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「働く人のダブルケア ~育児と介護の同時進行~」受講してきました


 先日シンポジウムを受講してきました。
 働く人のダブルケア ~育児と介護の同時進行~

 ダブルケアとは育児と介護の同時進行のことです。
 詳細はリンク先をご参照ください。


 講演は横浜国立大学大学院 国際社会科学研究院 相馬直子教授による「ダブルケアの現状 ~企業における対応とその課題~」ということで、今後求められるダブルケアへの企業の対応についてお話しでした。
 運営者である女性活躍支援拠点 京都ウィメンズベースという団体に所属されている弁護士さんからお誘いがあり、受講したという経緯です。

 私の視点でポイントを箇条書きします。

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・講師は小学生のお子さんと認知症で重度の脳梗塞を発症した80代の父のダブルケアを経験

・働き手の目線でダブルケアをしながら働くことが当たり前な社会へ
・企業・世帯・地域コミュニティ・国/自治体の制度の連携

・100のダブルケア世帯があれば100通りのダブルケアの実態がある
・非同居の中距離とは往復3時間と定義

・地域・親族ネットワークの縮小、家族機能の変容
・男性の関わり、家庭内や社会の性別役割分業の見直し
・ダブルケアという問題の社会的認知を広める

・地域包括支援センターの包括的な相談支援システムのマニュアルにダブルケアも含まれるようになった
・2016年4月に内閣府から公表された実態調査で25万人

・複合的負担感(複数回答、回答数138)
 女性の1位は「精神的にしんどい」 73.1%
 男性の1位は「子どもの世話を十分にできない」 50.7%
 「経済的負担」は女性5位(44.8%)、男性2位(49.3%)。
 女性の2位は「体力的にしんどい」 65.7%

・ダブルケアに関わる理由(複数回答、回答数205)
 女性の1位は「自分以外に主にできる人がいない」 62.4%(男性は35.7%)
 男性の1位は「自分の希望で主に関わりたい」 60.7%(女性は43.0%)
 
・ダブルケアと仕事の両立のために職場で必要だと思うこと(複数回答、回答数436)
 男女ともに1位は「休暇を取りやすくする」(女性50.9%・男性46.9%)、2位は「柔軟な出社時間」(女性49.1%・男性36.7%)

・規範(義務感)・人的資源・公的および企業内の制度
・ダブルケアは人を引き寄せ、支え合いを作る「磁石」であり、いくつかの課題を引き寄せる「磁石」でもある

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<所感>

・女性側の視点を強く感じるシンポジウムでした。ダブルケアの事例紹介で、夫(男性)はそもそも存在しないのが当たり前の前提だったり、企業や社会に問題提起する前に身近なコミュニケーションが先ではないかと感じたりしました。もちろんシングルの存在を無視しているつもりはありませんし、夫の協力を得るためには企業や社会が変わらないといけないのはわかっているつもりです。でも、あまりにも女性が1人で乗り越えていくものというような流れを感じてしまって疑問でした。

・個人的に「女性のための」(※)や「イクメン」など、性でくくる言葉が苦手です。さまざまな問題を明らかにするために積極的に使っていかないといけない時代なのかもしれませんし、多くの苦しみや悲しみがあるからこそ出てきた表現だとわかっているつもりです。いつの日かこういった表現を使わなくても良い社会になることが理想なのだと常々感じます。

 ※ お金に関することで「女性のためのマネーセミナー」というような偏った広告が多いので余計に良い印象を持てないのかもしれません。「男性のためのマネーセミナー」では集客が難しそうですものね。

・ダブルケアに限定されることではありませんが、家庭の経済的負担を考えるうえで役立てるのはファイナンシャルプランナー(FP)に間違いありません。社労士さんの関わりが多い分野のようですが、FPも含まれて良いと感じました。

・日々私が相談を受けるなかではダブルケアに該当する家庭が顕著に出てきているわけではありません。でも予備軍と呼べるような家庭は確かに存在します。社会の有り様とともに、こうしてたくさんの方々が考えておられることにある意味で安心を得ることのできたシンポジウムでした。

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 開会あいさつで京都府の課長さんがお話をされるなど、開催にあたっては本当に大変な調整などがあったのだろうと、運営側の皆さまに敬意を表します。

 お誘いくださった弁護士のYさん、希少な機会をありがとうございました。


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