不動産投資ではなく不動産事業です。


 先日、某新聞の朝刊に不動産投資の広告が大きく掲載されていまして、気になることをツイッターで書き出してみました。





 ※ 「1億総有価証券投資」です。 



 ※ 「社会保障教育」です。 

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 不動産投資という表現がよろしくないと思うんです。正しくは不動産事業です。

 株式投資(有価証券投資)のことを株式事業(有価証券事業)とは言わないですよね。
 株式や投資信託を購入するのと不動産を購入するので大きく異なるのは日々の手間です。

 株式とは出資です。出資した後はもちろん事業の行く末に対して常にアンテナをはり、市場の動向も常にチェックし続ける必要があるとは思いますが、不動産のように入居者や修繕や確定申告などにかかる手間と時間は圧倒的に異なります。

 株式は企業が成長すれば価値も上がりますが、基本的に不動産(建物)は日本において年数が建てば下がっていくしかありません(もちろんメンテナンスやオフィスビルなどでは一概には言えないと思います)

 不動産投資は事業です。ぜひ知っておいていただきたいです。

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 知り合いが「空き家を買って不動産投資で収益を得る」スキームの本を「もらったけど読まないので参考になれば」ということでくださいました。著者の肩書は収益不動産経営コンサルタントと書かれていました。

 ざざっと読んでみたのですが、とてもお勧めできる内容ではありませんのでいつものような感想記事にはまとめません。


 とにかく設定がおかしい、変で、あり得ないんです。

・2015年の本なのに住宅ローンの金利は3%(マイナス金利導入前とはいえ高すぎる)
・25歳同士のメガバンク勤務夫婦、子どもが3歳と0歳の小さなときで既に年収1200万円
・妻は結婚時に退職し、以降は専業主婦。小遣いは夫5万円・妻3万円
・5年ごとに500万円の新車購入
・子ども2人は小学校からずっと私学かつなぜか私立の医学部
・それでいて、収入(所得ではない)のうち58%は貯蓄にまわす

 などなど、、、これを「親友のファイナンシャルプランナー」と試算したそうです。


 この”理想的な生活”に必要な生涯年収は8億円を超え、なので不動産投資をしましょうという、笑えない内容でした。

 他にも老後70歳から夫婦豊かに楽しく暮らすには毎月60~70万円は必要だそうで、1億円あっても14年弱で食いつぶす、これも「親友のファイナンシャルプランナー」と試算したそうです。なぜか公的年金の存在にさえ触れられていません。

 さらには70歳から毎月100万円の家賃収入を得られる物件を保有し続ければ、110歳まで長生きしても安泰だそうです。安定的に家賃収入を得るための賃貸物件をそんな高齢で維持し続けることができるのでしょうか…。

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 この本に登場するファイナンシャルプランナー(FP)が実在するのか架空の存在なのかわかりませんが、こんな助言をしている時点でFP資格を名乗らないでもらいたいとさえ感じます。

 そして、私の中で不動産投資を推奨するFPは「無い」存在です。もちろん不動産投資のすべてを否定しているわけではありません。普通の会社員さんが一念発起して安定的な不動産事業家に登り詰められた例は本当にあるでしょうし、ご両親をはじめとして親族から引き継がれた不動産を有効に活用されている例は日本全国多々あるわけです。
 信頼できる不動産業者さんも何名も知っていますし、つながりもありますので、不動産を勧める人=お勧めできないというわけではありません。

 でも、誰もが簡単に株式や投資信託を始めるような感覚で、不動産投資(事業)を始めてみるというのは絶対にお勧めしません。


 繰り返します。不動産投資とは不動産事業です。
 始めてみるのであれば、それ相応の心構えが必須です。

 京極・出町FP相談では、普通の会社員・普通の自営業者(私を含む)に対して、不動産事業は基本的にお勧めしていません。


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