「そもそも社会的に続ける価値があるものですか?」「こうした状況をいつまでお続けになるつもりですか?」


 「資産運用ビジネスの新しい動きとそれに向けた戦略」における森金融庁長官基調講演(平成29年4月7日)
 ※ PDFファイル約340KB注意

 日本証券アナリスト協会 第8回国際セミナーというイベントで、金融庁長官による衝撃的な講演があり、全文公開されていますので少しピックアップしたいと思います。


 主には投資信託について取り上げられています。ぜひリンク先の全文も読んでみていただきたいです。
 
 投資信託は主には証券会社および銀行の担当者から勧められて購入される方々がほとんどかと思いますし、最近は金融仲介業(IFA)といって生命保険でいえば代理店のような形式で提案を受けておられる方々も増えてきているかと思います。

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■共通価値の創造

・顧客である消費者の真の利益をかえりみない、生産者の論理が横行 p1

・2707本ある日本のアクティブ型投信
  設定依頼2/3以上の期間で資金流入超
  ノーロード(購入時手数料ゼロ)
  信託報酬が一定以下
 これらを満たすのは5本 p2


■我が国の投信販売の問題点

・日本の投信運用会社の多くは販売会社等の系列会社
 系列の運用会社は販売会社のために売れやすくかつ手数料を稼ぎやすい商品を作っているのではないか p3


■顧客本位の業務運営に関する原則

・毎月分配型の投信は引き続き多く販売されている
 福利のメリットが享受できないことを理解してもらったうえで投資判断していただくのが顧客本位 p4

・正しい金融知識を持った顧客には売りづらい商品を作って一般顧客に売るビジネス、手数料獲得が優先され顧客の利益が軽視される結果顧客の資産を増やすことができないビジネス
 そもそも社会的に続ける価値があるものですか?
 金融機関・金融グループの中長期的な価値向上につながっているのでしょうか? p4
 こうした状況をいつまでお続けになるつもりですか? p5
 

■金融庁の課題

・金融商品は、その真の価値やコストが分かりにくいですが、「見える化」への努力を行っていく必要がある p6


■最後に

・これまでのやり方を続けていては、今後十年経っても二十年経っても何も変わらず、日本の資産運用業は衰退していくだけではないでしょうか。 p7


 ※ 講演録に出てくる「顧客本位の業務運営に関する原則」のリンクもご紹介しておきます。

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 いやー、すごいです。

 「そもそも社会的に続ける価値があるものですか?」
 「こうした状況をいつまでお続けになるつもりですか?」

 ここまで強い表現が使われている講演録です。しかも金融庁のwebサイトで公開されているんです。


 金融機関の営業担当さんは顧客に損をさせようと思っているわけではないでしょう。だって、損をさせてしまうばかりでは取引を続けてもらえないですから。
 そして、こうした流れでもうまく儲け(収益)を得てきた人が多い事実もたくさんあるでしょうから、一概にすべてがこうして強い表現を使われなければならないとも感じません。

 ただ、現場レベルではそうであったとしても、獲得した手数料でしか評価されない金融機関の制度は好ましいものではないでしょうし、他の比較対象は存在も知らせないままに今はこれを売りなさいという指示が出ているのも実際に耳にします。
 欧米のように低い手数料(消費者にとっては最適!)であれば日本において金融機関は収益を今ほどに稼げないということになるでしょうし、手数料で稼げないのであれば他の収益源を探す必要が出てきます。


 私が資産運用について相談をお受けするケースではプラスやマイナスは結果論としても、提案されている・保有されている投資信託の販売手数料と信託報酬(運営管理費用)は高額なものばかりで驚きを超えて感心してしまうほどです。

 百歩譲って仮に高額な手数料であっても顧客が常に利益を得ているなら、もしかするとここまで問題にならないのかもしれません。でも、こんな時代ですから決してそうではありません。

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 既に退職された元ベテラン銀行員さんから聞かせていただいたことがあります。

 「定期預金を預かってもごくわずかな収益なのに、投信だったら3%も稼げるんよ。保険だったら6%とか。嬉しかった覚えがあるよなー」


 答えは1つだと思います。

 消費者である私たち自身が知識と知恵を得ること。

 そんなことできないとおっしゃる場合には金融商品には手を出さないことです。金融機関の担当さんは良くも悪くも営業のプロです。良くも悪くも言葉は巧みです。


 「よくわからないものは買わない」

 改めて大原則だと感じますが、マイナス金利の時代ですから若い世代が将来に向けて資産を形成していくうえでは、金融商品の活用は必須だと考えます。さじ加減は難しいですし、ポジショントークとなってしまいますが有料のFP相談を対案として検討してもらいたいと願う次第です。
 ただし、気をつけないといけない点もあります。例えば京極・出町FP相談は「投資運用業」や「投資助言・代理業」の登録を受けていませんので、個別具体的な株式の銘柄や投資信託等をご紹介することはできません。ご承知おきください。
 金融商品の種類や手数料の仕組み、何を目的としていつに向けて投資・運用に取り組むのか、資産配分やリバランスの考え方などをお伝えすることは可能です。

 京極・出町FP相談 資産運用相談

 皆さま、いつもありがとうございます。



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