平成28年度税制改正大綱を独断と偏見の塊で書き出しました。


 2015年12月16日に、現在の政権党である自由民主党のサイトで公開されました。

 通常は12月10日あたりなのですが、消費税の軽減税率の関係で1週間ほど遅くなったようです。
 平成28年度 税制改正大綱
 原文はPDFで125ページです。この大綱はほぼ確定の内容であると言えますが、あくまでも現時点における改正見込みであって、現時点においては確定していませんのでご注意ください。

 実際に改正された内容は財務省のwebにまとまっていますのでご参照ください。
 各年度別の税制改正の内容

 なお、このblogでは私の個別相談で特に関わりそうな内容のみ、独断と偏見で抜粋します。消費税については昨年の感想記事で強く主張しました件がかないませんでしたのであえて取り上げません。ご承知おきをお願いします。


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【平成28年度税制改正の基本的考え方】

 いわゆる前段で気になった文章です。

■2 少子化対策・女性活躍の推進・教育再生等に向けた取組み p6~
(1)少子化への対応、働き方選択にする中立性確保等観点から個人所得課税の見直しに向けた検討

・各種控除や税率構造の総合的・一体な見直しを丁寧に検討する。
・老後の生活など各種のリスクに備える自助努力を支援するための企業年金、個人年金、貯蓄・投資、保険等に関連する諸制度のあり方について、社会保障制度を補完する観点や働き方の違い等によって有利・不利が生じないようにするなど公平な制度を構築する観点から幅広い検討行う。


 「社会保障制度を補完する観点」という文言が特に気になっています。
 おそらく近い国会で確定拠出年金に関する改正が通るはずです。今は加入制限のある確定拠出年金個人型について、誰でも加入できるようになります。まさかまさかですが、そのことだけではなく他の何かであってほしいと願うばかりです。


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【個人所得課税】

■空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例の創設 p18
・(旧耐震基準である)昭和56年5月31日以前に建築された家屋(区分所有建築物(マンション)を除く。
・相続の開始の直前において当該相続人以外に居住をしていたものがいなかったものに限る。
・相続開始後3年以内(3年経過する日の属する年の12月31日まで)の譲渡
・平成28年4月1日から平成31年12月31日までの間に(中略)譲渡
・譲渡の対価の額が1億円を超えるものを除く。
・居住用財産の譲渡所得の3,000万円特別控除を適用

 背景はp11「④ 空き家を売却した際の譲渡所得の特別控除の導入」に書かれています。

・適切な管理が行われていない空き家
・地域住民の生活環境に悪影響を及ぼしていることを踏まえ
・こうした空き家の発生を抑制する観点
・今後とも、住宅投資の波及効果に鑑み、住宅市場の動向を幅広い観点から注視する


 期間を区切って、より活用してくれそうな人へ移転(売却)して欲しいということでしょうか。こういった仕組みは延長が続いていくように思いますが、売却したときの税金が少なくなるから売ろう!という気持ちにつながるのかどうか気になるところです。


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■生命保険料控除・地震保険料控除または寄付金控除の証明書 p34


 確定申告等(年末調整を含む)に添付する控除証明書について「電磁的記録を一定の方法により印刷した書面で、真正性を担保するための所要の措置が講じられているもの」が加わるようです。

 再発行を依頼しても何日も待つ必要がありましたが、ネットに長けた人だと即入手が可能になるかもしれません。そもそも失くさなければ問題ないという話であったり、IDとパスワード発行などシステムにも大規模な改修が必要な保険会社も多いと思いますので、どんなスパンで変わっていくのか気になるところです。


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【納税環境整備】

■クレジットカード納付制度の創設 p98~


 平成29年(2017年)1月4日以降に納付する国税について対象となるようです。
 個人に関係する国税では所得税が主です。
 他の国税も書いておくと、相続税・贈与税・印紙税・登録免許税、このあたりです。

 ちなみに自治体によっては住民税・固定資産税(および都市計画税・軽自動車税など)をクレジットカードで納付できるようになっています。
 京都市では2016年度から市の専用サイトで可能になると12月に報道がありました。(ネットでは報道を見つけられませんでした)


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【検討事項】(p108~111)


 毎回気になるのはこの検討事項なのですが、継続的なものが多いです。

 ・年金課税
 ・寡婦控除
 この2つについては前年および前々年と一言一句同じ記述でした。前回までの20項目から14項目に減っていましたし、この検討事項の読みごたえを一番楽しみにしている私としては個人的に残念です。

 年金課税については前々年の記事に感想を少し書いていますが、税も含めた給付と負担の考え方で言えば、マイナンバーがしっかりと稼働することで税制改正大綱からこの項目がようやく消えることになるのではと推察しています。

 <過去参照記事>マイナンバーに思うこと<その3 将来のために>


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 その他に興味深かった点を項目だけ挙げます。

■譲渡所得の特例 p21-22
・特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例の適用期限を2年延長
・居住用財産の買換え等場合の譲渡損失の繰越控除等の適用期限を2年延長
・特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除等の適用期限を2年延長

■直系尊属から結婚・子育て資金の一部贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置について、その対象となる不妊治療に要する費用には薬局に支払われるものが含まれること等を明確化する。 p45

■国税関係書類に係るスキャナ保存制度の見直し p101~


 全体として消費税の軽減税率やマイナンバーの実務的な内容に多くページが割かれており、争点はそこに限られている印象でした。
 繰り返しになりますが、前回までしっかりと掲載されていた確定拠出年金に関する法案が本日から開かれている国会で早期に通ることを願うばかりです。


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 なお、平成27年度の税制大綱を取り上げたblogはこちらです。
 平成27年度税制改正大綱を独断と偏見の塊で書き出しました。

 長文を読んでくださり、ありがとうございました。



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