相続税の申告統計と財産金額の構成比


 2015年1月より相続税の仕組みが変わりました。

 <過去参照コラム>
 まずは登場人物の把握を!<2015年より相続税の仕組みが変わります>

 2014年12月までは亡くなる人のうち4%前後が相続税の対象となっていたのですが、この改正により1.5~2倍程度に増えるのではないかと言われていました。


 そして、2015年(平成27年)の統計がついに2016年12月に発表されました。

 平成27年分の相続税の申告状況について 国税庁 報道発表資料
 ※ PDFファイル注意

 相続税の申告はわかりやすくいえば亡くなられてから10ヶ月以内です。
 2015年1年間のデータは2016年10月末にすべてのデータが出揃うということになります。

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 詳しくはPDFファイルをご覧いただければと思いますが、単純に相続税の対象となった人数は2014年分の約5.6万人(4.4%)から2015年分は約10.3万人(8.0%)へ約83%増えました。

 このデータのおもしろいところは相続税の申告書は提出しているけれど、各種の特例などを使うと相続税額はゼロというケースも別途数字が記載されているというところです。
 2014年分の約1.69万人から2015年分は約3.00万人へ、こちらの増え方は約78%ということで、税額のある方々よりも少しだけ増え方が小さいんですね。


 相続税額は1兆3908億円から1兆8116億円へ30%ほど増えましたが、1人あたりは2473万円から1758万円へ約29%小さくなっています。
 このあたりはあくまでも平均ですから、一部の巨額な税の対象となっておられる方々が平均を押し上げておられるのは間違いないと思います。

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 個人的には「相続財産の金額の構成比の推移(付表5)」も興味深いです。

 現金・預貯金等の割合はこの10年ほど、ほぼ一貫して増えています。

 有価証券(株式・債券・投資信託など)は、相場を表しています。いわゆるリーマンショック後に比率は大きく下がり、アベノミクス相場でぐっと増えています。

 土地の比率もみるみる下がっているのは一部の都市部を除いた地価の下落が影響しているのでしょうか。このあたりはすみません、専門外なのでよくわかりません。


 相続税の対象となる=平均的な家庭より資産が多い
 この式はおおよそあてはまると思って間違いないと思います。

 現金・預貯金等:有価証券=30.7:14.9
 おおよそ 2:1 です。(土地も含まれているので比率に要注意)


 日銀の統計データである資金循環の2015年末のデータを比較対象にしてみます。
 国民の金融資産1783兆円の内訳です。

 現金・預金:債券・株式等・投資信託=51.8:16.4
 おおよそ 3:1 です。


 単純な試算ではありますが、いわゆる資産家と呼ばれる方々のほうが有価証券の保有比率が高いという印象が具体的に数字でわかるように思います。

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 投資や資産運用を生活や資産形成に取り入れるかどうかは人それぞれ自由です。
 でもおそらく本来は資産額が多くない人ほど、積極的とまでは言いませんが、知っておく必要のある仕組みなんだと感じることが多いです。

 20~40代などの現役世代がまとまったお金を投資や資産運用にまわせるケースは少ないでしょう。コツコツと地道に資産形成していくうえで第一候補となるのは間違いなくiDeCo(個人型確定拠出年金)や企業型DCでしょうし、個人においてはNISA(少額投資非課税制度)の活用も選択肢です。

 トランプ相場(米国の景気回復)に乗せられて大金を投じるなんてお勧めできることではありませんが、つみたて投資はいつ始めても問題ないと考える私です。


 相続税のネタから派生してしまいました。
 長文をお読みくださり、ありがとうございました。


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