”ゼロからわかる 時事問題とマーケットの深い関係”読みました。


 ”~ゼロからわかる 時事問題とマーケットの深い関係”(2015年10月15日第1刷)を読みました。

 160107_01

 著者はブーケ・ド・フルーレット代表代表の馬渕 治好(まぶち はるよし)さん。
 facebookページはこちら

 馬渕さんとはお会いしたことはありませんが共通の知り合いが多そうな印象です。皆さん口を揃えて「大先輩」とおっしゃっていますので、私などは恐れ多いのですが感想を書いてみたいと思います。


 いつも通り、アウトプットとしていくつかポイントを引用させていただいての所感を書くスタイルです。当然ながら引用部は私の独断と偏見によるものです。

----------
■まえがき
 「本書は、読者の方が筆者の主張を疑ってかかり、元のデータ素材までたどり着いて審議を検証できるよう、できるだけ出所を明らかにしたわけだ。また論理構成も明示しているので、本当に筆者のいっていることが正しいのか、まず疑い、読者自身の考え方で検証した後、検証に耐えたのであれば、正しいのだろう、と考えてほしい。こうした「健全な懐疑心」は世にあふれるすべての情報(情報とすら呼べないものもあるがに対して、とってほしい心構えだ。」 pⅱ-ⅲ

■あとがき
 「人生において、どういうわけか、証券投資や保険加入など、金融周りについては、他人にわが身を預けて平然としている人が多いように感じる。そうした他者依存から一歩脱却する姿勢を、本書から感じ取っていただければうれしい。」 p296


 この本の立ち位置を明確にできる文章を長文ですが引用させていただきました。
 私は基本的にどの本も「はじめに(まえがき)」に続いて「おわりに(あどがき)」を先に読みます。本文を読むのが楽しみになる馬渕さんのスタンスです。


----------
■第1章 原油などエネルギー価格の下落とその影響

・原油価格下落ないし低迷が世界経済に与える影響は p22~


 「原油」と一言で書いても本当に幅広い項目があるのだと改めて認識できます。1バレルあたりの採掘コストといった基礎情報から始まり、産油国経済の考え方、目にするようになったシェールオイル・ガスの背景や影響まで本当に丁寧に解説されています。エネルギー関係のニュースを読む視点が変わってきます。


----------
■第2章 円相場を動かすものと円相場が動かすもの
■第3章 東京オリンピックは何をもたらすのか

・建設、不動産などの公共事業バブルは来ない p160~
・さまざまな面で期待される東京オリンピックのプラス効果 p169~


 オリンピック開催を呼び込むことだけでは何も進展しないことがよくわかります。国をあげて一致団結して「ショーケース」を作り上げる必要があります。オリンピックなどの大イベントはゴールではなく、スタートであることを強く意識せねばなりませんし、特定の業界だけ目先の株価上昇を得られるような簡単な話ではないこともわかります。


----------
■第4章 ネット化が引き起こすさまざまな構造変化

・ネット化の影 p202~


 この2ページの主張は大賛同です。ただ、自由な使い方が可能だからこそネットという考え方をお持ちの方々がおられるのも事実です。経済や金融に関わるものだけではありません。悪質なもの、明らかに誤っているものが自動的に広まらない仕組みが生まれることを願ってやみません。


----------
■第5章 米国の構造的な強さは分散にあり
■第6章 グローバルマネーと日本市場

・米国の証券・金融市場の先行き p250~

 
 2015年8月に執筆されているものですが、2015年末までの進行が漏らさず組み込まれています。世界の中心である米国の具体的なデータや背景が書かれており、社会・地理の教科書をもっと深堀りしたような興味深い項目です。


----------
■補章 ギリシャの財政問題をめぐる情勢

・ギリシャ財政の問題の本質は何か p284~


 あくまでもギリシャが例に挙がっていますが、国の運営も根本は「資金繰り」だということ。当たり前と言えば当たり前ですが、赤字や借金(債務)の大小だけで踊らされてしまわない視点がたいせつです。


----------

 第1章から補章まで確かに具体的な事例と解説が続きますけれど、その行き先はすべて「まえがき」と「あとがき」の主張に通じています。私も情報発信している端くれとして、強く意識していきたいです。


 FP技能士資格をお持ちの皆さまにおかれましては、KINZAIファイナンシャル・プラン2015年12月号のp80で、ファイナンシャル・ジャーナリストの竹川美奈子さんがこの本の書評を書かれています。そちらもお勧めいたします。


 金融機関や金融商品の選択をはじめ、投資や運用は自己責任でお願いします。

 
 
 長文をお読みくださり、ありがとうございました。



コメント

コメントの投稿

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)