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”日本経済が黄金期に入ったこれだけの理由”読みました。


 ”日本経済が黄金期に入ったこれだけの理由”(2018年10月5日 初版発行)を読みました。

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 著者は久留米大学商学部教授の塚崎 公義(つかさき きみよし)さん。facebookはこちら。個人アカウントのようですが、全公開かつ投稿頻度も高いのでリンクをご紹介しておきます。
 塚崎さんとは面識がありませんが、SNSで共通の知り合いが多いようでお名前をよく拝見します。興味深いタイトルの本でしたので手に取ったという経緯です。


 いつも通り、アウトプットとしていくつかポイントを引用させていただいての所感を書くスタイルです。当然ながら引用部は私の独断と偏見によるものです。

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■悲観バイアスに囚われるな -はじめに p2~
■「明るい未来」の予言は自己成就すると信じよう -おわりに p212~

・多くの物事には良い面と悪い面があります。それなのに、読者はいつも悪い話ばかりを聞かされているのではありませんか? p3
・「大丈夫です」と言うだけだと、何も考えていないような誤解を人々に与えますし、そもそも話が面白くありません。(中略)不幸な話のほうが興味深く聞いてもらえるのです。 p5


 この本で驚かされるのは「(笑)」という記述の使われている頻度です。こういった本で使われるケースは少ないと感じます。「はじめに」を読んでいて最初に出てきたときは「この本、大丈夫か?」と思ってしまいました。
 でも、読み進めていくとわかります。塚崎さんの文章スタイルだったんです。そして、「(笑)」が使われている理由も説明がありますが、それがよく伝わってくる内容です。
 私もこのブログなどで当たり前に「(笑)」は使いますので、あまりつっこみたくはないのですが(笑)、とはいえちょっと使い過ぎでは!?と感じるほどです。

 著者名とタイトルを見て、ちょっと難しい話かなと感じられるかもしれませんが、「はじめに」と「おわりに」をまず読んでみてもらいたいです。読んでみたいと思える動機付けがたくさん書かれています。


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■1章 バブル崩壊後の日本経済が長期低迷にあえいだ理由

・人々が勤勉に働いて倹約をしたから財政が赤字になった p24
・賃金低下でデフレが起こり、スパイラルに陥る p32~
・【補論】低成長が””長引いた理由を考える p40~


 「おわりに」でも触れられている労働生産性について書かれています。日本は労働生産性が低いという論調は私も数年前までは信じていました。報道の通り、長時間労働に起因しているのだと思っていました。実際にはそんな簡単な話ではないのに、そんな論調しか報道されなければ信じてしまって不思議ではありません。でも、違うんです。


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■2章 日本経済を蝕む病巣は「労働力不足」で快復する

・2000年のITバブル崩壊よりもリーマン・ショックのほうがはるかに深刻な不況だったのに、日本の失業率は同じだったのです。 p49
・非正規労働者の正社員への登用が進むと、統計上は正社員の給料が下がったように見える場合があります。 p53
・【補論②】「過剰サービス競争」の沈静化を期待 p70~
・【補論③】アベノミクス5年で上がらなかった物価が、これから上がると考える理由 p74~


 あおられた見出しだけではなくデータをきちんと読み、そのデータの背景を知ることのたいせつさがわかる章です。

 
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■3章 財政破綻せず。ゆえに性急な再建策はいらない

・財務省は「財政赤字が大きすぎると、将来財政が破綻する可能性がある」とは言っていません。 p84
・財政赤字の問題点は「人々が財政破綻を恐れてバタつく」こと p85~
・財政破綻の定義をしないと議論にならない p86~
・【補論⑤】国債暴落をシミュレーションする p106~


 痛快な読み物です。世の中の悲観論者の方々が発している内容が滑稽に見えてきます。この章だけでも多くの人に読んでもらいたいです。


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■4章 じつは、とても素晴らしい日本的な経済システム

・【補論②】日本の労働者は素晴らしい p142~


 この章は補論②を先に読んでから元に戻って読み進めることをお勧めしたいです。1章ともつながってきます。


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■5章 30年後にぶつかる難題に備え今すべきこと、考えるべきこと

・「毎年の新生児の数で年金額を増減する」と約束すれば、高齢者は少子化対策に熱心な政治家に投票するようになり、政治家も少子化対策に熱心になるでしょう。 p148
・子ども手当を月額10万円支給する p150~
・保育園の待機児童問題を解消する p152~
・とくに高税率を課すべきは、配偶者も子も親もいない被相続人の遺産 p168~
・「誰に我慢してもらうか」をしっかり考える p181~

 
 残念ながら実現されそうにないことばかり書かれているのですが、読んでみるとなるほど理にかなっています。子ども手当と保育園のことも項目名は普通ですけれど、本文は秀逸です。特に保育手当と自治体での選挙のことはなるほどと思ってしまいました。


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■6章 大災害、AIの発達…覚悟すべきサブシナリオ

・英語の勉強が不要になれば、日本人の競争力は高まる p190~
・完璧な防災は不可能だが、減災の努力は必須 p195~
・【補論】人工知能の時代に、人間に残される役割を考える p208~ 


 英語の件、私はずっとそれを待っています。新卒で勤めた会社から転職して以降、今で15年以上たちました。英語を使う機会は普段ありません。事務所や自宅の近所に住むご家族で英語圏の夫や妻はおられますけれど、皆さん日本語が堪能です。京都ですのでスペイン語・フランス語・中国語などで道を聞かれることは時々あります。でも、道案内程度は最低限の英語で可能です。広い意味でのコミュニケーションは近い未来にあるのだと願っています。


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 仮に多くの人がこの本に書かれている方向性を(すべてとは言いませんが)理解して生活し、発信し、投票したとすれば、とっても快適な世の中でしょうし、そうなることでさらに生まれてくる課題や技術や思考が楽しみに思えます。

 という起こりえない妄想にかられますけれど、前向きになれる本です。こんなにも余地があるんです。長く平行線をたどったり、時には後退したり、でも少しずつ変わっていく未来を楽しめるなんて良い人生ですよね。この素晴らしい人生を生きていくうえで、良い意味でさまざまな考え方があると知れる本です。お勧めです。

 

 日本は捨てたもんじゃないです。むしろ良いです。一緒に楽しみましょう。

 長文をお読みくださり、ありがとうございました。


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