影響を緩和する1110億円を配るために373億円かかる


 ちょっとしたことなのですが、書いておきます。
 数字をまずはわかりやすい単位に変えています。

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 14万8300円持っている人がいます。これを何人かに配ってくれることになりました。 
 対象は今の収入が少ない人です。たくさん預貯金を持っている人も、まったく預貯金を持っていない人もいますが、それは把握できないのであくまでも基準は「今の収入」です。

 配る人にも諸々の経費と手間(人件費)が掛かります。
 14万8300円のうち37300円掛かることになりました。残額は11万1000円です。
 元々の額から4分の1、約25%が減ってしまいました。

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 実際には総額1483億円・経費373億円・給付される額1110億円の話でして、平成28年度の臨時福祉給付金と障害・遺族年金受給者向け給付金です。

 そんなにも大きな経費が掛かるくらいなら他の事業にという考え方もありますが、どこに分配するにしても人の手はかかりますから劇的に経費を減らすというのは難しいのかもしれません。とはいえ元々存在している事業の予算を積み増すだけであれば、かなり経費率は低くすむケースもありそうです。


 住民税が非課税の方々(課税者に扶養されている人や生活保護の受給者は除く)には1人につき3000円(1回限り)、そのなかでも障害基礎年金または遺族基礎年金を受給している方々には1人につき30000円(1回限り)を受け取ることができます。

 先日とある相談者さんに見せていただいたのですが、返信用の封筒は料金受取人払でした。事業者(今回で言えば国)が負担してくれるのです。3000円受け取るために82円の切手を貼っていてはそれだけで経費2.7%もかかりますものね。事業費は100%国が負担する制度ですのでこういったところでも行き届いています。


 身近なところでは児童手当。0~2歳は月1.5万円、第1子・第2子が3歳から小学校卒業までは月1万円、同じ時期の第3子は月1.5万円、中学生は月1万円(他に所得制限あり)。

 額は違いますが、毎年の状況確認の書類は受け取る側が切手を貼る必要があります。児童手当の事業費がどれくらいかはあまりきちんと探しませんでしたのでわかりませんが、そもそも財源からして国・地方・企業にわかれていますので、臨時給付金のような大判振る舞いとはいかないとは思います。

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 国の目的は「低所得者に対し、消費税率引き上げによる影響を緩和するため」です。

 今回の1人3000円の給付、例えば仮に私の家族が受け取れるなら5人で15000円です。
 児童手当と同じように口座に振り込まれるでしょうから、よほどきっちり把握していない限り生活費と同じ扱いになってしまう人が多いように感じます。

 残高の減り方が若干緩和されたかなというレベルであり、何か大きな買い物をして景気対策という意味合いではないでしょう。


 繰り返します。国の目的は「低所得者に対し、消費税率引き上げによる影響を緩和するため」です。影響を緩和する1110億円を配るために373億円かかるんです。

 政(まつりごと)を私も含めた一般の生活者が理解するのは本当に難解です。
 
 受け取れるものはさっさと手続きを済ませて受け取ってしまい、もっと大きな視点で生活費や将来のお金のことを考えるきっかけになるように願っています。


 参照資料(いずれもPDFファイル)
 ・年金生活者等支援臨時福祉給付金の概要・平成28年度の簡素な給付措置(臨時福祉給付金)の概要
 ・平成28年度における児童手当制度について

 余談:児童手当は2015年度の給付予算総額2兆2299億円から少子化の影響ですよね、2016年は2兆2216億円です。差額83億円が子どもたちのために使われる予算にまわっていることを願うばかりです。



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