後見人に適した人材になり得る ~成年後見制度ってどんな制度?~受講してきました。


 京都市成年後見支援センター(京都市長寿すこやかセンター)主催の平成28年度第1回「成年後見セミナー ~成年後見制度ってどんな制度?~」の1日目を受講してきました。

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 3講座で合計4時間半のセミナーでした。

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■成年後見制度とは ~誰のためのどんな制度?~
 京都社会福祉士会 ぱあとなあ京都 社会福祉士 五百木(いよき)氏

・新しい成年後見の仕組みは、公的介護保険と同じ2000年4月からスタート。
・成年後見は本人のための制度であり、親族や相続人のための制度ではない。
 本人の意向を無視した代理権の行使が目的ではない。

・自己決定の不十分な人を支援する公的な制度
 認知高齢者・知的障害者・精神障害者 約860万人
 これに加え、発達障害者・高次機能障害者など。

・3類型
 後見 すべての代理権
 保佐 重要な財産行為(民法第13条第1項)について代理権
 補助 重要な財産行為(民法第13条第1項)の一部について代理権

・新しい後見制度の基本理念
 残っている能力を最大限に活用。ハンディキャップを否定的にしない。
 ノーマライゼーション(脱施設)。当たり前に暮らせる社会。
 死後事務の見直し(相続人に引き継ぐまで)

・成年後見人の役割
 専門知識ではなく、いかに寄り添えるか。
 財産管理や契約などの法律行為が仕事であり、
 食事の世話や実際の介護などの事実行為は仕事ではない。

・後見活動
 財産管理・身上監護・家庭裁判所への報告

【所感】
 仕組みそのものの概要はファイナンシャルプランナー(FP)のテキストにも出てくる内容ですので、おさらいという感覚でしたが、行政の立場で障害者ケースワーカーを13年経験された講師ということで、いわゆる現場目線でのお話を聞くことができたと思います。
 高齢者の後見はもちろんたいせつだとは思いますが、若くして後見の必要な状況にある方々とはある程度は区分けする必要があるのではないかと感じました。


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■法定後見の申立て手続きについて知ろう
 成年後見センター リーガルサポート京都支部 司法書士 玉田氏

【所感】
 実際の申立書の書式を使って、具体的な流れを詳細にお話ししてくださいました。私と同年代の司法書士さんということもあって、すっと入ってきました。
 役所(裁判所)に提出する書類だからといって過剰に身構える必要はありません。何度も説明がありましたけれど「わからないところはわかる範囲で書けば良い」それに尽きます。「後からわかったときには、速やかに家庭裁判所へ報告する」これは成年後見に限った話ではありません。


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■任意後見契約の手続きについて知ろう
 京都公証人会 公証人 園部氏

・公証人は全国に500名
 裁判官2000名・検察官1700名
 30年経験した人がなれる契約書のスペシャリスト

・任意後見も契約
 もめごとがあった場合などに無理矢理作らされていないかなどもチェック。

・中心となる将来型
・状況によって必要な移行型(現時点で既に出歩けないなどのケース)
・稀な即効型

・参照web 日本公証人連合会

【所感】
 裁判官として民事を中心に36年経験、家庭裁判所の責任者も務めてこられた公証人さんが講師でした。滔々(とうとう)と、という表現が当てはまるかと思います。よどみなく、強弱も最低限に、そしてご自身の経験も踏まえてお話しくださり、職務経験の成せる業なのだと感じました。
 任意後見の契約書における「代理権目録」も実際に資料として配付され、端々に渡る配慮も垣間見ることができました。任意後見という制度そのものよりも、希少な公証人という立場の方々への興味のほうが強くなってしまった講座でした。とはいえそれもまた後見を知るうえでたいせつなことだとも感じました。

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 将来、医療や介護において人口構造的に支援の必要な全員の受け入れが仮に難しいような社会になってしまったとしても、「自己決定の不十分な人を支援する公的な制度」である後見は全員に必要です。本人が意向・意思を表現できなければ後見が必要なわけです。

 新制度の開始直後は、親族後見が70~75%、専門家による第三者後見が25~30%だったそうですが、直近のデータではそれぞれ30%と70%で逆転しています。
 そして団塊の世代がその対象となってしまう近い将来においては対応できる専門家の数が間に合わないのではないかと個人的に考えます。

 ファイナンシャルプランナー(FP)は財産管理において専門的な知識と情報があり、身上監護においても一定の社会保険知識があるわけですので後見人に適した人材になり得ると思っています。反対に言えば、後見人が得ておきたい知識としてFPが対象になるのではないかとも思います。

 キーワードは「いかに寄り添えるか」。
 後日開催されるセミナー2日目も受講してきます。楽しみです。


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