「はじめての投資」でラップ口座をお勧めすることはありえない


 新聞に某大手金融機関の折り込みチラシが入っていました。

 ラップ口座、ファンドラップの広告でした。
 (ラップの解説はここでは省略します)

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 自分自身の資産を投資・運用するにあたって、個人的にはこの2つを自分自身で対応できないなら投資・運用しないという選択肢があることを知っていただきたいと思います。

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 ラップ口座では主に投資信託が購入されます。

 大手金融機関の窓口で提案される投資信託には主に2つの手数料がかかります。
 購入時にかかる販売時手数料と、保有時にかかる運営管理費用(信託報酬)です。大手金融機関の窓口で提案される投資信託の場合、いずれも比較的しっかりとした手数料のかかるものがラインナップされています。


 仮に販売時手数料3.24%、運営管理費用1.62%だとします。
 100万円購入すれば、概算で購入時に32400円の手数料がかかり、実際に投資信託として運用にまわる金額は約96万7600円です。仮に資産額が1年間ずっと100万円のままなら、1年間で16200円の運営管理費用もかかります。
 単純計算で、初年度だけで48600円の手数料がかかるというイメージです。

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 ラップ口座の場合、写真の2つのことを金融機関が対応してくれる代わりに、さらに2つの手数料がかかります。
 投資顧問料と残高手数料です。

 このチラシの金融機関では、いずれも最大の年率で投資顧問料は0.378%、残高手数料は1.134%と書かれていました。
 同じく100万円で換算すると3780円と11340円ですので、合計で15120円です。


 投資信託にかかる手数料とラップ口座にかかる手数料を合計すると初年度で63720円も負担してしまうことになる可能性があります。2年目以降は販売時手数料を除いた31320円というイメージです。

 もちろんこれを上回る収益を得られるのであれば何の問題も無いとは思いますが、マイナス金利で普通預金の金利が0.001%の時代です。初年度の最大で6%を超えたり、2年目以降も3%を超える手数料というのは非常に大きな負担だと言えます。


 投資・運用によって得られる収益は不確かですが、コストは確定しているマイナス要因です。例として100万円を挙げましたが、1000万円であればそれぞれ10倍です。初年度60万円、2年目以降も30万円を超えるようなコストをかける価値のあるサービスなのかをぜひ考えてみていただきたいのです。

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 「プロに任せられる」とあります。

 このプロとは顔の見える存在でしょうか。
 窓口である担当者さんは運用のプロではありません。接客・営業のプロです。
 実際にお金を預ける運用のプロは顔が見えません。顔の見えない、直接話す機会もほぼないプロに支払う対価として、これらの額は妥当でしょうか。

 接客や営業のプロが良くないと言っているのではありません。その役割を担う方々がいるからこそ、さまざまな商品やサービスが世の中に出回るわけですので、とてもたいせつな存在です。
 ただし、自分自身のお金を預ける際には十分に背景を把握する必要があります。


 「わからないものには手を出さない」金融商品を購入する際の大原則です。
 「わからない」を具体的に書くと、「身近な人に説明できない」という意味合いです。
 
 「はじめての投資」でラップ口座をお勧めすることはありえないと考える私のポジショントークでした。



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