1人暮らしと違って施設の維持管理はすべて職員さんが対応なので安心 / 有料老人ホーム京都フェスタ2017


 有料老人ホーム京都フェスタ2017「はじめの一歩を間違えないために 高齢期の住まい選び基礎知識」を受講しました。

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 60分の講義と、実際に有料老人ホームへ入居されているお二人からの生の声を聴く30分のパネルディスカッションという形式でした。

 配付資料のタイトルと講演で私が気になったポイントだけ書き出します。

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■講師 エイジング・デザイン研究所 山中由美氏

<1.>住み替えは自立のとき?介護が必要になってから?

・元気なうちに入居する自立型と介護が必要になってからの介護型

自立型
・元気なうちから最期まで
・35~70㎡のマンションというイメージ
・バス・トイレ・キッチン付、共用スペースが広く多い
・入居時に一時金が必要
・数が多くない 京都では74軒中11~12軒

介護型
・介護が前提のため安全性重視
・18㎡ほどのワンルーム、共用スペースが少ない
・介護保険改正の影響を受けやすい


<2.>複雑怪奇な『施設の種類』を理解しよう!

介護保険施設1 特別養護老人ホーム(特養)
・2015年から原則的に要介護3以上、それまでは要介護1以上
・終の棲家にもできる
・30万人待ち。施設の定員に空きがあっても
 利用者:職員=3:1が必要なため職員不足で入居できないケースも
・利用者は要介護度や他の条件によって施設側が選べる
 申込順ではない
・改正前は月の利用料は一律で約8万円
・改正後は1.5~2万円upし、月10万円のイメージ
 公的年金などの収入によって負担割合が2割の人はさらに月2万円up
 資産1000万円以上の場合はさらに月2万円アップ

介護保険施設2 老人保健施設(老健)
・要介護1以上
・入居期間は原則3ヶ月
・病院と家の中間
・住み込みの集中したリハビリ施設
・在宅強化型老健という1ヶ月の施設も
 スーパー強化型リハビリというイメージ
・費用は「1」と同じ

介護保険施設3 療養型医療施設
・要介護1以上
・2018年3月末で廃止されるが、経過措置が6年ある
・介護医療院として病院の施設内が中心となる
・税が投入されており安く入れるため希望者が多く入居難

福祉系施設1 ケアハウス
・介護の家ではない
・福祉の職員はいるが介護の職員はいない
・介護が必要であれば組み合わせる
・身の回りのことは自分でできること
・21㎡以上(8畳+キッチン)
・要介護3になると移る必要がある
・公的年金180万円程度で、3食付きの利用料が月7~8万円

福祉系施設2 認知症高齢者グループホーム
・要支援2以上かつ認知症の診断が条件
・定員は1ユニット5~9人、個室が原則
・料理など普段通りの生活で共同生活というイメージ
・何もやらなければ認知症が進んでしまう
・費用は「1」と同様だが、施設によっては月18~20万円のことも

福祉系施設3 有料老人ホーム
・本当にピンキリ
・京都では入居一時金ゼロ~1億円、全国最高は東京で4.5億円
・入居一時金が安いほどにトラブルが多い傾向にある
・メニューは栄養士によって作成
・年に2回の健康診断
・提携の医療機関が近くにある

住宅系施設1 サービス付高齢者向け住宅(サ高住)
・2011年から始まった、京都でも130棟
・国交省所管のため建物にはうるさいが介護は別
・サービスとは安否確認と生活相談の2つであり食事と介護ではない
・介護や食事などの生活支援が必要であれば別途オプション

住宅系施設2 分譲型シニアマンション
・本当は施設一覧に含めたくない
・7~8年前によく売れたが今は…
・老人ホームは利用の権利、マンションは自分の財産(所有権)
 1階に診療所(テナント)があったり、レストランや大浴場もあって
 管理費は一般のマンションの4~5倍など高い
・これだけ管理費の高いマンションが将来売却可能なのか疑問
・駅前など普通のマンションがお勧め


<3.>高齢者の住まい 民間施設<分類と比較>
<4.>介護費用は「定額制」と「積算制」

介護付有料老人ホーム
・行政から認定を受けている「特定施設」
・介護サービスは施設内のスタッフが対応
・介護保険は定額制(月単位)
・要介護3以上だと定額制がお勧め

住宅型有料老人ホーム
・介護サービスは別授業所のスタッフが対応
・サービス内容は自分で選ぶ
・介護保険は出来高(積算)制
・要介護2までだと積算制がお勧め
・介護度に応じた限度額を超えたら全額自己負担


<5.>見学時のポイント

・制度は2~3年ごとに変わってくる
・建物の新旧はポイントではない
・実際に足を運んで宿泊体験もお勧め
・1つの事例
 トイレの緊急呼び出しボタンの位置
 倒れてしまったときでも押しやすい場所にあるのか


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■パネルディスカッション
・Aさん 64歳で郊外・大規模(500名?)型へ入居し、9年経過
・Bさん 70代で都市・小規模(40名?)型へ入居し、8年経過

・入居のきっかけは1人暮らしで将来が不安

・自然豊かで気に入っている(Aさん)
・祇園祭なども楽しめて気に入っている(Bさん)

・エアコンの清掃・蛍光灯の取り換え・各種故障/修繕など、
 施設の維持管理はすべて職員さんが対応なので安心
・台風や地震など、1人だと心細いがここだと安心
 (施設には3日分の食料と自家発電が備わっている)

・施設にいても元気なので友だちと旅行もできるし、
 行動が制限されることはない
・施設内でのサークル活動なども自由

・入居一時金で財産はかなり減ったが(笑)
 安心感には代えられない。とても満足している(Bさん)

・入居のタイミングは人それぞれだと思うが
 高齢になってからの引越や契約書の理解は大変
 新たなコミュニティー作りは60代~70代前半など若いほうが良い

・同じ施設内には苦手なタイプの人だっていて当然
 大人なのでさけたり、うまく付き合ったりできる
 これは町内やマンション内でも同じでは?


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■所感

・20年で700施設以上を見てこられたということで情報満載でした。60分では話し尽くせないことが伝わってきました。資料には無い情報を比較的早口で話されていたことが(私にはちょうど良かったのですが)高齢者の方々にどれだけ伝わっていたのかはわかりません。

・施設の分類や制度は確かに複雑です。私は実際に見学等をしたことがないのでわかりません。とはいえ、複雑性や用語の使い方(定義)などを講師が「国はそういうことをしますから」と高齢者に対して国を下げるようにあおるのは何の意味もなさないと感じたことだけが残念でした。

・実際に有料老人ホームに入居されているお二人のお話しは印象に残りました。私の地元でも90代の1人暮らしから、70代で施設に入られた人もいます。人それぞれであることはもちろんですが、違う世界を一度見てみるという意味合いでの見学も大事な選択肢だと改めて感じました。

・事前に情報を得ておくことは大事です。基礎知識は間違いなく役立つでしょう。でも実際には制度はこれからも変わっていきますし、次々と新しい情報も出てくることでしょう。若いうちから遠い将来の介護や高齢時の住まいを考えることの難しさはもちろん、リタイアに近い方々が約10年後などを見通すことでさえも容易ではないと感じました。


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 山中さんのwebサイトでは「1級ファイナンシャル・プランニング技能士」と正しい名称が書かれているのに、今回のイベントの案内では「1級ファイナンシャルプランナー」とありました。

 3級・2級・1級は国家資格の「ファイナンシャル・プランニング技能士」でして、2級相当のAFP・1級相当のCFPが「ファイナンシャル・プランナー」です。なので厳密には「1級ファイナンシャルプランナー」というのは本来は×です。こういうの気になってしまいます。


 なお、私も専門家の端くれとして無料のセミナーでしたし満席(300席)であれば受講は控えておこうと考えていました。開始の前に受付で確認し、ある程度は席に余裕があり1席の空きも出なかったり立ち見が出るような満席になる可能性は低いということでしたので受講させていただきました。関係者の皆さまに感謝を申し上げます。

 <過去参照記事> ホーム見学会の感想で最も多いのは「狭い」/ 有料老人ホーム京都フェスタ2013


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