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”医師が教える最善の健康法”読みました。


 ”医師が教える最善の健康法”(2019年6月25日 第1刷発行)を読みました。

 医師が教える最善の健康法

 著者は名取 宏医師(ペンネーム)。ブログ「ニセ医学への注意喚起を中心に内科医が医療情報を発信します」、ツイッターはこちら
 ツイッターでフォローしていまして、以前の著書も読み感想を書かせていただいています(感想のリンクはこの記事の一番下です)

 いつも通り、アウトプットとしていくつかポイントを引用させていただいての所感を書くスタイルです。

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■はじめに
■おわりに

・原則として医学論文として発表された疫学研究や公的機関が定めたガイドラインを参考(中略)なるべく日本人のデータを優先(中略)検査値などの間接的な指標ではなく、死亡や病気の発症といった生存や生活の質を評価した研究を参照(中略)根拠ある「最善」を目指しました p4

・ふだん診察室では伝えきれない健康や体の基本からエビデンスのことまで、なるべくわかりやすく詳しく解説するように心がけ(中略)ふだんは病院にかかる機会の少ない人にまで、より多くの人たちに伝わるようにと思って書きました p214


 本の紹介の際にはいつも書きますけれど「はじめに」の流れで本編を読む前に「おわりに(あとがき)」を先に読むスタイルをお勧めします。
 本の目的・著者の思いを先に知ることができるからです。何のために書かれた本なのかを知っておく動機付けは本当に大事です。


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■第1章 × ついやりがちな間違った健康法

・極端な糖質制限食のリスク p12~
・医師も正しいとは限らない p21~
・無意味な我慢は人生の大損 p24~
・「これなら絶対に安全」はない p31~
・検診には利益もあれば害もある p42~
・過剰な検査や治療 p52~


 私の知り合いにも私から見ると過剰な糖質制限を高額な費用を掛けて取り組んでいる人がいました。確かに短期間で体は引き締まって筋肉が付き、それまでのいわゆる中年体型(!)に比べれば健康的に見えます。筋力・体力がつくことでの日常生活の活性化というのでしょうか。疲れにくさなどは良い成果だと思います。でも、それを長く続けるのは長期的な死亡率の観点では危険度が上がっていたのだろうなとこの章を読んで感じました。

 検診のこともこうして情報がまとまっていると理解しやすいです。何でも受ければ良いってものではないんです。例えば人間ドックやがん検診でのオプションである腫瘍マーカー測定。私はがんの患者会のアドバイザーを務めていますので、治療段階における数値の判定の意味は理解しているつもりです。でも、健康な状態(治療中ではない状況)での測定に意味があるのか疑問でした。この章で解消できました。

 そして、最近報道でもよく見かけるようになった「少量の尿や血液でがんが発見できる」という研究段階の件です。年明けの報道でも1つありましたけれど、「ステージ0のがんも判定できるが、部位は特定できない」というような内容でした。これって大変な検査をたくさん受けることになるわけです。だって、どこにがんがあるのかわからないわけです。しかもステージ0ということで他のがん検診でも見つからない可能性だってあると思います。なので、こういった検査が普及することになれば仮にがんが見つかった場合にどう対応するのかもルール化されている必要があるといえそうです。

 米国をはじめとした各国での「賢く選択」(p58)という取り組みも参考になりました。個人的に大腸内視鏡検査のことがインパクトありました。1~2年に1回は必要なのかなと思っていましたが、まずは書かれていた年数の半分程度を目安にしようかなと考えています。

 <過去参照記事> 大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を受診しました。


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■第2章 ◎ ぜひやっておきたい健康法

・あらゆる病気を招く喫煙 p73~
・忘れられがちなワクチンの恩恵 p80~
・きちんと睡眠をとる p104~
・治療の前に、治療に集中できるだけの環境を整えることが大切 p130


 「おわりに」にも書かれていますが、シンプルです。氾濫する情報に惑わされるのがもったいないと思えるほどに裏技なんて存在しないわけです。

 BMI値も高いすぎるよりも低すぎるほうが死亡率は高いのもインパクトがありました。おかげさまで私も40歳前後からBMI値は年相応に上がってますので、気にしなくて良いと知れて安心です(笑)
 2019年から睡眠には手を入れましたので、あと足りてないのは適度な運動ですね…これは何とかせねばと思っていますが、もう少し子どもたちが大きくならないと時間の確保が難しいかなーと(言い訳を)考えています。

 <過去参照記事> ”極論で語る睡眠医学”読みました。


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■第3章 ○ できたらやっておきたい健康法

・食べすぎ注意の赤肉や加工肉 p141~
・「自然毒」にも要注意 p164~
・成人が接種を検討してもよいワクチン p175~
・日本とアメリカ合衆国では疾患リスクも医療制度も違うので、そのまま日本には適用できません p180
・コラム3 まさに医者の不養生 p194


 豚肉・牛肉を中心とした赤肉、ハム・ベーコン・シーセージなどの加工肉のデータも普段から多くを摂取する米国に比べて元々少ない日本では、という観点になるほどと思いましたし、過剰に「自然食」を取り入れている人への疑問もシンプルに解消できました。
 昔(戦前以前)に比べてこれだけ長生きの時代です。医療・食など、昔を回帰することを否定するつもりはありませんが、衛生環境などを考えると答えは出ていると思うんです。背景に根拠あるデータを感じさせない情報発信は何事もポジショントークだなーと感じます。


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■特別編 エビデンスの見方

・エビデンス(科学的根拠) p196
・データに基づかない「専門家の意見」は症例報告よりもエビデンスレベルが低い p205
・パラシュートに関する研究 p206~


 個人的にここが大事すぎる内容だと思っています。現代の科学を信じられない人には何を言っても通じないのだと思いますが、そんな人はほんのひと握りのはずなので多くの真っ当な方々には適切に知るための根拠を理解しておくのが大事です。ここを押さえておくことができれば、いわゆるトンデモ情報に惑わされたり迷わされることは無くなります。繰り返しますが、ほんま大事です。


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 これをやったら「健康になる!」「がんが治る!」「病気にならない!」これらはいかにあおられた見出しなのかをわかりやすく知ることのできる本です。人の体は複雑です。何事も極端はダメだと根拠を持って理解できる本です。

 

 今回の著者、名取宏医師の本は過去にも感想を書かせてもらったことがあります。
 ”「ニセ医学」に騙されないために ~危険な反医療論や治療法、健康法から身を守る~”読みました。
 新装版も出ているようです。お勧めです。


 なぜFP(ファイナンシャルプランナー)の私がこういった情報を取り上げているのかといえば、がんの患者会のアドバイザーを務めていることで医療関係の情報にアンテナが高くなったことが始まりです。
 有象無象のデマやトンデモ情報があふれ、ごく少数のようですが医師資格を持った人でも根拠のない・高額な自己負担の発生する情報(公的医療保険適用外の自由診療など)をweb・SNSで拡散していたり本を出していたり、科学的に根拠のない情報を影響力の強い新聞・テレビ・雑誌などが無責任に垂れ流していたり、本当に悩ましいと感じることが多々あるからです。
 この数年は真っ当な医療関係者、特に医師からの発信が増え、SNSなどにおいても情報量において安定感が出てきています。ものすごくありがたいことです。そういった真っ当な情報を発信してくださっている(と私が感じる)医療関係者の方々の本(情報)はたくさんの人に知ってもらいたいと思う次第です。

 長文をお読みくださり、ありがとうございました。



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