状況になってもらいたいと思っています。


 普通の会社員、地道にがんばっておられる自営業者、年金生活者、もちろん子どもたち、これらの方々が受ける恩恵は行政手続きの簡素化くらいです。行政手続きって毎年や毎月のように関わる人は少ないと思いますので、恩恵(メリット)が実感しにくいのは確かに頭の痛いところです。でも、簡素化はとても大事なことだと感じます。

 デメリットとして(個人情報の漏えいと企業の事務負担を除くと)課税強化が1番に言われているように感じますが、私を含めた多くの一般の方々には影響はありません。副業している人、パートの掛け持ちをきちんと申告していない人、諸々の裏技的な指南を実践している超資産家、売上をきっちり計上していない自営業者など、このあたりの方々にとっては確かに課税強化かもしれません。でもそれって単に適正化されるだけであって、正確には強化とはいえないと思います。


 とはいえ実際には、配偶者控除を受けられないくらい稼いでいるのに隠している(または本当に気づいていない)ケースでは、本人に所得税・住民税がかかってくるだけではなく、配偶者(一般には夫のほうが多い)で配偶者控除38万円が使えないために配偶者の側の税金負担が改めて指摘される件がたくさん出てくるのではないでしょうか。
 もっと書けば、本来は自分自身で社会保険料負担が必要なくらい稼いでいるのに扶養のまま、という方々にも指摘が入っていくのかもしれません。でも、これも残念ながら単に適正化されるだけであって、強化とはいえないと思います。

 厚生年金・健康保険・雇用保険の適用が必要な従業員に適用していない事業所(企業)も指摘が出てくるのではないでしょうか。酷なことを書いてしまうのかもしれませんが、これも単なる適正化です。従業員の社会保険料負担が中小企業にとって大きな重しであることは把握しているつもりですが、やはり適正化と言えます。

 というように、裏技や抜け道が減っていくというのがマイナンバーの効用ではないでしょうか。私を含めた多くの一般の方々には直接的には影響はないと考えられます。もちろん後者に書いたような事業所にお勤めで、指摘があったばっかりに雇用形態が維持できないというようなケースも出てくるのかもしれませんが、全体で考えればイレギュラーケースかと思いますので、個別に対応を考えていくしかないと思います。


 マイナンバー反対派の方々の発信しているQ&Aを見る機会がありました。事業所(企業)でマイナンバーを伝えることについて、法的には2016年1月からの施行であり、税務署や市役所へ提出する書類への記載は今年2015年でなくとも問題ないので、当面は伝えなくてもいい(申告したくない)と答えるのも手段の1つだと書かれていました。

 確かにこれからの1年で各種の運用は変わるかもしれません。でも、マイナンバーを集める側の立場のことも考えてみていただきたいです。従業員本人だけでなくその家族を含めると何十人、何百人、何千人といった数を取り扱うわけです。その事務負担(人件費)だけでも相当な工数です。その工数増は勤務先の経費増につながります。経費増は利益減です。1人くらいと思うその積み重ねが膨大な利益減につながってしまう可能性もあるわけです。

 制度は始まるんです。動き始めています。もちろんマイナンバーは誰にでも伝えていいものではありません。特に詐欺には気をつけなければなりません。でも、職場での利用は間違いなく必要になるものです。ぜひ協力的であっていただきたいと願います。
 
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 本当は<その2>で終わるつもりでしたが、やはり長くなってしまいました。
 次回<その3 将来のために>でまとめたいと思います。


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