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「がんってなに? 知っておきたい病気の基礎知識」受講しました


 週末に受講してきました。

 がんってなに? 知っておきたい病気の基礎知識

 講師の大阪大学大学院・医学系研究科・病理学・教授 仲野 徹先生(ツイッターはこちら)とは、元ライフネット生命会長(現立命館アジア太平洋大学学長)の出口治明さんとのご縁で一度お話させていただいたことがあり、一般向けには次の2つの本がお勧めです。



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 2017年9月の「こわいもの知らずの病理学講義」は読ませていただき(感想記事はかけていません…)、2018年12月に出たばかりの「(あまり)病気をしない暮らし」はまだ購入できていません…すみません。

 講座の内容(概略)です。
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・30~40年前に比べてこの10~20年でがんのことはほぼわかるようになった。
 これから劇的に(わかることが)増えることはないと考えられる。

・病理学とは(wiki
・がんとは遺伝子の異常

・細胞の大きさは10μm(1cmの千分の1)
 最大の細胞は0.1mmの卵子
・65kgの大人で37兆個(昔は60兆個と言われていた)
 その2/3は赤血球(核がない)であり、250~300種類ある(昔は200種類)
・細胞はたんぱく質・糖・脂質・DNAでできている


・死者数
 年齢別では戦後あたりまで15歳未満が圧倒的に死んでいた。
 戦後あたりまで高齢者の死亡が少ないのは長生きが少なかったため
 今では子どもは本当に死ななくなった。医学の進歩。

 <参考> 人口動態調査 -厚生労働省-
 例:1900年(明治33年)の出生数は約142万人で新生児死亡は約11.2万人、乳児死亡は約22万人、子どものうち約23%、おおよそ4~5人に1人は生まれて数年以内しか生きられなかったんです。
 これが2017年では出生数は約95万人で新生児死亡は831人、乳児死亡は1761人ですから約0.27%です。劇的すぎる改善です。


・がんの死亡者数は増えているのは高齢者が増えているからであって、年齢調整を入れると明らかに減っている。
・がんのほとんどは上皮性(悪性)で遺伝子の変異、1/100が肉腫

・遺伝子とは60億にもおよぶAGCTの対をつくった並び方
 60億のうち21000がたんぱく質を作る情報
 この対がほどけてコピーを作るのが細胞分裂
 おおよそ10億に1つミスが起こる

・がんとは5~6個の変異の蓄積
 白血病は2つ、小児がんも少ない変異で発動

・年取らないとがんになれない
 変異が1つできてからがん(塊)になるには10年

・近藤誠氏の主張はアホ、まったくのウソ
 本が売れているからと言ってだまされないでほしい


・昔の抗がん剤は細胞の増殖を抑えるタイプだった。
・分子標的療法
・オプジーボは2~3割の人にしか効かない

・医療経済
 年齢別にするのは日本では難しいので、お金で命を買う時代が来る?
 米国や英国は300~400万円が基準
 日本では珍しい治療で最大4000万円でも使えてしまう
 これでは社会がもたない。


・予防するには次の5つをさける
 たばこ・紫外線・ピロリ菌・ウイルス(肝炎)・HPV
 たばこを吸っていて長生きしている人はたまたまの例
 炎症が起こると細胞分裂が増え、コピーミスの機会も増える

・酒は適量でと言われるが、適量でやめられる人はそもそもの生活習慣が良いのでは?

・がんは「運」である
 長生きの時代なので、どうせ2人に1人はがんになる


・人生観
 がんになっても治療しないと言い切っていた専門家もいざがんになると「1日も早く治療を」と変わった。

・民間療法とか食事療法とか意味がない。好きなものを食べて良い。

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<所感>

 真っ当ではない情報をバッサリと切ってくださって、この講座は一般向けでしたからこういった情報に初めて触れる人には強いインパクトで残ったと思います。
 HPVワクチン(いわゆる子宮頸がんワクチン)は効果があることを強く主張されながらも、中学生前後の女性に発生しやすい神経症状が仮に注射をきっかけに発生してしまったら困るので推奨しにくいと濁しておられたのも印象的でした。

 <過去参照記事> ”10万個の子宮 ~あの激しいけいれんは子宮頸がんワクチンの副反応なのか~”読みました。
 (何度でも何回でも書きますが、ワクチンの有無で神経症状の発生数に違いはありません。私は将来的に娘には必ず受けさせます。できれば長男と次男も受けさせます)

 遺伝子や細胞分裂(コピー)の仕組みなどをおもしろおかしく原理原則を知る機会はなかなか無いので勉強になりました。

 がん検診の本でお勧めを挙げておられました。
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 私も以前に読みまして、近いうちに感想を書ければと思っています。

<追記>
 仲野先生とこの本の著者、近藤慎太郎医師の対談が公開されていました。講座でお話しされていた内容もいくつか入っていますのでお勧めです。
 ・医者と患者の「溝」、将来はAIが埋めてくれる? - ナニワの病理学教授が本音で語った医療の課題(前編)
 ・あなたが怪しげな医療情報に惑わされないために - ナニワの病理学教授が本音で語った医療の課題(後編)
<追記ここまで>


 講座後に「標準治療」という言葉が出てこなかったことを質問させていただきましたところ、新刊の1つの章でかなり多めの文章で解説されているということで、新刊「(あまり)病気をしない暮らし」も読まねばなりません。

 仲野先生はノーベル賞を受賞された本庶先生の研究室におられました。本庶先生の裏話もふんだんに盛り込んでくださって、でもこれはここでは書けません…(笑)

 仲野先生、ありがとうございました!!



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