”投資賢者の心理学”読みました。


 ”投資賢者の心理学 -行動経済学が明かす「あなたが勝てないワケ」-”(2015年7月15日第1刷)を読みました。著者は株式会社オフィス・リベルタス代表取締役の大江英樹さん。facebookページはこちら

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 今回の著書もなんと、大江さんから自筆のサイン付きでお送りいただいてしまいました。感謝感謝です。大江さん、いつも本当にありがとうございます。

 いつも通り、アウトプットとしていくつかポイントを引用させていただいての所感を書くスタイルです。当然ながら引用部は私の独断と偏見によるものです。

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■第1章 誰もが思い込んでいる資産運用7つの勘違い
1.「金融機関はプロだと思う勘違い」
 ”運用のプロ”ではなくて、”販売のプロ” p19~

・投資するにあたって、自分の知識が不足していたり、金融機関の説明がよく理解できなかったりというのであれば、資産運用分野を専門とするFPにきちんと相談料を払ってアドバイスしてもらえばいいと思います。 p24


 私の立場上のポジショントークのために、ここだけ項目タイトル以外に引用させていただきました。全体としては私も大江さんと同じ考え方です。そして、普段接する主に金融機関の担当さんは営業担当さんですから販売のプロであるのは当然で、それは決して悪ではありません。(明らかに営業担当なのに、例えば「お客様係」などのように所属や肩書がカムフラージュされている金融機関は悪かもしれません)

 この一文を取り上げたのは「資産運用分野を専門とするFPに」だけひと言加えたいからです。資産運用に詳しいFPの必要はあります。でも、資産運用だけに詳しいFPだと困ります。資産運用で最も大事なのは家計や他の資産、社会保険やさまざまな制度とのバランスです。
 もちろん大江さんは「投資するにあたって」と書かれていますので、家計や他の資産、社会保険やさまざまな制度とのバランスについては解決したうえで投資するにあたって、の意味で書かれています。投資を始めるにあたってのハードルは高くしすぎないようにしたいのですが、大前提の考え方ですのでたくさんの方々に知っておいてもらいたいです。


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■第2章 投資の基本、ありがちな間違いは?
5.お薦め銘柄を聞いてしまう投資家の思考停止
 一番儲かるものを教えてくれ! p81~


 私はFP3級の資格取得をめざす講座の講師を務めています。金融資産運用の課目で出てくる株式では、まず意識づけとして強調していることがあります。株式とは出資金です。出資金であれば、損した得したの話の前に応援できるかどうかの要素が入ってくると思います。
 金融機関にアドバイスを求める必要のある一般の投資家であれば、株式は出資金であるという認識を持ってもらいたいと強く願います。


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■第3章 年金や保険にもあふれている勘違い
1.公的年金運用に対する勘違い
 年金の運用って大丈夫? p105~


 私が勝手に認識している大江さんの専門分野の1つが公的年金です。この本ではわずか6ページほどにエッセンスが凝縮されているのですが、お勧めは自分で年金をつくる最高の方法~確定拠出年金の運用【完全マニュアル】~です。

 そして今月から東洋経済オンラインで大江さんによる連載が始まっています。
 知らないと損する 経済とおかねの超基本1年生
 第1回目は「年金の「誤解」、教えます!年金保険料を払わないとあなたは必ず損する」です。お勧めです。

 公的年金に理解の深い専門家が発信されている情報は基本的に信頼度が高いと思っています。

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■第4章 株式投資に潜む心の罠
9.株を始めるにはいくらぐらいの金額でやればいいか?
 一年で三分の一の資産を失う p165~

 
 例えばこの記事を書いている時点での日経平均株価はおおよそ19500円です。春以降に2万円を超え、9月前後からは18000円を割っていましたので回復してきていますね。
 この19500円が1年間で1/3くらい減ってしまう状況。それは日経平均株価が13000円まで下がるということです。リーマンショックのとき、2007年前半には18000円くらいでしたが、2008年10月末には6000円台に突入しました。これは1年半で1/3減ったのではなく、おおよそ1/3に減ってしまったんです。
 大事なのは2015年には18000円を超え、2万円も超えたこと。一時的に大きく減ってしまってもそれなりに回復するだろうという投資先であれば、そして待てるだけの資金であれば結果として問題ないということです。

 投資をしていた場合、大きく下がれば資産がダメージを受けるのは当然です。一喜一憂しない人は珍しいです。でも、「なんでもいいから儲かるのを教えてくれ」的な投資であれば、その投資先が回復するのかどうかもわからないですよね。


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■第5章 投資信託は知らないことがいっぱい!
2.投信の”基準価額”は”判断基準”ではない
 金融機関もわかっていない p184~


 ここも闇が深いです。投信の仕組みを知れば購入時の基準価額は気にならないはずです。もちろん売るときには平均購入価額から増えていることを確認してしまうとは思いますけれど。


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■第6章 マーケットや制度にも罠がある
5.リスクを高めずにリターンを高める方法
 アセット・ロケーション? アセット・アロケーション? p228~


 ここをアドバイスすることこそがFP(ファイナンシャルプランナー)の真骨頂だと私は信じています。制度を選択肢として伝えず、金融商品の話ばかり進める人でFPを名乗っていたとすれば、その人はFPではなく「FP資格を持った営業マン」だと思っていただきたいです。
 改めて書いておきますが、営業マンが良くないのではなく、FPとは役割が違うということです。


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■終章 では、どうすればいいのか?
(1)心の命ずるままにならない仕組みをつくる
(2)ルールを決める
(3)体験する
(4)見た目に惑わされない
(5)他人を気にしない


 カタカナの専門用語も多少は出てきてしまいますが、この本は投資経験者よりも投資初心者の方々にこそ読んでもらいたいと強く思える本です。

 大江さんの本は次の4冊の感想も書いています。個人的には1冊目である公的年金と確定拠出年金の本が超絶にお勧めですが、大江さんの本は専門知識がなくても読み進めやすいのですべてお勧めです。

”自分で年金をつくる最高の方法~確定拠出年金の運用【完全マニュアル】~”読みました。
”定年楽園 ~貯蓄や投資では老後の”難民化”は救えない!~”読みました。
”その損の9割は避けられる”読みました。
”老後貧乏は避けられる”読みました。

 

 長文を読んでいただいてありがとうございました。


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