約1.2L / 骨髄バンクのドナーになりました。


 今年の春、こんな記事を書きました。

 「骨髄提供までは進みませんでしたがドナー候補として経験したことをまとめます

 この記事を書いた後、少し間があいたのですが別の患者さんで改めてドナー候補に選ばれまして夏~秋のとある日に骨髄提供してきました。今回の記事はその記録です。

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■入院35日より以前

 妻も同席のうえ最終同意面談、医師から説明を受けました。
 とても丁寧に説明くださいました。
 

■入院35日前

 採取前健康診断、肺活量の検査が難しかったです。


■入院22日前

 自己血(400ml)1回目+麻酔科の説明

 ・自己血とは献血と同じ要領です。
  骨髄とは血の元ですから採取によって大量に血を失うのと同じです。
  輸血ではなく自分の血を戻せるようにしておきます。

 ・麻酔の説明は最終同意面談と同時に対応してくれる病院とそうでない病院があるそうです。今回の病院は別での説明がありました。最終同意面談とはまた異なる医師ではありましたが、同様にとても丁寧に説明くださいました。


■入院9日前

 自己血2回目

 いわゆる血液検査での採血とは違って、ベッドに横になりますので本を読みながらなど、ラクなものでした。

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 入院はこんなスケジュールでした。

 1日目 入院+血液検査
 2日目 採取(全身麻酔)
 3日目 安静
 4日目 血液検査+退院


■入院1日目

・10時前後に入院

 骨髄バンクのコーディネーターさんが付き添ってくれます。

 入院代(医療費)はかかりませんし、食費(入院食)もかかりません。個室であっても差額ベッド代もかかりませんし、私はありがたいことに個室でしたが病室の空き状況によっては大部屋になるケースもあるそうです。でも、基本的には配慮してもらえることが多いそうです。

・非常時の避難経路・風呂(シャワー)のシステムをはじめ、施設を一通り案内

・採血(血液検査)


・全身麻酔による採取ですので「T字帯」を購入、450円。
 わかりやすく言えば医療用(ガーゼタイプ)のふんどしです。

 これは自己負担での購入ですが、骨髄バンクさんから入院支度金として5000円が支給されます。
 テレビカード(部屋によっては冷蔵庫にも必要)などもこのお金でまかなってくださいねという意味合いのようですが、今回はありがたいことにテレビも冷蔵庫もカードを使わないタイプの部屋でしたので、費用負担はありませんでした。(でも、実際にはほとんどテレビも見てないですし、冷蔵庫もほぼ使わず…)

 話は戻りますが、T字帯はノーマルT字帯とブリーフ型の2種類があり、医師や看護師からは特にどちらか指定がなかったので、購買の人に聞いてみたところ「女性はブリーフ型を選ぶことが多い」いうことでノーマル型にしました。


・昼ごはん
・夜ごはん

 麻酔科・手術チームの看護師さん・薬剤師・担当医師、それぞれからの説明が急に病室に来られて始まります。

 1つだけ私が気になっていたのは尿管への導尿カテーテルでした。全身麻酔ですから挿されるのは致し方ないのですが、麻酔がきいている間に抜いてもらえるのかです。意識がはっきりしているときに抜かれるのは痛そうな気がしていましたので…

 結果として最近は採取時間が長引いてしまいそうに場合に使われるそうで、基本的には使わないということで、ひと安心でした。


 1日目は基本的に何もすることはありません。私は普通に仕事してました。ノートパソコンや個人情報を含まない資料、仕事道具を結構しっかり持ち込みました。延長コードを持ち込むと便利だと思います。


 21時以降は食べられません。飲み物はOKですが、お茶か水に限定されます。

 就寝前に下剤を服用します。下剤といっても寝てるときにおなかが痛くなったりするような強力なものではありません。

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■入院2日目

・食事

 朝食はありません。朝9時以降は水分補給も禁止されます。
 ちなみに便が出なければ浣腸されます。私は出ました。


・準備

 10時くらいに手術着に着替えておいてくださいと言われました。(T字帯はまだです)
 9時50分くらいにナースルーム横の処置室に呼び出され、まだ10時じゃないしと思っていたらその時には着替えてあるほうが良かったみたいです。
 最後の採血と手術に向けた点滴用のライン確保で、健康ですが点滴につながれた生活が始まります。ただの生理食塩水です。落ちるスピードも極遅です。

 当初は13時ごろに手術室へ行くことになりそうだと聞いていましたが、少し早まりそうで12時~12時30分かなとお話があり、普段から朝ご飯を食べないとおなかが減って動けなくなる私ですので、早まるのは嬉しくて嬉しくておなかがグーグーなりながら待機していました。
 でも、13時になれど呼ばれず、前の手術に時間がかかっているようで最終的には14時20分ごろの呼び出しとなりました。


・手術室へ

 担当(入院病棟)の看護師さん、付き添いの妻と一緒に歩いて手術室入口へ。

 実はいつも精巣腫瘍患者友の会(J-TAG)でお世話になっている共同代表さんが応援(激励?)で駆けつけてくださっていました。
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 撮影者:共同代表さん

 なので、こんな不謹慎かもしれない感じになっています(すみません
 私自身は本当に何も不安は感じていませんでしたし、共同代表さんとしっかりコミュニケーションの取れている証だと理解してもらえると嬉しいです。

 そして、この共同代表さんが一般的な手術の話を聞かせてくれましたので、私よりも妻の不安が小さくなりました。本当に感謝していますし、普段のピアサポートでもご本人やご家族はこんなふうに気持ちが和らぐのだと実感しました。共同代表さん、本当にありがとうございました!!


 手術室の入口からは手術チームの方々に引き継がれ、手術室前の待機所のようなスペースで改めて最終同意書にサインし、歩いて手術室へ。


・手術台へ

 2段の足場をのぼり、事前には聞いてましたが横幅の狭い手術台で横になります。
 上半身の手術着(のボタン)をはがされ、心電図や血圧や血中酸素などを測定する器具を次々に取り付けられます。

 そして、酸素マスクをつけ、麻酔科の先生から「体中が温かくなる感じがしますからねー」と言われ、ほんの十数秒くらいで確かに温かくなり、「温かくなってきましたー」と伝えた直後くらいから記憶がありません。麻酔が効いたようです。

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・採取完了

 声が聞こえました。
 「伊藤さーん、終わりましたよー、聞こえますかー」

 無言でうなづく私。
 痛いとかしんどいとかはなくて、眠たくてまどろんでいるようなイメージです。
 「4時半ですよー」とも聞こえました。
 14時30分くらいに始まりましたのでちょうど2時間です。

 そこからまた寝てしまったようです。また声が聞こえます。
 医「お部屋に戻りますねー」
 私「はーい… あっ、もう一度時間を教えてくださ…」
 医「5時ですよー」

 頭ははっきりしていませんが思考は動き出した感覚がありました。でもまだ身体は寝ていて、目を閉じれば寝られるような感じです。
 私は目が悪いのでメガネを外していれば目を開けていてもあまり見えませんからその点でも目を閉じていました。


・寒気

 膝が震え始めます。寒気がしました。ガタガタ震えてるのがわかりましたので「とても寒いです」と伝えたところ、すぐに電気毛布をかけてくださいました。手術室に用意があるんでしょうね。

 手術台からストレッチャー(移動できるベッド)に移され、部屋に向けて移動が始まりました。手術室から手術室の入口、専用のエレベーター、廊下、部屋とすべて歩いてきたところを戻っているのがよくわかりました。

 まだ寝ているような頭の感覚でしたが、病棟の看護師さんが途中で声をかけてくださり、返事をしたのと手を振ってこたえたのを覚えています。


 部屋では妻が待ってくれていました。病室に戻ったのは17時15分くらいです。ストレッチャーから病室のベッドに「せーの」で移され、とにかく寒気が強かったので電気毛布と布団をかけられ、妻が手で足首から下を温めてくれました。

 あとから確認したところ電気毛布の設定は弱→中→強のさらに上をいく「ダニ退治」にしてくださっていました(笑)
 おかげさまで1~2時間で、電気毛布無しでも大丈夫なくらいに回復しました。

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・採取後

 水分補給のための点滴はつながれたままです。人によっては麻酔の影響などで吐き気が残ったりするそうですが、私は何も問題ありませんでしたので19時すぎ(部屋に戻ってきてから約1時間半後)には飲んで良いと許可が出ました。

 19時30分から採取後の採血があり、20時30分(部屋に戻ってきてから約3時間後)に採取部の傷口を医師が確認してくれました。

 若干の発熱はありましたが、晩御飯は普通に食べました。普通といってもカラダがびっくりしないようにかなりゆっくりめによくかんで食べました。

 血液の数値上は貧血なので、立ち上がるとき(トイレに行くとき)は急に立ち上がらないこと、看護師さんを呼ぶようにと言われていました。

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 ※ 画像はクリックすると全体が表示されます。(以降も同じ)

 身体をひねるのは痛みがありましたので、この時からいわゆるリハビリが始まっていたように感じます。ゆっくり体の向きを変えたり、起き上がったり、少し立ってみたり。おそらく問題なさそうでしたけれど、トイレに行くときは看護師さん呼びました。でも大丈夫でした。

 ちなみにトイレに行ってからT字帯からパンツへはき替えました。
 

・採取の跡

 お尻の上、背骨を挟んで腰の両側に2ヶ所ずつ計4ヶ所の傷跡が今もわかります。

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 ※ 写真は採取5日後、自宅で撮影しました。ただのかさぶたです。


 採取直後は圧迫しておくほうが治りが早いという説明を受けていましたので、採取当日の夜はそれなりに痛かったのですが、分厚く貼られたガーゼに腰を押し付けるようにあおむけで寝ていました。

 麻酔でぐっすり寝ていたのと、痛み止めを飲んだとはいえ痛みがあって夜はあまり眠れませんでした。でも、深夜から明け方にかけて少し寝れました。

 看護師さんが何度も様子を見に来てくださり、声もかけてくださったのがありがたかったです。

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■入院3日目

 採取の翌日はリハビリです。リハビリといっても自主的なもので、座ったり立ったり歩いたり。簡単に書いていますが、1つひとつの動作にかなり気を遣いました。だって痛かったですもの。

 朝食後に傷口の消毒とガーゼの張り替えがあり、このときから普通に動かしていいよ、むしろ動かしてくださいと言われ、人によっては何の影響もない(女性に多い?)そうなのですが私は結構大変でした(笑)


 たった半日~24時間ほどできるだけ動かさないようにしただけで(もちろん骨髄採取とは骨に多数の針を刺すわけですから骨に穴があいている状況とはいえ)、これだけ身体が固まってしまうのかと驚きました。

 いつも通りの歩き方はできませんでしたので、変な歩き方でしたけれど廊下を歩いて階段を昇り降りして、できるだけ身体を動かしました。もちろん熱は下がっていつも通りの平熱に戻っていました。


 吐き気がなくて飲み食いできていたので9時すぎには点滴から解放されました。これはかなり大きな変化でした。

 前夜があまり寝られなかったので、1時間弱ほど昼寝をしました。


・入浴の代わり

 前日はお風呂に入れませんでしたし、2日目も入浴禁止でしたので、温かい大きなおしぼりのようなタオルが支給されます。10枚くらいが透明の袋で渡されまして、色ごとに顔用・体用・デリケートゾーン(?)用と説明を受けました。さっぱりしました。

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 使用済みの写真ですみません。

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■入院4日目【最終日】

・最終確認の血液検査

 朝一番で採血し、貧血の状況を確認しました。いつもの状況よりは数字としてかなり貧血気味でしたが大きな問題はないということで退院です。

 改めて書きますが、骨髄とは血液の元です。私の場合、約1.2Lの献血をしたのと同じです。自己血を戻しながらの採取なのですが、それでもやはり数字では貧血でした。


・退院

 骨髄バンクのコーディネーターさんが退院の手続きに付き添ってくださり、見送ってくださって帰宅です。

 リハビリも兼ねて歩いたり公共の交通機関で帰りたいと思っていましたが、仕事道具も持ち込んでいたので荷物が多く、タクシーを利用させていただきました。もちろんこの費用も手続きすれば後日精算されます。


・帰宅

 子どもたちがいつも通り迎えてくれました。
 
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■退院後の所感

・食事

 人によっては病院食は苦手かもしれませんので、食費はかかってくるかもしれません。私はまったく苦にならないどころか普通においしくいただきましたし、意外とボリューム満点で、ちょっと太ってしまうんじゃないかと思ってしまったほどです。

 ただ、これも4日間でしたからそう思えるだけで、もっと長期の入院になれば違った感想になっているかもしれません。


・仕事など

 退院の翌日から事務所で仕事をしていましたし、退院3日目からは相談も対応しました。同じ日には仕事の打ち合わせで、徒歩とバスとで移動もしました。歩き方は変でしたけれど、何とかなりました。

 でも、しばらくイスにはもたれにくかったです。腰がぶつからないように背中でもたれてました。


 退院1週間後には講師対応もこなせました。行き帰りの移動はぎこちなかったですけれど、講演中に変な動きにはならなかったと思います。

 退院10日後にはお酒を飲みにも行きました。退院後、初めての飲酒だったのでかなり控えましたけれど。

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■退院2~3週間後

・採取後検査

 採血し、担当医師から結果を聞きました。多少の貧血は数値上で残っていましたが、おおよそ正常の範囲に戻っていまして、ひと安心です。

 ヘモグロビン(カッコ内はヘマクリット)の下限値を100%としたときの乖離です。
 ・採取前健康診断時 108%(109%)
 ・入院1日目 97%(93%) ※ 自己血2回採取後のため
 ・採取日の夜 86%(84%)
 ・退院日の朝 83%(84%)
 ・採取後検査 98%(99%)
 うん、戻っています。


・書面が届きました。

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 患者さんの治療がうまく進んでおられることを願うばかりです。

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■その後

 1ヶ月後くらいに家族で出かけたのですが、もう何も違和感はありませんでした。生来の乾燥肌ですので、傷跡のかさぶたにはオロナインを塗ってましたがそのくらいです(笑)

 ご存知の通り、今は何も問題ありません。
 普通にもたれられますし、前屈も可能です!


 そして、こんなものも届きました。

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 さらにはこんな手続きも完了しています。

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 京都市ではドナーに対して最高14万円の奨励金があります。
 ありがたく受け取りまして、妻と子どもたちのために使わせてもらいました。

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 日本骨髄バンクの会報です。

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 最新のデータはこちら。
 骨髄バンク事業の現状(ドナー登録者・移植例数等)

 2017年11月末現在でドナー登録数481699名、移植数21403例です。ちなみに私が保有しているファイナンシャルプランナーの上級資格CFPは12月1日時点で21186名ということですごく近いですね^^

 希少な仲間入りをしてしまったのかもしれませんし、日本全国では1ヶ月で100名近い移植が行われているわけです。いやー、すごいです。

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 冒頭にリンクをご紹介しました「骨髄提供までは進みませんでしたがドナー候補として経験したことをまとめます」の通り、私はたまたまです。
 
 患者会さんのお手伝いをしていなかったり、今のような仕事をしていなくて会社員のままだったら、選ばれたとしても提供まで進めていなかったかもしれません。

 私は日々、精巣腫瘍の患者会さんでアドバイザーを務めていることからも手術前の心構えとでもいうのでしょうか。身をもって経験できましたので、表現が難しいのですが良い経験をさせてもらいました。

 <参照ブログカテゴリー> 精巣腫瘍患者友の会ピアサポート


 
 これが記録のすべてです。

 コーディネーターさん、事務方の皆さん、医師・看護師の方々、患者会の皆さんに感謝を申し上げます。もちろん妻と子どもたち、そして両親にもです。

 ご興味お持ちの方は日本骨髄バンクのwebサイトドナー登録のページもぜひ。


 超長文をお読みくださり、ありがとうございました。
 これからも今まで通りがんばっていきます。


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