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「確定拠出年金統計資料(運営管理機関連絡協議会提供)2019年11月作成版」読みました


 企業年金連合会確定拠出年金統計資料(運営管理機関連絡協議会提供)」2019年11月作成版を読みました。

 2019年3月末までのデータが2019年11月28日に公開されました。詳細なデータは連合会の会員でなければ見れないものが多いのですが、この資料は全公開されています。


 正直に書きまして、最近は企業型確定拠出年金(企業型DC)の講師を務める機会は減ってきていますが、相談をお受けするなかで企業型DCの導入企業にお勤めの方々から情報を確認し、さまざまにアドバイスする機会は変わっていません。
 なお、今回の資料にはiDeCo(個人型確定拠出年金)の情報もあります。気になった部分を取り上げます。

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■企業型DC加入者と資産額の年代別割合(p7)

・50代 約166万人 24.0%
・40代 約220万人 31.9%
・30代 約177万人 25.6%
・20代 約122万人 17.6%
・10代 約 4万人  0.6%

 iDeCoの加入者数推移を毎月まとめています。その際に企業型DC加入者数のデータも目に入るので、現状で約720万人というのは把握しています。ただ、その年代別の内訳は気にしたことがなかったです。30代より50代が少ないのが意外でした。


■資産額は全体で約12.5兆円(p11)

・50代 約5.70兆円 45.4% 1人あたり約344万円
・40代 約4.21兆円 33.6% 1人あたり約191万円
・30代 約1.45兆円 11.6% 1人あたり約 82万円
・20代 約0.28兆円  2.2% 1人あたり約 23万円
・10代 約 18億円  0.0% 1人あたり約 5万円

 確定拠出年金はいわば積み上げ退職金(の一部)です。毎月の拠出額が多くなるのは年齢が上になってからですし、加入年数が長いことも大事です。
 なお、iDeCoの資産額は全体で約1.9兆円(p41)です。

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■企業型DCの老齢給付(60歳以降の受け取り)(p12)

・一時金  62828件 73.0%
・分割受取 23232件 27.0%

 分割受取(年金形式)を選ぶ人が意外と多くて驚きました。
 60歳以降65歳までの公的年金等控除を意図的に活用されている人がどれくらいおられるのかわかりませんが、公的医療保険・公的介護保険の保険料への影響をどこまで理解のうえ選択されているのか、とても気になります。


<追記>
 ツイッターでこの記事のリンクを紹介しましたところ、確定拠出年金にお詳しい専門家さんからご指摘をいただきました。

 なるほど!と思って、データを残していた2018年度末の情報を確認してみました。
 ・一時金  56444件 71.8%
 ・分割受取 22141件 28.2%
 累積に納得です。間違いなさそうです。分割受け取りを新規に選択した人から分割受け取りを終了した人を引いた件数が1091件ということですね。ご指摘ありがとうございます!


■老齢給付額(p12)

・一時金  約2879億円
・分割受取 約 165億円

 詳細は次に書きますが、投資信託など運用商品の保有比率は50代47.0%、60代(運用指図者)37.6%ということで、イメージとして給付額3000億円の約4割である約1200億円が現金化(投資信託の解約)されていることがわかります。
 掛金額の総額は約1兆円で、全体では投資信託の保有割合が5割弱です。現状はそこまで巨額な売却インパクトではなくて安心しました。

 2001年10月に制度の始まったDCです。今後受け取りが始まる方々のほうが巨額なインパクトになっていくことでしょう。それでもこれから積み上げていく人の拠出総額も大きいので問題のないことだとイメージできました。
 なお、iDeCoの掛金額は約1800億円、老齢給付の総額は約900億円(p41)です。

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■企業型DCの運用商品選択状況(p14)

・2016年3月末
 54.4% 預貯金・保険
 44.7% 投資信託・金銭信託等

・2019年3月末
 50.6% 預貯金・保険
 49.0% 投資信託・金銭信託等

 株式市場の好調さに引っ張られたものではなく、純粋に投資信託の積み上げに意識が向いている結果だと信じたいです。


■投資信託のパッシブ・アクティブ比率(p18)

・国内債券・外国債券
 パッシブ:アクティブ = 8割台:1割台

・外国株式
 パッシブ:アクティブ = 7割台:2割台

・国内株式
 パッシブ:アクティブ = 5割台:4割台

 国内株式はアクティブ型の商品ラインナップが多い傾向がありますものね。パッシブ1~2本で、アクティブが3本以上とか…悩ましいと感じていることが結果にも表れています。

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■企業型DCの年代別の運用商品選択状況(p44)

    預金  国内債券(パッシブ・アクティブの合計)
・50代 35.3%  5.5%
・40代 31.9%  6.0%
・30代 33.5%  6.0%
・20代 42.0%  5.7%
・10代 45.2%  5.5%

国内株式 パッシブ アクティブ
・50代 6.8%  6.1% (計12.9%)
・40代 7.2%  6.4% (計13.6%)
・30代 6.8%  5.6% (計12.4%)
・20代 4.8%  3.7% (計 8.5%)
・10代 3.6%  2.8% (計 6.4%)

外国株式 パッシブ アクティブ
・50代 6.0%  2.0% (計 8.0%)
・40代 7.7%  2.5% (計10.2%)
・30代 8.8%  2.8% (計11.6%)
・20代 6.1%  2.0% (計 8.1%)
・10代 3.7%  1.2% (計 4.9%)

バランス パッシブ アクティブ
・50代 12.4%  3.7% (計16.1%)
・40代 13.4%  4.5% (計17.9%)
・30代 13.3%  4.4% (計17.7%)
・20代 12.8%  4.5% (計17.3%)
・10代 13.3%  5.0% (計18.3%)

 個人的に興味深いところを書き出しました。

 10代 預金比率が高いけれど株式の保有は低く、でもバランス型の保有は他の年代と変わらない。バランスのアクティブを選んでいる比率が最も高いです。まだ10代ですから投資信託への理解は特に難しいかもしれません。

 20代 預金比率が高いけれど株式にはまだハードルを感じている?大卒新人さんも投資や運用の理解は10代とそれほど変わらないのかなと思う反面、株式の比率が10代より若干高いこと、国内株式と外国株式の保有比率の差が最も小さいことに頼もしさも感じます。

 30代 外国株式の保有比率が最も高く、国内株式もあわせた比率の合計も最も高い年代です。これからの世代はこの傾向かなと感じます。でも、個人的にはもっと高くても…と思います。

 40代 国内株式の保有比率が最も高く、バランス型を選んでいる比率も高いです。預金の保有比率は最も低いです。国内株式でアクティブを選んでいるのが最も高いのが気になります。

 50代 外国株式より国内株式を選ぶ傾向です。預金比率が30~40代より上がっているのは手仕舞い(受け取り)を意識した傾向でしょうか。

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 個人型(iDeCo)の年代別の運用商品選択状況も興味深いので別記事でまとめたいと思います。


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