”「年金問題」は嘘ばかり”読みました。


 ”「年金問題」は嘘ばかり ~ダマされて損をしないための必須知識~”(2017年3月29日 第1版第1刷)を読みました。

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 著者は元大蔵省にお勤めで現在は嘉悦大学教授の高橋洋一さん。ツイッターはこちら。あおり系の表現が特徴的です。もちろん面識はありませんが、ツイッターをフォローしていまして手に取ってみました。


 いつも通り、アウトプットとしていくつかポイントを引用させていただいての所感を書くスタイルです。当然ながら引用部は私の独断と偏見によるものです。

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■プロローグ 「年金が危ない」と強調して「得をする」のは誰だ?

・年金のように暮らしのお金に直結するテーマについては、ファイナンシャル・プランナーが記事を執筆することも多いですが、彼らも「年金は危ない」と多くの人に思っていてもらったほうが好都合です。(中略)やはり、何らかの不安があったほうが、相談者は増えるはずです。 p15


 私にとって核心の内容です。このブログを読んでくださっている皆さまは私が「年金が危ない」とは言っていないことをよくよくご存知だと思います。

 ファイナンシャルプランナー(FP)が「年金は危ない」と発信してしまうのは、依頼主からそのように指示があって書いているか、もしくは本当にわかっていないかの二択です。FPを学ぶテキストや講座で本質的な仕組みまで触れられていることはありません。あくまでも学ぶのは制度の仕組みだけです。
 ですので、後者のケースが多いと感じていまして、それはFP資格を保有していてもメディアから発せられている情報に踊らされているという結果だとしか思えません。でも学ぶ機会がありませんから致し方ないと言えばそれまでです。私からも言えることは、公的年金は信じられないとか無いものとして考えるとか発している人は信頼性はゼロで問題ありません。


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■第1章 これだけで年金がほぼわかる「三つのポイント」

・年金は長生きした人が得をする「保険」 p26~
・「国民年金は未納率が四割」のカラクリ p36~

■第2章 「日本の年金制度がつぶれない」これだけの理由

・「給付カット法案」などという批判は笑止千万 p71~
・公的年金というのは最低限の「ミニマム」の保障です。 p90
・「公的年金破綻説」はことごとく間違っている p108~


 痛快とも言える部分です。将来受給額の試算部分の解説は特にわかりにくいかなと感じますが、制度全体の話は小気味よくまとめられています。いかに世の中にあふれている情報が的を得ていないかがわかります。

 でもこの部分に関してはきちんと理解したいのが本当のところです。
 理解のためのお勧めはやはりこちらです。
 ”ちょっと気になる社会保障 増補版”読みました。


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■第3章 年金に「消費税」は必要ない
■第4章 欠陥品「厚生年金基金」がつぶれたのは当然だった
■第5章 利権の温床GPIFは不必要かつ大間違い
■第6章 「歳入庁」をつくれば多くの問題が一挙に解決する


 国家公務員時代にかなり切り込んで関わってこられた自負からだと思いますが、(うまく表現できなくて申し訳ないのですけれど)自慢話的な書き方をされているところが残念です。

 年金積立金の運用についての持論も、考え方はそれぞれあっていいと思いますし議論は大事だと思います。でも運用のことを一貫して「財テク」と表現されていることから主張に信頼性がなくなってしまっていると感じます。残念です。

 マイナンバーと歳入庁への考え方は個人的に賛成です。数年や十数年先ではなく、何十年も先を考えれば動きがあってしかるべきだと感じます。税も含めた幅広い視点は著者の経歴があるからこそですから関心をもって読めました。


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■第7章 年金商品の選び方は、「税金」と「手数料」がポイント


 p196に出てくる「貯蓄型保険」とは、一時払の変額年金保険を意味するのだと理解しました。このあたりの用語の使い方は誰か事前にチェックが入っていれば良いと感じました次第です。

 そして個人では投資信託以外では購入できず、投資信託での購入は勧められないと書いているのに候補として挙がっている「物価連動国債」。著者が生みの親だそうです。「個人販売が認められていないのは残念です」とありましたが、購入できないものをこの章で取り上げられていることが残念だと感じました。


 最後の文章を引用します。

・自分自身、そして家族のための人生です。変な「思惑」に乗った情報に踊らされて、思わぬ「損」をこうむらないよう、ぜひ真実を知る努力を続けてください。 p205

 考え方は大賛同です。本当にその通りです。

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 そして、FPの業界誌にもお勧めの新刊として紹介されていました。
 紹介文を一部抜粋します。

 「「公的年金は破綻する」。いつの時代にも言われていることだ。しかし、著者によると、現在の制度をきちんと運用すれば悲観する必要はないという。」

 いかがでしょう。この書き方。
 FPが悲観しないことは大前提となっていないんです。プロローグの内容につながってしまって当然ですよね…


 今回はあえて購入リンクをつけないでおきます。お勧めしたい部分とお勧めしにくい部分がはっきり共存していて、公的年金をある程度わかっている人でないと変に伝わってしまう可能性があるからです。

 公的年金に関して大推奨はこちらです。
 ”ちょっと気になる社会保障 増補版”読みました。
 何度も登場させてしまってすみません。この本を読まれたうえで今回の本を読んでみられるのでしたらお勧めできます。


 長文をお読みくださり、ありがとうございました。


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