決まった利回りで複利を続けるのは難問


 試算してみました。(税金は考慮していません)


 利回り3%と書かれていたとします。

 わかりやすい金額として1000万円を投入できたとします。
 1年後に1030万円になるということです。


 利回りが継続できたとします。

 2年後、1060万円になれば「単利」です。
 元金1000万円に対してのみ利回りを得ている状態です。

 2年後、1060.9万円になっていれば「複利」です。
 1年目に増えた30万円も加え、1030万円に対して利回りを得ている状態です。

 長く預け続けることのできる資金であれば複利が有利です。
 利息が利息を呼ぶという表現も使われます。

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 とはいえ、長く続けるときに決まった利回りを継続できるかどうかはわかりません。
 (もちろん1年目だって同じですし、2016年の世の中で確実に1年間で3%増える金融商品はおそらく存在しません)

 例えば複利10年間で利回り3%を実現できれば、約1343.9万円に増えています。
 単利だと1300万円ですから約44万円有利だったということです。


 でも、この3%は10年間ずっと同じ3%でなければどうでしょう。

 例えば、4%と2%を交互に繰り返して平均3%だった場合、10年後は約1343.3万円です。
 ずっと3%より約0.6万円少なくなります。

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 この試算を続けてみます。

 例えば、5%と1%を交互に繰り返して平均3%だった場合、10年後は約1341.4万円です。
 ずっと3%より約2.5万円少なくなります。

 例えば、6%と0%を交互に繰り返して平均3%だった場合、10年後は約1338.2万円です。
 ずっと3%より約5.7万円少なくなります。

 例えば、7%と-1%を交互に繰り返して平均3%だった場合、10年後は約1333.8万円です。
 ずっと3%より約10.1万円少なくなります。

 例えば、8%と-2%を交互に繰り返して平均3%だった場合、10年後は約1328.2万円です。
 ずっと3%より約15.8万円少なくなります。

 例えば、9%と-3%を交互に繰り返して平均3%だった場合、10年後は約1321.3万円です。
 ずっと3%より約22.6万円少なくなります。

 例えば、10%と-4%を交互に繰り返して平均3%だった場合、10年後は約1313.2万円です。
 ずっと3%より約30.8万円少なくなります。

 例えば、11%と-5%を交互に繰り返して平均3%だった場合、10年後は約1303.9万円です。
 ずっと3%より約40.1万円少なくなります。

 例えば、12%と-6%を交互に繰り返して平均3%だった場合、10年後は約1293.4万円です。
 ずっと3%より約50.5万円少なくなります。単利を下回りました。

 10年よりもっと長い期間で試算すれば差はどんどん広がりますし、同様に3%より高い利回りで試算しても差は大きくなっていきます。

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 公的年金(国民年金・厚生年金)の資産、約140兆円を運用している年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)という機関があります。

 平成13年度から平成26年度の14年間の平均利回りは3.11%です。
 <参照web:前年度末の運用状況ハイライト

 1年で12.44%増えている年度もあれば、-7.37%減っている年度もあるわけです。


 この記事ではGPIFの運用を取り上げたいわけではありません。

 高度経済成長時代やバブル時代の高い金利の銀行預金も永遠ではありませんでした。
 継続的に決まったプラスの利回りで長い年数、資産を複利で増やし続けることはおおよそ不可能ではないかと考えます。

 資産運用に関する情報は世の中にたくさんあふれていますし、低金利・マイナス金利の現代社会においては今後ますます投資や運用に関する情報に接する機会が増えてくるものと思います。
 金融商品を活用される際にはぜひ冷静な目で検討されることをお勧めします。

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 個人的には「普通預金・定期預金に負けない運用」という方針があっても良いのではないかと考えます。


<一応の追記です>
 この記事ではいわゆる算術平均をまとめました。本来は幾何平均(相乗平均)が必要なのだと思いますし、私も実際には使い分けています。GPIFの3.11%も幾何平均ですし、幾何平均だと試算例は順に利回りが低くなっていきますので、10年後の額が少なくなって当然です。このあたりはまた別途機会があれば書きたいと思います。


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