マイナス金利


 日本銀行が2016年1月28日と29日の金融政策決定会合にてマイナス金利の導入が発表されました。会見の全文はこちら

 2月9日には長期金利の目安となる10年物の国債の金利が世界で2番目にマイナス金利に突入しました。 
 長期金利、初めてマイナスに マイナス0.005%に低下


 さまざまな媒体で解説されていますので私がイチから書くのも適していないと思いますので、本当に概要だけで失礼します。(とはいえ長文です)

 結論から書きます。私たちが銀行に預けている普通預金や定期預金の金利がマイナスになるということは考えられません。


 日本銀行は銀行の銀行です。(中学で習いましたよね?)
 金融機関が日本銀行に預けているお金のうち、決められた額を超えたお金に対して、これまでは年0.1%の利子をつけていたけれど、そのうちの一部を年マイナス0.1%に変更します、というものです。

 決められた額って何かというと、2015年の1月から12月の残高の平均である220兆円。ここには0.1%の金利がつきます。
 そして、銀行の銀行である日本銀行に銀行が義務で預ける必要がある金額(具体的には日本銀行が決定)には金利がつきません(ゼロ%)。
 最後に、この2つを超えて銀行が日本銀行に預け入れる額について、2016年2月16日以降はマイナス0.1%にしますということです。

 ですので、これまで以上に日本銀行に預けることは許さない、これまでの分は良いとしてこれからの分は世の中にお金をまわさないと持っていてもプラスにならないよ、ということを日本銀行が銀行に通達したというイメージです。

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 繰り返しますが、私たちが銀行に預けている普通預金や定期預金の金利がマイナスになるということは考えられません。
 とはいえ、世の中の身近な金利が変わってきています。

 金融機関の定期預金は軒並み普通預金の金利に近づいています。
 これまで普通貯金0.03%だったゆうちょ銀行も他の銀行の普通預金金利と同じ0.02%へ2月9日から変更すると報道がありました。
 ゆうちょ銀、9日に金利下げ=通常貯金は0.02%―日銀マイナス金利の影響拡大
 今年から3年間にかけて満期を迎えるたくさんの定額貯金に対して金利を上乗せしたりすることでの引止めは行わないという報道も出ていました。
 ゆうちょ銀、満期対策見送りへ 運用環境厳しく

 個人向け国債(変動10年)の金利も1月は0.17%でしたが、2月分から最低保証である0.05%となりました。
 身近ではないかもしれませんが、京都市債10年物の表面利率も昨年8月は0.529%でしたが、この2月分は0.205%に下がりました。
 国債で運用されている投資信託であるMMFによっては安定した運用が困難になったと投資家に返金(償還)することになったとの報道もありました。
 日興アセット、MMF繰り上げ償還 マイナス金利で安定運用困難

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 預金は銀行に預けているお金という印象が強いですが、言い方を変えれば私たちが銀行に貸し付けているお金です。
 例えば私たちが100万円を銀行に預けるというのは銀行に100万円貸していることと同じであり、貸しているからこそ利息として年間200円(0.02%)が支払われる(受け取れる)わけです。

 銀行は私たちから集めた預金を日本銀行に預けたり、国債を買ったり、企業や個人に貸すことで、そこで得られる金利との差額を収益の1つにしているわけです。


 欧州では国によってマイナス金利が導入されており、0.1%どころか大きなところでは0.75%だそうです。それでも個人が銀行に預けている預金の金利がマイナスという国はありません。

 ですので、日本においても銀行に預けているお金が近い将来においてマイナス金利になるということは考えにくいです。
 とはいえ、銀行に預けてもこれまでもわずかな利息しか手に入らなかったわけですが、今後はさらに小さな額になってしまうということです。

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 ここで大事になってくるのは高い金利の借入れを起こさないということになるかと思います。住宅ローンや自動車ローンは比較的低い金利です。でも、キャッシングやリボ払いなどは相当に高いです。

 また、細かなことですが、銀行からお金を引き出す際の手数料も受け取れる金利から考えると高額な負担です。銀行に貸しているお金を引き出す際に高額な手数料を取られるというのは本末転倒です。ぜひ気をつけていただきたいです。


 まとまったお金をお持ちの方々にとっては株式や投資信託などの資産運用を意識していただく必要があるのかもしれません。また、そういった提案が金融機関から多く出てくることになるかと思います。

 とはいえ大原則は「よくわからないものには手を出さない」です。徹底していただきたいです。
 興味がある場合に説明を聞きに行くのは悪いことではありません。でも、説明を聞いたその場で何か購入してしまうことだけはお勧めできませんし、ぜひ複数の提案を比較してほしいと思います。

 間違っても、手元に500万円や1000万円の余裕資金があって預け先を探しているというような視点での投資・資産運用はお勧めできません。
 資産全体のバランスをふまえ、将来を見据えたお金の置き場所の1つとしての資産運用という考え方もぜひ知ってもらいたいところです。

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 金利がマイナスになる(金利が下がる)というのは(金融政策の影響が大きいわけですが)、債券そのものの価格が上がっていることも知っておく必要があります。詳細な解説は別の機会にと思いますが、価格が上がれば金利が下がる、価格が下がれば金利が上がる、教科書に出てくる債券の法則です。

 金利がマイナスになるほど下がっているということは価格が過去最高に上がっているということになるかと思います。実際に、現在は大規模な金融緩和策が進められていますので、日本銀行が債券を買い取り世の中にお金がたくさんでまわっているわけです。日本銀行が安定的に債券を買い取っているからこそ、これだけ低い金利(マイナス金利)でも債券を買う人(機関)がいるということです。

 ではいつまで買い取り続けることができるのか、日本は借金大国ではないのか、たくさんの疑問も出てくるかと思います。そんなことは私を含めた一般の人がいくら考えても答えはありません。その点に不安や不信が大きいのであれば、こんなにも世界中から日本の債券が買われることはありえないわけです。

 新聞や報道では「比較的安全な資産とされる円(債券)を買う動きが活発」とありますが、ここまで買われている事実を考えると、言い方を変えれば「世界で最も安全な資産」と言うこともできるかもしれません。

 もちろん投資や運用はご自身のご判断でお願いいたします。

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 たくさんのリンクをご紹介しましたが、日が経てばリンク切れがあるかもしれませんし、リンク先によっては会員登録(無料)の必要なものもあります。ご承知おきをお願いします。

 今後も注視が必要です。


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