”誰でもできる確定拠出年金投資術”読みました。


 ”誰でもできる確定拠出年金投資術 ~ほったらかしで「年率10%」を目指す方法~”(2016年1月5日第1刷)を読みました。

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 著者はフィナンシャル・ウィズダム(Financial Wisdom)代表の山崎俊輔さん。各種webメディアでコラムをたくさん担当されています。

 副題の「年率10%」の件、「目指す」と書かれていたのがミソだと感じました。「年率10%を達成できます」ではなく、年率10%を達成できなくなってしまう条件を排除されているイメージです。ですので、結果として「年率10%を目指す」という副題なのだと思います。


 山崎さんと初めてお会いしたのは2012年9月。
 受講してきました。「どこまで頼れる?年金制度~公的年金制度・企業年金制度は破たんするのか~」
 山崎さんとお話ししてみたいと思った代表的なコラムがこちらです。
 コラムのご案内「年金損得論者は主張するほどに損得・不公平を拡大する」

 公的年金と確定拠出年金のスペシャリストです。山崎さんは私より5つ年上ですが、同年代(すみません!)としてこれほどに年金に詳しくかつ公的な機関ともつながりのある存在であることが本当に感動的に嬉しいです。
 

 いつも通り、アウトプットとしていくつかポイントを引用させていただいての所感を書くスタイルです。当然ながら引用部は私の独断と偏見によるものです。

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■はじめに
■第1章 「確定拠出年金で年率10%以上」で運用する方法
    ~ 最初だけ悩んで、あとはほったらかし

・アクティブ運用はいい商品かどうかを見分けたり、うまく儲かったら手放したりというようなメンテナンスが必要になり、「ほったらかし」には向いていない p21
・「売る」か「買う」をしなければ投資ではないと思いがちですが、「何もしない(待つ)」もまた投資なのです。なぜなら「投資し続ける」という選択を行っているからです。 p58


 職場で確定拠出年金が導入されている方々(企業型)におかれましては、ぜひお手元に職場で配られた確定拠出年金に関する資料を準備のうえ読み進めていただきたいですし、それらの資料が年数の経ってしまっているものでしたら、専用webにアクセスし運用商品のラインナップとその詳細な説明(手数料を含む)の記載されたページのご準備(場合によっては印刷)をお勧めします。
 この本を読まれた方々は具体的な行動を起こしていただきたいです。


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■第2章 年率10%以上を実現するために絶対に知っておきたい仕組み
    ~ 確定拠出年金は資産運用としてはもっとも有利な運用である


 企業型と個人型に分けて詳細に解説されている章です。
 運用よりも先に制度の把握をしたいと思われる人は先にこちらを読まれることをお勧めします。


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■第3章 年率10%以上を達成するために、その入り口に立とう
    ~ どんな有利でもスタートさせなければ意味がない!

・会社の人が「よく分からなかったら、今は入らなくてもいいよ」というのは、あなたの人生を真剣に思いやっての発言ではありません。はっきりいえば「細かい質問をされて説明が長くなるのは面倒だなあ」「一度入ったあとに止めることはできないのだから、強制的に入らせてあとから文句を言われるのもいやだ」というような理由で「入らなくてもいいよ」と言っているのです。 p91-92


 始めるにあたっての具体的な手順が書かれています。企業型の人は職場で手渡された資料を、個人型の人は金融機関から取り寄せた資料を手元に置いてこの章を読み進めていただきたいです。


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■第4章 年率10%以上を達成し続けるためのメンテナンスはこれだけ!
    ~ 張り付くのではなく、ごくたまに軌道修正する

・毎日運用のチェックなど不要 p108~
・年に一度チェックし、ちょっとだけ手直しをする(リバランス) p110~


 他の本にも類を見ないほどのページ数で「リバランス」が解説されています。
 この本でのイチオシはこの章です。本当にたいせつです。

 気になったのはp131のリバランスの図。
 確定拠出年金において、
  A 100万円
  B  33万円
  C  33万円
  D  33万円
 この状況をリバランスする際、Aだけを売却して
  A  33万円
  B  33万円
  C  33万円
  D  33万円
 というのは違和感があります。
 同じ比率に戻すのであれば、
  A  49.75万円
  B  49.75万円
  C  49.75万円
  D  49.75万円
 このように調整が必要だと考えます。
 具体的には
  A  50.25万円売却
  B  16.75万円購入
  C  16.75万円購入
  D  16.75万円購入
 このような調整を対応することになるかと思います。

 実際にここまで大きく資産比率が変わってくることはあまり考えられません。
  A   先進国株式または日本株式
  B~D 定期預金・個人年金保険・積立傷害保険・日本債券投信
 このような組み合わせだとあり得るかもしれません。ご参考になりましたら幸いです。


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■第5章 「確定拠出年金+α」で一生お金に困らない未来をつくる


 確定拠出年金で意外と情報量の少ない出口戦略。受取時の内容から確定拠出年金以外のお金全般が取り上げられている章です。
 かゆいところに手が届く=該当しない人も多くいる、という内容もしっかり書かれていますけれど、解説書として大事なことだと思います。

 この本を初めて手に取る人が読み進めていくうえの流れとしては第1章からだとは思いますが、個人的には第5章→第2章→第3章→第1章→第4章、この順をお勧めしたいと思います。


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 とても丁寧かつ詳細に説明されている印象の強い本です。2つ要望を挙げます。

 1つめはもう少し章立てや見出しを増やして細分化してもらいたかったというところです。例えば企業型・マッチング拠出・個人型が連続して説明されている部分があったり、行間もそのままに年代別の解説が続けられていたり、ある程度の知識がないと初心者では混乱が生じてしまうのではと感じたところがありました。

 2つめは字が小さいこと。当初からこのサイズが予定されていたのか、結果として文量が増えてしまって小さくなったのかはわかりませんが、見開いた時に見出しが無く小さな文字がぎっしりというところがたくさんありましたので、同じく初心者では尻込みしてしまう部分があるかもしれません。

 とはいえ、繰り返しになりますが、とても丁寧かつ詳細に説明されている本ですので、これらを乗り越えてしっかりと読み込むことができれば問題ありませんし(山崎さん、すみません)、具体的な記述が多いので本当に役立ちますからぜひ実行していただきたいです。


 確定拠出年金が職場で導入されているけれど、
 ・説明会の内容がよくわからなかった
 ・誰に聞いてもきちんと説明が返ってこない
 ・職場では聞きにくい
 ・独学でいろいろとやってみてうまくいっているけれど、体系立てたことを知りたい
 という方々は必ず。
 職場で導入されていなくても個人型を必ず知っていただきたいので、その意味でもお勧めです。


 山崎さんと確定拠出年金の組み合わせでは、2015年10月に講座を1つ受講しましたので、リンクをご紹介しておきます。
 「変わる確定拠出年金制度!FPにもビジネスチャンスか!」を受講しました。
 
 前著の感想記事はこちらです。
 「お金の知恵は45歳までに身につけなさい~1000円からはじめる資産運用と貯蓄の方法~」読みました。
 

 長文をお読みくださり、ありがとうございました。


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