”定年男子定年女子”読みました。

 
 ”定年男子定年女子 ~45歳から始める「金持ち老後」入門!~”(2017年2月27日 第1版第1刷発行)を読みました。

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 著者は社会保険労務士・FPの井戸美枝さんといつもお世話になっている株式会社オフィス・リベルタス代表取締役の大江英樹さん。大江さんのfacebookページはこちら

 今回もありがたいことに、いわゆる献本いただいてしまいました。大江さんのお気遣いに感謝を申し上げます。大江さんは次々と新刊を出しておられ、この本の後にも共著を含めると2冊出しておられ、別途予定もあるそうです。

 井戸さんとは面識がないのですが、共通の知り合いが多いのでいずれどこかでお会いできると思っていますけれど、本にも書いてあります通り井戸さんは人見知りだそうで私は出不精ですので、もしかすると接点は生まれないかもしれません(苦笑)


 いつも通り、アウトプットとしていくつかポイントを引用させていただいての所感を書くスタイルです。当然ながら引用部は私の独断と偏見によるものです。


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■第1章 「金持ち老後」のために知っておくべきこと

・例えば、現役時代の1ヵ月の平均給与が36万円の会社員で妻が専業主婦という夫婦の場合、65歳から90歳まで受け取る公的年金の合計は、およそ6750万円です。 p36-37

・公的年金は破綻しないってホントに本音? p56~


 細かいことですが、試算しておきます。

 国民年金部分の受取額を満額の年80万円とします(2017年度は779300円/年です)。65歳から90歳までの25年間で夫婦2人分ですから、80万円×25年×2名=4000万円です。
 次に厚生年金です。この収入条件で20歳から60歳まで40年間働いたとして、厚生年金部分の受取額は約94.7万円です。25年分で約2368万円です。

 合計すると約6368万円で、382万円足りません。平均給与にボーナス(賞与)が含められていないのかもしれませんし、妻にも実は厚生年金の期間があるのかもしれませんし、年齢差による加入年金があるのかもしれません。2003年3月以前の会社員の年数が長ければもう少し増える可能性もあります。でも、詳細がわかりません。

 前回の感想記事にも書いたことと同じなのですが、この本は公的年金の解説本ではありませんからすべての条件が詳細に書かれている必要もないのかもしれません。しかし、公的年金についてもそれなりに詳しい大江さんにしては省略されすぎのように感じてしまった次第です。今回でいえば、社会保険労務士の井戸さんも共著なのですから紙幅の関係があるとはいえもう少し条件を示していただきたかったと感じます。なお、井戸さんが担当されている項目(53ページ)の事例では詳細な条件が示されています。


 今回も手前味噌ではありますが、紹介しておきます。
 <京極・出町FP相談 オフィシャルサイト> ねんきん相談


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■はじめに 「老後破産」が不安なあなたに

・老後が不安なら、老後をなくせばいいのだと思いついたのです。人は働くことをやめたときから老後が始まるのだから、可能な限り働き続けたほうがいい p9


■第2章 月8万円の収入で「老後の赤字」は消える

・定年後も働くことこそ、老後不安の最強の解決法 p64~


 この本で大事なのはこの部分です。いつも書いていますが「老後不安」「老後破産」という言葉は私は好きではありませんし、大江さんもいつも「本のタイトルは著者が決められません」とおっしゃるように、自ら進んで使っておられるとは思えません。

 私が日々お受けしている相談対応でも皆さんおっしゃいます。お子さんの誕生や住宅購入を検討されているときに「家や子どもにお金がかかるけれど、老後に向けてもお金を貯めていかないといけないですよね…」です。

 いつも私は極論を先に言います。「子どもの教育費負担が終わったときに貯蓄がゼロでも夫婦2人がその後も働けば何とでもなります」これです。これで解決するケースがほとんどです。もちろん老後資金(リタイア後資金)は貯められるほうが良いのは間違いありませんし実感がわかないかもしれませんが、例えばリタイア後の資金が足りないからといって、子どもの教育費負担を大幅に減らすというのは現実的ではありませんよね。子どもは子どもで、奨学金でも教育ローンでも何でも借りれば良いという考え方を否定するつもりもありません。あくまでも極論の選択肢です。

 給料が当たり前に増えていかず、晩婚化で子どもの手が離れるのも平均的には先になり、住宅は妥協しないものを買う、昔と違って通信費が大きくかかり続ける、こんな時代に60歳や65歳の定年でピタッと収入を得ることをやめてのんびり暮らすという考え方は捨ててください。現役時代と同じような負荷で働き続ける必要はありません。細く長くが目標です。これからはそんな働き方も増えてくるはずです。人が増えていかない社会なのですから。

 もちろん大前提は健康であることです。こればっかりは何とも言えないかもしれませんけれど、長く健康でありたい気持ちは多くの人が持っているはずです。


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■第3章 病気と介護にかかるお金 ホントのところ

・医療+介護でひとり800万円を見ておこう p118~

■第4章 幸せな老後のために45歳からやっておくべきこと

・ひがむな、ひるむな、引っ張るな p182~

■あとがき


 具体的な金額の提示を見る際には必ず前提条件を確認してください。いきなり将来800万円を一度に負担しないといけないケースはほぼないでしょうし、実際には受け取る公的年金額で補える部分もあるのは間違いありませんから、きちんと確認することが大事です。

 本としては「あとがき」があるとはいえ、iDeCo(個人型確定拠出年金)の解説の後、唐突に終わってしまっている感があり残念です。トピックに触れて完了というのは確かにありなのかもしれないですけれど。


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 ちなみに巻頭ページにある「金持ち老後or貧乏老後?20のチェックリスト」につきまして、私の結果は次の通りです。

・暮らしのチェック
  2つ…精神的にも社会的にも満足度の高い豊かな生活を送ることができそうです。
・お金のチェック
  2つ…極めて健全です。老後のお金の不安はあまりありません。

 だそうです。私には定年はありませんが、先日40歳になりました私からすると20~25年先であり、この本に書かれているさまざまな仕組みはその内容が大きく変わっているかもしれません。
 でも、考え方は不変でしょう。さまざまな選択肢を得ておくという意味合いにおきましては、45歳前後やそれ以上の方々だけでなく若い人たちでも読んでおかれてまったく問題ありません。そんな本でした。

 大江さんの本はこれまで9冊で感想を書いていまして、これが10冊目です。
 すべてに共通しているのは全体を通しての読みやすさ、表現の柔らかさです。
 

 金融機関や金融商品の選択をはじめ、投資や運用は自己責任でお願いします。

 

 参考までに前回9冊目の感想はこちらです。
 ”教科書にないお金の増やし方・守り方”読みました。
 ※ この記事の途中にリンクを紹介しました「前回の感想記事」と同じです。

 長文をお読みくださり、ありがとうございました。


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