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”#社会保障、はじめました。”読みました。


 ”#社会保障、はじめました。”(2018年6月20日 第1刷発行)を読みました。

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 著者は読売新聞 編集委員の猪熊律子さん。
 2013~2014年に読売新聞webサイト、ヨミドクターで「一緒に学ぼう 社会保障のABC」という連載があり、その執筆者です。

 この本を知ったのは権丈先生のツイートです。
 版元ドットコムというサイトでの紹介も良いです。


 この本は両面から読み進められます。

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 <立ちすくむ国を生き抜くために知りたかったので、>編と<高校生・大学生がポジティブに語ってみたら、>編です。それなりに仕組みを知ってから議論(ここでは「カフェ」)を読むほうが良いと思いましたので、読んでもらいたい順に取り上げます。


 いつも通り、アウトプットとしていくつかポイントを引用させていただいての所感を書くスタイルです。

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<立ちすくむ国を生き抜くために知りたかったので、>

■第1章 社会保障の基礎知識
・国民皆保険・皆年金は当たり前、は日本だけ? p005~

■第2章 国民皆年金の歴史
・コラム 当時から着目されていた高齢者問題 p031
・コラム 国民皆年金達成時の「証言」 p042~


 歴史をシンプルに知ることができます。読み進めやすいです。

 取り上げましたコラム2つは秀逸で、特に2つめの「証言」は推定御年95歳?と思われる元厚生省 年金局長さんのインタビューでして、思わず2004年の著書をネットで衝動買いしてしまいました。ここのコラムは立ち読みでも構わないくらい(すみません!)超おすすめです。


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■第3章 国民皆保険の歴史
・国民健康保険税(国保税)の創設 p058~

■第4章 国民皆保険・皆年金の今とこれから
・少子高齢化の進行がもたらす問題 p098~

■あとがき


 あとがきで権丈先生のお名前が登場します。大学生の登場する次のパートでは権丈先生のゼミに属する学生さんも登場します。
 にもかかわらず、p101に書かれているような公的年金の賦課方式と積立方式の件、なぜ著者は積立方式のマイナス点(というより、ありえない点)をもっときちんと書かれていないのか不思議でたまりませんでした。5分の2ページ分くらいの余白があるにもかかわらず、です。

 この点が非常に残念でしたが、皆保険・皆年金のとらえ方・これまでの流れを知ることができるという意味合いにおいて、とても読みやすい文量だと思います。


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<高校生・大学生がポジティブに語ってみたら、>

●社会保障、はじめます。
・高校のときは「年金は破綻するぞ」なんて言ってる友人がいると、制度のことを知っていて賢いなと思っていたけど、実際に自分で勉強してみると間違っている p0一五

●社会保障の哲学カフェ、はじめました。
・カフェにいるようにくつろいで、お茶やお菓子とともに、ざっくばらんに語り合える雰囲気をつくっています。 p0二二
・高齢者偏重の社会保障を若者世代に振り向けよという議論があるが、どう思うか p0三三~
・お金持ちに年金を給付することは必要なのか 子育て支援の財源はだれが負担するのか p0六四~
・社会保障の教育は重要 p0七六~

●社会保障の哲学カフェのすすめ
●社会保障、もっと知りたい!


 いやー、すごいです。高校生と大学生でこんな話し合いができるなんて。突飛な意見もありますし、読み手としては知識を得るための本という役割にはなっていない部分だとは思いますが、これだけの展開を高校生と大学生で進めている事実は「すごい」というありきたりな表現しか出てこないくらいすごいです。良い刺激をいただきました。

 私も高校生や大学生のころに登場されている学生さんたちのように学ぶ機会があったらなーと思う反面、今でこそこれだけ興味を持って情報と接することができていますが、当時に社会保障を学ぶ機会があったとしてもどれだけ身になっていたのかはもちろんわかりません。
 だからこそ余計に、登場されている学生さんたちを大応援です。


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 背景を知る意味合いにおいて、この本の<立ちすくむ国を生き抜くために知りたかったので、>編はお勧めできます。

 でも、<高校生・大学生がポジティブに語ってみたら、>編を誤解なく読み進めるためにはある程度の知識が必要です。正確な情報を持っていないと議論に出てくる内容に流されていしまう可能性があるからです。

 いつもの通り、前提となる情報としてお勧めなのはこちらです。
 ”ちょっと気になる社会保障 増補版”読みました。

 

 実名と写真付で登場されている高校生・大学生の皆さんが何年か後にこの本を読み返されたときにどんな感想を持たれることになるのか、また将来において社会保障とどのように関わる人生を歩まれることになるのか、とても興味深いです。
 僭越ながら、京都より大きくご期待申し上げております。


 長文をお読みくださり、ありがとうございました。



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